中高生のネットトラブル、教師の想像の4倍近く「不快なメッセージ」経験あり。「ネット詐欺」は5倍以上に【グーグル調べ】
グーグルは、中学生・高校生および教員を対象とした調査結果を「中高生インターネット利用白書2021」として公表した。インターネットの利用状況、感じるメリットやデメリット、実際に経験した出来事などを、中高生約1万5,000人、教員約120人から聞いている。
中高生が感じるネットのメリット、「検索で情報入手」「いつでもどこでもゲームや音楽」
まず「インターネットやアプリの利用時間(平日1日あたり)」を見ると、中学生では「1時間未満」が22%なのに対し高校生は10%と半減。逆に「3時間以上」との回答が、中学生32%から高校生43%と増加している。性別で大きな違いはなかった。
「インターネットでの経験(メリット)」では、「検索サービスを使って、知りたい情報を簡単に入手できるようになった」「アプリなどを使って、ゲームや音楽などをいつでもどこでも楽しめるようになった」が中高生ともに約9割で上位となった。特に高校生では9割後半に達している。
一方、こうしたインターネット利用のメリットについて、生徒に「自分で経験したこと」、先生に「生徒が実感していると思うこと」を聞くと、「インターネットを使うことで、以前より世の中のニュースに関心を持つようになった」「インターネットを使うことで、自分の将来についてより具体的に考えられるようになった」の2項目で特に大きな差が見られた。生徒が実感しているほど、教師側はこの2つのメリットを想像できていなかった。なお、この傾向は中学・高校で変わらない。
大人の想像と子どもの実感に大きなギャップ?
「インターネットを巡るトラブル」(インターネット利用のデメリット)の上位では、「スマホ・パソコンの利用時間が長くなり、日常生活に支障が出た」「SNSで知らない人から不快なメッセージが来た」が2割~4割ほど存在した。学年が上がるにつれトラブル経験も増加しているが、これは利用時間そのものが長くなっているためと考えられる。また「見たくない情報(暴力や未成年に不適切な内容)を見てしまった」が1割~3割、「ネット詐欺に遭いそうになった」なども1割~2割程度存在する。
こうしたインターネット利用のデメリットについても、生徒に「自分で経験したこと」、先生に「生徒が実感していると思うこと」を聞くと、「SNSで知らない人から不快なメッセージが来た」と「ネット詐欺にあいそうになった」で、生徒の実体験と先生の想像に、特に大きな開きがあった。教師が想像している4倍近く子どもは不快なメッセージを受け取っており、5倍以上もネット詐欺の危険に遭遇していた。
なおこうしたトラブルに対し、解決のためになにか行動した生徒は、半分以下。女子より男子のほうが行動しない傾向があるという。今回の調査結果をもとにグーグルは、インターネットリテラシーについて学べる教材の拡充を、3月より実施する方針だ。
調査概要
- 【調査対象】Googleが提供する「Googleオンラインセーフティカリキュラム」の授業を受講した中学生および高校生、および授業を活用した中学校および高校の教員
- 【調査方法】Web調査および郵送
- 【調査期間】2020年4月~2020年12月末日
- 【有効回答数】中高生15,557人(中学生5,835人/高校生9,722人)、教員119名(中学50人/高校69人)
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