オウンドメディアとソーシャルメディアを連動させ、話題の連鎖を生み出すネットPRの活用術とは ~ワコールのオウンドメディア活用インタビュー(前編) | ネットPR.JP

ネットPR.JP - 2014年10月14日(火) 07:55
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国内大手の女性用下着メーカーである株式会社ワコール様。業界をリードする企業として営業活動のみならず、下着とからだの情報サイト「WACOAL BODY BOOK(ワコール ボディブック)」など、下着の大切さを伝えるオウンドメディアでの情報発信にも注力されています。
その同社では今年、8月2日の「パンツの日」を起点に、パンツへの関心を高めてもらうことを目的としたWebプロモーションを展開。今回ご登場いただいた株式会社ワコールの北見裕介氏によると、このプロモーションでネットPRを活用した情報発信を行ったことで「パンツの日」の全国的な話題化に成功されたそうです。その取り組みとは何か、お話をお伺いしました。

「ギフト提案型のパッケージ」や「パンツ小説の募集企画」でターゲット以外も巻き込み話題化を狙う ――「パンツの日」は昔からある記念日ということで、ワコールとしても毎年さまざまな仕掛けをされていたのでしょうか。

はい。一昨年も別会社のピーチ・ジョンと協働で下着のファッションショーを開催するなど、毎年「パンツの日」の話題化を狙ったPR施策は実施してきました。しかし、8月は消費が落ち込む傾向にあり、セール期間とも重なるため「『パンツの日』だからパンツを買おう」というだけでは購入の動機になかなか結びつかず、売上へ結びつけることが難しいという問題点がありました。

その問題を解決するために、今回「パンツの日」を盛り上げる施策の1つとして企画したのが、パンツを花に見立ててギフト形式にした「パンツフラワー」。自分用に買うのではなくギフトという新たな購入動機を喚起するために、性別や年齢を問わず幅広い層に向けてパンツを贈る習慣を提案しました。

――従来とは異なるアプローチで「パンツの日」の話題化を狙ったと。その話題化の先にある目的とは何ですか?

目的としては「パンツの日」の話題化を通して、パンツに対する消費者の興味・関心を広く喚起することにあります。そのために実施したプロモーションは大きく2つ。1つは、直接的なターゲットに向けて「パンツフラワー」をプレゼントするリアルイベントです。ただし東京中心のイベントだったため、それだけで全国的な話題化は難しいと感じていました。

そこで併せて実施したのが「ワコール ボディブック」で募集したパンツ小説企画です。「私はパンツ 」というテーマで小説を書き、自身のブログで発表してもらう企画ですが、「パンツフラワー」のターゲット以外にも、ブロガーなど面白いことに敏感なネットユーザーを刺激したいと考えたのです。最初は「本当にこんなテーマで書くのか」と社内の理解を得るのに苦労しましたが、結果的には想定の10倍以上もの投稿を集めることに成功しました。

Pants Flower special site 2014

複数のメディアを連動させ、コンテンツの循環・拡散を図る ――「パンツフラワー」や「パンツ小説」などのコンテンツをどのように発信されていったのか、コミュニケーションプランの組み立てについてお聞かせください。

全国的な話題化を実現するためには、ソーシャルメディアでの拡散やオウンドメディアへの流入など、Web上でコンテンツを循環させる仕組みが必要と考えました。そこで今回活用したのがハッシュタグです。

「パンツの日」に関連するプロモーションや各ブランドの販促施策を「 #パンツの日」というハッシュタグで共通化し、情報を集約・連動させたのです。そうすることで、自社サイトやブログ、Twitter やFacebookなどの間で情報を循環させ、その中で話題化されたものがニュースサイトやまとめサイトへ転載される、という流れを作ることができました。

――8月2日の「パンツの日」がプロモーションの山だとすると、コミュニケーションを取り始めた時期はいつ頃ですか?

7月17日 に「パンツフラワー」のプレスリリースを出したのが最初ですね。 他にも記念日直前にはイベント情報、前日には「Wing」ブランドのプロモーションなど、タイトルにハッシュタグを入れたニュースリリースを細かく出していき、当日に向けて話題を盛り上げていきました。中には失敗したニュースリリースもありましたが、8月2日以降もパンツ小説の募集リリースを出すなど継続的なコミュニケーションを図っています。

――失敗もあったということですが、具体的に伺ってもよろしいでしょうか?

