ネットショップ担当者フォーラム

ビームス、中川政七商店、ゴルフパートナーら登壇のECイベント【10/26開催】

7 years 2ヶ月 ago

ecbeingとソフトクリエイトは、ビームス、中川政七商店、日本郵便、ゴルフパートナーといった注目の通販・EC実施企業が登壇する全10講演のセミナーイベント「第2回 eコマース&セキュリティ展」を10月26日(金)に東京都内で開催する。

場所は東京・中央区のコングレスクエア日本橋。入場料は無料(事前登録が必要)。

ビームス、中川政七商店、日本郵便、ゴルフパートナーら登壇のECイベント

「eコマース&セキュリティ展」は、拡大するネット通販業界において成長を続ける企業などが攻めの戦略などを披露する一方、増加の一途を辿るサイバー攻撃を踏まえてセキュリティ対策についても啓発していくためのイベント。2018年で2回目の開催となる。

ecbeingとソフトクリエイトは、ビームス、中川政七商店、日本郵便、ゴルフパートナーといった注目の通販・EC実施企業が登壇する全10講演のセミナーイベント「第2回 eコマース&セキュリティ展」を開催
ビームス、中川政七商店、日本郵便、ゴルフパートナなどが登壇する

「基調講演」「eコマースセッション」「セキュリティセッション」の3トラック制で、ネット通販の戦略、セキュリティ対策などをテーマにした全10講演を用意している。

全トラック共通の「特別講演」には、演出家の宮本亜門氏が登壇。「亜門流仕事術」と題して、ミュニケーションやリーダーとしての在り方、仕事との向き合い方、生きることの素晴らしさなど、前向きな一歩を踏み出すための亜門流仕事術を伝えるとしている。

【基調講演】

  • 「在庫数日本一!買取から販売までをECで実現ゴルフパートナーが描く今後のEC戦略とは?」
    株式会社ゴルフパートナー 三原繁晃氏(執行役員 システム・EC本部長 兼 システムサービス部長)
  • 「経産省サイバーセキュリティ経営ガイドライン解説」
    S&J株式会社 三輪信雄氏(代表取締役社長)
  • 「徹底議論、これからのオムニチャネル戦略とは?」
    株式会社ビームス 矢嶋正明氏(開発事業本部 EC統括部 部長)
    株式会社中川政七商店 緒方恵氏(取締役 兼 コミュニケーション本部 本部長)

【eコマース トラック】

  • 「大手ファッションECが流入を増やすコンテンツ改善方法とは」
    株式会社エートゥジェイ 飯澤満育氏(代表取締役社長)
  • 「ecbeingの考える次代のeコマース」
    株式会社ecbeing 林雅也氏(代表取締役社長)
    M&S Consulting 代表 児玉直樹氏
  • 「日本郵便における通販事業のデジタルシフト 日本郵便 新EC戦略について」
    日本郵便株式会社 川島理氏(物販ビジネス部 兼 デジタルビジネス戦略部 課長)

【セキュリティ トラック】

  • 「セキュリティインシデント対応の現場から ~よくある被害事例とその対策」
    トレンドマイクロ株式会社 田中啓介氏(セキュリティエキスパート本部 ソリューションSE部 サイバー攻撃レスポンスチーム)
  • 「サポート終了に間に合わせる! デジタル変革を支えるMicrosoft Azureの今」
    日本マイクロソフト株式会社 牧田智典氏(カスタマーサービス&サポート本部 パートナーサービス サービスデリバリーマネージャー)
  • 「情シスHERO's~セキュリティ運用事例トークセッション」
    株式会社ソフトクリエイト 引間賢太氏(執行役員 技術本部長)

開催概要

  • イベント名:第2回 eコマース&セキュリティ展
  • 日時:10月26日(金)13:00~18:30(懇親会あり)
  • 会場:コングレスクエア日本橋(東京都中央区日本橋1-3-13)
  • 参加費:無料(事前登録制)
  • 主催:ecbeing、ソフトクリエイト
  • 詳細と申し込みhttps://event.softcreate-holdings.co.jp/smr/default.aspx

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

瀧川 正実

NYにオープンした「Amazon 4-Star」はネットの接客をリアルに反映した店【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

7 years 2ヶ月 ago

「Amazon 4-Star」は高評価商品や最も「ほしい物リスト」に入れられた商品などが陳列されたショップです。どうせネットで評価を見るのなら最初から見せてしまおうということでしょうか。

接客レベルはすでに実店舗よりネットが上?

【アマゾン】、4ツ星以上の高評価商品を揃えたキャッシュレスなアマゾン4スター開店! | 激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ
http://blog.livedoor.jp/usretail/archives/52061532.html

まとめると、

  • ニューヨークにオープンした「アマゾン4スター(Amazon 4-Star)」は5つ星評価で星4つ以上の評価を受けた商品を中心にそろえたお店
  • 商品棚にはカスタマーレビューも表示
  • 高評価の商品以外にも最も「ほしい物リスト」に入れられた商品や「ニューヨークシティ・トレンド商品」「よく一緒に購入される商品」が販売されている
ニューヨーク・ソーホー地区にオープンした「アマゾン4スター(Amazon 4-Star)」
The Amazon blogより編集部でキャプチャ

アマゾンのリアル書店「アマゾン・ブックス(Amazon Books)」にもあるように、商品棚にはカスタマーレビューも記される。高評価の商品以外でもベストセラーや人気急上昇中の新商品などを扱い「最もほしい物リストに入れられた商品(Most-Wished-For)」、ニューヨーク市内からの注文が頻繁な「ニューヨークシティ・トレンド商品(Trending Around NYC)」「よく一緒に購入される商品(Frequently Bought Together)」などネット通販ならではのカテゴリー分けもされている。

これはネットで上手くいっていることをリアル店舗に反映させているということですよね。つまり、接客レベルはネットの方が高いという判断。「Amazonだから……」と思いがちですが、よくよく考えてみると実店舗が優れているところが見つからないかも?

テクニックに走っているうちは売上はついてきません

自社ECの「竹虎」が有名店になった裏側――「竹虎」が実践してきたこと&レジェンド岸本社長との出会い | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/5780

まとめると、

  • 竹虎の山岸社長が心掛けているのは「シンプルなサイト作り」「尊敬する人などに勧められたものは使ってみる」「情報発信」の3つ
  • スマホサイトはPCサイトよりさらにシンプルに作られており、迷ったらすぐに電話ができるようになっている
  • フリーダイヤルにしないのは「お金を負担してでも、実際に手に取ってみてわかるような情報がほしいと思う人に電話をかけてきてほしいから」

「竹虎」で扱っている虎斑竹製品は、高品質に見合った価格帯の製品が少なくない。たとえば、虎竹ペンは10万円(税別)、45万円(税別)もする虎竹テーブルなどもある。高価格帯になればなるほど、製品の細かいところまで気になるのがユーザーの買い物心理。スマホでアクセスしてきたユーザーが手軽に問い合わせできるようにしているのだ。

フリーダイヤルにしない理由はここにもありますよね。単価が高ければ悩む=聞きたくなりますし、通話料を払ってもそんなに負担には感じません。自社で負担するのがもったいないというコスト意識を持ってしまうとこうはなりません。電話をしてくるユーザーのモチベーションを考えて判断しないといけないですね。

ログインの手間を軽減する以外にもメリットはたくさんあります

EC会員情報とLINEアカウントのID連携で何ができる? 検討前に知っておくべきメリット&実例 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/5680

まとめると、

  • LINEログインを導入すると「インセンティブなしで友だちが自然に増える」「ブロックされにくくなる」「ID連携率が上がる」という効果が期待できる
  • 実店舗ではLINEログインを活用したポイントカード・会員カードの発行にも活用できる
  • LINEで問い合わせを受けたときに会員IDと連携していれば、本人確認フローを省略できる

LINEの企業アカウントの友だち数のうち、自社サイトの「会員ID」と「LINEのID」がひも付いている割合がID連携率と呼ばれています。このIDのひも付け、つまりID連携はLINEログインで行えます。

なぜ、ID連携率を上げることがLINEアカウント運用のメリットになるのか。それは、ID連携によってユーザーの会員情報を活用したセグメントメッセージが配信可能だからです。1人ひとりにパーソナライズされたメッセージ配信によって、効果を最大限に高めることができます。

ソーシャルログインが普及してくると、自社ショップでの独自会員サービスは面倒と感じるユーザーが増えてきますよね。この流れには逆らえないので、ID連携で自社に上手く取り込む方が良さそうです。連携後にセグメント配信できるのはかなりのメリットです。

EC全般

福山通運、日曜日の配達取りやめへ 「若い人が運送業界を好まず、ドライバー不足が深刻」 | キャリコネニュース
https://news.careerconnection.jp/?p=59881

「以前から『日曜日に休みたい』という声が上がっていました」。そりゃそうでしょうよ……。

GoogleがShoppable Image Ads(購入画像広告)をアナウンス | アナグラム株式会
https://anagrams.jp/blog/google-shoppable-image-ads/

「ホリデーシーズンに向けて慌ただしく機能が実装される可能性もある」。これはチャンスでもありますよね。

楽天市場の商品画像ガイドラインのチェックが可能に!RMSで画像判定ツールの使い方を紹介! | 売れる!ネットショップの教科書
https://urerunet.shop/1billionyen/choka180921

2018年9月13日からRMSに搭載されているとのこと。

「美容師の○○さんが推薦します!」は有り? 無し? ヘアケア化粧品の広告表現に関する注意点 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/5787

こういったのも判定ツールが欲しいものです。AIを使えばできそうな気がしますが……。

クックパッド、レシピ検索動向から北海道胆振東部地震における調理ニーズを分析 〜検索頻度が上昇したキーワードは「ご飯」「パン」などの主食、非常時にあると役立つのは「小麦粉」をはじめとした粉物〜 | クックパッド株式会社
https://info.cookpad.com/pr/news/press_2018_0919_1

これは興味深いデータ。災害グッズを扱っているショップはメルマガで発信してもいいいですね。

Shopifyで構築した国内向けECサイト事例2018年10月版 | Web担当者のための見積ガイド
https://www.webtanguide.jp/column/shopify-case-study/

越境EC専門というイメージのあるShopifyですが、国内向けも構築できます。

LIXIL、荷物受け取りや集荷依頼ができる「スマート宅配ポスト」 | CNET Japan
https://japan.cnet.com/article/35126132/

据置仕様で18万円ほど。手が届かない人が多いのでは?

