新しい文章力の教室 ~苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング

10000字超の長文をまとめるには?

テーマと骨組みの「構造シート」を作る方法は、1,500字まで程度の記事を書くのに適したものですが、もっと長い文章の構成にも応用できます(第7回)

書籍『新しい文章力の教室』の一部をWeb担向けに特別にオンラインで公開!

この記事は、第5章「読んでもらう工夫」から、Chapter 5-74「長い文章を書くには」の内容をお届けします。

章単位の構成も構造シートで整理する

第1章では構造シートを使って文章を書く方法について解説しましたが、これは基本的に500~1,500文字程度の記事を書くことを想定した手法です。それを超えてくると、文章の流れをひと目で把握するのは困難になるでしょう。

そうなると文章をいくつかの章に分割して、章ごとに構造シートを作り、さらにひとつ上位にあたる章単位の構造シートを作って臨むことになります。全体を設計するための、「構造シートの構造シート」と呼んでもいいでしょう。

以下はナタリーで、ある新人記者が初めて7,000字程度のライブレポートを書いたときに作ってもらった構造シートです。まずは章単位の構成を組み立ててもらいました。

全体の章の頭にハイライトを持ってきたところに工夫が見てとれますね。

章単位の構造シートができたら、章ごとに話題レベルの構造シートを用意しましょう。ベテランであれば章単位の構造シートだけで書き進めることもできますが、それでも1万字を超えてくると流れをつかみながら細部を組み立てるのが困難になってきます。数万字レベルの長文を書くときは、おっくうがらずに2重の構造シートを用意しましょう。

ちなみにこの本も、本全体の構造シート、章ごとの構造シート、それに項目ごとの簡単な構造シートと、3つのレベルの見取り図で設計してあります。1,000~2,000文字をひと項目とし、その項目を10数個束ねた章、それを5章で1冊、とユニット化したことで、10万字を超える文章の執筆もなんとか乗り切れました。

長い文章を完読してもらうには、読者の関心が切れないよう盛り上がりを配置する構成力が求められます。サビ頭の勢いでは乗り切れませんよ。

新しい文章力の教室 ~苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング
  • 新しい文章力の教室
    ~苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング
  • 唐木 元 著
  • 発行:インプレス
  • ISBN:978-4844338727
  • 価格:1,300円+税

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