「アフィリエイター別/日別/月別」レポートから課題と次の一手を見つける方法 | アフィリエイトの効果が出ていないEC事業者のためのアフィリエイト再入門講座 | ネットショップ担当者フォーラム

ネットショップ担当者フォーラム - 2016年8月19日(金) 08:00
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アフィリエイト広告におけるレポートの活用について(連載第15回)

「レポートをどのように見たら良いのか分からない」「情報を読み取りたいが、活用法が分からない」といったご相談をよくいただきます。ASP管理画面内に解説やマニュアルはありますが、「レポートの見方」は掲載されていても、「活用法」についてはほとんど言及されていません。

レポートはあくまで結果であり、全体の成果を把握するためのものです。数字の上がり下がりに一喜一憂しがちですが、その中から課題を読み取り、次回の施策に活用していくことが重要です。

ASP各社により個々のレポート機能に差がありますので、一般的な活用方法についてのみお話しします。

「月別レポート」で提携数と稼働数を把握

「月別レポート」は多くのASPで実装されています。定期的に目を通しておきたいレポートの1つです。商品を紹介してくれるアフィリエイターの数、つまり「提携数」を増やすこと、提携してくれたアフィリエイターがバナーやテキストの広告を掲載してくれている「稼働数」を上げていくこと、この2つが最初の指標となります。

プログラムがスタートしたばかりは提携数が少ないので、まずは1年間で提携数を2,000まで増やすことを目指します。「月別レポート」で、提携数と稼働数を毎月確認することを習慣にしましょう。

表1 月別レポートの例

アフィリエイター向けにキャンペーンを行った場合も月別レポートを見ましょう。施策を行った月のクリック数や販売額は伸びているか、キャンペーンを行っていない前後の月と比較することで、キャンペーンの効果を見ることができます。

「実際に効果はあったのか?」「前年に比べて実績はどう変わったのか?」といっことを読み取ることができます。

「日別レポート」でキャンペーンの効果や不正注文の確認を

次に「日別レポート」です。日別レポートは急激な成果が発生した場合、その要因の確認に活用できます。

表2 日別レポートの例

日別レポートは全体の把握だけではなく、「アフィリエイトID(ASID)」単位で確認できるASPがあります。

表3 アフィリエイトID(ASID)単位の日別レポートの例

「アフィリエイトID(ASID)」単位で個別に確認すると、例えば大手法人アフィリエイトサイトがメールマガジンを発行したタイミングや、トップ枠に露出したタイミングの効果測定などに使えます。

また、アフィリエイトID単位で見ると、インプレッションやクリックが発生した日のみで表示できます。前月と比較して急激に成果を伸ばしたアフィリエイターがいたら、念のため日別レポートで確認しましょう。上の表3の例では、「このアフィリエイターの露出は、報酬アップ期間の土日のみに片寄っている」と読み取れます。

リスティングに関する注意点

運用ルールで「アフィリエイターはリスティング禁止」としている場合、成果が掲載日に片寄りがある場合は要注意です。 広告主が禁止していても、土日や営業時間外にリスティングを出稿している可能性があるからです。

まずは「日別レポート」で確認し、疑いがある場合はアフィリエイトサイトを個別に目視して、サイト構成からリスティングで集客していると予想されたら、まずはこのアフィリエイトIDからの成果承認・キャンセル作業を一時保留。ASPに「不可解な成果が上がっている。リスティングによる集客の疑いがあるので調査してほしい」と問い合わせをしましょう。

アフィリエイターに直接連絡が可能な場合は「集客方法について確認したい。○日までに返信がほしい」と、期日を区切って問い合わせをしましょう。

調査の結果、運用ルールに反していると判明したら、成果をキャンセルするなど対応することになります。疑わしいからと一方的にキャンセルしてしまうのではなく、「起こり得ることもある」と考えて対応していきましょう。

