企業ホームページ運営の心得

だれでも作れる動画コンテンツの演出、プロのノウハウはストーリーになる

動画をコンテンツとして仕上げるにはストーリー、演出が必要
Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の358

いつ時代が来るか

「これからは動画の時代だ!」とは、YouTubeが米国グーグルに買収された2006年の日本のWeb業界。猫も杓子も「動画」と騒いでいました。「ニコニコ動画」の黒字化が報じられた2010年にも似たような騒ぎはありましたが、どちらも「対テレビ(既存メディア)」を意識した二項対立による主張。Web業界人のなかには、テレビを貶めたいという願望が眠っているのかもしれません。先日もとある有識者がラジオにて、

テレビを見るのは古い人、20~30代の若い人はニコ動を見る

と語っていましたが、これは虚言に近い思いこみです。この3月に放送が終了した「笑っていいとも!」の後番組、「バイキング」がネットで酷評されているように、いまだにネットの話題の種が「テレビ」であることは多く、その覇権は揺らいでいません。

ただし、動画は有力なコンテンツ。動画を活用するポイントは「音」にあります。

なぜつまらないか

実は2006年以前から、ことあるごとに「動画の時代」が叫ばれ続けてきました。それが定着しなかった理由は、端的に言ってつまらなかったからです。

Web有識者が礼賛するニコ動の人気コンテンツには、政治家や業界人を招いての討論や、独自の切り口からのニュース番組などがあります。制約が少ないことから自由気ままな印象も受けますが、野放しではなく、進行役やしきり役が存在し、脱線が過ぎれば軌道修正して本題に移るように水を向けます。すなわち「番組」として成立しているのです。つまり、テレビに「ニコ動」というチャンネルが増えたと捉えるべきで、既存メディアとの対立構造でみると本質を見誤ります。

ニコ動ファンから「(生中継も含め)素人動画もおもしろい」という反論があるかもしれません。しかし、おもしろい映像が注目を集めているだけで、圧倒的大多数の素人動画はつまらないのです。また、人気コンテンツはハプニングやトラブル、強烈なパーソナリティーによるところが大きく、再現性に乏しいためビジネスユースの参考にはなりません。

やらせではなく演出

動画を「番組」に仕上げるには「ストーリー」が必要です。「ドキュメント」を装っている番組にもシナリオがあります。「やらせ」を指摘しているのではありません。1人の人物を追い掛ける場合でも、「人選」の時点で大まかな方向性が決まっており、そのベクトルに沿うエピソードや、ハプニングが発生するまで密着を続け、ストーリーに沿う映像をつなぎ合わせて番組に仕上げます。ニュース番組でも頻繁に使われる手法で、私はこの3月に終了した「朝ズバ!」の取材で経験したことがあります。

それは「演出」と呼ばれるもので、ルールの範囲内であるかぎり否定はしません。なぜなら、視聴者が理解するのは「わかりやすい」映像だからです。たとえば、巨額の投資詐欺の被害者を報じる場合、

投資は自己責任ですからね。300万円損しましたけど自業自得ですよ。ハッハッハ

と笑いのける被害者の映像では、事件の非道さを印象づけることができません。そこで「悲しみ憤る被害者」を探し出して、その筋書きに沿った意見を語らせるのです。演出は度を過ぎると捏造、ステマとなりますが、素人動画はこれに欠けます。むしろ素人動画には映像を見せれば理解してくれるという甘えがちらつきます。

苦労せずにストーリーを作る方法

しかし、いきなり「ストーリーを書け」といってできるものではありません。本サイトの安田編集長は、かつて漫画「Web担当者 三ノ宮純二」の原作を「書いてみない?」の一言で私に発注しましたが、それからシナリオ集を読みあさり、プロットの書き方を学んだ日々を思い出せば、軽々に人に勧めることはできません。

ですが、そんな苦労をしなくても、簡単に「ストーリー」を作りだす方法があります。「メイキング」です。

○○の作り方

というノウハウものなら、最初から筋書きが用意されています。自社商品の利用法やプロだけがもつノウハウを、順を追って撮影するだけです。ただし、編集の出来栄えによって映像が間延びすることは否めません。そこでもっと簡単な方法が、冒頭に述べたように「音」にフォーカスする方法です。

メンチ、ワイン、白物家電

動画というと映像にばかり視点がいきますが、映像の印象を左右するのは「音」です。BGMはもちろん、バラエティ番組で「笑い声」を被せるのは視聴者におもしろいと錯覚させるためです。他人が笑っている「音」を聞くと、おもしろいと勘違いする人が多いのです。

さて、ビジネス用途における「音」とはなにか。

揚げたてコロッケを割ったときのサクッ

そう、揚げたてコロッケのあの音です。他にも、シャンパンをグラスに注いだときの「シュワー」、ワイングラスを叩いたときの「リーン」という透明な響き、野菜の「しゃきしゃき」もその1つです、逆説的ですが、電子機器や白物家電の「静音性」をアピールできるのも動画ならではです。

ストーリーの自動生成

地球上ではなにかが動くとき、大なり小なり音ができます。その「音」を「動画」にします。また「音」と同じく、動画向きのコンテンツなのが「光」です。アクセサリーはもちろん、銀器やシルクの輝きは、静止画像で伝えるのは困難です。

「音」や「光」にフォーカスすると、「動画」に不可欠なストーリーも自動的に生成されます。コロッケならば「サクッ」と音がした瞬間が「山場」となるストーリー、つまりは「コロッケサクッと物語」が勝手に誕生するということです。

光においては、キラリと光る瞬間をクライマックスとした、超ショートムービーを企画します。Vineのように6秒ぐらいの短さでも十分です。そして短時間の動画なら編集不要の手間いらず、中だるみもありえない動画コンテンツの完成です。

これからは動画の時代……いえ、活用した方が有利になる時代はすでに来ているのです。

なお、今になって本稿で「三ノ宮純二」の制作努力を告白した理由は、もうすぐ電子版が発刊されるからです。発刊の際には、ぜひお求めください。

今回のポイント

プロのノウハウは物語になる

音や光に焦点を当てることで、ストーリーが自動でできあがる

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