4. 手を付ける順番に注意する
4. 手を付ける順番に注意する
少しずつ進めるとはいえ、楽なものやわかりやすいものから安直に手を付けてしまわないようにしたい。次のような要素を考慮しつつ、現実的な進め方を決めるようにしよう。
- 難易度
- レディネス(下準備の完了度)
- 緊急度
- 改善効果
- 社内的インパクト
- リスク
- 現場の評価
特に担当者は、リスクを知り、それを管理していくことが重要だ。技術要因や社内要因含めて、何が未確定な要素なのかを明確にしよう。そして、それぞれに対して、重要度や開始条件などを考慮しながら、どう対処しておくのかを決めていくのだ。未確定要素の中には、依存関係を持つものもあり、順番を間違うと時間がかかってしまう。後に影響するインパクトの高い未確定要素から先に解決していこう。「少しずつ」が1年で済むか5年かかるかは、このプランニング次第だ。
5. 社内コンサルタントを置く
コンテンツ管理に終わりはない。一度導入した概念やシステムをそのまま使い続けていると、時代遅れになり、より優れた概念や技術を見過ごすという機会損失が発生する。そのため、導入後も調査・研究を続ける必要がある。また、社内のいろいろな障壁を壊しながら、戦略的かつ長期的に普及や改善を進める必要がある。
製品・実装ベンダーの先を行き、根本を理解し、戦略を立て、正しい意思決定ができるコンサルタントを社内に置くようにしよう。ベンダーに意思決定までも委ねたり、導入後に運用スタッフのみを残す、などの薄い体制では、推進力や一貫性が足りず、短期的な判断や惰性に基づく消極的な判断をしてしまいかねない。
6. 理想と現実のバランスを重視する
CMSの提案時には「できる」と聞いていた機能であったとしても、導入後は“限定的な方法での対応だったために実際には使えない”“できるが操作手順が煩雑で実用的ではない”“細部の品質に改善の余地がある”などの現実に直面することになる。また、製品によっては「コンテンツ管理」の課題の捉え方や、それに対する解決アプローチにブレがある。
Webブラウザにたとえてみれば、進化と淘汰が進んだ結果、Internet ExplorerやFirefox、Operaの最新版はどれも機能やパフォーマンスの面で大きな違いがなくなってきている。しかし、CMSの製品たちがこのような状態になるには、まだまだ時間がかかるだろう。そのため、どの製品を選んだとしても、イマイチな機能も多少含まれることになる。
選んだCMSの可能性を最大限に生かしつつ、開発コストと運用(学習・操作・メインテナンス)コストに気を付けながら、どこで折り合いを付けるかが重要だ。技術者、デザイナー、レビュー者など複数の関係者を巻き込みながら、総合的な判断をするようにしよう。
以上、筆者が実践してきた体験に基づく6つの心得を紹介した。これらを参考にプロジェクトを戦略的に推進し、ぜひコンテンツ管理を実現してほしい。
ソーシャルもやってます!