「月刊ネット販売調べ」2017年度のネット販売市場規模 上位300社で4兆556億円 | 通販新聞
http://www.tsuhanshinbun.com/archive/2018/09/20173004556.html

上位3社はAmazon、ヨドバシカメラ、スタートトゥデイの順。

EC全般

今のメディアが陥っているピットフォールは「読者の共感を得ること」を目的としていることだと思います
「わかるわかる」を共有できる読者や視聴者だけに向けている、でも、そうやって「親しみ」や「なじみ」に依拠してコミュニケーションを構築しようとする限り、そのような表現を受け容れるマーケットはひたすら狭隘なものになるしかありません。
コミュニケーションを基礎づけ、それを広げてゆくのは「敬意」です。「身内の親しみ」ではありません

ある編集者への手紙 | 内田樹の研究室
http://blog.tatsuru.com/2018/09/26_1733.html

竹虎さんがフリーダイヤルを導入していない理由もこれに近いですよね。

森野 誠之

運営堂

運営堂代表。Web制作の営業など数社を経て2006年に独立後、名古屋を中心に地方のWeb運用を支援する業務に取り組む。現在はGoogleアナリティクスなどのアクセス解析を活用したサイト・広告改善支援を中心にWeb制作会社と提携し、分析から制作まで一貫してのサービスも開始。豊富な社会・業務経験と、独立系コンサルタントのポジションを活かしてWeb制作や広告にこだわらず、柔軟で客観的な改善提案を行っている。理系思考&辛口の姿勢とは裏腹に皿洗いを趣味にする二児のパパ。

森野 誠之

スタートトゥデイ、「株式会社ZOZO」に社名を変更

7 years 2ヶ月 ago

ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイは10月1日、社名を「株式会社ZOZO」に変更した。

グループ会社でシステム開発やデザインを行うスタートトゥデイテクノロジーズは「株式会社ZOZOテクノロジーズ」に、古着の買取販売を手がけるクラウンジュエルも「株式会社ZOZOUSED」に社名変更した。

「ZOZO」という単語は、新しい価値を生み出す「想像(Imagination)」と「創造(Creation)」の行き交いを表現しているという。

「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイは社名を「株式会社ZOZO」に変更
「株式会社ZOZO」のロゴ)

企業のロゴはプライベートブランド「ZOZO」のロゴを採用。◯△□の図形は色も形も異なるが面積はすべて同じ。「人はそれぞれ、色もかたちも、得意なことも苦手なことも違うけれど、嬉しかったり、怒ったり、哀しかったり、楽しかったりするのは皆同じ」といった意味を込めた。

スタートトゥデイの2018年3月期における商品取扱高は、前期比27.6%増の2705億4300万円だった。期初計画に対する達成率は100.2%。出店ショップ数と購入者数は2桁成長が続いている。

2018年に設立20年を迎え、採寸用ボディースーツ「ZOZOSUIT」で計測した体型データを活用したプライベートブランド「ZOZO」を展開。デニムやTシャツ、スーツなどを販売している。プライベートブランドの売上高計画は2019年3月期が200億円、2020年3月期は800億円、2021年3月期は2000億円に設定している。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

「不満はイノベーションの種」――お客の“ダメ出し”から生まれたヒット商品秘話 | 通販新聞ダイジェスト

7 years 2ヶ月 ago

消費者目線の商品開発を行う上で、欠かすことができない材料となるのが企業に寄せられる顧客からの声だ。中には既存のサービス・商品に対する厳しい指摘や不満といったネガティブな意見も多いだろう。しかし、そうした声を正しく消化することで、人気商品の開発ヒントにつなげることができた事例もある。通販企業にとってはサイトやSNS、アプリ、電話など様々なチャネルを通じて顧客と密接なコミュニケーションが取れる時代となっている。顧客の不満と正しく向き合う各社の手法を探った。

「シンプル家電」誕生のきっかけ

インテリアや雑貨、家電などのネット販売を手がけるジェネレーションパスでは、昨年1月にPB商品ブランド「Simplus(シンプラス)」シリーズを立ち上げ、第1弾商品としてハイビジョン液晶テレビなどを販売している。

ジェネレーションパスは、2017年1月にPB商品ブランド「Simplus(シンプラス)」シリーズを立ち上げた
2017年1月に立ち上げたPB商品ブランド「Simplus(シンプラス)」シリーズ

元々同社ではメーカーから商品を仕入れて、大手仮想モールの各店舗で販売している。PB家電を開始したのは、近年はメーカーだけでなく大手量販店などでもPB開発が盛んになっているという背景もあったが、同社の場合はそのほかにも顧客からの声が大きく影響していたという。「以前に『そもそも何に使うのか分からない機能がテレビにたくさんついている』という顧客からの電話を受けた。であれば、機能を絞ったシンプルなテレビを自前で作ろうと考えるようになった」(岡本洋明社長)と振り返る。

単身者向けを意識して、液晶テレビをはじめ小型冷蔵庫や洗濯機など機能を絞った内容で次々と開発。結果的にPBシリーズの売上高は初年度で2億円を超え、今期も増収を計画するなど、新たな収益事業として確立することができた。

一般的にクレームや問い合わせの受け皿として、メールのほかサイト内で専用フォーマットを設けて受け付けるという形が多いが、同社の場合、対象商材やその内容によってはテキスト入力では相手の不満を十分に把握しきれない可能性があると考えている。そのため、自社内のスタッフで構成した電話応対のオペレーション部隊を組織。100億円超の売上高を持ち、複数のサイトを運営する同社にとって、電話での対応工数はかなりの規模になっているものの、この組織だけは今後も外注化せずに自社で運営することを考えている対応を外注化することでマニュアル回答に頼らざるを得なくなり、積極的な応対ができなくなることが理由にあるようだ。

クレームの内、何かのヒントになるのは数%。実際に商品化できたケースで言えばさらにその数%かもしれない。しかし、それを見つける作業はカスタマーセンターのモチベーションアップにもつながる」(同)と説明。課題を見つけるためにクレーム対応の中身も自然と顧客目線で解決を図っていく姿勢になるという。なお、問い合わせなどは50代以上のケースが多く、新規の顧客ほどその割合が高くなるようだ。

同社の場合、PB化する商品ジャンルは限定しており、PB化の予定がないジャンルの商品へのクレームに対しては仕入れ先のメーカーとも共有して、その後のメーカー側の商品改良につながるようフォローしている。

今後についてはPBの新たな商品として、コンパクトサイズの折りたたみ自転車を今年度中に発売する予定。同商品についても昨今の住宅事情に合わせて、都市部のマンションで通常サイズの自転車の置き場が限られていることなどに対する不満の声を受けて開発が始まったものだ。引き続き、顧客が抱える不満や問題点から新たなヒントをつかんでいく考え。

「ださい」の声からジーンズを改良

ユニクロでは顧客の声によって改良された商品をコーポレートサイト内の「ユニクロアップデート」というページで紹介している。

同ページで紹介された商品の一例として、「EZYデニム」がある。同商品はストレスフリーな履き心地を実現するため、ウエスト部分にリブ(伸縮性のあるゴム編み)を採用している。以前は、一目ではっきりと分かる“ゴム状”になっていたため、顧客からは「トップスをインすると、背中リブがださめ……おしい」(40代・女性)といった厳しい意見も受けていた。

ユニクロでは顧客の声によって改良された商品をコーポレートサイト内の「ユニクロアップデート」というページで紹介している
「ユニクロアップデート」というページで紹介された「EZYデニム」

そこで、今年の秋冬商品からリブをウエストの内側部分のみにして、外から見える部分はデニム状に変更。見た目のデザインを大きく修正することで、再評価を得たという。

近年、同社では顧客からの意見は実店舗での接客を通じて集めたものだけでなく、ECでの商品レビューに寄せられた内容も大きく参考にしている。「ECは顧客からのフィードバックを直接得られる場所。いかに顧客の要望を集めていくか。今は商品レビューを集める活動に力を入れている」(グローバルデジタルコマース部の松山真哉部長)と説明。ECでの商品レビューを起点とした商品開発が今後の重要テーマになっているようだ。

ユニクロアップデートについては、毎月のペースで更新しており、改良した商品の情報を一覧で掲載。「当社はベーシックな商品を毎年より良くしていく業態なので、顧客のフィードバックを反映してその成果を提示することは非常に向いている」(同)とした。

今年からはAIを通じて顧客とコミュニケーションが図れるチャット接客機能をアプリに導入しており、これまで以上にオンライン上で顧客の声を集めやすい環境ができているようだ。

◇◇◇

クレーム対応は一言でいえば面倒な作業であり、誰もが避けたいところ。よく「クレームは企業にとって宝の山」と言われることもあるが、実際の現場での話を聞くと宝の山とは言い難く、言いがかりに近い悪質なクレームの方が圧倒的多数を占める印象。

しかしながら、「物言う」消費者はどこにでもいる。納得いかない商品やサービスを受けた消費者ほどそうした時の口は軽くなりがちだ。今はSNSもあり、企業が気づかぬ間に自社のサービスや商品の悪評が広がってしまうということも十分にあり得る。

そうした事態に陥らぬように、顧客の本音や不満を拾うことができる受け皿を企業側が自前であらかじめ用意しておくことがまず必要だ。当然そこには、集めた声を放置せずに分析して検証する作業も一体となる。厳しい批判の声も一転、自社の成長の糧へと昇華できるような柔軟な対応力を身に付けたい

不満は“イノベーションの種”「不便の解消」に価値を見出す【専門家に聞くInsight Techの伊藤友博社長】

Insight Tech(インサイトテック)では、消費者が日常で使っているサービスや商品などについて感じた「不満」投稿を受け付けており、現在、40万人近くの会員から920万件の不満データを集めている。不満内容は業種・サービス別などにテキストベースで受けており、同社ではAIを使ってそれらの内容を解析して分類。消費者の不満の声を企業のサービス改善や商品開発などにつなげていく支援事業を展開している。企業にとって不満と向き合うためのポイントやその重要性について、伊藤友博社長(=写真)に話を聞いた。

