データの動きを見逃さない: おすすめしたいカスタム アラート 6 タイプ | Google Analytics 日本版 公式ブログ

Google Analytics 日本版 公式ブログ - 2016年10月27日(木) 16:39
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この記事は、Google アナリティクス ソリューション 英文ブログ記事 「Never Leave Your Data Unattended: 6 Custom Alert Areas You Shouldn’t Miss」を元に構成しております。
Alexander Rehnborg 氏は、Visma Spcs 所属の SEO スペシャリストです。Visma Spcs は Google アナリティクス 360 の顧客企業で、スウェーデンの小規模ビジネス オーナーの半数以上に会計ソフトを供給しています。

いつものように Google アナリティクスにログインして解析データを確認してみたら、目を離している間に重要な動きがあったことに気付いたが、今更どうすることもできない。そんな経験はないでしょうか?マーケティング担当者として、「後手に回る」事態は何としても避けたいところです。

消費者行動、ウェブサイトのパフォーマンス、トラフィックの傾向などは、往々にして前触れなく急激に変化します。一方で、マーケティング担当者によるアナリティクス データの監視は手作業の定期確認に頼っていることが多く、その頻度も週に数回、あるいは月に数回といったケースが珍しくありません。もしも重要な AdWords キャンペーンや商品ページのトラフィックが何かのきっかけで急増したときに、「現場」にいなかったばかりに適切な手を打つことができなかったら、悔やんでも悔やみきれないでしょう。

こういった事態を避けるために、この記事では Google アナリティクスで自動監視するべきポイントを、6 つのタイプに分けて解説したいと思います。自動監視には、Google アナリティクスのカスタム アラート機能を使います(個人的にもっと利用されてしかるべきだと感じる、とても便利な機能です)。なお、順次展開中の新しい管理画面では、カスタム アラートの使用手順が変更されています。まだご覧になっていない場合は、先日の発表をご参照ください。

自動インサイトとカスタム アラート
幸い Google アナリティクスには、重要なデータの変化を監視し、瞬時にお知らせする機能がいくつか用意されています。その中でも特に大きな意味を持つのが、カスタム アラートと自動インサイトです。このうち自動インサイトとは、Android および iOS 向けに提供されている Google アナリティクス アプリに最近追加された「アシスタント」機能のことです。この機能では、機械学習によってデータから重要なインサイトを抽出し、即座にお知らせします。

一方のカスタム アラートでは、特に関心のある KPI に対応したアラートを自由に作成し、メールと SMS の両方で通知を受け取るように設定することができます。受け取ったアラートのリンクをクリックすれば、通知内容に対応する指標だけに絞ったダッシュボードが表示されます。

これによって、他の情報に気を取られることなく、変化の原因をすばやく調べることができます。カスタム アラートの設定を行うには、監視したいビューで左側のサイドバーにある [カスタム] セクションを展開し、[カスタム アラート] を選択します(下のスクリーンショットを参照)。

カスタム アラートの設定は左側のサイドバーの [カスタム] セクション内

おすすめしたいカスタム アラート 6 タイプ
監視を要するデータ変動の範囲と規模は、ビジネスによって異なります。このため、アラートの具体的な設定は、サイトで実際に見られる一般的な動きを反映して、常に調整していくことが重要です。まずは 6 つの基本的なタイプに分けて、監視するべき指標を確認していきましょう。なお、この解説は LunaMetrics の優れたガイドを参考にしたものです。

1. 緊急事態データの監視を行うべき理由として真っ先に思い浮かぶのはこれでしょう。何か問題が起きたときに、なるべく早く気付けるようにすることです。アラートの頻度は最短で 1 日周期なので、Google アナリティクス アプリのアシスタント機能で表示される自動インサイトも注視することをおすすめします。このセクションのアラートは、基本的に [期間] を「日」に設定して使用します。

平均読み込み時間(秒)が 10 秒を超える(期間:日)

