「花粉症」の使用はアウト? 花粉対策から学ぶサプリメントに関する広告表現の問題点 | 健康・美容業界の今を知る! | ネットショップ担当者フォーラム

ネットショップ担当者フォーラム - 2016年3月23日(水) 10:30
このページは、外部サイト ネットショップ担当者フォーラム の情報をRSSフィード経由で取得して表示しているため、記事の一部分しか表示されていなかったり、画像などが正しく表示されなかったり、オリジナル記事が意図したデザインと異なっていたりする場合があります。
完全な状態のオリジナル記事は 「「花粉症」の使用はアウト? 花粉対策から学ぶサプリメントに関する広告表現の問題点 | 健康・美容業界の今を知る!」 からご覧ください。
健康食品や化粧品にかかわる法律、規制などについてわかりやすく噛み砕いて紹介(連載第21回)

多くの人にとって悩みの種である花粉。花粉症および花粉症予備軍の人は年々増えているといわれています。病院から処方された薬や市販薬を使用すると眠くなることがあるともいわれ、運転を生業としている方など、仕事で眠くなるわけにはいかないという方々にとって、薬の服用に抵抗を感じる場合も多いです。健康食品という分野では、“身体にやさしく、眠くならない”という表現で積極的にPRしていきたいところ。しかし、気を付けなければいけないのが薬機法です。医薬品のような効能効果を標榜することはもちろんご法度。どういう表現であれば使用できるのでしょうか。

花粉という言葉や花粉症を暗示する表現はNG

「花粉症」という標ぼう自体が「特定疾患」となります。医薬品的な効能効果を暗示することになり、健康食品等食品類においては御法。「花粉症」を「花粉性」といったように漢字を書き換えたりするケースも見かけますが、薬機法には免罪符になりません。

「症状」への言及がしにくいということで、単に「花粉の季節に」など季節や状況を表現する場合もあます。特にこの「花粉の季節に」「花粉の対策に」といったフレーズをよく見かけます。残念ながらこのようなワードも不可と判断されるケースがあります。「花粉症」という表現を直接的に標ぼうしていなくても、全体の文章の内容から、その商品が「花粉症の症状を予防・改善」するものであるとい「暗示」すること自体が“一切不可”と判断されるためです。

行政の見解として、東京都福祉保健局のホームページに「花粉症への効果の標ぼうについて」というPDFが掲載され、違反事例とともに「解説」されています。

このなかで、

「花粉症」という表現はでてきませんが、「花粉の季節はつらい」などの表現により花粉症に対する効果を暗示する標ぼうとなっております。よって【全体的に見ると】「医薬品的」な効能を標ぼうしていることになります。

と記述されています。広告中に「花粉症」という直接的な表現を使用していなくても、全体的な文意から不可と判断する可能性があることが明確に示されています。

では、どういった表現が「花粉症の暗示」となるのでしょうか?

  • 「花粉」
  • 「スギ」「ひのき」
  • 「春のムズムズ・イガイガ」
  • 「飛散」
  • 「ティッシュ(マスク)が手放せない」
  • 「春になると憂鬱」

などは、「花粉症を明確にイメージさせる標ぼう」や「花粉症特有の症状」を表現する場合に該当すると思われるため、利用できません。ワードだけでなくイメージ画像で、「杉山から花粉が飛んでいるようなビジュアル」「怒りの表情をした花粉マーク」……といったものも暗示の要素にあたりますので注意が必要です。

遠回しな表現でもNGになる可能性も

どういった表現ならば標ぼうすることができるのか考えてみましょう。

  • 「気持ち良く春を迎えたい(過ごしたい)方」
  • 「春も快適に」
  • 「冬から春の季節の変わり目が嫌いな方」
  • 「転ばぬ先の杖で、春も元気にいたい方」

こうした表現であれば、必ずしも状態の改善や予防を示しているとまでは言えないのではないでしょうか。

ただし、前後の文章や使用するイメージによっては、これらの表現に留まるものであっても「花粉症の暗示」とされる可能性も皆無とはいえませんので、ご留意ください。

さらに、広告で多用される「グズグズ」といった擬態語。「鼻水」などの花粉症状を暗示させる恐れもありますが、「グズグズとはすぐ気にしてしまうという性格や気持ちのことだ」と抗弁ができると考えれば、必ずしも不可とは言えません。

一方、「グズグズ」が鼻水の描写を暗示しているとしか解釈できないのであれば、不可となる可能性をはらむと考えるのが妥当でしょう。

表現例

×「季節の変わり目になるとグズグズしてティッシュが手放せない方」
○「季節の変わり目になるとグズグズしてしまう方」

そしてもう1つ。商品の「含有成分」に「花粉」を使用している場合であれば、健康食品であっても「花粉」と表現することは可能と言えるでしょう。

~番外編~

2016年3月11日現在、機能性表示食品は245件が届出完了となっています。その中で、目と鼻の不快感に言及しているものは2商品あります。

  • 届出番号:A6
    JAかごしま茶業株式会社「べにふうき緑茶ティーバッグ」
    機能性関与成分:メチル化カテキン(エピガロカテキン-3-O-(3-O-メチル)ガレート)
    表示しようとする機能性:本品にはメチル化カテキン(エピガロカテキン-3-O-(3-O-メチル)ガレート)が含まれます。メチル化カテキンは、ハウスダストやほこりなどによる目や鼻の不快感を軽減することが報告されています。
  • 届出番号:A69
    アサヒ飲料株式会社「アサヒ めめはな茶」
    機能性関与成分:メチル化カテキン〔エピガロカテキン-3-O-(3-O-メチル)ガレートおよびガロカテキン-3-O-(3-O-メチル)ガレート〕
    表示しようとする機能性:本品には、メチル化カテキンが含まれるので、ほこりやハウスダストによる目や鼻の不快感を緩和します。

いずれも「花粉」という表現は用いられていませんが、いわゆる健康食品では標榜できない内容です。

◇◇◇

【薬事法広告研究所からのお知らせ】

課徴金制度、いよいよスタート!景品表示法のリスクを回避する広告表現とは

課徴金制度導入を踏まえ、まずは制度の全容をしっかり理解したうえで、
リスク回避に繋がる広告表現などを具体的事例から学べるセミナーです。

基礎編では、課徴金制度を中心に、実際の指導例をもとにエビデンスの考え方や備えるべきことを、実践編では、具体的な広告事例をもとに、リスクのある表現について、根拠を求められる部分はどこか、また、どのように表現すれば、対策に繋がるのかを詳しく解説いたします。

※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:「花粉症」の使用はアウト? 花粉対策から学ぶサプリメントに関する広告表現の問題点 | 健康・美容業界の今を知る!
Copyright (C) IMPRESS CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.

稲留 万希子
薬事法広告研究所 副代表

東京理科大学卒業後、大手医薬品卸会社にて医療従事者向けポータルサイトの企画運営に従事。東洋医学に興味を抱いたことをきっかけに、中医学専門学校にて3年間薬膳料理や漢方について学ぶ。その間、ヘルスケア分野でのビジネス展開には薬事法を避けて通れない事から、薬事法と広告についても並行して学び、その後、国際中医専門員、漢方薬膳療術師、反射療法士、薬事法管理者、コスメ薬事法管理者の資格を取得し独立。2008年3月、薬事法広告研究所の設立に参画。

メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

汎用JPドメイン名
日本のドメイン名である.jpドメイン名の、さらに細かい種別の1つ。 「ドメ ...→用語集へ

連載/特集コーナーから探す

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]