ハッシュタグの設定が上手くいかなかったのです。ソーシャルリスニングや情報集約に活用しようとハッシュタグを入れたまではよかったのですが、ニュースリリースを作成する広報担当者にハッシュタグの周知が徹底できず、二重・三重チェックの中でハッシュタグにするための半角スペースがいつの間にか消されてしまったという…。苦い経験ですが、今後の糧として活かそうと思っています。

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ユーザーのいるメディアへ、自社の情報を「自然に」露出させる工夫とは ――今回のプロモーションの成果についてお聞かせください。

Web上での盛り上がりという点から見ると、「Googleトレンド」のトレンドキーワード「パンツの日」では2013年度に比べて急上昇しましたし、広告枠として非常に効果の高いTwitterのトレンドにも当日掲載されるという目標を達成できました。さらに「パンツフラワー」のWebサイトでも当日を中心にPVが増え、リアルイベントに関するツイートもしっかり拡散されています。

「ワコール ボディブック」で募集したパンツ小説については、8月に入ってから「Antenna(アンテナ)」「NAVERまとめ」など複数のキュレーションメディアに取り上げていただきました。特に「NAVERまとめ」では、一般の方がまとめてくださった記事が当日に約16万ものPVを獲得し、その盛り上がりが注目されて「Excite Bit コネタ」にも掲載されました。結果的に8月中の「ワコール ボディブック」としては、一訪問あたりの滞在時間を落とすことなく高いPV数を維持できています。

――各方面で確実な成果が出ていると。ちなみに「パンツの日」以外にも、ワコールの事業にかかわる記念日はあるのでしょうか?

2月12日の「ブラジャーの日」や、今年ワコールが記念日として取得した3月12日の「サイズの日」、ナイトウェアも扱っているので9月3日のぐっすりと掛けた「睡眠の日」などもありますね。記念日コンテンツはWebで非常に人気があるので、以前から記念日ごとにTwitterの状況などをウォッチしています。

意識しているのは「ユーザーのいる環境に、ワコールの話題がどう自然に流れ込んでいくか」ということ。そのために今回、ユーザーのタイムラインや検索行為の中で我々の情報に気づいてもらいやすいよう、ハッシュタグを設定したという大きな意図があります。

WACOAL BODY BOOK

――一方的な広告ではなくユーザーの方から接触してもらえるよう、情報の出し方や掲載場所を工夫したことで、話題化やPV獲得に成功されたのですね。

そうですね。特に今回は、ブログやニュースメディアなど多方面から「ワコール ボディブック」への流入を増やせただけでも十分に価値があったと思っています。「ワコール ボディブック」は2013年の4月にオープンした情報サイトですが、ドメインを別にとっていることもあり、サイトの価値を高めることは以前からの課題でした。

それが今回の施策により多くのPVを獲得できたことで、課題に対する一定の成果は出せたと思っています。また「ワコール ボディブック」では、下着や体に関する特集記事から各ブランドサイトや商品ページへ誘導していますが、流入数の増加に伴い、ページ単体のPVも上がっています。

こうした結果から見ても、今回はオウンドメディアで発信した情報をさまざまなメディアで循環させ、話題化につなげるネットPRの仕掛けが成功したと思っています。

今回は「パンツの日」のWebプロモーション施策についてお届けしました!
後編では広報・宣伝部としてのワコール様の取り組みについてお聞きします。
…後日公開をおたのしみ楽しみに!!

<今回お話いただいたのは…>
kitami_profiel
北見 裕介(キタミ ユウスケ)様
株式会社ワコール 総合企画室 広報・宣伝部 WEB・CRM企画課

2008年にワコールに入社し、情報システム部を経て、現担当。
コーポレートサイトの運営・メルマガ・SNS・SEOなど、WEB業務に携わる。

<インタビュアー紹介>
asahi_profiel
朝火 英樹(アサヒ ヒデキ)
株式会社ニューズ・ツー・ユー マーケティングコミュニケーション部 マネージャー

NEC、ソフトバンクモバイルを経て、2014年9月ニューズ・ツー・ユーに参画。
事業主側でWebマーケティングを推進してきた経験を活かし、現在、ニューズ・ツー・ユーにてネットPR(News2uリリース)を軸とした自社メディアによる統合的なマーケティング コミュニケーションの仕組みづくりを推進中。

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