Insight Techの伊藤友博社長
Insight Techの伊藤友博社長

――通販企業に寄せられる不満の声としては。

「これまではサイトが使いづらい、分かりづらい、本当に信用が持てるかといった声があった。今はトレンドであったり、自分を理解してそれにきちんと応えてくれるかといった不満が離反につながっていると思う。通販に対する期待値はかなり上がっているが、そこに差別化のヒントがある

――不満対応に当たってのポイントは。

「全ての不満を解決することは現実的には難しいので、例えば通販に対する顧客の期待が10あるとすれば、その内、どの部分を自分たちが対応できるのか、選択と集中を上手く行う作業が必要。その上で、『当社ではこういった不満の声にこのような形で改善しました』と、フィードバックを公開することが望ましい。それにより顧客の声に応えているという姿勢が伝わる。(通販は)リアルに売り場がないので、顧客とのエンゲージメントの観点からも情報の非対称性をいかに解消していくかが重要となる

また、最近は商品開発自体に顧客の声を反映した手法が目立っている。以前は読者モデルやタレントといったイノベーターを立てて行う手法が多かったが、今後は徐々に生活者の目線で商品を作っていく時代になるだろう。ただ単に『新商品が出ました』ではなく、プロダクトの面から顧客を巻き込んでいくことが、顧客との新しいエンゲージメントの形となり、不満対応に関連する部分も出てくると思う」

――企業にとって不満の声を分析する作業は非常に手間で、大きな負担となる。

「これまではその作業を人力でやっていたことがボトルネックだった。当社のように文章を解析するAIを入れることで新しい意見の塊をある程度スピーディーに見つけることができるようになっている。今では自社で独自に集めた膨大な顧客の声(データ)を解析してほしいといったクライアントが増えている

――これまで手がけた企業事例としては。

「例えばフランスベッドさんとの話で、家具調ベッドに関する不満を集めたことがあった。当初は『価格が高い』『場所をとる』といった不満を想定していたが、実際にはそういった声に加えて『関節照明でおしゃれにしてほしい』『タブレットが置けるしつらえが欲しい』など就寝空間の演出に関わる不満が見えてきた。そこでその声を商品開発に反映させたベッドを発売した結果、従来の同価格帯のベッドと比べて4倍のペースで売れるという成果が得られた」

――企業にとって、顧客からの不満の声とはどのような存在と言えるのか。

「今どきの言い方をするのであれば“イノベーションの種”だと思う。“種”なので、見過ごそうと思えば見過ごせるし、また、気づかないでいようとすることもできる。実際にそこまで大きな問題となるような不満内容もそう多くはないだろう。しかし、実はそれを見過ごすことによって次の時代のビジネスチャンスや次の事業成長の可能性の芽を摘んでしまっている恐れがあるいかにして不満の中から種を見つけて、芽として育てて花を咲かせられるか。そこに競争優位のヒントがあるのではないだろうか。

おそらく、商品スペック(で選ばれる)時代はもう終わっていて、今はどのような価値を提供できるかで決まってくる。『この不便をいかにして解消できるのか』というような形のマーケティングが求められている時代だと思う」

通販新聞

CPO7割減、購入数5倍を実現したエーザイの通販施策とは

7 years 2ヶ月 ago

エーザイはこのほど、通販限定商品「美チョコラ コラーゲン青汁」のSNS広告の戦略と運用を見直し、ランディングページ(LP)の刷新に取り組んだ結果、お試しセットの注文獲得単価(CPO)を70%削減できたほか、購入数が約5.6倍に拡大した。

エーザイのSNS広告戦略を支援したアライドアーキテクツが9月28日に事例を公開した。

新規顧客獲得のためにSNS広告を強化

エーザイは2018年4月、「美チョコラ コラーゲン青汁」で新規顧客獲得に注力する方針を決定。従来はテレビCMやディスプレイ広告などを活用してきたが、それまでリーチしきれていなかった30~40代女性に商品の魅力を訴求するには、SNS広告が最適だと判断した。

SNS広告の検討を進める中、ディスプレイ広告からの誘導先のLPは広告色が強く、SNS広告で獲得した見込み客を取りこぼしてしまう可能性があることが、課題として浮き彫りになったという。

そこで2018年7月、SNS広告の戦略設計・運用とLPのデザイン刷新に着手した。

LPと広告クリエイティブを刷新

SNS広告の戦略設計を担当したアライドアーキテクツは、まずはLPのデザインや構成を刷新。「Instagramのユーザー投稿風」のデザインに変え、「美チョコラ コラーゲン青汁」の特徴である"みずみずしいおいしさ"を表現したほか、"飲み合わせ""飲むタイミング”といった生活者視点を盛り込んだという。

SNS広告のテキストやクリエイティブは、商品の訴求方法やデザイン方針などを細かく分析・設計して決定した。

Facebook、Twitter、Instagramで広告を配信した結果、CPOは従来比70%削減、コンバージョン数は約5.6倍に増えたという。

LPのデザインや構成を刷新
エーザイの施策内容と成果

アライドアーキテクツは、SNS広告の効果改善に成功した理由を次のように説明している。

ユーザーのタイムライン上に表示されるというSNS広告ならではの特性をしっかりと理解した上で戦略を立案し、広告クリエイティブとその流入先であるLPの制作・デザインを一気通貫で行いました。その結果、SNSユーザーに違和感を与えることなく商品の魅力や特長を訴求できたため、「おためしセット」のCPA低下に繋がり、サイト全体において大きな成果を生み出すことができました

エーザイの佐藤友昭氏(コンシューマーhhc事業部 LTパートナー部 LTP推進室)は次のようにコメントしている。

「美チョコラ コラーゲン青汁」の新規顧客の獲得を強化するにあたり、従来の顧客層のみならず「手軽に飲めて、美容成分も手に入る」という商品の特長をしっかりと訴求し、まだ商品を手に取ったことがない女性にも飲んでいただきたい、という思いがありました。そこで、ターゲット層である30代・40代の女性が活発に利用するSNSを活用したプロモーションを決めたのですが、これまでオンライン広告で活用してきたLPではSNSユーザーに受け入れられにくいのではと懸念していました。

そうした中、アライドアーキテクツ社様がSNS広告の専門チームを持ち、特に飲料商品のSNSプロモーションで豊富な実績を持つことを知り、相談を持ち掛けました。

同商品のSNS広告では、ターゲットのフィード(タイムライン)に馴染むよう、例えば商品をドリンクボトルに入れて屋外で持ち歩く動画など、季節性や生活シーンを意識したクリエイティブを採用しました。これにより広告を見ていただいた生活者の方に商品の消費シーンをリアルに感じていただけたことが、新規顧客獲得数の拡大という成果に結びついたと思っています。

今回の成果を受けて、エーザイでは「美チョコラ コラーゲン青汁」を販売強化商材にすることを社内で決定しました。今後もSNS広告を活用した商品の認知獲得や、「おためしセット」からの引上げ向上施策も検討していこうと思っています。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

EC売上高120億円めざす西松屋、関西に2拠点目のEC専門物流センター

7 years 2ヶ月 ago

子供服・ベビー用品の西松屋チェーンは9月26日、ネット通販事業を強化するため、主に西日本地域をカバーするEC専用配送センター「ネット西日本センター」を兵庫県姫路市内に開設すると発表した。2018年11月に稼働する。

西松屋チェーンは2016年12月、同社初のEC専用配送センター「ネット東日本センター」を茨城県常総市内に開設。主に東日本地域で配送日数の短縮や、複数の商品の一括配送などを実現した。

「ネット西日本センター」を開設することで、注文翌日に商品が到着する地域が拡大する。また、ECサイトの出店先を増やしていることを踏まえ、物流の効率化と合理化を図るとしている。

「ネット西日本センター」は「ネット東日本センター」と同様に、午前中の注文を当日中に発送するほか、顧客が同時に注文した商品の一括発送も可能。

西松屋のEC売上高は2016年2月期が約18億円、2017年2月期は約26億円、2018年2月期が約33億円と拡大を続けている。

2023年2月期にインターネット販売売上高(EC売上高)を120億円とする中期目標を設定した。

ECサイトは楽天市場、Amazon、Wowma!、SHOPLISTなどに出店。Wowma!を「公式オンラインストア」と位置付けている。

西松屋の2023年2月期を最終年度とする中期目標
2023年2月期を最終年度とする中期目標(画像は第62期報告書からキャプチャ)

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

環境省が宅配再配達の削減に向けた実証事業、オープン型宅配ボックスによる受け取り方の多様化めざす

7 years 2ヶ月 ago

環境省は9月25日、宅配便の再配達削減を目的とした実証実験を、山形県や京都府の自治体と共同で開始した。

不特定多数の消費者が利用できる「オープン型宅配ボックス」を山形市内や宇治市内のスーパー、大学、公共施設などに合計約30台設置。宅配荷物の多様な受け取り方を推進し、再配達の削減効果を検証する。

実証期間は2018年9月25日から2019年2月下旬まで。

環境省は宅配便の再配達削減を目的とした実証実験を、山形県や京都府の自治体と共同で開始
山形市は「はこぽす」、宇治市は「PUDO」を設置する(「COOL CHOICE」のサイトから編集部が画像をキャプチャ)

今後、宅配ボックスの利用者へのアンケートや、設置場所の提供者に対するヒアリングなどを行う。

その上で、再配達削減に効果的な宅配ボックスの設置方法に関する情報や知見を整理し、地方におけるオープン型宅配ボックスの普及を促進するためのガイドラインを策定するとしている。

環境省によると、首都圏を中心にオープン型宅配ボックスの設置が進んでいるものの、地方部においては知見の蓄積が少ないことから実証事業を実施した。

政府は2020年に再配達率13%めざす

政府は配送業界の人手不足や、配送トラックの二酸化炭素排出量の増加といった課題を解決するため、宅配ボックスの普及を推進している。

国土交通省の総合物流施策推進会議が2018年1月にまとめた「総合物流施策推進プログラム」では、宅配便の再配達率を2020年度に13%程度まで削減する目標を設定している

国交省が実施している宅配便再配達率の定点調査によると、2018年4月度の再配達率は15.0%だった。

国土交通省が実施した2018年4月度の宅配便再配達率調査
2018年4月度の宅配便再配達率調査(都市部:東京23区で人口密度が高く単身世帯の占める割合が高い区、都市部近郊:東京都郊外の市町村で世帯人口が多いところ、地方:人口の少ない都道府県の市町村で人口密度が低く世帯人口が多いところ)

