抽象的に語られがちな“自律的に働く”ということ、「上司や会社から阻まれている」と感じる人が半数以上【リクルートMS調べ】
リクルートマネジメントソリューションズは、「自律的に働くことに関する実態調査」の結果を発表した。
働き方改革やテレワークの拡大で、従業員の「自律」(自ら思考・決定・遂行すること)が注目されているが、具体的な実効などは曖昧だ。この調査では企業正社員435名にアンケートを行い、自律の現状分析、協働との比較などを行っている。
自律を期待する理由は「現場の工夫や提案を求めている」、期待しない理由は「結局、上位者の気に入る案しか実行されない」
まず「あなたの所属している会社は、従業員が自律的に働くことを期待するメッセージを出していますか」と聞くと、一般社員(348名)の80.7%、管理職(87名)の94.2%が「期待されている」と回答した(強く期待するメッセージが経営者やマネジメント層から出されている+ある程度期待するメッセージが経営者やマネジメント層から出されている+具体的なメッセージはないが自律が期待されていると感じるの合計)。
「会社が従業員の自律を期待する理由」では、一般社員・管理職ともに「会社の業績を高めるために、現場の工夫や提案を求めているから」が最多で、「従業員の働きがいが高まると考えているから」がそれに続く。管理職では「部下の仕事の専門性が高まり、管理職が細かい指示をすることは不可能だから」といった意見も票が集まった。
一方で「会社が従業員に自律を期待していない理由」としては、「結局、上位者の気に入る案しか実行する気がないから」「上司や会社の指示に従うことが会社員の仕事だから」など、強いあきらめの気持ちが見える。
自律的に働きたいと考えていても、「上司や会社から阻まれている」という感じる人が半数以上
そこで「自律」に対する個人の意識を聞くと、8割以上の回答者が「自分自身は、自律的に働きたい」と考えていたが、その半数程度が、「上司や会社から、自律的に働くことを阻まれている」「周囲に、自律的に働くことを望んでいる人は少ない」「自律を求められることに、息苦しさを感じる」と考えていた。
年代別に見ると、20代は他の年代に比べて「自分自身は、自律的に働きたい」との回答率が低く、「自律を求められることに、息苦しさを感じる」との回答率が高い。「きめ細かく指示をしてくれる上司」を好む率も高い。一方、30代以降では「大きく任せてくれる上司」が好まれていた。
さらにこの調査では、「自律」の対象ごとに、自己の担当業務に関する「自律的職務遂行」、チームや組織に関する「自律的協働」、キャリア形成に関する「自律的キャリア形成」の3種類の「自律」と、「着実遂行」「自己統制」「変化適応」「変化創造」の4段階の行動について考察している。
調査概要
【調査対象】300名以上の企業に正社員として勤務する20代~50代の、一般社員と管理職
【調査方法】営業、サービス、事務、技術の職務系統が均等になるように、また一般社員においては20代、30代、40代、50代が均等になるように回収
【調査期間】2020年6月12日~13日
【有効回答数】435名
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