世界20か国・地域全体で日本が「行きたい旅行先」トップ、欧州エリアで人気が伸長【電通調べ】
電通は、クールジャパン関連事業の一環として実施した「ジャパンブランド調査2019」の結果を発表した。ジャパンブランド調査は、親日度(日本に対する好意度)、訪日旅行意向、訪問地域とその理由、日本産品に対する興味・関心やイメージなどについて調査するもの。2011年より継続的に行っており、今年で9回目となる。
今回は、中国、台湾、韓国、インド、タイ、インドネシア、オーストラリア、アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、トルコなど、20か国・地域の20~59歳男女を対象に、アンケートを行った。
引き続き「行きたい国・地域」で日本は人気、欧州で訪日意向が伸長
まず、今回の調査対象国を含む25か国・地域と日本を横並びにし、「行きたい国・地域」を質問したところ、全体では「日本」が40%以上の支持を集めトップとなった。30%以上の支持を集めた国・地域は欧米およびオーストラリアで、両方あわせてもアジア圏では日本が1強となっている。
「訪日意向(今後1年の間に日本に渡航する予定があるか?)」は、昨年の76.0%から77.4%と微増し高い水準を維持。もっともスコアが高いのは「香港」で、以下インドネシア、フィリピン、ベトナムなどアジア諸国が続く。欧米諸国は数値自体は低いが、イギリスが前年比4.3pt増、フランスが5.4pt増、ドイツが7.7pt増、イタリアが10.0pt増、ロシアが5.3pt増と、大きく伸長している。
「費用・言葉・距離」が訪日の阻害要因、東アジアでは「震災」「災害」も
2025年に開催される「大阪・関西万博」については、「日本に見に行く予定」13.7%、「日本に見に行きたい」26.6%と、計40.3%が訪問意向を示した。
「訪日の阻害要因(日本への旅行で障害になるもの)」を聞くと、「旅行費用が高い」「言葉が不安」「距離が遠い」がトップ3だった。東アジアに絞ると「震災の影響(放射能など)が心配」「地震や豪雨など、自然災害が起きるのが心配」「旅行費用が高い」に入れ替わり、言葉や距離への不安・不満よりも、災害への不安が高い。
日本製/韓国製/中国製を比較、日本はいまだ「ハイテク」「高性能」イメージ健在
ジャパンブランドのイメージを把握するため、「日本・韓国・中国の国で作られた製品」についてイメージを聞いた。日本製品のイメージのトップ3は「ハイテク」「高性能」「信頼できる」だった。ただしスコアは2015年と比較すると多少ダウンしており、代わりに「こだわりのある」「他にはない(Only one)」のイメージが強まっている傾向が見られた。
最後に、ジャパンブランドの製品について、「経験(使ったことがある日本ブランドの製品)」「興味(興味がある日本ブランドの製品)」「意向(今自国にあまりない/まったくないが、これからもっと自国で買えるようになったらいいと思う日本ブランドの製品)」を聞いた。
その結果、経験・興味・意向のいずれでも「TV、オーディオなどのAV機器」「自動車、バイクなどの輸送機器」が1位・2位となった。3位は経験・興味は「ラーメンなどのインスタント食品」だったが、意向では「健康食品・飲料」が入り、人気を示した。「化粧品」「医薬品」も上位で、一時期の爆買いブームの背景をうかがわせる結果となっている。
調査概要
- 【調査内容】「ジャパンブランド」全般に関する海外消費者の意識と実態の把握
- 【調査対象】20か国・地域の20~59歳の男女
中国(グループA=北京、上海、広州、グループB=深セン、天津、重慶、蘇州、武漢、成都、杭州、大連、西安、青島)、香港、台湾、韓国、インド、シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン、オーストラリア、アメリカ (北東部・中西部・南部・西部)、 カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア、トルコ
※前回調査より、変化の少ないブラジルを除外し、インバウンドで注目が高まるトルコを追加。 - 【調査期間】2018年12月~2019年1月
- 【サンプル数】計6,600名
・中国はA・B300名ずつで計600名
・アメリカは600名
・それ以外の地域は各300名
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