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

「SHOPLIST」のクルーズがRIZAPグループのECプラットフォームを構築・提供へ

7 years 2ヶ月 ago

ファッションECサイト「SHOPLIST」を運営するクルーズの100%子会社で、ECシステム開発などを手がけるCROOZ EC Partnersは9月26日、RIZAPグループ傘下の夢展望に対してECプラットフォームを提供すると発表した。

オムニチャネル戦略にも対応したECプラットフォームを構想しているという。

RIZAPグループ傘下のジーンズメイトや三鈴なども、ECプラットフォームを共同利用する予定。RIZAPグループが進めるECプラットフォームプロジェクトを、CROOZ EC Partnersが担う。

RIZAPグループが進めるECプラットフォームプロジェクト
RIZAPグループが進めるECプラットフォームプロジェクト(夢展望の決算説明会資料からキャプチャ)

CROOZ EC Partnersによると、「SHOPLIST.com by CROOZ」の運営やECサイト構築における実績が評価されて業務委託契約の締結に至った。

夢展望は要件定義に関する契約をCROOZ EC Partnersと締結したことに伴い、ソフトウエアを1億円で取得するとしている。

夢展望の2018年3月期の売上高は50億7500万円、当期利益は5億3900万円だった。

CROOZ EC Partnersは「SHOPLIST」の運営で培ったノウハウを活用し、ECサイトのシステム構築、運用受託、フルフィルメント支援などを手がけている。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

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渡部 和章

働き方改革で「業務に支障が出る」47%/Amazonの5つの弱点とは?【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

7 years 2ヶ月 ago

エン・ジャパンが経営者・人事担当者に対して実施した「働き方改革法案」に対する意識調査が注目を集めました。懸念事項は「時間外労働の上限規制」や「年次有給取得の義務化」だそうです。

  1. 働き方改革法案、企業の懸念は「時間外労働の上限規制」「年次有給取得の義務化」 「同一労働同一賃金の義務化」

    エン・ジャパンが「働き方改革法案」に対する経営者・人事担当者の意識調査を実施

    2018/9/27
  2. Amazonの弱点5つを分析してシェアを奪い取る方法

    アマゾンの弱点を分析し、競合通販がシェアを奪い取るための戦略を紹介

    2018/9/27
  3. 自社ECの「竹虎」が有名店になった裏側――「竹虎」が実践してきたこと&レジェンド岸本社長との出会い

    メディア露出は450回以上、ユニクロとの商品共同企画、「イーコマース事業協会エビス大賞」などアワード受賞の常連店でもある「竹虎」の成長理由を取材した

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  4. EC会員情報とLINEアカウントのID連携で何ができる? 検討前に知っておくべきメリット&実例

    自社EC会員情報とLINEアカウントをID連携させると、どんなメリットがあるのか

    2018/9/26
  5. 福山通運、日曜日の集荷・配達を中止へ

    人手不足問題や政府が推進する「働き方改革」を受け、10月1日から適用する

    2018/9/26
  6. 問題です。通勤電車でショッピングする人の割合は次のうち、どれ? A:10% B:20% C:30%【ネッ担まとめ】

    ネットショップ担当者が読んでおくべき2018年9月17日〜23日のニュース

    2018/9/26
  7. ビジネスパーソンは通勤時間に何している? ネット通販する割合は約1割

    ネット通販の利用割合は立席時で8%、着席時は11%

    2018/9/21
  8. インフルエンサーをECに活用して効果を最大化する方法とは? Instagramフォロワー370万人の米化粧品会社の事例

    SNSを活用して熱烈なファンを増やすにはどうすればいいのか? それを実現している米国の化粧品会社の事例を解説

    2018/9/26
  9. ネットプロテクションズ「NP後払い」がソフトバンク・ペイメント・サービスと業務提携

    決済業界初の標準連携、「オンライン決済ASP」導入店で「NP後払い」が利用可能に。実店舗展開も検討中

    2018/9/27
  10. 「美容師の○○さんが推薦します!」は有り? 無し? ヘアケア化粧品の広告表現に関する注意点

    シャンプー、コンディショナーなど「ヘアケア化粧品」の広告表現について(連載第42回)

    2018/9/25

    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

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    ラストワンマイルの課題を地域住民による宅配で解決するネスレ日本と佐川急便の施策

    7 years 2ヶ月 ago

    ネスレ日本は10月1日から、佐川急便と共同で新たな宅配サービスを開始する。定期通販の商品を各地の一時保管拠点にストックし、拠点からエンドユーザーの自宅までの配送を地域住民などが担う。

    宅配業界の人手不足が深刻化するなか、配送のラストワンマイルを独自の宅配網でカバーし、EC事業の拡大をめざす。

    ネスレと佐川急便が開始する宅配サービスは「MACHI ECO便」。「ECO HUB(エコハブ)」と呼ばれるストックポイントを各地に配置し、ラストワンマイルの配送を地域住民に委託する。ネスレ日本は「ECO HUB」の管理者に手数料を支払う。

    ネスレと佐川急便が開始する宅配サービスは「MACHI ECO便」
    ネスレと佐川急便が開始する宅配サービス「MACHI ECO便」の仕組み

    今後、「MACHI ECO便」への参加企業も募集。ファンケルやルピシアなど他社商品も「MACHI ECO便」の対象に加えるという。

    サービス対象地域は都内6区(港区・品川区・千代田区・中央区・新宿区・渋谷区)と、大阪府内の4区(北区・中央区・福島区・此花区)。対象地域は順次拡大する予定。また、都内には専用の宅配ロッカーも設置する。

    ネスレ日本の倉庫から「ECO HUB」までの輸送は佐川急便が手がける。

    定期通販の利用者が「MACHI ECO便」を利用する際は、「近所のECO HUBに商品を取りに行く」もしくは「近所のECO HUBから商品を配達してもらう」のいずれかを選択。「商品を取りに行く」を選択した場合、商品代金の割引が適用される。

    「MACHI ECO便」の説明動画

    「MACHI ECO便」利用手順

    1. 専用ウェブサイトhttps://machieco.jp/machiecobinにアクセス
    2. さまざまな商品を組み合わせて、自分だけの定期便を作る
    3. 配送方法、希望の「ECO HUB」を選択
    4. 商品を受け取る

    渡部 和章

    ライトプロ株式会社 代表取締役

    渡部 和章(わたなべ・かずあき)

    新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

    趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

    渡部 和章

    ファーストリテイリング、情報製造小売業の実現加速に向けてGoogleとの協業を強化

    7 years 2ヶ月 ago

    ファストファッション「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは9月19日、Google傘下のGoogle Cloudとの協業を強化すると発表した。

    2017年3月に開始した「有明プロジェクト」の一環で、情報製造小売業の実現に向け、全社的なデジタル活用を推進する。

    ファーストリテイリングは、情報製造小売業へと変革することを掲げた「有明プロジェクト」を進めている。顧客と店舗、本部、生産拠点、物流拠点などをITでつなぐことで、顧客を深く理解し、顧客が求めている商品だけを作り、最適な形で届ける仕組みをめざしている。

    Google Cloudとの協業はすでに進んでおり、世界最先端の機械学習や画像認識技術を使った、商品のトレンドや需要の予測などに取り組んでいるという。

    また、顧客の声や行動の情報、外部情報、実績データといった各種データを活用し、顧客が求めている商品だけを作る仕組みの構築も共同で進めている。

    ファーストリテイリングが進めている情報製造小売業の実現に向けたイメージ
    情報製造小売業に向けたビジネスイメージ(ファーストリテイリングの発表資料をキャプチャ)

    ファーストリテイリングは社内コミュニケーションツールとして「G Suite」を導入。店舗と本部、生産・物流拠点の全社員が同じ情報をもとに、連動して働ける環境作りに取り組む。

    今後、Google Cloudとの取り組みを含め、Googleとのグローバルな協業を強化するとしている。

    渡部 和章

    ライトプロ株式会社 代表取締役

    渡部 和章(わたなべ・かずあき)

    新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

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    渡部 和章

    ネットプロテクションズ「NP後払い」がソフトバンク・ペイメント・サービスと業務提携

    7 years 2ヶ月 ago

    ソフトバンク・ペイメント・サービス(SBPS)とネットプロテクションズは業務提携し、 SBPSの「オンライン決済ASP」とネットプロテクションズの「NP後払い」を10月1日からシステム連携する。「NP後払い」が決済代行会社とシステム連携を行うのは今回が初めて。

    「オンライン決済ASP」を導入している加盟店は、「NP後払い」を簡単に利用できるようになり、1つの管理画面で後払いとその他決済を処理できるようになる。

    SBPSが提供する「オンライン決済ASP」は、 クレジットカード決済、コンビニ決済、キャリア決済など25の決済手段をまとめて利用できる決済代行サービス。決済機関との契約や、収納代金の入金管理までのすべてををSBPSが行う。

    ①商品などを購入 ②加盟店が決済処理 ③SBPSが決済処理 ④商品等を提供 ネットプロテクションズが請求書を発送 利用者がコンビニエンスストア、銀行、郵便局で代金を支払い(精算)
    SBPSが提供する「NP後払い」のメリット
    • 複数決済手段管理の一元化……管理画面をSBPSで一本化できるため、効率的な売上管理が可能
    • 継続課金に対応……都度払いだけでなく、定期購入にも対応可能(加盟店側の対応が必要)
    • システム連携が容易……加盟店の開発工数や運用工数を最小限に抑えた設計のため、決済手段を容易に追加できる

    SBPS営業本部の長田直樹氏は下記のように語った。

    特に物販の加盟店で、後払いのニーズが高いと感じてきた。また、すでに後払いを導入している店舗でも、後払いとその他の決済手段の管理ツールが別のため、処理が煩雑だという声があった。今回の連携により、弊社の管理画面でワンストップで提供でき、契約、決済、精算、入金管理など、すべての決済代行業務を提供できる。

