衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座

Googleアナリティクスの導入から、運用、活用まで、正式なサポートがない初めての人でもゼロから学んでいけるように、丁寧に解説していく。

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URLクエリパラメータの除外は、どう設定すればいいのか?

URLクエリパラメータの除外は、どう設定すればいいのか?

セッションID

サイトの訪問者をそれぞれ区別するために、サーバーが訪問者ごとに自動的に発行するID番号のこと。

ログインのために使うユーザーIDなどとは異なるもので、たとえば、

「2d23418fc1497e41860 5ad72d2eaf5ec」

のような、意味のない文字列になっている場合が多い。

ユーザーが自分で設定するものではなく、URLにクエリパラメータとしてセッションIDを自動的にサーバーが追加したり、セッションIDの情報をサーバーがクッキーに保存したりして使われる。

ダミーパラメータは、参照元の判別だけでなく、セッションIDの管理や、単に動的ページ生成のためなど、さまざまな用途で多くの種類が利用されている。

しかし、アクセス解析を行う際、すべてのパラメータやダミーパラメータをそのまま残した基本的な設定のままだと、パラメータの値が異なるページは、すべて別個のページとして扱われてしまうことになる。

端的な例を挙げると、1000人の来訪者が同じページに来訪していても、セッションIDが全員異なれば、解析データ上では、1000人がすべて異なるページに来訪したことになる。そうすると、このページのページビュー数は、本当は1000PVであるはずが、1PVのページが1000ページあるということになり、正しくカウントされないことになってしまう。そのような事態を避け、できるだけ解析側の目的に沿ったデータ取得を行うために、集計上ノイズになるダミーパラメータはあらかじめ除外をしておこう、というのがそもそもの意図である。

では、具体的にこの「URLクエリパラメータの除外」という設定項目はどういう場合に利用するべきかを解説していこう。ダミーも含めたクエリパラメータにはいくつかのパターンが考えられるので、それぞれについて解説していく。

1. Google アナリティクスの広告トラッキング用のダミーパラメータ

Googleアナリティクスでは、広告トラッキング用に使えるダミーパラメータを設定できる(後日、別項で詳しく解説する)。

これに関しては、自動的にレポートに表示されるURLからは削除され、トラッキング系の参照元情報としてレポートに自動的に取り込まれるので、除外パラメータに指定する必要はない

2. セッションIDやビジターIDなどの管理のためのパラメータ

Webサイトで、セッション管理などのためだけに利用しているパラメータの場合は、閲覧コンテンツに違いはなく、別々のURLとして判別する必要性は低いと思われる。このようなパラメータは「URLクエリパラメータの除外」の項目に記述して、集計の際には除外されるようにしておこう

記述のしかたは、たとえば、sessionIdという変数とvisitorIdという変数を除外したければ、例示(図1赤枠部分)にもあるとおり、右の入力欄にそれぞれを「,(半角カンマ)」で区切って、「sessionId,visitorId」と記述すればいい

3. 商品IDなどに使用する意味のあるパラメータ

商品ごとのページのURLに付与された商品IDを表すパラメータなどの場合、もし異なるパラメータが付与された各ページを1つ1つ区別したい場合は、除外パラメータに指定するべきではない

ただし、個別商品ページごとのデータまでは必要がないにもかかわらず、商品点数が膨大で、URLパターンがあまりにも多くなりすぎて、解析に支障が出る場合は、商品IDパラメータを除外パラメータとして記述してもよいだろう。

たとえば、「ビックカメラ.com」では、下記のように商品カテゴリや個々の商品の詳細情報ページを識別するためのパラメータがURLの最後に付く形になっている。

https://www.biccamera.com/bicbic/jsp/w/catalog/list.jsp?DISP_CATEGORY_ID=361025
(特定商品カテゴリ)
https://www.biccamera.com/bicbic/jsp/w/catalog/detail.jsp?JAN_CODE=4545350039462
(特定商品詳細)

しかし、集計の際にそこまでチェックしない(区別すると膨大すぎて手に負えない)という場合は、「DISP_CATEGORY_ID」や「JAN_CODE」を除外するというのはありだろう。

ただし、データからはこのパラメータがすべて削除されることになるので、実際は別のページを見ていても、同じページとしてカウントされるような集計になるということを理解しておこう。

4. Google アナリティクスの広告トラッキング用以外のダミーパラメータ

これに関しては、パラメータを設定した人が、何らかの意図を持ってパラメータを付与したものと思うので、基本は除外しない方がいいだろう

それで、もしレポートを一定の期間見てみた上で、区別がつかなくてもよい場合に限り、そのパラメータを除外するようにしよう。

たとえば、図2のようなページビュー数の出力画面では、青枠部分は動的ページで意味のあるパラメータなので、そのまま生かすために、この「title」を除外パラメータに指定していない。また赤枠部分の「mm」についても、メルマガからの流入を区別するためのパラメータでありこのまま区別して見たいので、除外パラメータに指定していない。

図2:パラメータの表示
図2:パラメータの表示

「URLクエリパラメータの除外」に関しては、以上である。

筆者の『ユニバーサルアナリティクス版Googleアナリティクス完全マニュアル(PDF)』が発行されました。

筆者が講義を行うGoogle アナリティクス徹底講座も、定期的に開催しています。 → Google アナリティクス ゼミナール

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