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リスティング広告を出し続けるべきか、やめるべきか? 集客にどんな影響があるのか検証してみた

リスティング広告の出稿を続けるべきか? 止めるべきか? 運用停止による集客の差を検証した結果を紹介する。
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この記事は、Yahoo!マーケティングソリューション公式ブログで公開された記事を、ヤフー株式会社の許諾を得て転載しています。オリジナルの記事はYahoo!マーケティングソリューション公式ブログのサイトでご覧ください。

検索結果画面に効果的に広告を表示させたい場合、「SEOかスポンサードサーチか」という観点での話を耳にすることがあります。「スポンサードサーチよりもオーガニック検索経由の流入数が圧倒的に多いはずだから、スポンサードサーチは不要ではないか?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

そこで、実際にどちらか片方だけの運用で十分であるかどうか検証しました。調査概要については以下の通りです。

  • 調査対象:スポンサードサーチを利用している約200社のアカウント
  • 調査時期:2015年6月~7月
  • 調査方法:調査期間中にスポンサードサーチの利用を継続した広告主のアカウントと休止した広告主のアカウントの検索結果の内容、集客先サイトへの流入等を比較※(注1)

注1:比較については、業種・季節要因・キーワード等を考慮した上で行っています。

“SEOのみ”の集客力

まず、集客状況を把握するために、サンプルアカウントの集客先であるサイトに来訪した検索ユーザー数に注目しました。スポンサードサーチの検索結果・オーガニック検索の結果から、集客先となるサイトに来訪したユーザーがそれぞれどのくらいの割合で存在するのかを比較します。

図1は、PC・スマートフォンそれぞれの獲得ユーザー数における流出元経路の構成比を比較したものです。すると、オーガニック検索経由のユーザー数は全体の半数以上存在するものの、スポンサードサーチ経由でしか獲得できないユーザー数が全体の1/3以上いることがわかりました。

図1

仮に、スポンサードサーチを継続利用した場合と休止した場合の集客力がイコールであるとすると、スポンサードサーチを休止した場合、スポンサードサーチで集客できていた分、オーガニック検索経由の集客が増加するはずです。そこで、スポンサードサーチを継続して利用した広告主と休止した広告主を比較しました。

図2に示すスポンサードサーチを継続したグループにおける2015年7月のスポンサードサーチ経由の集客数(A)を基準とし、スポンサードサーチを休止したグループの2015年7月のオーガニック検索による集客数(B)が(A)と同等であれば、スポンサードサ-チの利用休止による減少分は補えているということになります。

図2

この考え方に沿って、スポンサードサーチを継続的に利用したときのスポンサードサーチ経由の集客数全体(A)を100%とした場合に、スポンサードサーチ休止時のオーガニック検索による集客数(B)がどう変化するかを検証しました。その結果、スポンサードサーチを利用しない場合、オーガニック検索からだとPCではスポンサードサーチの獲得数の64%、スマートフォンでは23%しか補えないという結果になりました(図3)。

図3

このことから、スポンサードサーチでしか集客できない部分をSEOでカバーすることは難しいということがわかります。

集客力以外の影響

では、図3で損失と示されている“スポンサードサーチの利用休止によって集客できなくなった検索ユーザー(PCにおいて36%、スマートフォンにおいて77%)”は、どこに行ったのでしょうか。スポンサードサーチをクリックするユーザーが一定量存在することを考えると、スポンサードサーチの検索結果で表示される競合他社のサイト等に流れてしまった可能性があります

そこで今度は図4に示すように、スポンサードサーチ継続グループの7月のスポンサードサーチ経由のクリック実績(C)と、スポンサードサーチを休止したグループが、そのまま利用継続していた場合の7月の推定値(D)を比較しました。

図4

検索ニーズが一定の状況において、(C)のスポンサードサーチのクリック数が(D)のスポンサードサーチのクリック数を上回っていた場合、その部分はスポンサードサーチを休止したことによって他社へ流出したクリック部分だと考えられます。

季節要因やキーワードのカテゴリを平準化した仮説検証の結果、スポンサードサーチ休止グループが利用継続していた場合の推定値(D)を100とした場合、利用継続グループの7月(C)のスポンサードサーチによる集客数はPCで25%増、スマートフォンで35%増となりました。

したがって、スポンサードサーチを休止した場合に失う集客部分が、前述のように継続利用の場合PCで36%、スマートフォンで77%あることから考えると、それらから他社へ流出したと考えられる比率は、PCで71%、スマートフォンでは89%にも上ります(図5)。

図5

以上の結果からスポンサードサーチを継続した場合の集客を100とした場合、休止による集客への影響をまとめると、図6のようになります。

図6

ご覧のように、スポンサードサーチの休止は、他社への流出という一時的な集客数の減少では片付けられないリスクをはらんでいます。休止することにより、スポンサードサーチを継続してPCで獲得しているクリック数の1/4を、スマートフォンで獲得しているクリック数の約7割を自ら他社へ送客するという事態になりかねません。

具体的な併用方法

上記の調査結果により、SEOとスポンサードサーチで獲得できるユーザー層には違いがあり、どちらかの運用にだけ頼ると広告効果を著しく損なうということがおわかりかと思います。

では、具体的にどのように併用すればよいのでしょうか。上記と同時期にサンプルアカウントのデータを一定条件下で分析した結果、オーガニック検索の結果における表示順位が5位を下回る場合、スポンサードサーチのトップ5位までに掲載したほうが集客効率がよいということがわかりました。

これらのことから、運用については以下のポイントをおさえておく必要があるといえます。

  1. SEO対策のキーワードをスポンサードサーチで運用し、スポンサードサーチでの登録キーワードをSEO対策として用いる
  2. SEOで掲載順位が上位に表示されないキーワードは、スポンサードサーチにおける上位掲載するよう、広告のタイトル・説明文などを見直し、入札価格を適切に調整する

いかがでしょうか。検索と連動した広告については、「スポンサードサーチかSEOか」といった視点ではなく、両方をうまく利用することによって、広告効果を最大化していただければと思います。

オリジナル記事:なぜ“スポンサードサーチ”と“SEO”は両方必要なのか(2015/09/28)

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