クラウドサービス、2018年度の国内市場規模は1.9兆円。パブリッククラウドへの移行目立つ【MM総研調べ】

「AWS」「Azure」「GCP」の、3つの海外事業者の寡占化が進んでいることが明らかに。

MM総研は、国内クラウドサービスの市場規模および需要動向に関する調査結果を発表した。

クラウド市場を、「パブリッククラウド(SaaS/FaaS/PaaS/IaaS)」と「プライベートクラウド(デディケイテッド、オンプレミスおよびコミュニティ)」に分類。事前調査として、国内法人35,088社にアンケートし、実際にクラウドサービスを導入済み、あるいは検討している1,597社を対象に調査を実施した。

パブリッククラウドの伸長が市場全体の成長を後押し

それによると、2018年度の国内クラウドサービス市場規模は、約1兆9,422億円(前年度比18%増)。自社のオンプレミス環境での運用から、パブリッククラウドに移行する動きが企業で加速し、パブリッククラウド市場が伸長した。

2018年からの年平均成長率は、パブリッククラウド市場が21.7%、プライベートクラウド市場は16.3%程度と予測され、2023年度には市場全体で4兆4,754億円まで拡大すると予測された。

国内クラウドサービスの市場規模(実績:2017年度~2018年度、予測:2019年度~2023年度)

企業のパブリッククラウド移行が本格化、グローバルベンダーの寡占化が進展

急成長するパブリッククラウドのなかで、PaaS/IaaSの利用用途について聞くと「アプリケーション開発基盤の移行」がPaaSでは67.6%、IaaSでは54.3%となり、ともにトップ。2位は「自社開発(独自)システムの移行」がPaaSで52.3%、IaaSで46.5%と続くなど、以降も“各種システムの移行”が上位を占める。企業のパブリッククラウド移行が本格化していることが伺える。

PaaS/IaaSの主な用途(重複回答)

具体的に利用しているサービスを聞くと、「AWS(Amazon Web Service)」「Microsoft Azure」「GCP(Google Cloud Platform)」の、3つの海外事業者が強い。

サービス別の「利用率」では、PaaS上位は「AWS」47.7%、「Azure」32.8%、「GCP」13.2%。IaaS上位は「AWS」47.1%、「Azure」25.6%、「FUJITSU Cluoud」9.5%の順だった。

PaaS利用者/利用検討者のサービスランキング(複数回答)
IaaS利用者/利用検討者のサービスランキング(複数回答)

また「今後の利用を検討中」としたサービスでも、AWS、Azure、GCPが多い。なおAzureを検討しているユーザーは「Windowsサーバの移行」「仮想デスクトップ基盤の移行」、GCPを検討しているユーザーでは「ファイルサーバ基盤」「モバイルアプリケーションの開発」を利用目的にあげるユーザーが多かった。

調査概要

  • 【調査対象】クラウドサービスを導入済みまたは検討中の国内法人
  • 【調査期間】2019年5月7日~20日
  • 【回答件数】1,597社(予備調査35,088社)
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