    ネットプロテクションは実店舗決済「atone(アトネ)」も提供しており、実店舗で「atone」と連携した事業も検討中。

    ネットプロテクションズ セールスグループ マネージャー 中島康太郎氏(左)と、ソフトバンク・ペイメント・サービス 営業本部 営業3部 部長 長田直樹氏(右)
    ネットプロテクションズ セールスグループ マネージャー 中島康太郎氏(左)と、ソフトバンク・ペイメント・サービス 営業本部 営業3部 部長 長田直樹氏(右)
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    Amazonの弱点5つを分析してシェアを奪い取る方法 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

    7 years 2ヶ月 ago

    Amazon(アマゾン)はEC業界の巨人ですが、どの分野でも強いわけではありません。アマゾンの主な弱点と、競合がアマゾンのシェアを奪い取るための戦略を紹介します。

    アマゾンは時価総額で1兆円を突破し、小売業界の異端児として驚くべき成功を見せつけました。小売市場のシェアをものすごい勢いで奪っていくアマゾンは、他の小売事業者にとっては戦略軍のように映るでしょう。

    オンライン書店としてスタートしたアマゾンは、すぐにさまざまな商品を販売するようになりました。今では、生鮮食品まで取り扱っています。素早く、スムーズな注文と配送を当たり前にし、どんな場面でもカスタマーエクスペリエンスの向上を心掛けています(アレクサやアマゾンダッシュ経由での注文もその一例です)。

    アマゾンプライムは大成功し、会員費が20%上がっても(編注:米国の会員費用)、会員はほとんど文句を言いませんでした。会員費アップのおかげで、何億ドルもの追加収益を毎年上げています。

    残念ながら、これらの領域でアマゾンを打ち負かすことはできません。魔法のような決定打は存在しないのです。しかし、アマゾンがすべての分野で秀でているわけではありません。アマゾンにも弱点があります。そこを攻めれば、アマゾンの脅威からビジネスを守ると当時に、シェアを拡大していける可能性があります。

    アマゾンはファッションの先端ではない

    ファッションに関しては、アマゾンで洋服を探す人はまだ多くありません。モルガン・スタンレーの最近の調査で、アマゾンで洋服を買う一番の理由を聞かれた際、「アマゾンにはオシャレで、好きなブランドが揃っているから」と答えた人はたったの6%でした。

    ベーシックな商品を購入するためにアマゾンを訪れる消費者は存在するものの、真のファッショニスタは他で買い物をするです。同様に、ラグジュアリー商品もアマゾンの強みではありません。マーケットプレイスでは、ブランド独自の価値や高価格を維持するための厳しい統制を取りづらいのが原因です。

    偽物ブランドの懸念

    多くの消費者がアマゾンで販売されている商品が本物かどうか心配しています。アマゾンが偽物商品の販売に共謀しているのではないかと懸念するブランドまでいるほど、ブランド側も警鐘を鳴らしています。

    アマゾンの3P(第三者のマーケットプレイス)では、販売に関する規制が比較的ゆるくなっています。3Pで販売されている商品が1P(アマゾンが販売している商品)のすぐ横に表示されるため、本物と偽物の違いがわかりにくくなっているのです。たとえアマゾンが偽物商品を削除したとしても、偽物商品について書かれた悪いレビューはずっと表示され続けます。

    サイズ選択肢の少なさ

    アマゾンには、小さい人用、大きな人用、背の高い人用など、洋服選びにこだわりのある人たちのための、特別なサイズの品ぞろえが不足しています。フリーサイズと言われる洋服や既製品で嫌な思いをしたことがある人たちは、自分のサイズに特化したお店を探し、直接購入するのです。

    ヨーロッパでのプレゼンスの低さ

    アマゾンはヨーロッパでは明らかに勢いがありません。アメリカではアパレルと靴の売り上げの35%を占めるアマゾンですが、ヨーロッパではたった8%にとどまっています。西ヨーロッパにおけるアパレルと靴のトップブランドは、10%のシェアを誇るベルリンのZalandoです。

    Zalandoが成功している大きな理由は、アディダスやトミーヒルフィガーとのパートナーシップにより、彼らのデータベースから消費者が購入しているデータにアクセスできることです。双方にとって有益なデータを共有するパートナーシップを結んでいる小売事業者は、アメリカでも存在感を出し始めています。

    巨大プラットフォームとの付き合い

    多くの販売事業者たちは、アマゾンとの付き合いは必要悪だと思っています。商品をアマゾンで販売するものの、利益の薄さやお客さま情報を持つことができないこと、偽物商品が出てくる可能性などに悩まされます。アマゾンからは自社サイトよりも安い、最安値での販売を強要されるため、価格以外の差別化が困難となります。

    アマゾンの驚くべき成功の陰で、多くの小売事業者が疑問を持つアマゾンというプラットフォームでのビジネスが、はたして持続可能なのかという疑念も出てくるでしょう。

    そのため、パートナーシップや他の選択肢を探し、ShopRunner(編注:年会費を払うと参加店舗の商品を送料無料などで配送するサービスを展開)ようなアマゾンプライムに勝負を挑むサービスを検討する小売事業者も増えています。

    ShopRunnerは、加盟店での送料無料や2日配送などの特典を得られる会員サービス(編注:編集部が画像をキャプチャし追加)

    アマゾンと同じ戦略で挑む

    アマゾンは成功の秘訣を隠していません。アマゾンの信条は、世界一の顧客中心企業であることです。アマゾンと同じ戦略をとるためには、小売事業者は顧客1人ひとりが望むことを理解して、すべてをパーソナライズ化する必要があります。

    今日の消費者は注意散漫で、大量に発信される情報に目を通す時間がなく、自分に関係のないメッセージに悩まされています。そうではなく、データに基づいて、興味に沿ってパーソナライズしたメッセージに注力すべきです。

    鍵になるのは、顧客がWebサイトに訪れた瞬間を特定し、必要なデータを集めることです。そして、適切なチャネルを介した適切なメッセージによって顧客を惹きつければ、また訪れてもらえるでしょう。

    アマゾン同様、顧客の過去から現在までの興味と、類似した人の閲覧や購入データを組み合わせ、パーソナルなレコメンドをリアルタイムに作成しなくてはいけません。さらなる努力として、顧客の信頼を勝ち取るために、ソーシャルな情報を示す必要もあります(たとえば、“いま22人がこの商品を見ています”などの情報)。

    これらのコンテンツツールを活用すれば、アマゾンに対してより優位に立つことができます。また、消費者の興味関心データを持つ他の小売事業者とパートナーシップを組めば、さらに良い結果を得られるでしょう。

    Internet RETAILER

    世界最大級のネット通販業界の専門誌「Internet Retailer」は、雑誌のほか、Web媒体、メールマガジンなどを運営。Vertical Web Media社が運営を手がけている。

    Eコマースの戦略に関し、デイリーニュース、解説記事、研究記事、電子商取引におけるグローバルリーダーをランク付けする分析レポートなどを発行している。

    Internet RETAILER

    働き方改革法案、企業の懸念は「時間外労働の上限規制」「年次有給取得の義務化」 「同一労働同一賃金の義務化」

    7 years 2ヶ月 ago

    求人情報サービスや人材紹介などを行うエン・ジャパンはこのほど、今年6月に成立した「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」(以下、働き方改革法案)に対する経営者・人事担当者の意識調査を実施した。

    回答した648人のうち約5割が「働き方改革法案」によって経営に支障が出ると回答。支障が出そうな法案の上位は「時間外労働の上限規制」「年次有給取得の義務化」「同一労働同一賃金の義務化」だった。

    「働き方改革法案」の認知度は95%

    「働き方改革法案」は今年6月に成立し、2019年4月に施行される。同法案について内容や概要の認知度を質問したところ、「内容も含めて知っている」は21%、「概要を知っている」は74%で認知度は95%だった。

    働き方改革法案の認知について【エン・ジャパン調査】
    働き方改革法案の認知について

    「経営に支障がでる」47%

    「“働き方改革法案”が施行されることで、経営に支障が出ますか?」という質問に対して、「大きな支障が出る」と答えた割合は9%、「やや支障が出る」は38%で合計47%が「支障が出る」と答えている。

    回答企業を従業員の人数で分類すると、従業員数が多いほど「支障が出る」と答えた割合が高い。

    働き方改革法案の施行による経営への影響【エン・ジャパン調査】
    働き方改革法案の施行による経営への影響

    経営に支障が出そうな法案について選択式・複数回答で質問したところ、1位は「時間外労働(残業)の上限規制」(66%)、2位は「年次有給取得の義務化」(54%)、3位は「同一労働同一賃金の義務化」(43%)だった。

    働き方改革法案の施行による経営への影響【エン・ジャパン調査】
    経営に支障が出そうな法案の内容について

    業種別で見ると、メーカーは「同一労働同一賃金の義務化」(62%)、「中小企業の時間外割増率猶予措置の廃止」(41%)が比較的高い。広告・出版は「年次有給取得の義務化」(70%)、「勤務間インターバル制度の普及推進」(30%)が他の業種よりも高かった。

    業種別、働き方改革法案の施行による経営への影響【エン・ジャパン調査】
    経営に支障が出そうな法案の内容について(業種別)

    調査概要

    • 調査方法:インターネットによるアンケート
    • 調査対象:人事向け総合情報サイト「人事のミカタ」を利用している企業の経営者・人事担当者
    • 有効回答数:648人
    • 調査期間:2018年7月25日~8月28日

    渡部 和章

    ライトプロ株式会社 代表取締役

    渡部 和章(わたなべ・かずあき)

    新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

    趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

    渡部 和章

    ECサイトはなぜ常時SSL対応しなければならないのか? Eストアー石村社長が説く

    7 years 2ヶ月 ago

    非SSLのWebサイトに対してWebブラウザが警告を表示するようになるなど、セキュリティ確保の点からWebサイトへの常時SSL対応が求められるようになってきている。こんな環境下、ECサイト構築・運営サポートの老舗であるEストアーは新設子会社を通じ、通信の暗号化や企業の実在を証明するSSL/TLSサーバー証明書の発行事業を始めた。なぜEストアーは電子認証事業を始めたのか。常時SSL対応の最新情報を含めて、Eストアーの石村賢一社長、新設子会社のクロストラスト・秋山卓司社長に話を聞いた。

    常時SSLに関する業界内の動きは?

    ――なぜSSL/TLSサーバー証明書の発行事業を始めたのですか?

