Yahoo!ショッピングで、消費者から購入代金をだまし取る詐欺サイトとみられる店舗が出店していたことがわかった。サイト名は「エルショップ」で、2月6日時点で当該サイトの運営は休止されている。ストア評価をみると、商品代金を振り込んでしまった消費者がいる模様。ヤフーは当該サイトの存在を把握しており、2月5日から事実確認などを進めている。
Yahoo!ショッピング内の「エルショップ」の会社概要をみると、運営会社は株式会社エル。会社所在地は「鳥取県鳥取市●●●」とあるものの、問い合わせ電話番号は「03」から始まっている。転送サービスなどがあるため、会社所在地と問い合わせ窓口の番号が一致しない場合も考えられるが、ECサイトでこうしたケースは珍しい。
2月5日と6日、編集部では記載されている番号に電話をしたものの、「マジックメールです。この電話番号は現在使われておりません」とアナウンスされた(マジックメールは、東京テレメッセージが関東の一部地域で提供している無線呼び出しサービス)。
「エルショップ」の会社概要(編集部がサイトをキャプチャ、一部加工を施しています)
ストア評価に投稿された内容によると、詐欺ではないかという問題が発覚したのは2月5日午前中。具体的な手口は、カード決済を終了すると、「エルショップ」側から「クレジットカード支払いサービスは申請中のため、銀行振り込みへの変更」を依頼するメールが届いているようだ。振り込み先は個人名義で、日本人ではないという。
ストア評価によると、現金振り込みやポイントを活用して購入を完了してしまった消費者が存在しているとみられる。
Yahoo!ショッピングのクレジットカード決済については、クレジットカード番号がご注文先の店舗を経由せず、カード会社に送信される仕組みを採用(Yahoo!ショッピングヘルプを参照)しているため、カード番号が「エルショップ」側には漏れていないようだ。
詐欺行為を働いたとみられる「エルショップ」は2月6日現在、運営を休止している(サイト画像は編集部がキャプチャ)
ヤフーは2月6日10時30分現在、5日から「エルショップ」での騒動を把握し、事実確認などの調査を進めている。購入手続きを行った消費者に対しては、振り込みをしないように注意喚起を促すメールを送ったという。代金を支払った消費者への対応などについては、「事実確認と同時並行して調査を進めている」(ヤフー広報)としている。
2014年12月末現在、Yahoo!ショッピングの出店者数は24万3000店に達した。eコマース革命後、出店者が急増したため、今回の詐欺とみられる問題が起こったという見方がある。
ヤフーでは一定の審査基準を設け、1店舗ずつ審査を行っているという。今回、審査を通過した後、「エルショップ」が会社所在地や電話番号の記載を変更するなど、詐欺とみられる行為を働くための環境を整えた可能性もある。
こうしたことを含め、ヤフーでは「eコマース革命後、テクノロジーの活用、外部企業との連携、人員増加などで、出店審査の仕組み、パトロールをさまざまな角度から強化している」(同)と言う。「なぜこのような結果になったのかも含めて確認を進めている」(同)。
これまで、出店者の倒産などで購入者に商品が届かないケースはあったものの、Yahoo!ショッピングで詐欺行為を働いたとみられる店舗の存在が発覚したのは初めてとみられる。
気になる消費者への補償だが、他の事案を含め消費者の自作自演といったケースもあることから、これまでヤフーは補償の基準を設けていない。「ケースバイケースで対応している」とし、調査終了後に消費者に対して、何かしらのアクションを起こすとみられる。
なお、調査終了後、Yahoo!ショッピングで調査内容などをアナウンスするとしている。
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オリジナル記事:Yahoo!ショッピング出店サイト「エルショップ」で購入代金詐欺か? ヤフーは「現在調査中」 | ニュース | ネットショップ担当者フォーラム
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