書籍『新しい文章力の教室』の一部をWeb担向けに特別にオンラインで公開!
この記事は、第2章「読み返して直す」から、Chapter 2-25「ひとつの文で欲張らない」の内容をお届けします。
ひとつの文章に乗せる情報量をコントロールできるようになりましょう。一文で朗々と語り継いでいくスタイルは美文調ともいわれ、雄弁なイメージを持たれがち。しかし読み手にとっては文意を追う負荷が増える一方であり、実用的な文章には不向きといえます。
基本のスタイルは一文一義の原則。情報を小分けに運ぶと、混乱も負荷も減らすことができます。改善文では、原文をトピックのかたまりごとに3つの文に分け、接続詞を補いました。
1文目は「キュレーション」について、2文目は現在の「傾向」、3文目はそれを踏まえた「ナタリーのポリシー」です。一連の文で言いたいことが、段階を踏んですっきりと伝わる文になったと思いませんか。
ちなみに1文目は「キュレーションとは要するに見かけのいいバケツである。」と単文に分割することもできますが、「水をくむ場所がなければ成り立たないものだ。」という内容とのつながりが強いため、複文のままで残しました。一文一義と言っても、すべてを単文にバラすということではないのに注意しましょう。
文芸の世界ならともかく、実用的な文章の世界では、わかりやすさが第一。ギリギリぶっきらぼうではないくらいの素朴さがいい湯加減です。
「書ける人」になるための方法を伝授!
「書けないカギは書く前にあり」。毎月3,000本以上の記事を配信し続けるカルチャーニュースサイト「ナタリー」で実践されている文章の書き方を、一般向けに解説する初めての書籍です。
通称「唐木ゼミ」と呼ばれる社内勉強会で新人育成を担当する著者が、「悩まず書くためにプラモデルを準備する」「事実・ロジック・言葉づかいの順に積み上げる」など独特の概念を通じて、文章を構造的に書くための方法をわかりやすく教えます。
文章の具体的な改善ポイントも解説。企画書、報告書、レポート、ブログ、SNSなどあらゆる文章に有効です。
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この記事の筆者
唐木 元(からき げん)
1974年生まれ。株式会社ナターシャ取締役。大学在学中よりライターとして働き始める。卒業後は事務所「テキストとアイデア」を開設、雑誌を中心に執筆・編集の現場に従事した。2004年より編集者として、ライブドア・パブリッシング、幻冬舎、KI & Company(ジーノ編集部)と3つの出版社に勤務。2008年、株式会社ナターシャに参加し、編集長として「コミックナタリー」「おやつナタリー(終了)」「ナタリーストア」を立ち上げた。2015年、社内向けの研修テキストをもとに『新しい文章力の教室』を上梓。
- ナタリー
http://natalie.mu/