    石村賢一社長:今後、セキュリティ確保の流れは止まることはなく、ネットを介在するさまざまなサービス、アプリなどに証明書が入ってくるでしょう。ECのインフラを提供する立場から見ても、証明書の発行事業は価値あるものだと考えたからです。

    Eストアーの石村賢一社長
    Eストアー・石村賢一社長

    ――Eストアーでは、顧客の96.9%でSSL証明書の対応準備が完了したと発表されましたが。

    石村社長:2018年4月に、12月まで無料でSSL証明書を提供しますと顧客にアナウンスしたところ、少しだけ対応する動きがありました。でも、少しだけなんです。

    10月に予定されている「Chrome 70」では、HTTPページでフォームに入力すると、アドレスバーの「保護されていない通信」が赤く表示されるようになる計画があるなど、「Google Chrome」はWebサイトの全ページへの常時SSLを促してきています。

    ECサイトにおける常時SSL対応とは、お店ページ全体をSSLで暗号化することです。買い物カゴやアンケートフォームなど特定のページだけでなく、その他すべてのページもSSL化することで、決済情報やアンケート情報だけでなく、Cookieの不正アクセス(盗聴)を防止するなど、Webサイトのセキュリティと信頼性の向上にもつながります。

    ECサイト全体のSSL対応イメージ
    ECサイト全体のSSL対応イメージ(画像はEストアーのサイトからキャプチャ)

    これからのECは、「ちゃんとお客さまの情報を保護して適切な商環境を提供しています」というのが当たり前になっていくと思うんですよね。

    ――9月上旬時点でも、ECサイトが常時SSL対応になっていないところが多いですよね。石村社長はどう見ていますか。

    石村社長:SEO(検索エンジン対策)にも影響が出てくると思うので、ECサイトは早く常時SSLに対応すべきでしょう。Googleは常時SSL化を推奨しており、検索結果の順位決定要因として、常時SSL化しているかどうかを考慮することを公表しています。

    2017年10月にリリースされた「Chrome62」から、アドレスバーに表示される「保護されていません」という警告表示の対象が拡大しました。その後の2017年11月から、常時SSL対応と非対応に関する影響を調べ始めたんです。

    すると、HTTPS化されていない特定業種のECサイトの検索順位は落ち、“Google八分”状態に。年末年始の売り上げは例年より落ち込みました。

    次に調査を全業種に広げました。すると、それまで特定キーワードで上位表示されていたECサイトは軒並み検索結果の1ページ目から消えました。その調査から3~4か月後に再び検索結果は上位表示されるようになりましたが、私の推測は「常時SSLに対応しなければ検索結果に影響が出る」という結論に至りました

    Googleでは2014年から、HTTPSをランキングシグナルとして活用。「全く同じSEOスコア同士だった場合、HTTPSのサイトを有利」と判定していますので、サイト品質のスコアが悪くなると、広告を使って露出を図る必要が出てきます。お金を積んで売り上げを伸ばしても、結果的にROAS(広告費用対効果)の悪化を招いてしまう可能性があります。

    常時SSL化のメリット
    常時SSL化のメリット(画像はEストアーのサイトからキャプチャ)

    常時SSLに対応していないとどうなる?

    ――今後、常時SSLに対応していないとどうなりますか?

    秋山卓司社長:いま、非対応のサイトでは、7月下旬にリリースされた「Chrome 68」において、暗号化されていないHTTPでコンテンツを表示するページ全てのアドレスバーの横に「保護されていない通信」と表示し、利用者に警告を出しています。「保護されていない通信」という文言の横には!(ビックリマーク)が表示されている状況です。

    SSL通信されていないページでの表示
    SSL通信されていないページの表示

    9月にリリースされた「Chrome 69」からは、HTTPS対応ページに表示されていた「保護された通信」が削除され、鍵マークだけになり、色が緑から灰色になりました 。

    9月からのHTTPSに関するChromeの処理について
    9月からのHTTPSに関するChromeの処理について(画像はGoogleのウェブマスター向け公式ブログからキャプチャ)

    それが今後、10月に予定されている「Chrome 70」では、HTTPS非対応のページでは赤文字で「保護されていない通信」と表示され、横には△のなかにビックリマークが記載され赤表示となります。利用者への警告がより強い形となりますよね。

    HTTPページにデータを入力するときに表示される「保護されていません」の警告を赤に変更する予定
    HTTPページにデータを入力するときに表示される「保護されていません」の警告を赤に変更する予定(画像とテキストはGoogleのウェブマスター向け公式ブログから)

    一方、10月から常時SSL対応のページでは鍵マークの表示が消えます。これは、常時SSL対応しているのが“当たり前”という状況を示すためのものと考えられます。10月になった瞬間、SSL通信しているサイトは「正」、SSL通信していないサイトは「悪」……。こういう状況になるのです。

    ちなみに、通信がSSLに対応している、していないというのは業界の考え方。一般の人から見れば、赤文字やマークが表示されたら、「このサイトは危ないんだ」という認識になりますよね。それほど重要な環境の変化なのです。

    クロストラスト・秋山卓司社長
    クロストラスト・秋山卓司社長

    ――今回、Eストアーが始めるSSL/TLSサーバー証明書の発行事業について教えてください。

    秋山社長:これまで私は、旧クロストラスト株式会社の代表として電子認証サービス事業を手がけてきました。今回、Eストアーが新設したクロストラストへ事業を譲渡して、私が代表に就任。これまで蓄積してきた電子認証サービスに関するノウハウと運用経験を、継続的に発展し提供していきます。

    Eストアーの顧客のショッピングカートシステム「ショップサーブ」利用企業のうち96.9%でSSL証明書の対応準備が完了しました。グループ会社としてEストアーの顧客へ提供することで、その企業へのSSL/TLSサーバー証明書の発行を推進しています。ちなみに、Eストアーの顧客には、SSL証明書を永続無料提供しています。 今後、社会で必要性が高まっていくと予測される、広告、取引、決済、物流などの証明、安全に活用できるPKI技術に基づくサービスを開発、供給していきます。

    瀧川 正実

    ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

    通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

    瀧川 正実

    KDDIグループのECモール「Wowma!」がARを導入、インテリアの配置シミュレーション

    7 years 2ヶ月 ago

    KDDIコマースフォワードは9月21日、ECモール「Wowma!(ワウマ)」にAR(拡張現実)機能を活用した大型家具の配置シミュレーション機能を導入した。

    「Wowma!」内に特集ページ「インテリアAR体験特集」を開設。特集ページ内に掲載されている対象商品の「ARボタン」を押すとAR機能が起動する。

    自宅室内などでスマホのカメラをかざすと、ソファやテーブルなどの配置イメージを確認できる。対象商品は「Wowma!」で購入することが可能。

    KDDIコマースフォワードはECモール「Wowma!(ワウマ)」にAR(拡張現実)機能を活用した大型家具の配置シミュレーション機能を導入
    大型家具の配置シミュレーション機能のイメージ

    AR機能を利用できる端末はiPhoneシリーズやiPadシリーズのみ。対応OSはiOS12以上。

    ECにAR機能を活用する動きが広がっている。世界で60万店舗以上が利用しているECプラットフォーム「Shopify」も2018年9月、スマホ端末のAR技術を活用し、商品の配置イメージを立体的に表示する「Shopify AR」の提供を開始した。

    「Shopify AR」を活用した事例動画

    渡部 和章

    ライトプロ株式会社 代表取締役

    渡部 和章(わたなべ・かずあき)

    新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

    趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

    渡部 和章

    福山通運、日曜日の集荷・配達を中止へ

    7 years 2ヶ月 ago

    福山通運は9月21日、運送業界における人手不足や政府が推進する「働き方改革」を受け、日曜日の集荷と配達を中止すると発表した。

    10月1日以降は日曜日に集荷と配達を行わない。契約済の顧客に限り、2018年12月末まで日曜日も集荷・配達を行う。

    グループで業務の見直しによる効率化などを実施してきたが、今後も安全安心な輸送サービスを提供するために、日曜日のサービス縮小を決めたという。

    取扱店への荷物の引き取りや、荷物の持ち込みは条件付で継続する。ただ、一部の支店・営業所は日曜日に営業しないため、荷物の持ち込みや引き取りも行わない。

    宅配便取扱個数は年間42億個

    宅配便の取扱量は年々増えている。国土交通省の調査では、2017年度の宅配便取扱個数は42億5100万個だった。前年度と比較すると2億3272万個多く、増加率は前年度比5.8%増。

    ただし、2017年度は集計対象が前年度と異なるため、宅配便取扱個数は多めに算出されている。日本郵便の「ゆうパケット」を通年で集計対象に追加したほか、佐川急便は決算期変更の影響で集計対象日数が前年度よりも多い。

    条件変更の要因を排除して2017年度の宅配便取扱個数を前年度と比較した場合、増加数は4343万個、増加率は前年度比1.1%増。

    宅配便取扱個数の推移【2017年度の宅配便取扱個数】
    宅配便取扱個数の推移

    渡部 和章

    ライトプロ株式会社 代表取締役

    渡部 和章(わたなべ・かずあき)

    新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

    趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

    渡部 和章

    問題です。通勤電車でショッピングする人の割合は次のうち、どれ? A:10% B:20% C:30%【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

    7 years 2ヶ月 ago

    スマホの普及率が8割を超えたとのことで、電車の中で使っている人をよく見ますが、ショッピングしている人は意外といない……? 混み合っている車内で「他人にスマホを見られるのが嫌」という心理もありそう。

    ネット通販利用は立席時で8%、着席時は11%

    ビジネスパーソンは通勤時間に何している? ネット通販する割合は約1割 | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/5805

    まとめると、

    • 通勤電車で立っているときの時間の過ごし方は「ニュースサイトの閲覧」(32.4%)、「特になにもしない」(24.7%)、「音楽やラジオを聴く」(22.3%)
    • 着席しているときの時間の過ごし方は「仮眠、休憩」(37.9%)、「ニュースサイトの閲覧」(36.7%)、「読書(紙の書籍)」(26.2%)
    • 立っている時にネットショッピングを利用すると答えた人は8.4%、着席時は11.3%
    オンラインスクールが実施した通勤電車での過ごし方に関する調査の結果
    立席時に「ネットショッピング」を利用して過ごすと答えた割合は8.4%

