商品より先に梱包!?梱包資材の基礎知識から実務上の工夫までを解説
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(目次)
- 梱包資材はお客様が最初に手にする大切なもの
- 梱包資材の種類
- 梱包資材の入手方法
- オリジナルの梱包資材を作る
- 梱包作業で気をつけること
- まとめ
この記事は、ネットショップかんたん作成のshop byが運営するオウンドメディア「ECナレッジ」から転載しています。 https://shopby.jp/ecknowledge/
梱包資材はお客様が最初に手にする大切なもの
お客様と対面で接することがないネットショップの運営では、丁寧で親切な梱包はとても重要です。運営者ご自身の経験でも、楽しみに待っていた商品を手にしたとき、梱包状態が雑でマイナス印象を持ったことがある方も多いことでしょう。
ネットショップでの購入者は「環境に配慮した梱包資材の使用」や「開封しやすい梱包資材の使用」に好印象を持つことが調査結果でも明らかになっています。店頭で手渡すときのような丁寧さを心がけることが、お客様満足度の向上にはとても重要です。
※参考
生活者起点のリサーチ&マーケティング支援を行なうネオマーケティングが実施した、「ECサイトの梱包から配送に関する調査」(2021年4月)
梱包資材の種類
梱包資材にはダンボールや封筒タイプなどさまざまな種類があります。ここでは、資材ごとの特徴を解説します。
どんな資材がよいか選びきれないという方は、サンプルセットを取り寄せてから発注するのも良いでしょう。ダンボール・梱包材国内シェアNo.1の【ダンボールワン】では、ダンボールの他、クッション封筒や宅配ビニール袋などのサンプルも取り寄せることができます。
※参考※梱包資材の商品サンプル(ダンボールワン)
https://www.notosiki.co.jp/item/category?id=sample
■ダンボール
ダンボールの規格は、サイズのほか、主に厚み(フルートの段数)や材質、色、形、組み立て方などで選びます。一口にダンボールと言ってもさまざまなので、初めのうちはサンプルを取り寄せるなどして比べてみるのがよいでしょう。
(サイズ)
ダンボールのサイズは、mm(ミリ)で表すのが一般的です。三辺の長さを合計して、60サイズ、100サイズのように表記します。三辺は、W〇〇×D○○×H〇〇mmのように表記しますが、日本語の呼び方は長さ、幅、深さの他にもいろいろあるので、実際の仕上がりイメージを見て決めるのが安全です。深さ以外の寸法の長い方を「長さ」、短い方を「幅」と覚えると分かりやすいです。
また、仕入れる際には、内寸と外寸で微妙に異なるので注意しましょう。物流業者は、外寸で送料を算出します。
(形状)
よく用いられるみかん箱タイプは、A式と呼ばれます。コストは比較的安めで、サイズのバリエーションが豊富です。上面と下面の両方にテープ止めが必要になります。深さが40mm以下になると、やっこ型と呼ばれる薄型に変えることになります。
底面や上面が組み上げ式になっているタイプはB式と呼ばれ、底面の組み上げ方式によって底地獄型(アメリカンロック式)、ワンタッチ型(底ワンタッチB式)、キャラメル型(B式、サック箱)などがあります。底面のテープ補強が不要な場合にはテープの使用量削減にもつながりますが、底面に凹凸ができることがあるので注意が必要です。
そのほか、N式型(N式上差込式、R式型、組立箱)、などもあります。
(厚さ/フルート)
ダンボールの材質は、ライナー、中芯、厚さの組み合わせで考えます。ライナーはダンボール表面の紙材、ライナーに挟まれている波打ち形状のものが中芯です。
通販で一般的なのは5mm A/F(エーフルート)タイプで、140サイズ程度までに適します。140サイズを超えたり重量物を入れる場合には、中芯を強化版にしたりフルートを2段にしたりしますが、値段も上がります。
(ライナー)
ライナーは、ダンボールの表面にあるシートを指します。ライナーにはCタイプとKタイプがあり、Cタイプは古紙の含有量が多く、Kタイプはバージンパルプを多く含みます。例えば、前述の5mm
