PayPay100億円キャンペーン再び 第一弾が成功した4つの理由とは?

今回は、第一回PayPay100億円あげちゃうキャンペーンがなぜここまで話題になったのか、その「秀逸なキャンペーン設計」を心理学の視点で分析してみました。
※この記事は読者によって投稿されたユーザー投稿のため、編集部の見解や意向と異なる場合があります。また、編集部はこの内容について正確性を保証できません。

※この記事は、2018年12月25日に掲載した内容を再編集したものです。

スマホ決済サービスPayPayの、第二弾の100億円あげちゃうキャンペーンが2月12日から開催が予定されています。

第一弾のキャンペーンでその認知度は飛躍的に向上し、効果的なプロモーションとなりました。
PayPay側としては、キャッシュレス市場に割り込むため、加盟店を増やすための広告費としてばらまいた100億円ともとれますが、そもそも、ここまでに話題になるキャンペーンをつくるのは難しいことです。

今回は、第一回PayPay100億円あげちゃうキャンペーンがなぜここまで話題になったのか、その「秀逸なキャンペーン設計」を心理学の視点で分析してみました。

ぜひ自社の販促活動の参考にしてみてください。

PayPay100億円キャンペーンが成功した4つの理由

1、参加したくなる!【損をしないキャンペーン設定】

まずは、キャンペーンの内容をおさらいしてみましょう。大きなキャンペーンの概要は、PayPayが負担する付与金額が100億円に達したら終了、というものでした。

具体的には、

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①PayPay決済利用毎に20%戻ってくる。

②PayPay決済利用毎に抽選にて40回に1回の確率で全額(10万円相当まで)戻ってくる。

③Yahoo!プレミアム会員ならPayPay決済利用毎に抽選にて20回に1回の確率で全額(10万円相当まで)戻ってくる。

④ソフトバンクまたはワイモバイルユーザーならpaypay決済利用毎に抽選にて10回に1回の確率で全額(10万円相当まで)戻ってくる

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という内容。

※参照元:https://paypay.ne.jp/promo/10billion-campaign/

ここで重要なのは、①の普遍的なキャンペーンに加え②~④の「○○回に1回の確立で全額(10万円相当まで)戻ってくる」という内容が加えられていることです。

このキャンペーンには【プロスペクト理論(損失回避)】という理論が適用されています。プロスペクト理論とは、人間は利益を得る場面では確実に取れる利益を取り、リスクを前にするとその全てを回避しようとする、というものです。

もし②、③、④の大胆なキャンペーンだけを行った場合、ユーザーにとって利益は大きいが確実に当たるかわからないので、リスクを回避しようという気持ちが生まれます。そして、ユーザーはキャンペーン参加をためらってしまいます。

しかし、①で確実に20%戻ってくるというキャンペーンが並走しています。
これで、②~④に外れても、ユーザーは損することはありません。「全額バックに当たればラッキー」「当たらなくても20%還元でハッピー」とユーザーにデメリットがないことで、キャンペーンに参加しやすい状況がうまれました。

 

2、100億円ばらまいたら終了という【限定感】

2つ目の理由は、キャンペーンの限定性から説明します。
キャンペーンの条件、それは「PayPayの負担金が100億円に達したら終了」というものでした。

この限定はとても購買意欲に関係しています。『希少性』というもので、人は品不足になると価値が高いと感じ、手に入れたいという欲求が強くなる現象です。

そして、この希少性の裏にある心理とは【心理的リアクタンス】と呼ばれるものです。
リアクタンスとは、“反発・抵抗”という意味。希少性によって、ユーザーは購入するという自由を阻害されるため、それに反発して、購入マインドが高まり、購買行動に移りやすくなります。

第一弾のキャンペーンは、このリアクタンスの高まりが非常に大きいものでした。

「100億円にいつ達成するか分からない」「いつ終わるか分からない」という不安が、「終わってしまう前に今のうちに利用しよう」という反発行動を誘導したのです。

 

3、ソフトバンク・Yahoo!・ビッグカメラなど【有名企業への服従】

3つ目の理由は、有名企業の参画により【権威への服従】という心理が発動したことにあります。

権威への服従というのは、人は「権威」の言うことにはつい安心して従ってしまう、という心理。キャンペーンを行ったPayPay株式会社は、ソフトバンクとヤフーの合弁会社です。さらにひときわにぎわった加盟店といえば、ビックカメラでし。このようにネームバリューのある企業がキャンペーンに参画しました。

「権威」とは一般に、「専門家、先生、開発者、有名人」などを指します。このキャンペーンでいうと、ソフトバンク・ヤフー・ビッグカメラといった有名企業の事を指します。

キャンペーンには、ソフトバンクユーザーやYahoo!プレミアム会員が優遇される内容もあり、これらがキャンペーンに常に付随することによって、無条件にユーザーは信用し、従ったといえます。

4、【口コミ】の大量発生

このキャンペーンはたったの10日で終了しました。この反響にかかせなかったのは、キャンペーン参加者のSNS投稿です。

 

なぜ、SNSの投稿はこんなにも力を持つのでしょう。その理由のひとつに、【ウィンザー効果】というものがあります。これは、第三者から見聞きしたことのほうを信用するという心理です。

SNS特にTwitterはユーザーが個人的なことつぶやく場所です。
投稿が拡散され、多くのがそのツイートをみたとしても、投稿者が金銭的に得をすることはありません。インフルエンサーや企業のプロモーションは目的が違いますので、含めないとして、一般的なTwitter利用者はウソをつくメリットもないため「本心」が生まれやすいことを私たちは知っています。

そのような「第三者の本心」に私たちは触れることで、つぶやいた対象を信用しやすくなるというわけです。

 

PayPayのキャンペーンが秀逸だった点は、「100億円 20%還元 全額還元 Yahoo! ソフトバンク ビッグカメラ 当たる 外れる」などの単純明快なキーワードで、内容が語れたことです。つまり、人に話しやすい=投稿しやすいキャンペーンでした。

加えて、全額キャッシュバックが当たった人や、いままで買えなかった値段の張るものを、このキャンペーンに参加することで購入できたユーザーは、「うれしい」というポジティブな気分を味わいます。

このようにキャンペーンの内容とともに、個人のポジティブな気持ちがSNSにあがることで、キャンペーンの認知と信用性がどんどんあがっていったといえます。

 

 

以上、第一弾PayPay100億円あげちゃうキャンペーンが成功した理由を、4つの心理効果から分析しました。
第2弾100億円キャンペーンは内容を変え、長期にわたり開催されます。そのキャンペーンについても分析して行く予定ですのでお楽しみに。

 

【Web行動心理学研究所】に掲載されているオリジナル版はコチラ

PayPay100億円キャンペーン再び 第一弾が成功した4つの理由とは?

 https://wbpl.infodex.co.jp/entry/paypay 
(2019年2月7日(木))

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