ネットショップ管理システム「頑張れ♪店長!」を提供する日本ビジネス・サポートは11月1日から、新たなネットショップ管理システム「店舗アップ♪」の提供を始めた。ネットショップ管理システムとしては老舗の「頑張れ♪店長!」はいまだ多くの店舗が利用しているが、新サービスはどんな点を変更したのか。あえて新システムを開発したのはなぜなのか。日本ビジネス・サポートの渡辺信一常務取締役に聞いた。
渡辺信一常務取締役
データとインターフェースを別にして処理スピード4倍に
――今回、新たに「店舗アップ♪」という新たなシステムの提供を開始しましたが、「頑張れ♪店長!」との違いを教えて下さい。
基本的に「頑張れ♪店長!」で利用できる機能は「店舗アップ♪」でも使用できます。データ処理の流れも同じです。ファイルメーカーを使って作っている点も変更はありません。
変更した点は、まずファイル構造を改善した点が挙げられます。「頑張れ♪店長!」ではデータとインターフェイスが同じファイルになる一体型を採用しています。データが大量になると処理に時間がかかったり、プログラムを変更する際にすべてのデータを変更しなければならないため、時間がかかることがありました。「店舗アップ♪」ではデータとインターフェイスを別ファイルにしており、こうした問題を改善させました。これにより、処理スピードも高まり、さまざまな処理にかかる時間は4分の1以下になりました。
また、管理画面も少し複雑だった点を変更し、見やすくしました。カスタマイズも行いやすくなったため、自社でファイルメーカーを活用し、自社専用システムとして作りこんできたECショップも使いやすくなると考えています。
――現在、ネットショップ向け管理システムはクラウド型やASP型が多いなか、あえてファイルメーカーで開発し、パソコンやサーバーにインストールして使う形にしたのはどうしてですか。
従来から、当社のサービスは標準機能だけでなく、お客さまの業務に応じたカスタマイズを行うほか、自社でファイルメーカーを使って独自に機能追加しているユーザーが多いです。こういったことができるのは、ファイルメーカーの使い方が簡単だから。ファイルメーカーで作ってほしいという従来からのお客さまニーズも高かったため、従来と同じファイルメーカーで提供することにしました。確かに、クラウド型だとモールの機能変更などに無料で素早く対応できるなどのメリットもあります。クラウド型サービスを展開している企業は数多いのですが、ファイルメーカーで作っているのは当社しかないので、逆に独自ニーズに応えられていると考えています。
――「頑張れ♪店長!」はEC業界で知名度も高いため、この名称をそのまま使うメリットもあったはず。なぜ名称まで変更することにしたのですか。
機能を大きく変更したこともありますが、もう1つの理由として同じ名称では従来から使用しているお客さまに訴求しにくいと考えました。昔から使用しているショップのなかには、ファイルメーカーのバージョンが古く、メーカーのサポート対象が切れてしまっているケースも多い。それだけならまだしも、XPなどのOSでなければ安定的に動かないこともあります。そうした状況ではセキュリティ面で問題があるため、切り替えてほしいと考えました。もちろん、すでにお客さまのほうでカスタマイズしている部分も同様に反映し、新たなシステムで提供できるので、システムを変更しても、従来できていたことができなくなることはありません。
新サービスのロゴ
楽天など各種API連携にも対応予定
――導入にかかる費用は。
売り切りの料金体系で本体価格は30万円。いろいろな有償のカスタマイズがかかる場合やオプションを設定するケースは、その費用が追加となります。また、訪問設定費として10万円を設定しています。これは、専門のスタッフが2日間伺い、初期設定を行ったり、操作の説明などを行います。説明を受けるている過程でほしい機能が出てくることも多いので、そうした機能追加もその場で行うようにしています。このサービスは、導入企業にはとても好評です。そのほかサポート年会費がかかる仕組みとなっています。
――「頑張れ♪店長!」から切り替えたいショップに対しても同じ料金になるのでしょうか。
基本的に訪問設定は必要ないと思うので訪問設定費はかかりません。「頑張れ♪店長!」で行っていたオプションや有償カスタマイズは、無償で対応します。また、ショップ側でいろんなカスタマイズを施している場合が考えられますが、可能な限り反映し、本体料金(30万円)のみで済むようにするつもりです。リリース前にキャンペーンを行い、事前に切り替えたユーザーもいますが、大変好評です。
――従来の「頑張れ♪店長!」を使っているショップへのサポートはどうするのですか。
新規ユーザーには「店舗アップ♪」のみの販売になりますが、既存ユーザーに対しては、従来通りサポートを提供するので、利用できなくなることはありません。今後もしっかりサポートを行います。ただ、古いバージョンの場合はセキュリティ面で問題があるため、切り替えを勧めていきたいです。
――今後の展開として考えていることはありますか。
楽天が2015年1月から各種APIを無料化するということで、API連携を求めるショップは増えると考えています。そのため、来年2月に、まずは受注API連携を標準機能として搭載する予定です。他のAPIや他モールのAPIについても随時対応する予定です。
――目標導入社数があれば教えてください。
新規で月間10店舗ほど増やしながら、既存ユーザーの切り替えも進めていきたいです。「頑張れ♪店長!」は基本料金が50万円だったのですが、新サービスで30万円に設定したのは、中小規模のEC事業者にも使ってもらいたいからです。受注件数が増えてもランニングコストはサポート年会費のみです。負担も少なく、長期にわたって使用できるので中小企業にとっても最適なサービスだと考えています。
管理画面の表示、使い方も「頑張れ♪店長!」と変わらないという
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オリジナル記事:「頑張れ♪店長!」提供企業がファイルメーカーを使った新システム「店舗アップ♪」を開発した理由 | 単発記事 | ネットショップ担当者フォーラム
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