    「電車の中で何をする?」と聞かれれば、何もしないか、寝るか、ニュースをチェックするくらいですよね。スマホユーザーが増えたからといって、ゲームをしている人がたくさんいるわけでもなく、ネット通販で買い物をする人が多いわけではないので、勘違いしないようにしましょう。ひっかけクイズ的な調査データでした。

    どこまでが「ネットショップ」なのか

    ECのようにオムニチャネルUXを改善しよう オフラインを計測し、KPIを設定するための「計算式」 | ECzine
    https://eczine.jp/article/detail/6026

    まとめると、

    • O2O施策の効果測定は「アクション計測方式」「インセンティブ計測方式」「アプリ計測方式」の3つ
    • 「アクション方式」はオンラインで予約し、店舗で販売した際にPOSレジに登録し、基幹システムで連携
    • 「インセンティブ方式」はクーポンが店舗で使われた回数や金額を計測する
    • 「アプリ計算方式」は自社アプリと店頭に設置したビーコンを連携させる
    遷移率
Web ……サイト訪問 閲覧 Web予約 会員登録
リアル店舗……来店 接客 購入

    仮に、サイトのユニークユーザーが10,000UUだとすると、現在のままだと購入は100名ですが、この来店までの遷移率を10%上げる(67%→77%)ことができると、購入は何人になるでしょうか(単純に店舗での遷移率は変わらないとする)。

     なんと126名となります。仮にアパレルショップで顧客単価が2万円だとすると、売上にすると53万円のプラスになります。

    いつでも・どこでも・何でも買える時代なので、リアル接点を計測しない手はないですよね。記事中では3つの計測方法が書かれていますので、自社でできそうなものを採用してファネルの考え方を導入してみると良さそうです。O2O市場は2023年には1,600億円を超えるという試算もあります。

    ARが当たり前の世界を想像したほうが良さそうです

    Shopify × ARのショッピング機能を公開!iOS 12でネットショップの新しいカタチを体験しよう | Shopify
    https://www.shopify.jp/blog/introduce-shopify-ar

    拡張現実 (AR) はモバイルでのショッピング体験に革命を起こす可能性を秘めています。例えば、3Dモデルでサイズを測ったり、すべての角度から商品を確認したり、さらにはあなたの周りに商品を置くなど、ネットショップで少し前では考えることすらできなかったことを簡単に実現可能にします。

    動画を見ればどんなものかが一発でわかります。iOS12に導入された「AR Quick Look」を使うと、目の前に本当に商品があるかのようにスマホ上に表示されます。これを使いながらチャットや電話ができたら? と考えると、買い物の考え方がガラッと変わりますね。

    関連記事

    EC全般

    【台風21号災害の教訓に学ぶ 】EC企業の被害状況から見る課題と必要な対策とは | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/5800

    大雨、台風、地震と大きな災害が続いた日本列島。BCP(事業継続計画)はしっかりしておかないといけません。

    楽天スマホ対策(アプリも含む)・カスタマイズについてまとめてみた | ネットショップ運営の気になる備忘録

    https://peacepopo.net/blog-entry-257.html

    裏技的なスマホサイトのカスタマイズ。ちょっとした工夫で売上が上がるかも。

    17年EC決済サービス市場、7/2%増の10兆7000億円に | 通販通信
    https://www.tsuhannews.jp/56802

    EC業界カオスマップ2018-EC決済サービス編 | eコマースコンバージョンラボ
    https://ecclab.empowershop.co.jp/archives/54477

    選択肢は増えたものの、固定費や料率に悩むことも増えてきています。真綿で首を締められるような気さえしますね。

    ヤフーとヤマト運輸、ヤフオク!で商品をオープン型宅配便ロッカーから発送できるサービスを開始 | ECzine

    https://eczine.jp/news/detail/6047

    宅配ロッカーを発送にも使うという発想。何かのついでに使えるのは便利そうです。

    ゴルゴにAI…伝統の『養命酒』がなぜか攻めてる!? SNSで“バズるプロモ”で若年層売上が120%に | ORICON NEWS
    https://www.oricon.co.jp/special/51778/

    ロゴなどを変えずにキャンペーンだけで若年層を開拓した事例です。本気でやりきることがポイントのようです。

    11月はポッキー&プリッツの日・七五三・紅葉・食欲の秋などネタが盛りだくさん ~Twitter・Facebook・Instagramの投稿事例&アイデア【11月編】 | Web担当者Forum
    https://webtan.impress.co.jp/e/2018/09/18/30354

    ポッキー&プリッツの日の認知度はかなり上がってきましたよね。養命酒さんにならって、旬のものには乗っかっておきましょう!

    厚生労働省 化粧品広告で事務連絡、「大学と共同研究」効果の逸脱に | 通販新聞
    http://www.tsuhanshinbun.com/archive/2018/09/post-3162.html

    化粧品と健康食品はどんどん厳しくなりますね……。抜け道を探すのではなくて、正々堂々と勝負したいものです。

    EC全般

    部員が撮影した自衛隊機の写真を掲載しているだけであって、何かしらの政治的主張等を行っている訳ではございませんので、全く問題はないと考えております。よって、ご指摘に該当する記事および写真を削除することは一切考えておりません。

    「自衛隊の写真は削除しろ」とクレーム 金沢工業大学写真部の対応に、称賛の声!? | grape [グレイプ]
    https://grapee.jp/561623

    ネットショップもクレームが来ることがありますが、見当違いなクレームにはこのように毅然とした対応をしたいものですね。

    森野 誠之

    運営堂

    運営堂代表。Web制作の営業など数社を経て2006年に独立後、名古屋を中心に地方のWeb運用を支援する業務に取り組む。現在はGoogleアナリティクスなどのアクセス解析を活用したサイト・広告改善支援を中心にWeb制作会社と提携し、分析から制作まで一貫してのサービスも開始。豊富な社会・業務経験と、独立系コンサルタントのポジションを活かしてWeb制作や広告にこだわらず、柔軟で客観的な改善提案を行っている。理系思考&辛口の姿勢とは裏腹に皿洗いを趣味にする二児のパパ。

    森野 誠之

    インフルエンサーをECに活用して効果を最大化する方法とは? Instagramフォロワー370万人の米化粧品会社の事例 | 海外eコマースに学ぶ最新のECトレンド Presented by ecbeing

    7 years 2ヶ月 ago

    インフルエンサーマーケティングで重要なのは、フォロワー数ではなく、ECサイトやブランドを熱烈に支持してくれるコアなファンを増やすことです。

    「集客」という観点からフォロワー数に目を向けてしまいがちですが、ある一定数のフォロワーを抱えると、エンゲージメント(商品やブランドなどに対する消費者との関係性)が低下する傾向があります。SNSを活用して熱烈なファンを増やすにはどうすればいいのか? それを実現している米国の化粧品会社の事例を解説します。

    売り上げの半分以上がSNS経由の化粧品会社

    米国・ニューヨークに本拠を置く国際的な化粧品ブランド「elf Cosmetics」は、フォロワー数は多くはないもののフォロワーと高いエンゲージメントを築いている「マイクロインフルエンサー」を上手に活用している企業です。

    1ドル、3ドル、10ドルといった価格帯でメイクアップ、スキンケア製品を、スタート時はネット通販で展開。その後、大手小売店への卸販売など販路を広げていきました。動物実験を行わないといった商品特性などが特徴で、300億円規模の売上高を誇ります。

    化粧品ブランド「elf Cosmetics」のインフルエンサー活用
    「elf Cosmetics」はECでスタートして業容を拡大した

    「elf Cosmetics」の売上高の半分以上はSNSが関与しています。Instagramは370万人以上のフォロワー、Facebookは220万人以上など、大量のフォロワーを抱えるSNS経由なんだそうです。

    ストーリー性を持ち、ロングスパンでマイクロインフルエンサーとの関係性を高めていく――。「elf Cosmetics」が手がけるSNSでの基本的な戦略です。

    化粧品ブランド「elf Cosmetics」のInstagramのフォロワー数は370万人を超える
    Instagramのフォロワー数は370万人を超える

    「elf Cosmetics」では、コンテスト、情報提供、メイクアップアーティストのレッスンを受けたりできる企画をサンフランシスコで定期的に実施。そこに、自社のSNSのフォロワーからピックアップした50人のインフルエンサーを招待しています。

    狙いは、ブランドをプッシュ的に広げてくれる「マイクロインフルエンサー」を育成。そして、育った「マイクロインフルエンサー」がさらにブランドを高め、「elf Cosmetics」のファンを広げていくというものです。

    「elf Cosmetics」によると、自社のSNSの経験上、「マイクロインフルエンサー」の投稿には、質の高いインフルエンサーが増えていく傾向があると言います。

    各インフルエンサーのエンゲージメント率は、次のようになっており、1000人程度のフォロワーを抱えている「マイクロインフルエンサー」であれば、エンゲージメント率は平均で8%は確保できるそうです。

    化粧品ブランド「elf Cosmetics」のエンゲージメント率
    • メガインフルエンサー(フォロワー数は100万人以上)
      → エンゲージメント率は平均2%落ちる
    • マクロインフルエンサー(フォロワー数は1万から100万人
      → エンゲージメント率は平均5%
    • マイクロインフルエンサー(フォロワー数は500~1万人)
      → エンゲージメント率は平均8%

    「マイクロインフルエンサー」を集めて教育していくのには、商売上の狙いもあります。一般的には好きな有名人よりも、好きな友人から勧められた方がコンバージョン率は上がる――。身近な人の投稿の方がより信頼できるといった心理を活用していますよね。

    「elf Cosmetics」が注力しているのはInstagram
    「elf Cosmetics」が注力しているのはInstagram(画像はIR資料から)

    マイクロインフルエンサーの活用で外せない施策も。「elf Cosmetics」はInstagramのショッピング機能「ShopNow」を活用し、Instagramから直接の購買導線を強化しています。

    また、Instagramに掲載されたマイクロインフルエンサーの投稿写真をECサイトの商品詳細ページなどに活用し、注文率アップを狙うコンテンツに流用するなど、Instagramを絡めたさまざまな施策に取り組んでいます。

    「elf Cosmetics」はInstagramのコンテンツをECサイトに活用している
    InstagramのコンテンツをECサイトに活用している(画像はECサイトからキャプチャ)

