シニアのためのネットショップユーザビリティガイド
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高齢者にも分かりやすいネットショップを!
高齢者のネットショップ利用は年々増加!?
既にご存知のようにネットショップ利用者は年々増加を続けており、今後もますます増加していくだろうと予想されています。
そんな中、平成21年(2009年)に総務省より発表された「通信利用動向調査報告書」によると60~64歳で6割近くの方が、65~69歳でも3割以上の方がインターネットを利用しているという調査結果が出ました。
それに伴いネットショップを利用する高齢者の方の割合も増加し続けており、今後はそういった高齢者の方にとって使いやすいサイトの構築も非常に大切になってきます。
60歳以上のインターネット利用状況
出典:総務省「平成20年 通信利用動向調査報告書」※PDFファイルで開きます
そこで今回は、高齢者の方がネットショップを利用する上で大切な、ショップの『見やすさ』と『使いやすさ』に関しての改善ポイントをそれぞれ4つずつ、合計8つに絞ってご紹介していきたいと思います。少し長いですが、どうかお付き合い下さい。
見やすさ編 4つのユーザビリティ改善
早速ですが、まずはサイトの『見やすさ』に関して、どのような点に気をつければいいのかをご紹介したいと思います。
1.文字サイズとボタンサイズ、リンク文字
高齢者向けであれば、フォントサイズ12ピクセル以上が適しているでしょう。
サイト自体に文字の大きさが変更できるボタンなどがあれば更に便利です。
また文字と文字の間にも適度な空白を持たせるなどの工夫をすることも重要です。
サイト内の各ボタンもより分かりやすくするために大きめで色が目立つボタンにしたり、マウスオーバーで色が変わるなどの工夫を施しましょう。
またリンクには、必ずしも下線を入れる必要はありませんが、
- 色を変える(訪れる前、訪れた後では違う色を使用)
- リンクしたい言葉が続く場合は、言葉と言葉を明確に分ける
- リンク先がすぐに判断できる言葉を使用する
など「分かりやすく」することが重要です。
2.シンプルな情報提供を心がける
欲しい商品に簡単にたどりつける。これは高齢者の方だけでなく全てのユーザーにあてはまる改善ポイントですが、高齢者の方には特に重要なポイントの一つです。ウィンドウはなるべく1つで展開し、ポップアップや新しいウィンドウで開くような場合は説明を付けておきましょう。
商品に到達するまでのクリック数は1~3回。これを超えると探すのが億劫になってショップから出て行ってしまう可能性が高まります。
また、商品のカテゴリ分けでは単に
お茶>宇治茶
とするだけでなく
お茶>疲れによいお茶
など、商品の効果や特徴が想像できるようにするなどの工夫も効果的です。
また、技術的な表現や難しい言葉を使用するのを避け、シンプルかつ簡潔な文章での表現を心がけましょう。普段ネットに接している人なら分かるであろう単語も、高齢者の方にとっては難解な横文字に感じてしまうこともあります。
例えば“FAQ”という単語、一般的なインターネットユーザーなら特に意識することもなく「よくある質問」だということを認識できますが、高齢者の方にとっては何のことか分からない場合がほとんどです。
3.ファーストビューを大切に
高齢者の方の中にはマウスホイールの使い方がよく分かっていない方もいます。
また、マウスホイールがないマウスを未だに使っていらっしゃる高齢者の方もいますので、ページをスクロールさせずに見える範囲は通常のユーザーをターゲットにしている場合よりも重要性が高まります。
4.信頼感を「見える化」する
ネットショップに慣れていない高齢者の方は、顔の見えない相手からの商品を購入する事に不安を持つ方もいらっしゃいます。
そういう意味ではショップ店長の写真やスタッフの写真などは親近感を感じてもらえる材料になります。
また、雰囲気や見た目だけでなく、そのネットショップがいかに「安心・安全」で、かつ「個人情報の取り扱い」にも充分な注意を払っているという点をアピールすることも大切です。
第三者の保護・証明マークなどを分かりやすい位置に掲載したり、高齢者の方でも理解しやすい文面で個人情報の取り扱いを説明するなど、色々と工夫をしてみましょう。
※サイトのセキュリティの重要性や必要性に関しては、以下のweb担記事を見てみて下さい。
某外食チェーンはなぜ値上げしても売上が増えたのか?
