重たい広告を「Google Chrome」から追放 ~Google、広告の消費リソースに制限を導入へ

今後数カ月間の実験ののち、8月末に安定版「Chrome」で有効化
リソース制限に達したためアンロードされた広告

米Googleは5月14日(現地時間)、広告が消費するリソースを制限する仕組みを「Google Chrome」に導入すると発表した。今後数カ月間の実験ののち、8月末に安定版「Chrome」へ導入したい考えだ。

同社は2017年より“Coalition for Better Ads(CBA)”に参加し、同団体が定める望ましい広告の基準“Better Ads Standards”に準拠しない広告を排除する取り組みを進めている。これにより迷惑なふるまいをする広告は減少傾向にあるが、その一方で目立ち始めたのがバッテリーやネットワークなどのリソースを過剰に消費する広告だ。ユーザーの知らないうちに暗号通貨を採掘していたり、プログラムのミスや最適化の不足により広告がリソースを浪費すると、バッテリーの枯渇や従量制ネットワークの速度制限・過大請求につながりかねない。

そこで同社は、広告が消費できるリソースに制限を設ける。具体的にはネットワークデータの場合で4MB、CPUの場合は30秒ごとの計測時間のうち15秒以上、または全体で60秒占有していた場合が該当するが、現時点でこの基準に該当する広告は全体の0.3%に過ぎない。それでも、これらの広告が消費するネットワークデータは全体の27%、CPU使用率の28%に上るという。

重い広告とそうでない広告の全体的な割合およびそれぞれの総リソース使用量

広告のリソースが上限に達すると、フレームにはエラーページが表示され、リソースを消費しすぎていることをユーザーに知らせる(広告のアンロード)。広告主にはアンロードされた広告を確認できるレポート機能が提供される。同社は8月末までの実験期間中にこのリソース制限に対応するよう、広告のクリエイターやツールプロバイダーに呼び掛けている。

本記事は、窓の杜の「重たい広告を「Google Chrome」から追放 ~Google、広告の消費リソースに制限を導入へ」(2020/05/15)転載記事です。

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