市場規模は拡大を続ける一方、競争は激しさを増すEC業界。顧客といかに関係性を築いて“ファン”を作り、繰り返し商品を購入してもらうか、いわゆるリピート施策の重要性が増している。“ファン作り”で重要になる「接客」の新たなツールとして、プレイドが新たなウェブ接客プラットフォーム「KARTE(カルテ)」を正式リリースした。6か月間のベータ版提供では、TSI ホールディングス、アーバンリサーチ、リクルートライフスタイル、コメ兵、ドゥクラッセなど有名ECサイトが続々と導入している。「カルテ」はWebを通じた接客サービスで、EC業界にどのような“接客革命”をもたらすのか。
大手含めベータ版で50サイト超が導入したリアルタイム接客ツール
「MIX.Tokyo」「アーバンリサーチ」「ポンパレモール」「DoCLASSE」「LUXA」「漫画全巻ドットコム」「cosme.com」「KOMEHYO」「The SAZABY LEAGUE」「fifth」……大手EC企業を中心に、2014年9月からクローズドのベータ版として提供してきた「カルテ」を導入したサイトはこれまで50サイト以上。解析したユニークユーザー数は4500万人を超えているという。
ECサイトだけではない。「Green」「Lancers」「CAMPFIRE」「東京建物」不動産や人材サービス、クラウドファンディング、クラウドソーシングなど、Web業界の企業も相次ぎ導入しているのだ。
「カルテ」を導入したサイトの一部
急成長を遂げているCODESHARE(コードシェア、関連記事はこちら)が運営する、女性向けファッション通販サイト「fifth(フィフス)」。新規会員獲得率の改善で、「カルテ」を導入した1社だ。
従来はサイト埋め込み型のバナーで会員登録を訴求していた方法から、「カルテ」を導入して「新規会員にのみ、来店時にポップアップ」で会員登録を促す訴求方法に変更。情報を必要とするタイミングでリーチする方式に変更したことで、新規会員獲得率は従来比108%アップ、2倍以上の成果をあげた。
「fifth(フィフス)」の導入事例
CODESHARE以外にも、 以下のように「カルテ」を活用し、導入企業はコンバージョンの効果を引き上げている。
- 初回ログインで感謝メッセージ → CVRは従来比30%増
会員登録後、初ログイン時に感謝を伝える。ノンインセンティブでロイヤリティを向上。 - ロイヤリティ順にCPへ優先案内 → CVRは従来比118%増
上位ランクのユーザーから優先的にイベントへの入場を解放する。 - ベネフィット訴求 → CVRは従来比23%増
サービスの基本機能(すべて送料無料である旨など)の最適なタイミングでの認知向上。
基本料金は月5000円、1接客1円という安価で高品質な“接客”ができるようになる
訪問者の特徴や行動をリアルタイムに解析し可視化することで、個々の訪問者にあわせた接客ができるようになる。ポップアップで何か案内を表示する、メールを送るなど、アウトプットの自由度が高い。「カルテ」の接客プラットフォームに他社のマーケティングツールをつなげることで、訪問者に合わせたさまざまな“接客”が実現できる。
「カルテ」の特徴をこう力説するのはプレイドの倉橋健太社長。続けて、「ECサイトの“接客”を大幅に変えるサービスになる。つまり、実店舗のように、リアルタイムに、顧客ごとに“接客”することが可能だ」と説明する。
プレイドの倉橋健太社長
「カルテ」は、訪問者の「会員情報」「閲覧情報」などをリアルタイムに統合して解析、幅広い情報をもとにした接客ができるようになるサービス。
「どのサイトから訪問したのか」「新規なのか既存顧客なのか」「購入したことがあるのかないのか」などのさまざまな条件をもとにし、「サイトでどのページを見ているのか」「何ページ見たのか」「どのぐらい滞在しているのか」といったサイト上での“いま”の動き、状況をトリガーとして、接客を自動で実行することができる。これにより、来訪者がサイトを去る前までのさまざまなタイミングでリアルタイムな接客を実現している。
接客方法は「プッシュ通知」「メール」「チャット」「カード」などがあり、パソコン・スマートフォン・タブレットのウェブブラウザに対応している。
管理画面で表示されるタイムラインには、訪問しているユーザーの情報が、リアルタイムで表示される。「これまで何回購入したのか」「累計購入金額はいくらか」「コンバージョンは何%か」など、利用者側で設定した項目を表示できる。
「属性データ、購入・閲覧情報、SNS情報などあらゆるデータから来訪者を可視化」(倉橋社長)し、サイトに訪問中の顧客情報をリアルタイムで可視化する。
管理画面のタイムラインのデモ画面
企業は可視化された情報をもとに“接客”を行うが、任意でアクションを設定できるほか、プレイド側で用意したテンプレートを選ぶだけで“接客”を提供することも可能。条件を設定し、「ポップアップにするか」「チャットにするか」「メールにするか」……選択するだけで、接客方法を選ぶことができるようにしている。アクションプランに関してのテンプレートは、順次拡充していくという。
企業側が持つ会員データベースと「カルテ」を連動するには、ECサイトに専用のJavaスクリプトを埋め込むだけ。開発コストと手間をかけずに、リアル店舗と同様の接客ができるようになるという。
料金プランは基本料が月5000円。接客料金として1回の接客に応じて1円を徴収するビジネスモデル。「作成された接客サービスの実施回数に応じた課金になるため、必要最小限のコストで利用できる」と倉橋社長は話している。
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オリジナル記事:アーバンリサーチやリクルートなど、有名サイトが導入した新たなEC接客ツール「KARTE」とは? | 単発記事 | ネットショップ担当者フォーラム
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