A/Fでよく使われるのはK5と呼ばれます。大量に仕入れる場合には、メーカーに問い合わせてみるのもよいでしょう。
(中芯)
ダンボールを横から見た時の波型の部分です。一般的な中芯は120g/m2で、箱の強度を上げたいときには160g/m2、180g/m2などグラム数をあげたものを使います。中芯の詳細については、オーダーメイドで作成する場合などに注意すればよいでしょう。
■封筒タイプ
封筒タイプには、エアクッション付きのクッション封筒、防水性に強くアパレル商品に適する宅配ビニール袋、メール便で送りやすい厚紙封筒などがあります。書籍やDVDなど薄めの商品、小型のアクセサリーなどに向いています。
(クッション封筒)
クッション封筒は、プチプチ封筒とも呼ばれます。クリックポスト、ネコポス、ゆうパケットなどのメール便サービスを使うことで送料ダウンにもつながる、人気の梱包方法です。糸状の開封テープがついていれば、お客様の開封も楽です。
(厚紙封筒)
厚紙(コートボール紙)製の封筒で、封筒型、組み立て型などがあります。クッション封筒と同様に送料ダウンが見込めます。
(宅配紙袋)
マチ付きで、衣服や小物雑貨の梱包に向いています。破損の恐れがない商品の場合は、ダンボールより安く仕入れることができるので使用を検討しましょう。サイズは60サイズ、80サイズ、100サイズが一般的ですが、高さを調整できるので商品にジャストフィットした状態で送ることができます。
開封時の商品破損を防ぐため、商品をOPP袋に入れた後に封入するのがよいでしょう。
(宅配ビニール袋)
丈夫なビニール製で、水濡れや破れに強く、ダンボールや紙袋よりコストを抑えることができる、ネット通販での定番ともいえる梱包資材です。サイズはB5、A4、B4、A3あたりが主流です。粘着テープがついているタイプであれば、発送作業の効率アップも見込めます。
ショップロゴなどのオリジナル印刷をすれば、お客様が受け取られた時にもよい印象を与えることができるでしょう。
緩衝材
緩衝材はさまざまな種類があるので用途に応じて選びましょう。商品を守る目的だけでなく、お客様が破棄するときの手間も考慮します。
(プチプチ)
低コストで緩衝性が高く、緩衝材の定番です。メーカーによりプチプチ、エアーキャップ、エアーパッキンなどと呼ばれます。仕入れる際には、形状(シート状、ロール状、袋状)、材質(片面2層、両面3層)、粒の大きさ(極小粒、通常粒、大粒)などが選べます。
(発泡緩衝材)
箱内の隙間を埋め尽くすのに適しています。バラ状と袋状を組み合わせれば緩衝性を高くできます。コーンスターチなど環境にやさしい原料由来のものがよいでしょう。
(クラフト紙)
更紙(ざらがみ)、ボーガスペーパーとも呼ばれ、使用する際にくしゃくしゃにして隙間に詰め込みます。カット品とロール品があり、サイズはいろいろあるので、作業場の状況に合わせて準備しましょう。
(ポリエチレンシート)
ポリエチレンシートは、発泡シートやミラーマット、フォームクッションとも呼ばれます。食器やDVDの一次梱包によく使われます。柔軟性と保護性に優れています。
■テープ
ネット通販では、OPP透明テープ、クラフトテープ、布テープなどがよく使われます。消耗品なのでコスト面も考慮して選びましょう。OPPテープは比較的安くて軽量梱包向け、クラフトテープは中軽量向け、布テープは比較的高めで重量物に向いているとされます。
■梱包作業で使うもの
実際にお客様にお届けするもの以外でも、初めに準備するものは意外と多いので最初から準備しておくとよいでしょう。
・工具系:ハサミ、カッター、メジャー、計りなど
・環境系:ほこりが入りにくい作業環境、指紋がつかないようにする作業用手袋、出荷前にさっと拭く布など
梱包資材の入手方法
梱包資材は、専業のネットショップや、利用している物流業者から購入することができます。
■専業の通販サイトで購入する
梱包資材を専門に扱う通販サイトを利用すると、ほぼすべての作業がネット上で完結するので便利です。
