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グループウェアのサポートもチェック
管理負担の削減や社内管理者不在による不安定動作を避けるため、既存のイントラネットサーバーをレンタルサーバーに移行することもあるだろう。この場合、グループウェアが使用できるサービスが好ましい。
この場合、現在使用しているグループウェアが、移行後もすぐに使えなければ業務に支障をきたすことになるので、移行方法を含めて検討が必要だ。
あるいは、企業情報用サイト、IP電話化のためのソフトウェアPBX利用なども検討しているなら、サービスの提供がなされるかの確認も必要だ。
TEXT:レンタルサーバー完全ガイド編集部
専用サーバー系では、約半数がグループウェアをサポート
今や、多くの企業が情報共有のためにグループウェアを導入している。この場合、ほとんどは自社内でグループウェアサーバーを管理していることだろう。しかし、企業内における情報管理ツールとして重要な位置付けとなるグループウェアサーバーが停止するようなことがあると業務に支障をきたしてしまう。そこで、グループウェアサーバーを移行するという目的でレンタルサーバーを利用するという企業も増えている。
しかし、すべてのサービスで、グループウェアサーバーのサポートを行っているわけではない。そこで、グループウェアのサポート状況を確認してみることにした(グラフ1)。
共用サーバーでは、「サポートあり」としているレンタルサーバー事業者が2割強といったところだ。専用サーバーでは半数程度、仮想専用サーバーでは4割強がサポートを行っているという結果になっている。
ただし、このデータは「グループウェアサーバーの管理を行っている」と読んでは誤りになる可能性が高い。多くの場合、「グループウェアサーバーの動作実績がある」または「動作を確認している」という意味でとらえるべきだ。
とはいえ、マネージドサービスあるいはフルマネージドサービスを提供するレンタルサーバー事業者も徐々に増加する傾向にあり、グループウェアのインストールから管理までを委託できる場合もある。そこで、サポートの内容は、契約前にレンタルサーバー事業者に確認して明らかにすることが必要だ。
既存グループウェアの移行では、データ移行が可能かを調べる
現在使用しているグループウェアをレンタルサーバーに移行するのであれば、既存データの移行が可能か、また、その作業は誰が行うかを明確にしておくべきだ。
基本的には、現状使用しているグループウェアと同じもの、あるいは上位バージョンでなければデータを完全な形での移行はできないので、契約前に使用できるグループウェアとバージョンを確認する必要がある。
これから使用を開始するなら、将来性を考慮しよう
企業においてスケジュールや会議室予約といった情報共有の根幹となるグループウェアは、利用継続性を無視することができない。エンドユーザーの教育負担もさることながらデータ資産の継承が容易に行えないと移行に要する時間、費用ともかさむことになる。
そこで、グループウェアをサポートするとしている各レンタルサーバー事業者では、どのようなグループウェアをサポートしているか、占有率を見てみよう。
グラフ2を見ると、その比率は異なるものの、サイボウズ、desknet's、サイボウズデヂエの3種類が多数を占めている。ただし、このデータは複数回答可となっているので、占有率としてとらえると誤解となる。
このグラフだけでは読みとることができないが、各サービスを個別に見ると、グラフ1で「グループウェアのサポートあり」と回答しているレンタルサーバー事業者の多数が複数のグループウェアをサポートしている。
グループウェア以外の用途なら個別に確認しよう
レンタルサーバーの使い途はさまざまだ。ここで中心に取り上げたグループウェアサーバーの移行用としての用途に対するニーズが高そうだが、それ以外にもファイルサーバーとして、取り扱い製品やサービスのマニュアルなどナレッジマネージメントのためなど、新たな用途での活用も考えられる。
動画配信に対応しているレンタルサーバー事業者の状況はグラフ3のようになる。
これ以外にも、新しいサービスに対応するレンタルサーバー事業者は増えていくことが予想される。一昨年来、SaaS(サーズ)といったソフトウェアの利用形態が登場してきている。これには、ソフトウェアの機能のうち、ユーザーが必要な機能だけをダウンロードして使用する形態と、サーバーで動作するソフトウェアの機能をオンラインで使用する形態がある。どちらの形態にしてもサーバーを必要とするので、サーバーが停止するようでは業務に支障が出る。そのため、ハードウェアやOS、そしてアプリケーションを含むマネージドサービスを含めたサービスの提供に対するニーズの高まりが予想される。そこで、こうした形態でのサービスを提供する事業者も登場することだろう。
こうしたサービスをレンタルサーバーにより活用しようという場合には、最新情報に日頃から注目し、ある程度絞り込んだうえで、個別に確認することが必要となる。
この記事で紹介したレンタルサーバーの調査データは、インプレスR&Dの発行する『レンタルサーバー事業者調査報告書2007』に掲載されているものをベースにしている。
調査報告書『レンタルサーバー事業者調査報告書2007』では、レンタルサーバー事業者を、サービス内容に応じて、専用サーバー、共用サーバー、仮想専用サーバーに分類し、さらに価格帯、ハードウェア仕様、ネットワーク仕様、運用体制、セキュリティー関連サービス、アクセスログ解析機能、ショッピングカートや決済代行などの付加サービスを詳細に分析、前年度データを使った時系列の分析も行っている。
調査対象企業一覧とそのサービス内容も掲載しているため、レンタルサーバー業界の需要や傾向はもちろん、提供事業間のサービス競合研究などにも役立つ。
本調査は、事業者に対する調査とユーザーに対する調査の2つからなっている。事業者調査は、2006年12月に、国内のレンタルサーバー事業者280社(1,733サービス)に対して、ウェブを使った調査を行った。
また、利用者へのアンケート調査は、個人および会社でレンタルサーバーを利用している2,050サンプルに対して行った。
『レンタルサーバー事業者調査報告書2007』に関する詳細情報や目次などは、こちらから。
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