このアラートは必要な数だけ設定しましょう。サイト全体のほか、ビジネス上重要なページも個別に監視します。読み込みに時間がかかると、エンゲージメントやコンバージョンが滞るだけでなく、オーガニック検索でのランクにも悪影響が生じます。読み込み時間に関する問題が頻繁に発生する場合は、技術的なトラブルの可能性があります。サイトの現在のパフォーマンスを把握したい場合は、Google の PageSpeed Insights を利用しましょう。

セッションが発生していない(期間:日)

このアラートが届いたら、すぐに調査に入ったほうがいいでしょう。

目標 X のコンバージョンがない(期間:日)

e コマース プラットフォームなら商品の購入や試用版・デモ版のダウンロード、サービス提供型のビジネスなら問い合わせフォーム送信を検出するイベントなど、重要なコンバージョンがまったく発生していない場合に通知するアラートです。コンバージョン測定の KPI や通常時のコンバージョン発生頻度に応じて、日単位だけでなく週単位での監視も行いましょう。

2. パフォーマンス
サイトのパフォーマンスの監視は、定期的な健康診断のようなものです。パフォーマンスの変動は自然に発生するものですが、サーバー側の問題やコードの質の問題など、さまざまな要素によってサイトのパフォーマンスが低下し、ビジネスに悪影響が出ているケースも決して珍しくありません。このセクションのアラートは、トラフィック量やニーズに応じて、週単位または月単位で設定します。なお、値の増加と減少は、それぞれ別個にアラートを作成して監視する必要があります。

平均読み込み時間(秒)が 10% 以上増加 / 減少している(期間:月)

どんなサイトでも定期的にチェックするべき点です。まずサイトで最も読み込み時間が長いページを手作業で特定し、上位 5 ページないし 10 ページをカスタム アラートで監視するといいでしょう。

平均リダイレクト時間(秒)が 10% 以上増加 / 減少している(期間:月)

大規模なビジネスのサイトなどで、頻繁にリダイレクトを行っている場合は、それによってユーザーへの応答スピードが低下していないか把握しておきましょう。ウェブサーバーによっては、大量のリダイレクトをうまく処理できないことがあります。

サーバーの平均応答時間(秒)が 10% 以上増加 / 減少している(期間:月)

ウェブサーバーに十分なパフォーマンスを要求する企業はもっと増えてもいいはずです。特に小規模なビジネスは、パフォーマンスの不十分なサーバー業者と契約するというミスを犯しがちです。

ページの平均ダウンロード時間(秒)が 10% 以上増加 / 減少している(期間:月)

コンテンツ マーケティングを扱っている場合に、サイト全体に対して設定しておくと便利なアラートです。ダウンロード時間が長いページを調べてみたら、不必要に大きい画像が埋め込まれていた、といったケースは珍しくありません。特に大人数でコンテンツ編集を行っている場合は注意が必要です。

3. トラフィック
トラフィックはオンライン ビジネスの生命線です。コンテンツ マーケティングの戦略を組み立て、サイトのどの部分で期待どおりの成果が上がっているか把握するためには、トラフィックの監視が欠かせません。この用途のアラートは、1 週間周期を基本とするのがいいでしょう。

ドメインなしのセッションが 10 件を超える(期間:週)

それほど重大な問題とは思えないかもしれませんが、素性のわからないドメインからのセッションが多い場合、スパムの標的になっている可能性があります。[適用対象] に「ホスト名」を選択し、正規表現一致で値を「(not set)」と指定します。

コンテンツに対するセッションが 10% 以上増加 / 減少している(期間:週)

コンテンツ マーケティングを主旨とするサイトで、週単位に設定するといいでしょう。ボリュームはビジネス内容に応じて調整します。コンテンツを含む URL が複数ある場合は、正規表現による指定が便利です(例: 「content-a|content-b|content/small-business」)。

新規セッション率が 20% 以上増加 / 減少している(期間:週)

トラフィックの性質の変化を把握するのに役立つアラートです。たとえば、前の週に実施した PR キャンペーンによって新規セッションが増えたかどうか調べることができます。

