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近年、注目を集めているトピックの1つに「トリプルメディアの最適化」があります。本コラムでは企業のマーケティング担当者がトリプルメディアを活用する上でのキーポイントを説明し、効果を最大化するためにトリプルメディアを“どのように最適化していくのか”について解説します。
トリプルメディアの定義及び活用の背景
いわゆるトリプルメディアとは、広告メディア(Paid Media)、自社メディア(Owned Media)、ソーシャルメディア(Social Media)の、3つのメディアを指します。近年、自社サイト、ソーシャルメディアの重要性が増しており、従来の広告メディアとの連携がマーケティングにおいて不可欠となってきていることを背景に登場してきた概念です。多くの企業にとってトリプルメディアの最適化はまだ試行錯誤段階ではあるものの、広告メディアで認知させ、自社メディアで理解・販促を行い、ソーシャルメディアで拡散・ファン化させる、という役割分担で用いられるケースが典型的な役割分担となっています。
トリプルメディアの役割分担例
- 広告メディア(Paid Media)の役割としては、「認知」が挙げられます。目的としては、自社メディアやソーシャルメディアへの送客で、最適なチャネルへの広告やメディア媒体への出稿が必要となってきます。
- 自社メディアの役割としては「理解・販促」が挙げられます。広告メディアで送客された顧客に対し、製品情報、企業情報等の広告内での情報では得られないユーザーベネフィットに即した情報を発信することが重要となってきます。
- ソーシャルメディアの役割としては「顧客のファン化」が挙げられます。広告メディアや自社メディアから送客された顧客と、企業の担当者で双方向のコミュニケーションを行うことによって、企業に対する親しみやロイヤリティの向上を図る必要があります。
トリプルメディア活用における課題
トリプルメディアを活用する企業におけるWeb運用の特徴
トリプルメディアマーケティングの考え方はB2C企業を中心に取り入れられてきていますが、そのような企業の特徴として、拠点・商品・サービス等によりターゲット層が多様であることがあげられます。企業のマーケティング担当者は限られた予算内で、複数のターゲットに合わせたメディア、ブランディング、プロモーションのチャネル運用・施策を多数同時進行で行わなければならず、管理や運用が一層難しくなってきています。
トリプルメディアを活用する企業におけるWeb運用の問題点
複数のメディアを活用するなかで、Web運用上、以下のような問題点が発生することが多々あります。
- 制作会社及び発注側の各メディア・ブランド・拠点担当者のスキルに品質・コスト・納期が依存してしまう
- 全社的なブランドイメージの管理がしにくい(ガイドラインに柔軟性がなく運用されていない、あるいは、運用の自由度が高すぎて統率がきかない)
- 各メディア・拠点サイト・ブランドごと、施策ごとの効果測定が曖昧になり、施策のROIが「見える化」されていない
- 各拠点・ブランドの担当部門の意見が優先され、全社的なブランド管理の視点が損なわれがち(部分最適>全体最適)
こうした企業では、ブランドイメージの管理、WEB上の顧客接点の品質管理、運用体制の管理が不十分になる傾向があります。
トリプルメディア最適化のポイント
上記のような課題を解決し、トリプルメディアを最適化するためには、ビジネスにおける各メディアの役割を設計し明確化すること、それに基づきKPIを設定し継続的に改善できる仕組みができていること、情報マネジメントのための仕組み・ツールを構築すること、の3点がポイントとなります。
ビジネス上の達成目標とトリプルメディアの役割
先ず、最もマクロにみると、ビジネス上の達成目的におけるトリプルメディアの役割を選定していくことが重要となってきます。収益向上、コスト最適化などのビジネス目標に対する役割を設定します。KGIの設定(詳細はこちら)をまず行い、企業の達成したいゴールへ顧客を導くためのプロセスを設計し、そのプロセスにおいて各メディアの活用方法、また各プロセスにおけるKPIを設定することにより、全社的に整合性のとれた施策を実施することが可能となります。
大枠でのトリプルメディアの役割を定義した上で、顧客をゴールへ導くプロセスを整理するとともに、そこでの各メディア・施策の位置づけを整理することが重要となります。そうすることによってはじめて、KPIの設定、効果測定がスムーズに行えるようになるのです。
KPIの設定
ここまでできた段階で、より具体的に各メディア、サイト、コンテンツ単位でのKPIの設定を行います。そこでの導線上の課題仮説をWeb上のアクセスログ等により検証し、次の改善につなげていきます。なお、WebのKPIとして、CPA・CPC・CVRなど定番の指標のほか、KPIの考え方を取り入れ、各数値をモニタリングしている企業は増えてきています。また、ソーシャルメディア上での発言のポジティブ度合、Facebookのいいね!数なども含め、指標設定を工夫されている企業もみられます。ただし、指標体系を整理して終わるのではなく、指標の値が一定水準以下になった場合に誰がいつどのような対応をするのか、各指標をどれくらいの管理スパンとするのか、というアナログな部分が運用レベル向上のための胆となります。
情報マネジメントの仕組み設計
トリプルメディアの運用を最適化するうえでは、マルチサイトの管理やマルチチャネルへの利用に対応した情報マネジメントの仕組みを設計することもポイントの一つとなってきます。情報マネジメントをすることにより、トリプルメディアのコンテンツの品質維持・高度化、ワークフロー機能を活用したガバナンスルールの徹底、機能分担による各メディア運用者の負荷軽減、コンテンツデータの一元管理による戦略的なチャネル活用が実現できるのです。
以上、複数述べましたが、各メディアを使う目的、役割を整理し、費用対効果を可視化するための効果測定方法、その後の改善方法を定義するとともに、運用を支える情報マネジメントを実施することがポイントです。これらの設計をしたうえで、日々の地道な運用を継続し、気づきを得てノウハウを蓄積していくにより、トリプルメディア活用の最適化が図れるのではないでしょうか。
■本コラムの元記事はこちら
効果を最大化するトリプルメディアの最適化
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