広告会社の行く末 その1 | 業界人間ベム

業界人間ベム - 2012年10月15日(月) 09:08
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 「時代が要請する新しいマーケティングコミュニケーションをどういうプロセスで開発するか」デジタルマーケティング時代に、旧態の広告会社が立ち至るテーマである。

 そもそも広告媒体枠を買ってもらうために行ってきた「広告クリエイティブ」なので、広告会社にとっては広告媒体枠(特にテレビの扱い)販売に繋がらない「コミュニケーション開発」に注力する道理はあまりない。
 ところが、時代は、広告(特にペイドメディア枠によるマーケティング活動)だけでは消費者主導のコミュニケ―ションに対応できない状況を生んでしまった。そうなると、15秒のCMや15段の新聞広告といった、決められた「広告フォーマット」の中をクリエイティブする作業(私はこれを「広告クリエイティブ」と呼んでいる。)だけでは立ち行かなくなった。広告クリエイティブだけでなく、戦略的PRアプローチの「情報クリエイティブ」や「ブランデッドコンテンツ」またはマーケティングコミュニケーションの一環としての「ユーザーサービス開発」が必要になってきた。

新しいマーケティングコミュニケーション開発の視座3.jpg

 戦略的PRのひとつのメソッドである「情報クリエイティブ」には、ファクトマーケティングをはじめ、アーンドメディアをソーシャルメディアだけでなく、既存メディアの情報開発力と情報発信力をソーシャルによる拡散力をテコに、消費者の「自分事化」の促進を仕掛けるコミュニケーション開発の発想が必要である。これにはそもそもPR会社がもつスキルをデジタル&ソーシャル対応に変革するところに新たなスキルが開発されるものだろう。

 また、広告フォーマットを離れて、コミュニケーションコンテンツを開発するブランデッドコンテンツ開発などでは、単に映像開発だけでなくゲーミフィケーションやARG発想が必要だろう。もちろんソーシャルメディアフレンドリーなコンテンツづくりだ。ここにはCM制作者の発想だけでなく、映画やテレビ制作、ゲーム開発者ほかの様々なコンテンツクリエーターやハイエンドなクリエイティブでないアマチュアの手による新発想を取り入れる必要がある。
 さらに、企業のマーケティングコミュニケーションにとって、開発すべきものは読みものや映像コンテンツだけでなく、Webサービスの開発、さらにビジネス開発の領域にまでに至っている。例えば「Nike Fuelband」はサービスであり、事業であるこの施策をNYのデジタルエージェンシーであるR/GAをパートナーに開発したところが注目すべき点と言える。

 こうなると、広告会社にある知見やコミュニケーション開発力は、それだけでは時代への対応力がなくなっている。優秀なクリエーターは今、おそらくクリエイティブ力をサービス開発や事業開発に向けているだろう。それができない、またはそうしたオファーが来ないクリエーターやプロデューサーしかいない広告会社は今後生き残れるかどうかでは極めて危険な状況と言っていいだろう。とうのも、新しい知見を得るには、そうした新しい仕事をゲットしなければならないからで、新しい仕事が来ない会社には、スキルが育つ可能性がないのだ。
 広告主にとっても、デジタルマーケティングをはじめとして、次世代型の仕事は、「どこに頼むか」ではなく、「誰に頼むか」になって久しい。
 
 従来、日本の広告会社、特に総合代理店を称する比較的大きな規模の広告会社はワンストップで様々な仕事をこなすことに優位性を持っていた。欧米はアバブ・ザ・ライン、ビロウ・ザ・ラインに基本担い手が分かれていたが、日本の総合代理店はブランディングコミュニケーションも販促イベントもすべてこなすところが「売り」でもあった。
 しかし、時代はあまりにもマーケティングに専門性の必要な新たな課題を突き付けてきた。営業のフロントがいて、後ろに専門スタッフがいるという体制で、いかに従来のワンストップを維持してきたとしても、そもそも社内に知見のない領域が急激に必要性を持ち始めたため、知見育成の時間がない。それもオウンドメディア領域やソーシャルメディア領域は実践する広告主企業の方がはるかに知見を得てしまっているという広告代理店にとって実に不都合な状況になってしまった訳だ。

 特に営業のフロントラインのデジタルやソーシャル対応力は目を覆いたくなるような状況で、いくらスタッフがデジタルに強いと主張してみたところで、営業に知見がないところに仕事がくる訳もなく、仕事が来ないのでいくら専門家がいるといってもスタッフはどんどんスポイルされていく。特にこの早いスピードで進んでいくデジタルマーケティングの世界で、半年も最先端の仕事に関わっていないとなると、すでに「使えるスタッフ」ではない。
 
 ここに至って改革が必要な広告会社の経営者には、大きな経営判断が求められている。もうぎりぎりのところまで来ていると言える。どうしたらよいのか・・・。

 その2につづく・・・。 

あまり詳細に書いてしまうとコンサルビジネスにならないような・・・。(笑)

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