「未来型企業」は同業他社と比べて約2倍の効率性・3倍の収益性を実現【アクセンチュア調べ】
アクセンチュアは、最新調査レポート「Fast Track to Future-Ready Performance」を発表した。ビジネスの成熟度を4段階で測定し、各段階におけるAI/クラウド/データなどのデジタル活用状況を評価するもので、世界11か国・13業界の上級役職者1,100人(日本企業は125人)から回答を得ている。特に業務オペレーションの成熟度が高い企業を「未来型企業」と定義している。
「未来型企業」は同業他社と比べて約2倍の効率性・3倍の収益性を実現
この調査によると、「未来型企業」に該当した企業は約7%。未来型企業は、同業他社と比べて約2倍の効率性・約3倍の収益性を実現していた。また、人工知能(AI)、クラウド、データアナリティクスなどデジタルの能力が高い傾向が見られたという。
こうした未来型企業が注力している主な領域では、「クラウド」「マシンインテリジェンス」「大規模な自動化」「スマートなデータ活用」「俊敏性を備えた労働環境」の5つがトピックとしてあがった。数値データとしては以下のような内容が紹介されている。
- クラウド
未来型企業のうち、90%は大規模なクラウド基盤を構築しており、8割近くがさらなる拡大を検討中。
- マシンインテリジェンス
AIやデータサイエンスの活用は、3年前の4%から18倍の成長を遂げ、71%に達している。
- 大規模な自動化
未来型企業の67%が首尾一貫したデジタルプロセスを構築しており、58%は最先端のテクノロジーを継続的に導入していた。ただし、自動化が成熟レベルに達している日本企業は8%に留まっているが、2023年には50%台まで増加する見込みだ。
- スマートなデータ活用
本格的にアナリティクスを活用している企業は、非未来型では5%だが、未来型企業では52%にのぼる。こちらも日本企業は10%に留まったが、2023年までには50%台の企業が多様なアナリティクスを推進する見込みだ。
- 俊敏性を備えた労働環境
未来型企業の34%は、労働環境に俊敏性をもたらす戦略を本格的に実行しており、必要に応じて社外の専門家の協力を得る体制を構築していた。日本は6%に留まっている。
さらに、「過去3年間で、未来型企業に進化を遂げた企業」について、どういった事項について改善を図ったかを聞いたところ、「製品やサービスに関するイノベーションのスピード」83%、「従業員のエンゲージメントや定着」80%、「顧客体験」75%、「データから生み出されるビジネス価値」73%、「従業員同士の連携やリスキリング」68%が上位だった。
未来型企業の注力領域において、日本は3年遅れの状態ではあるが、そのぶん多くの企業に改善の余地がある。なお、この調査によると、2020年に成熟度を1段階引き上げた企業は、平均して売上高1ドルあたりの営業費用において7.6%の効率化があり、収益に対するEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)の割合が2.3%増加していたという。
調査概要
- 【調査対象】日本を含む世界11か国、13業界における企業の上級役職者
- 【調査方法】ビジネスの成熟度を4段階で測定し、各段階におけるAI、クラウド、データなどデジタルの活用状況を評価
- 【調査時期】2020年
- 【有効回答数】1,100人(日本企業は125人)
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