一例を紹介すると、梱包資材専門のECサイトを運営するダンボールワン(金沢市)では、ダンボール工場直営ゆえの多品種低価格を実現しています。規格品であれば即日発送も可能で、梱包に関する関連資材も一通りそろえることができます。
■利用している物流業者から購入する
ヤマトや佐川急便、日本郵政など、日常利用している物流業者が販売している梱包資材(主に外箱類)を購入するのは、品質の安定も見込めて調達コストの短縮にもつながります。
オリジナルの梱包資材を作る
形状や素材、印刷、色などオリジナルの梱包資材を使用することで、ブランディングを図ることも一般的です。
■ダンボールをオーダーメイドで作成する
主力商品のサイズが一定で既製ダンボールのサイズに違和感がある場合は、オリジナルサイズのダンボールを作成することも考えられます。WEB上の発注で完成するため手軽に発注できます。
梱包資材のECサイトであれば、
・STEP1 サイズや数量を入力する
・STEP2 見積を確認する
・STEP3 カートに入れて注文する
のように進めることで完結します。
■梱包資材にロゴを印刷する
既製品のダンボールや封筒であっても、社名やブランドのロゴを印刷するだけでもお客様の印象は大きく変わります。商品を受け取った時の安心感も上がるでしょう。
梱包資材の専業サイトでは、WEB上で見積もりや入稿、デザイン調整を完了することができるます。初回のみ版代が発生しますが、長期的に使用することを考慮すれば、検討したい選択肢の一つです。
■オリジナルステッカー(シール)を貼る
会社名やブランドロゴのステッカー(シール)をお持ちの場合は、外箱に貼るのは最も手軽な工夫方法です。一度ステッカーを制作すれば、商談やノベルティなど幅広いシーンで活用できるので、おすすめのブランディング手法の一つです。
梱包作業で気をつけること
受注が増えてくると、出荷担当者への負荷も大きくなり、梱包の質に影響が出ることがあります。マニュアルの整備などで、梱包品質を保つ努力も欠かせません。
■商品に合わせたサイズを選ぶ
梱包形態とサイズは、必ず内容物に合わせて選びましょう。大手の通販業者の中には、作業効率を優先して大型サイズのダンボールに統一することもありますが、お客様がごみとして処分する際に環境に悪いなどマイナスの印象を与えてしまいかねません。
■物流コストを意識したサイズダウン
物流業者は重量×三辺合計サイズで送料を算出するので、適切なサイズの梱包にすることは物流コストの削減にもつながります。
サイズは、60cmから20cm刻みで設定され、80cm未満であれば「80サイズ」です。60サイズ未満の場合は、メール便やクリックポストなど宅配便より割安なサービスを選びましょう。
■輸送中の擦れや衝撃を前提に梱包する
輸送中の擦れや衝撃はあるという前提で対策することも重要です。隙間埋めに使用する緩衝材の適切な使用も大事ですが、適切な外箱サイズであればこうしたコストの削減にもつながります。なにより、お客様にごみ処分の手間をかけないという点も忘れがちですのでご注意ください。
■緩衝材は十分に使用する
商品にジャストフィットする外箱サイズがない場合には、プチプチや更紙などで「輸送中に商品がぐらつかないこと」を徹底しましょう。商品の上面にのみ緩衝材を入れることが多いようですが、商品の下面にも緩衝材を敷くことで上下の衝撃を吸収できます。
■重量物はテープの張り方にも一工夫する
ダンボール箱の強度は、輸送時の積み上げ方や湿度ににょって異なります。出荷時にはしっかりしていても、お客様の手元に届くときには想定以上に弱っていることもあるので注意しましょう。特に重いものを入れている場合は、底面のガムテープを十字型にする工夫も必要です。
まとめ
梱包は、お客様が一番最初に手にする重要なものです。受注が増えると梱包作業は担当者の負荷になりがちですが、商品の良さを十分に伝えるためにも大事な工程です。
梱包資材を一通り試してみたい方は、通販業者向けのキットを取り寄せて一通り使ってみることも良いでしょう。
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