レポートを活用することで、不正注文やルール違反と思われる動きを成果確定前に調査することが可能です。

他にもクリック報酬を付けている場合は、インプレッションとクリック数の数字に違和感がないか、といったことも確認しておきましょう。

「アフィリエイター別レポート」で上位サイトを把握しよう

個人的に一番活用したいと思っているのが「アフィリエイター別レポート」です。指定した期間で稼働していたアフィリエイターを一覧でき、デフォルトでは成果報酬額順に並んでいます。

表4 アフィリエイター別レポートの例
提携しているすべてのサイトが表示される(インプレッションが0になっているところは、メールマガジン掲載など)。

注意点として、ASPにより「登録アフィリエイトサイトごと」に個別に管理するものと、A8.netのように1人のアフィリエイターが管理する複数のアフィリエイトサイトを「ひとつのアフィリエイトID(ASID)で管理している」場合があります。ASPによって異なるのでどちらで利用できるか確認しておきましょう。

上位のアフィリエイターがどのサイトなのか確認できると、毎月貢献してくれるアフィリエイターの数は一定していると気付くと思います。「稼働数」として表れるこの数をいかに増やしていくかがアフィリエイト運用の醍醐味となります。

上位のアフィリエイトサイトに対して、個別の報酬アップを提案するなど予算投下を行うことで、さらなる実績アップをはかることができます。

また予算が掛けられない場合は、成果を上げてくれるアフィリエイターに対して「今月もご紹介ありがとうございます」と個別に御礼のメールを送ったり、商品提供を提案したり、場合によっては商談を行ったりしても良いでしょう

この部分は重要なので、今後の連載で改めて取り上げます(ASPにより、アフィリエイターに個別に連絡を取る事を禁止している場合もありますので、ルールを確認してください)。

まとめ
まず利用したいレポート
  • 月別レポート
  • 日別レポート
  • アフィリエイター別レポート
レポートで読み取れること
  • 提携数・稼働数の変化
  • 前年・前月との比較
  • キャンペーンの効果
  • 成果確定前の要注意サイトのチェック
  • どのアフィリエイトサイトが実績を上げているか

レポートはアフィリエイトの全体実績を見ることが第一の目的ですが、キャンペーンの効果を確認し、次回のキャンペーンや来期の参考にするなど、次の施策に活用できます。

また、全アフィリエイターを対象としたキャンペーンを実施したら、「全体的なクリック数やオーダー数の増加だけでなく、クリックの発生しているアフィリエイトサイトが増えた」といったことも評価項目となるでしょう。

レポートを読み解くことで、報酬アップが良いのか、特定のアフィリエイトサイトに対する取り組みが良いのかなど、より効果的にキャンペーンに取り組むことができます

「レポートをあまり活用していなかった……」という方も、月1回で良いので見る習慣をぜひ付けましょう。

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オリジナル記事:「アフィリエイター別/日別/月別」レポートから課題と次の一手を見つける方法 | アフィリエイトの効果が出ていないEC事業者のためのアフィリエイト再入門講座
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鈴木 珠世
鈴木 珠世
コミュニケーション・マーケティング コンサルタント

2004年よりギフトメーカーのWebショップ担当を経験。「モノを売る楽しさ」「アフィリエイトの楽しさ」に目覚め、2008年よりファンコミュニケーションズ、そしてリンクシェア・ジャパンにて、ネットショップ運営者やアフィリエイトサイト運営者に向けた教育・啓蒙活動に従事。その後、売れるネット広告社にて新規媒体営業と通販事業者向けのコンサルティングを行う。

日本アフィリエイト協議会による、アフィリエイト業界関係者が選ぶ「アフィリエイト業界MostValuable Player(MVP)」2012、2013、2014の3年連続の受賞など、受賞歴も多い。共著にて「成功するネットショップ 集客と運営の教科書」を出版。

現在フリーにて、ネットショップ(通販企業)向けのコンサルティングを開始。

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