ECでも使える安全性の「見える化」で売上をアップする方法
使いやすさ編 4つのユーザビリティ改善
続いて、サイトの『使いやすさ』に関して、どのような点に気をつければいいのかのご紹介です。
1.操作案内を丁寧に
インターネット上に数あるネットショップですがそのどれもが微妙に使い勝手が違います。
ネットショッピングに慣れているとそんなに気にならないことでも、ネットショップのことがよく分からない高齢者の方はこの「微妙な使い勝手の違い」によってどのように操作すれば良いのかが分からない場合があります。
そういった高齢者のためにネットショップでの買物の仕方を丁寧に案内しましょう。
ショップのキャプチャやイラストなどをうまく使って商品の選び方から購入の方法まで細かく案内をすることで高齢者の方が助かるだけでなく、問合せの数なども減って手間を減らすことにもつながります。
■ご参考
楽天市場 使い方ガイド
Amazon 使い方ガイド
ヤフーショッピング 使い方ガイド
GMOとくとくショップ 使い方ガイド
2.ドロップダウンメニューではなくラジオボタン
高齢者にとって、実はドロップダウンメニューは非常に使い辛いものです。
欲しい商品をメニューから選択しているつもりが、異なった商品先を選択したり、なかなか目的までたどり着けなかったり。
このような事態を避けるためにも、選択肢が10個以下の場合には出来るだけラジオボタンを使用するようにしましょう。高齢者にも使いやすく、どこを選択しているのかも一目で分かるため選択ミスも防ぐことができます。
3.フォームを簡単に
申し込み・購入用・問合せなどのフォームは、なるべく簡単に入力できるようにしましょう。
具体的には
- 住所は郵便番号検索で出るようにする
- 名前は姓と名に分けて入力させない(入力エリアを増やさない)
- エラーがあった場合該当箇所のみの再入力で済むようにする
- 半角全角の区別をしない(どちらでもOKにする)
などの気配りがあるのがベターです。
最低限必要な入力項目とその他の入力項目は完全に分けるなどの工夫も親切でしょう。
4.パンくずリストとよくある質問を全ページに
パンくずリストとは、現在閲覧しているページの位置を階層構造リンクのリストで、簡潔に記述したものです。すべてのページの同じ場所にパンくずリストを掲載することにより、訪問者が現在位置を理解するのに役に立ちます。
(例:ホーム>お茶>宇治茶)
よくある質問(FAQ)は多くの人が同じような質問をすると予想される場合に作成するQ&A集のことで、最初からある程度予想できる質問内容に対する答えや実際にショップに訪れた方からの問合せを基に作成します。
これを各ページに載せておけばお客様の疑問にすぐに答えられるだけでなく、問合せに答える手間と時間も削減することができます。
また先ほども述べましたが、高齢者の方に分かりやすくするのであれば“FAQ”という表記ではなく、必ず“よくある質問”という表記にしましょう。
ユーザビリティで迷ったら…?
いかがでしたでしょうか。細かい点を挙げればキリがなくなってしまいますが、今ご紹介した8つのポイントを意識するだけでもかなり高齢者に優しいサイトになりますね。
もし、サイトの構築や運営で悩んだらまずは一度、知り合いの高齢者の方に自分のネットショップで買い物をしてもらい、率直な感想を聞いてみましょう。きっと思いもよらない感想をもらえると思います。
出来れば一度だけではなく定期的にテストを依頼し、複数の方から意見をもらい、平均的な意見を参考にするのが成功のコツです。
高齢者の方にとって使いやすいサイトは誰が使っても使いやすいサイトになります。今後ネットショップを利用される高齢者の方も増えていきますので、是非サイトのユーザビリティを意識して、誰もが使いやすいサイトを目指していきましょう。
【楽天の取り組み】
楽天市場にはシニアをターゲットとしたページが既に用意されている。
≫楽天シニア市場
余白や空白を多く取り、非常に見やすい構成となっている。また情報量自体も通常の楽天TOPと比べてかなり絞り込んでおり、高齢者の方に配慮した作りになっている。
このページから検索を実行すると、ページトップに「探し物ガイド」というナビゲーションが必ず表示され、高齢者の方が探しやすい工夫がされている。
<比較>----------
楽天シニアサイトから「腹巻き」で検索
通常の楽天トップから「腹巻き」で検索
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また楽天シニアサイトに特集で組まれているバナーをクリックすると、結果画面の表示方法が最初から「ウィンドウショッピング」形式になっており、より視認性が高まる工夫がなされている。
<比較>----------
楽天シニアサイトから「大河ドラマ」リンクをクリック
通常の楽天トップから「大河ドラマ」で検索
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