「流し読み・素通りされないB2Bサービス・EC」を、直帰率・平均セッション時間・直行CV率などから考察【WACUL調べ】
WACUL(ワカル)は、研究レポート「Webサイトは流し読みされる。B2Bサービスサイト・ECにおけるユーザー行動調査」を発表した。AIによりサイト分析・改善提案を行う同社のサービス「AIアナリスト」に蓄積されたGoogleアナリティクスのデータを使い、B2Bサービスサイト21社、EC22社を分析している。
B2Bサービスサイト、CVR改善のポイントは「いかに気持ちよくCVへ直行してもらうか」
この調査では、ユーザー行動を表すデータとして、「直帰率」「平均セッション時間」「PV/セッション」「全CV数のうち、入り口ページ→フォーム→CVと直行したCV数の割合」の4つを抽出した。ユーザーについては、商品を探している状況を想定し、自然検索で流入した新規ユーザーに限定している。
その結果、B2Bサービスサイトの場合は、「直帰率」38.2%、「平均セッション時間」208.3秒、「PV/セッション」3.6、「直行CV/全CV」58.0%だった。
レポートではこの状態を、「約40%のユーザーは資料の1枚目をちらっと見ただけで席を離れ、留まってくれたユーザーであっても、説明に得られるチャンスはたったの3分」と表現している。一方で、CVの58%はトップページ→フォーム→CVという直行ルートであり、明確な購入の意志を持ってサイトに接触していると考えられる。
このことからレポートは、B2Bサービスサイトの役割は「すでに興味をもっているユーザーを営業担当へとつなぐこと」であり、CVR改善のポイントを「いかに気持ちよくトップページからCVへ直行してもらえるかどうか」だと指摘している。具体的には「ファーストビューにCVボタンやフォーム自体を露出させること」が最優先だという。同時に「手前の接点となる比較サイトなどにきちんと情報を掲載する」「ポジティブな紹介やクチコミがもらえるようサービスを磨く」といった取り組みがあげられている。
一方ECのCVR改善ポイントは「いかに回遊してもらうか」
ECにおいても同様の集計を行っているが、自然検索からの入り口となるページが「トップページ」「商品一覧ページ」「商品詳細ページ」の3パターンに分かれるため、それぞれに対し数値を算出した。
その結果、ECの場合、「商品詳細ページ」の直帰率が最も高く50.4%、平均セッション時間は125.5秒だった。次いで「商品一覧ページ」が直帰率31.6%、平均セッション時間183.2秒、そして「トップページ」が直帰率17.2%、平均セッション時間292.5秒だった。直行CV/全CVは、「トップページ」「商品一覧ページ」ともに0.7%だが、「商品詳細ページ」のみ21.7%だった。
レポートではこの状態を、「トップページや商品一覧ページから流入したユーザーは、3~5分かけてさまざまなアイテムを5~10個手にとりチェックするなど、お店の入り口から訪ねてきたユーザーの過半数はしっかりと回遊している」「一方、商品詳細ページから流入した場合は、求めているアイテムと異なれば、半数のユーザーが一瞬で店を出ていってしまう。最初に見たアイテムをまっすぐ購入したのは2割しかいない」と表現している。
ECは「トップページや商品一覧ページから流入する場合」と「商品詳細ページから流入する場合」とで大きく異なる。そのため、CVR改善のポイントは「いかに回遊してもらうか」となる。特に商品詳細ページは、類似商品や関連商品をすかさずユーザーへ提案することがCV獲得に寄与すると考えられる。具体的には「クチコミよりも上にレコメンドを入れる」「特集ページへの動線をフッターに設ける」「クーポンなどを提示する」といった手法があげられている。
調査概要
- 【調査対象】「AIアナリスト」に登録されたB2BサービスサイトとEC。利用者は自然検索で流入した新規ユーザー。
- 【調査期間】2020年5月1日~2020年5月31日
- 【調査方法】調査ツールとしてAIアナリスト「WACUL」を使い、対象サイト群を分析。
- 【対象数】43サイト(B2Bサービスサイト21社、EC22社)
※直帰率:Webサイトを訪れたセッションのうち、1ページしか見ずにWebサイトを離れたセッションの割合。
※セッション:Webサイトに流入してから離脱するまでの一連の流れ。
※平均セッション時間:1セッションにかかった平均時間。
※PV/セッション:1セッションあたりの平均PV。
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