コロナに対して“リベンジ消費”できるか!? 75%が「前には戻らない」と回答……【野村総研調べ】

新型コロナへの不安がない若者ほど、ワクチン接種に消極的であることが判明。

野村総合研究所(NRI)は、コロナ禍が収束した場合の生活者の消費価値観や生活行動に関する調査結果を発表した。全国の15~69歳の男女18,800人が回答している。

「ワクチンを今後接種するつもりがない」と考える人は、若年層ほど多かった

今後の生活行動においては、「ワクチン接種の有無」が大きく影響すると考えられる。そこでまず、ワクチン接種状況を聞いた。調査時点の2021年7月では、3割超の人が1回または2回のワクチン接種を完了していた。そのうえで「ワクチンを今後接種するつもりがない」と考える人は、若年層ほど多かった。この意識の傾向は、ワクチン接種が進んだ現在も変わっていないと思われる。

次にコロナへの不安感を聞くと、「とても感じる」25%、「感じる」46%、「どちらでもない」20%、「感じない」9%となった。この4つの回答者ごとにワクチン接種の状況を見ると、「コロナに不安を感じない」と回答した人ほど、ワクチン接種が進んでいないことが明らかとなった。「不妊になる」「遺伝情報が書き換えられる」「5Gに接続される」といった荒唐無稽なデマがSNSでも広がっていたため、コロナよりワクチン接種を不安に感じるなど、若年層が影響された可能性も考えられる。

ワクチン接種が進んでいる人ほど、“リベンジ消費”はしたい?

コロナ禍収束後の消費活動については、我慢してきた反動から“リベンジ消費”が高まると期待されている。そこで「外食」「国内旅行」「海外旅行」「美術館や博物館の鑑賞」などについて、コロナ禍以前より支出するか、以前より少なくするかの意向を聞いた。

その結果、国内旅行は「コロナ禍以前の水準よりもさらに多くする」「コロナ禍以前の水準に戻す」の合計が半数程度になったが、その他の活動については、4割ほどに留まった。「コロナ禍以前の水準よりもさらに多くする」はすべて1割未満で、引き続き緊縮傾向が強く、“リベンジ消費”の高まりはあまり期待できなさそうだ。

ただし、ワクチン接種が進んでいる人ほど、コロナ禍以前の水準に支出を戻したいという意向は強くなり、特に国内旅行においては、2回接種済みの人の47%が「コロナ禍以前の水準に戻したい」、10%が「コロナ禍以前の水準よりさらに多くする」と回答している。

なお「コロナ禍後の生活全体の状況」を聞くと、「ある程度はコロナ禍以前に戻るが、完全には戻らない」59%が多数派で、「コロナ禍以前の生活に完全に戻る」は25%に留まった。「完全には戻らない」と回答した75%の人たちは、「完全に収束すると思えない」41.1%を筆頭に、「今の生活様式に慣れてしまった」18.4%、「マスクや感染予防は欠かせない」4.6%といった理由をあげている。

調査概要

  • 【調査対象】全国の満15~69歳の男女個人
  • 【調査方法】インターネット調査
  • 【調査時期】2021年7月22日~8月4日
  • 【有効回答数】18,800人
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