文章を書く前に盛り込む項目をリストアップしてみよう
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この記事は、第1章「書く前に準備する」から、Chapter 1-09「『構造シート』で整理する」の内容をお届けします。
テーマと話題を「構造シート」でまとめる
安定した品質の文章を速く書き続けるためには、なにより迷う時間を減らす工夫が必要です。それがここまで説明してきたプラモ化、ないし書き始める前に主眼と骨子を固める方法でした。
これまでの一連の作業を1枚の紙の上で、決まった流れで行う方法を、唐木ゼミでは「構造シート」と呼んでいます。新人記者には最初の30本目くらいまでは、必ずこの構造シートを書くように指導しています。
構造シートの作り方はシンプルです。用紙はA4コピー紙でもノートでもなんでも構いません。
紙の上方に大きく線を引いて、テーマ(主眼)を書く欄を作ります。この段階では空欄のままとします。
箇条書きで、書こうとする話題を列挙していきます。
並んだ話題を眺めながらこれから書く文章の主眼を見定め、テーマ欄に書き込みます。
どの話題から切り出していくべきか、主眼に準じるよう吟味し、項目の左横に順番を数字で書き込んでいきます。
紙を替え、テーマ欄に主眼を書き込み、順番通りに並べ直します。もししっくり来なければ、また順番を吟味して書き込み、紙を替えてやり直します。
アピールしたい優先度を、項目の右側にABCの3ランクで格付けしていきます。
構造シートは手書きで書くべし
構造シートのトレーニングで大事なのは、必ず手書きでやること。最初からパソコンの画面で打つようになると、いちいち主眼と骨子を打ち込んでいるのがかったるくなって、いきなり文章を書き始めるスタイルに戻ってしまう人が多いためです。
文章を書き始めてしまえば、構造シートなんて埋めているよりさっさと書き上がるような気がする。うまくいったときはそうでしょう。しかし何本かに1本は、必ず迷い道に入ってしまう題材が出現するのです。15分で書けるはずが、気付けば4時間も5時間も過ぎている、なんてざらです。
構造シートを埋める作業は、最初は30分は要しますが、すぐに速くなってきて、数分で埋められるようになるでしょう。
いきなり書けば、15分で仕上がる記事もあれば5時間かかるときもある。そんな方法より、いつも30分で仕上がる方法を選ぶのが、毎日安定して大量に書き続けるための秘訣です。
また並べ替えるたびにシートを書き直すのではなく、番号を振り直すだけでいいじゃないか、という人もいます。しかし順番通り書き直すことで、全体の流れがクリアに認識され、仕上がりのイメージが明確になります。どうかおっくうがらずにトライしてください。
まどろっこしく思える構造シートですが、手紙でも日記でもいいので何度も試してください。ある時点でコツがわかり、突然手早くなりますよ。
「書ける人」になるための方法を伝授!
「書けないカギは書く前にあり」。毎月3,000本以上の記事を配信し続けるカルチャーニュースサイト「ナタリー」で実践されている文章の書き方を、一般向けに解説する初めての書籍です。
通称「唐木ゼミ」と呼ばれる社内勉強会で新人育成を担当する著者が、「悩まず書くためにプラモデルを準備する」「事実・ロジック・言葉づかいの順に積み上げる」など独特の概念を通じて、文章を構造的に書くための方法をわかりやすく教えます。
文章の具体的な改善ポイントも解説。企画書、報告書、レポート、ブログ、SNSなどあらゆる文章に有効です。
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