運用型広告とはそもそも「何を運用するのか。」 | 業界人間ベム

業界人間ベム - 2013年5月7日(火) 08:45
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 入札運用型広告はインハウスで運用した方がいいと以前のエントリーで書いた。ブランド統合的にインハウスないしハウスエージェンシーでの運用がお奨めだ。リスティング広告をインハウス運用して、またアウトソースに戻してしまうケースもあるが、それは導入方法が悪かったからだ。ディレクションできるスキルを獲得できないで、作業に埋没してしまうと何も得る事のないまま、また完全アウトソースに戻すことになる。それでは意味がない。

 そもそも「運用」とは何を「運用」するのかというと、事業部から預かった広告投資用の金を、求められる広告パフォーマンスに変換して返すという「運用」である。期待値を上回るパフォーマンスにして返して初めて「成果を出した」ことになる。

 この際、売り手の論理で出来た「枠」を買うことももちろんあるだろうが、基本的に買い手が自在に入札するモデルを十分に活用することが前提だ。何故かというと、入札型であれば、買い付けてみて、期待されるパフォーマンスがとれない場合、すぐにでも止めることが出来るからだ。株を買って、株価が下がれば、場合によっては損切りしてでも売ってしまい、その分を他の株に投資して取り返すことを当然やるだろう。
 広告の運用も株式の運用と考え方は同じだ。

従来の「枠」もの広告は、契約上買ってしまうと、途中でパフォーマンスが悪いことが分かっても「止めます」という訳にはいかない。(当然です。)
 いくらPDCAを廻すとか言っても、「枠」を買ってしまう投資より、1配信づつを丁寧に入札するスキルを高めることが効果的だ。
 そのためには、日々、リアルタイムの運用経過を共有し、知見を高めることだ。

 事前に決めたバイイングプランで最後まで突っ走る時代ではない。反応はリアルタイムで把握できる。ユーザーレスポンスを見ながら、最も効果的かつ効率的なハンドリングをする時代なのだ。
 リアルタイムでデータが把握できるのに、リアルタイムで手が打てないのでは意味がない。PDCAサイクルはもう極限まで短いものになっている。「一定のパフォーマンスが得られなければ中断して他の手段にしてみる、または期待以上のパフォーマンスがあれば追加予算を投入して、もっと押す。」という考え方にならなければだめだ。

 「広告枠を買う」のではなく、「広告パフォーマンスを買う」のであり、そのためには自分自身でダイレクトに入札することで、いつでも「Go or Stop」を自在にコントロールするのが当然のこととなるだろう。
 代理店に発注してしまうモデルはマージンを取られるからどうこうではない、代理店のマージンは当然あってしかるべきものだ。「枠」の投資成績が良ければ、代理店から「枠」を買うので良い。代理店にマージンを下げさせるのが効率の良い買い付け方なのではない。そもそも買い付け額とその配分を、買っている本人が自分で自在にコントロールした方がよいのだ。
 

 「運用型広告」の「運用」とは、金融の「運用」と近い感覚のものである。もちろんかかるコストはPL上の費用ではあるが、だからと言って予定されたものは使ってしまうものとか、予備資金は全くないというのでは「運用」にならない。

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