ゼロ円でもできる!? 省コストユーザビリティ向上術 ~ディスカウント・ユーザビリティ入門
発想転換、“ディスカウント・ユーザビリティ”のススメ
Web担当者やWeb開発者にとってサイトのユーザビリティは基本的な検討項目となっている。しかし、「ユーザビリティは重要」とわかっていても、本格的なユーザビリティ活動を経験した人は意外と少ないのではないだろうか。なにより通常のユーザビリティ・エンジニアリングを利用した場合、時間もコストも膨大なものとなるように思われがちだ。
だが、「ディスカウント・ユーザビリティ」はこの2つの問題を解決しつつ、ユーザビリティを的確に向上させることのできるメソッドである。本連載は、ヤコブ・ニールセンが提唱している「ディスカウント・ユーザビリティ」について紹介し、いかにお金と時間をかけずにユーザビリティ向上を図るかを解説するものだ。
お金と時間をかけないといっても、やみくもに予算を削るだけでは意味がない。定性的評価を重視し、ユーザーに焦点を合わせて評価試験を実施し、よりシンプルなやり方で貴重なユーザーからのフィードバックを集めることで実現する「節約型・省コスト型ユーザビリティ」手法をぜひ知ってほしい。
ユーザビリティに関する記事は、ともするとデザインやUIに偏りがちなため、デザイナー向けと思われがちだが、この連載はぜひすべての担当者に目を通してもらいたい。シナリオを重視し、シンプルな思考を重ね、体験学習的な評価を重視していくことで、根本的な部分からサイトのユーザビリティを考え直すものとなるからだ。「ディスカウント・ユーザビリティ」であれば、プロジェクトの予算がないという場合であっても、経験を積むことで、的確なユーザーテストが完了できるようにもなる。
もし、現在のサイトのユーザビリティに対して、少しでも向上の余地があると感じているなら、ぜひ読んでほしい。ある種ゲリラ的な部分もあるが、目からウロコの指摘も多いだろう。
- 第1回 ディスカウント・ユーザビリティ、3つのポイント 〜アナログ思考・人脈・臨機応変〜
- 第2回 インタビュー調査の極意「ユーザに弟子入り」しよう
- 第3回 仮面のユーザー“ペルソナ”参上!
- 第4回 カードソートで楽々情報アーキテクチャを実現
- 第5回 ペーパープロトタイプ - Webデザイン図工の時間
- 第6回 ゲストで実現する格安ユーザーテスト、その3大注意点とは?
- 第7回 さらなる“ユーザー中心設計”を目指すために