食品の機能性表示に関する事例が希薄な理由。隠された消費者庁の意図とは | 健康・美容業界の今を知る! | ネットショップ担当者フォーラム | ネットショップ担当者フォーラム

ネットショップ担当者フォーラム - 2015年3月23日(月) 08:00
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健康食品や化粧品にかかわる法律、規制などについてわかりやすく噛み砕いてご紹介します(連載第9回)

消費者庁は3月2日から16日にかけて「食品表示基準」と「機能性表示制度」に関する説明会を、東京や大阪など全国7都市で開催しました。それにあわせて「機能性表示食品の届出等に関するガイドライン(案)」も発表しています。今回は、このガイドライン案を詳しく見ていきます。

注目の表示範囲については1ページにも満たない記載にとどまる

まだ「案」が入っている状態ですが、おおよそこの内容で決定と言われており、ほぼ最終型が示されたと言えるでしょう。

ページ数は106ページというボリューム。注目される“表示が可能な機能性表示の範囲”にまつわることについては、P4~P5のわずか1ページにも満たない範囲でしか触れられていません

前回記事「購入意欲をかき立てる商品紹介も可能になる機能性表示制度、押さえておくべき3つのポイント」でお伝えした機能性表示の範囲と変わりがないのです。これには落胆した方も多かったのではないでしょうか。

なぜなら、表現可能/不可能な事例がほとんど示されていないのです。法令違反を恐れる企業側としては、その可否の指標がつかめないですよね。ガイドラインのなかで一定の事例が示されているのであれば、“さじ加減”を何となくつかめるのに……というわけなのです。

国としても、企業側がそう望んでいるであろうことは容易に想像がついたはず。事例がほとんどないのは、なぜなのでしょうか。

企業の創意を削がないため、あえて具体例を記載しなかった

1月14日に実施された政府の規制改革会議「第28回健康・医療ワーキング・グループ」で、「機能性表示食品に係る届出に関するガイドライン(案)の概要」が議題にあがりました。今回の“ガイドライン(案)”がどういうものになるのか示されたのですが、そのなかで行われたやりとりに理由が示されています。

健康・医療ワーキング・グループ 議事次第「第28回健康・医療ワーキング・グループ」
http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kaigi/meeting/2013/wg3/kenko/150114/agenda.html

その議事録
http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kaigi/meeting/2013/wg3/kenko/150114/gijiroku0114.pdf

議事録のP26~28を見てみましょう。

機能性表示の「可能な機能性表示の範囲」において、どのような表現が可能なのかがわからないという林座長代理からの質問があります。それに対し、消費者庁竹田食品表示企画課長は以下のように発言しました。

基本的には参考になりますのは、特保の表現が一番参考になるのだろうと思っています。

ただ、それ以上に、こういうものがありますということをポジで示すということは、逆にその事業者の方々の総意を削ぐと。それに引っ張られてしまうと。それでないといけないのではないかとか、そういう可能性が少し考えられますので、ポジティブ例として示すというのはなかなか難しいのかなと。

あと、仮にポジティブ例を示してしまうと、そうでないものはどうなのですかということを、どうしても我々に問い合わせたくなると、自意識過剰かもしれませんけれども思ってしまいます。そうすると、我々がその表示について、逐一良い悪いということを言わなければいけないということになりますので、これは自己認証で制度設計したことと少し外れてまいりますので、逆にエビデンスがあるのであれば、きちんと自信を持って書いていただきたいと。リスクヘッジしたいという気持ちは分かるのですけれども、そこはきちんとエビデンスがあれば良いという話でございますので、事業者の発意にそこは御期待を申し上げている次第でございます。

森下竜一委員(大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学教授/バイオ製薬企業アンジェスMG株式会社創業者)は次のように発言しました。

やはり、余り書くと、そのとおりにしか出なくなって、業者の創意工夫がなくなってしまいますので、自主的な判断の下にということなので、自主的にやってもらうのが一番良いのではないかと。

過去にこういうケース、厚労省とかいろいろありますけれども、大体この文面で書いてしまうと、そこから外れると訴えられるとか、いろいろなことを皆さん思うので、もう書かない方がこれは私は良いかなと思います。

つまり、消費者庁側および有識者側ともに共通している認識は次のようなことなのです。

事例をあげてしまうことにより、企業側の創意が削がれてしまう。それでは企業責任として運用する新制度の意図から外れてしまう。企業としてエビデンスがあるのであれば、(ルールを守ったうえで)自由にやってもらって構わない。

ということなのです。ここはぜひ前向きに捉えていきましょう。

Q&Aで一定の見解を示す可能性も

そして、もう1つ興味深い発言があります。ガイドライン以外にQ&Aなどを用意することはあるのかという翁座長からの質問について、消費者庁竹田食品表示企画課長は次のように発言しています。

このほかにも、いわゆる施行通知というような形で基準中の言葉の定義を明らかにするような通知というようなものも考えてございます。

あとはQ&Aということになりますけれども、現時点では、今、申し上げた施行通知とガイドラインで大体お示しできるのではないかなと思っていますけれども、例えば、同じような問い合わせがたくさん来るとか、そういうことになれば、またQ&Aという形で一定の御見解を示して、事業者の方々の届出書を書くときの目安にしていただくというようなことも将来的にはあり得るだろうと思っております。

今後の通知やQ&Aの発表について触れられています。

“将来的”というくくりになっていますが、どうやら東京での説明会開催以降、回を重ねた説明会で、消費者庁側から“4月1日までには示す”という報告があったという話を聞いています。ここも興味深く発表が待たれるところです。

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稲留 万希子
薬事法広告研究所 副代表

東京理科大学卒業後、大手医薬品卸会社にて医療従事者向けポータルサイトの企画運営に従事。東洋医学に興味を抱いたことをきっかけに、中医学専門学校にて3年間薬膳料理や漢方について学ぶ。その間、ヘルスケア分野でのビジネス展開には薬事法を避けて通れない事から、薬事法と広告についても並行して学び、その後、国際中医専門員、漢方薬膳療術師、反射療法士、薬事法管理者、コスメ薬事法管理者の資格を取得し独立。2008年3月、薬事法広告研究所の設立に参画。

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