AdWords 広告のクリック数、費用、クリック単価、または表示回数が 20% 以上増加 / 減少している(期間:週)

検索エンジン マーケティングの担当者に喜ばれること請け合いのアラートです。週単位で有料検索トラフィックの推移を把握し、大きな変化があった場合にどのキャンペーンが影響したものか調べることができます。


4. エンゲージメント
ユーザー エンゲージメントについては、定番の指標に絞って監視するほか、ソーシャル メディア関連の指標を織り交ぜることでソーシャル チャネルでの成果を調べる方法が考えられます。この用途では、日単位のアラートと週単位のアラートの両方が役立つでしょう。

ソーシャルでの共有が 5 件を超える(期間:日)

具体的な設定はビジネスによって異なりますが、サイトのコンテンツがソーシャル メディアで共有(シェア)された回数は、コンテンツ マーケティングにおいては欠かせないデータです。

直帰率が 10% 以上増加 / 減少している(期間:週)

有効性について議論はあるものの十分に注目する価値のある指標で、エンゲージメント関連の改善点や問題点の発見に役立ちます。個々のランディング ページにそれぞれアラートを設定すれば特に効果的です。

平均セッション時間が 20% 以上増加 / 減少している(期間:週)

直帰率と同様、必ず有効な情報が得られるというわけではありませんが、ユーザー エンゲージメントに関する改善点や問題点の発掘に役立つ指標です。アラート内にあるレポートへのリンクをクリックすると、変更に寄与したページがハイライト表示されます。


5. コンバージョン
大規模な e コマースサイトでは、一般的なコンバージョン率だけでなく、さらに幅広いデータが求められるはずです。平均注文額(AOV)、収益額、トランザクション数などをアラートで監視すれば、有益な情報が得られるかもしれません。AOV などの指標は、オンライン販売している商品の種類や売上のトレンドに大きく左右されるため、幅広い変化を総合的に捉えられる月単位のアラートも有効です。

コンバージョン率が 10% 以上増加 / 減少している(期間:週)

設定しているコンバージョン目標の数によって、得られる情報は異なります。総合的なコンバージョン率の変動を監視するほか、重要なコンバージョン目標のそれぞれについて個別にアラートを設定するアプローチも考えられます。


6. 設定
アトリビューションの方法が原因でトラフィックの変化が生じるケースもあります。次のポイントと各種関連指標に注意しましょう。

AdWords のキーワードが「(not set)」のケースが 20% 以上増加 / 減少している(期間:週)

[適用対象] に「キーワード」を選択し、完全一致で値を「(not set)」と指定します。このアラートに反応があった場合、検索マーケティングの担当者と協力して、キャンペーンの設定に問題がないか調べる必要があります。

キャンペーン パラメータが抜けているセッションが 100 件を超える

徹底するのが難しいこともありますが、広告キャンペーンのリンクは可能な限り適切にタグ付けして追跡するべきです。適切なボリュームや期間はビジネスによって異なりますが、条件設定の一例としては [適用対象] に「メディア」を選択し、正規表現一致で値を「(not set)」と指定します。アラートが反応したら、検出されたセッションをさらに詳しく調べ、アトリビューションから漏れているトラフィックを明らかにしていきます。

終わりに
何年も Google アナリティクスを扱っているプロフェッショナルの方であれ、Google アナリティクス アカデミーで勉強中の初心者の方であれ、デジタル マーケティングに携わるすべての人にとって、アナリティクス データの自動監視は今や必要不可欠な要素となっています。ベテランになればなるほど、重要な変化を自分で探し出す代わりにアラートとして自動的に受け取ることの有効性を実感されていることと思います。とはいえ、アラートを受け取った後に必要な作業は、従来と変わりません。手間を惜しまずデータを分析し、的確なインサイトを掘り起こす姿勢が勝負を決めます。



投稿者: Daniel Waisberg / Valentina Borovaya(Google アナリティクス チーム)
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