    「elf Cosmetics」のインフルエンサー施策は販促だけではありません。商品販売の肝となるMDが最終的なゴールになります。それが、インフルエンサーとのコラボ商品の開発です。

    「マイクロインフルエンサー」の意見を吸い上げ、共同開発した商品は爆発的に売れる傾向があり、売れれば売れるほどファンがさらに積み上がっていくそうです。コラボ商品は“即完売”するモノが続出するなど、商品開発の新しい取り組みとして注目を集めています。

    株式会社ecbeing

    株式会社ecbeing

    株式会社ecbeingは、ECサイト構築から運用支援までサポートする、中堅大手向けEC総合ソリューション企業です。

    ECサイト構築パッケージecbeingシステムは、おかげさまで10年連続NO.1のシェアを誇り、導入実績は1,100サイトを超えています。

    株式会社ecbeing

    EC会員情報とLINEアカウントのID連携で何ができる? 検討前に知っておくべきメリット&実例 | ソーシャルログインとは? ECオーナーが知っておきたい基本

    7 years 2ヶ月 ago

    ソーシャルログイン機能を実装したWebサイトにおいて、LINEログインの利用率が大きく伸びています。2016年末までは、Yahoo! JAPAN、FacebookやTwitterが主流でしたが、今後さらにLINEログイン機能やID連携の重要性が増していくことが予想されます。

    ソーシャルログイン機能「ソーシャルPLUS」を導入し、5種類のログイン機能を実装する国内サイトのソーシャルログイン利用アカウントの割合(期間2017年12月~2018年1月)。
    https://socialplus.jp/report/2018

    さらなる需要が予想されるLINEログイン機能を実装することで、通販サイトにどのようなメリットがあるのか? Messaging APIを活用している事例とあわせて解説します。

    LINEログイン導入後の効果

    LINEログインは、UX向上に加えて企業の公式LINEアカウントへの貢献度合いが非常に高いです。具体的には下記の3点が同時に実現できます。順番に解説します。

    1. インセンティブなしで友だちが自然に増える
    2. ブロックされにくくなる
    3. ID連携率が上がる

    1. インセンティブなしで友だちが自然に増える

    「友だち数の増加」は、LINEの公式アカウントを作成して、一番悩むことでしょう。

    従来、友だち追加を促すための代表的な施策の1つは、スタンプ配信やクーポンなどのインセンティブの提供でしたが、継続的に施策を考える必要があり、運用・コスト面がネックとなるケースも多くありました。

    そこで注目を集めているのがLINEログインと連動する「自動友だち追加機能」です。「自動友だち追加機能」とは、ユーザーがLINEログインを利用してサイトに会員登録やログインをすると同時に、企業が運営するLINEアカウントへ自動で友だち追加できる機能です。

    LINEログインと連携し、自社サイトに興味があるユーザーを会員登録フローに沿って、自然な流れのなかで友だちに追加できるため、特別な施策を考えることなく企業アカウントの友だちが増えていきます。

    インセンティブによる登録ではなく、サイトに興味があって会員登録・ログインしているユーザーが友だちとして登録されるので、友だち登録後にLINEのメッセージ経由で購入・申込などコンバージョンする確率が高いのも特徴です。

    実際にLINEログイン導入の前後で友だち数がどのように変化したのか、あるサービスサイトでの推移をグラフにしました(図1)。グラフを見てわかるとおり、LINEログイン導入後は、緩やかだった友だち数の伸び率が大きく向上していることがわかります。

    図1 友だち数とブロック数の推移グラフ

    また、LINEログインはLINE Ads Platform(LAP)とも好相性です。

    LAPは、LINEのタイムラインやLINE NEWSなど、LINEのプラットフォームに配信できる運用型広告で、LINEユーザーに直接アプローチできます。広告誘導先のWebサイトにLINEログインがあれば、ユーザーはLINEアカウントを利用して簡単に会員登録できるため、新規会員数と友だち数を効率的に増やすことができます。

    次のグラフ(図2)は、実際にLAPとLINEログインを併用して会員登録を促した広告配信の事例です。友だち数の推移を見ると、会員数の増加にともなうブロック率を上回る形で友だち数が大きく伸びています。自社サービスへの関心が高いユーザーをしっかり友だちにできていることがわかります。

    図2 広告施策後の友だち数とブロック数の推移グラフ

    2. ブロックされにくくなる

    LINEアカウントの運用において、「友だち数の増加」と同じく、多くの企業が課題にあげているのが「ブロック率」です。ブロック率は、メッセージ配信の運用内容から大きな影響を受けるため、LINEログインを実装している場合でも、ブロック率10%を維持しているケースから50%超に上るケースまで、幅広い実績があります。

    ブロックされにくい企業のLINEアカウント運用のコツは、次の5つです。上から順に実現しやすい施策になっています。

    1. 友だち追加したユーザー全員へのメッセージ一斉配信を避ける
    2. メッセージ配信数は週1回までにする
    3. LINE限定のセール案内や時限式クーポン配信を実施する
    4. カスタマーサポートでもLINEを活用している
    5. 発送完了や再入荷通知などの情報をLINEで受け取れる

    ブロックをされる理由で多いのは、「自分がほしい情報が送られてこない」「配信の頻度が高すぎる」などです。つまり、メッセージの内容とタイミングが適切であるかがブロック率を左右します。

    特に一斉配信よりもユーザー1人ひとりの属性や行動に合わせてセグメント分けしたメッセージ配信を活用した方が、「必要な情報が適切なタイミングで届く」というメリットをユーザーに感じてもらいやすく、ブロック率が下がる傾向があります。簡単な属性分けでも実施するに越したことはありません。

    また、クーポンも単純な「○○円OFF」といったものより、商品を限定したり、先着順で利用できるクーポンにしたりするなど、「特別感」のある配信を行い、毎回同じ配信内容にならないよう工夫すると効果的です。

    3. ID連携率が上がる

    「ID連携率」は、あまり馴染みのない言葉だと思います。

    LINEの企業アカウントの友だち数のうち、自社サイトの「会員ID」と「LINEのID」がひも付いている割合がID連携率と呼ばれています。このIDのひも付け、つまりID連携はLINEログインで行えます。

    なぜ、ID連携率を上げることがLINEアカウント運用のメリットになるのか。それは、ID連携によってユーザーの会員情報を活用したセグメントメッセージが配信可能だからです。1人ひとりにパーソナライズされたメッセージ配信によって、効果を最大限に高めることができます。

    LINEの企業アカウントから、一斉配信ではなく特定のユーザーへメッセージを配信する場合の条件として、次の2点が必要です。

    • 友だち追加されている(ブロックされていない)
    • ID連携が完了している

    この条件を満たすことで、ユーザーの会員属性やサイト訪問履歴、購入履歴に応じたメッセージをLINEで配信できるようになります。ユーザーにとって最適な情報を、最適なタイミングで届けられるため、LINEのメッセージ経由の購入数やCVR向上、売り上げの増加にも貢献しやすくなります。

    どれだけ友だち数が多くても、ID連携率が低くては、一番効果が高い、1人ひとりのユーザーへのセグメント配信数が少なくなってしまい、LINEのメッセージを生かしきれません。

    一斉配信と比較して、属性分けしたセグメント配信のCTRが約7倍に達した実績もあります。

    図3

    LINEのID連携で成果を上げる企業たち

    ここからは、弊社のソーシャルログインサービスを利用する企業のなかから、LINEのID連携率が高く、成果を上げている事例を紹介します。

    ID連携率が高い企業として、「ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)」と「NTTぷらら」の取り組みを紹介します。どちらもID連携率が9割と、非常に高い連携率を達成しています。

    ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)

    ゴルフポータルサイトを運営するGDOは、GDOクラブ会員の情報とLINEアカウントをID連携すると応募できるキャンペーンを実施しています。

    LAPを活用してキャンペーンのランディングページに誘導する広告を配信し、キャンペーン応募をフックに友だち数とID連携数を増やすことに成功しました。

    このようなID連携を条件にしたキャンペーンは、新規ユーザーだけでなく、既存ユーザーのID連携も促せます。

    GDOの場合、LINEでID連携したユーザーは、他のユーザーと比べてサイト内での購入や予約などのアクティブ率が高かったという実績がありました。新規および既存ユーザー向けのキャンペーン案内を積極的に行い、LINEのID連携を促す施策を継続しています。

    図4 GDOのLINE ID連携キャンペーン(現在は終了)

    GDOはLINE連携したユーザーに対して、LINEのメッセージを配信しています。ユーザーは、重要な通知を手元のLINEアプリですぐ確認できるためわかりやすく、メリットとなっているようです。

    NTTぷらら「ひかりTVショッピング」

    家具家電・雑貨類などを取り扱うECサイト「ひかりTVショッピング」を運営するNTTぷららでは、LINEアカウントとID連携したユーザー限定のお得な情報やクーポンを、LINEのメッセージで配信しています。

    「LINE限定クーポン利用でポイント50倍」や「LINE限定のタイムセール案内」など、ID連携から商品購入へ直結しやすい施策を打っています。

    ひかりTVショッピングのLINEは、メッセージ配信頻度が比較的高いのですが、クーポンを利用できる商品が毎回異なる点や、ポイント50倍というインパクト、さらに先着順という点が、ユーザーを飽きさせないお得感のある配信内容となっています。

    図5 ひかりTVショッピングのLINE ID連携キャンペーン(画像は2018年8月時点のもの)

    配信するメッセージの内容を、ユーザーを飽きさせず、お得感を感じられるものにすることで、ユーザーに「ID連携した方がいい」「ブロックせずに継続して情報を受け取りたい」と感じてもらえている良い事例だといえます。

    オンラインだけじゃない、実店舗のLINEログイン連携

    LINEログインをWebサイト上の施策だけではなく、実店舗と連携させて有効活用する企業も増えてきています。

    特に最近注目を集め、導入事例が増えてきているのが、LINEログインを活用したポイントカード・会員カードの発行です。

    具体的には、次のような流れでLINEと連携したポイントカードの発行が可能です。

    1. 店舗にあるPOPのQRコードを読み取り、会員登録フォームを表示
    2. LINEログインで会員登録を行い、自動でLINEアカウントに友だち追加
    3. 会員登録完了後、会員バーコードが表示されたマイページ(ポイントカード画面)を表示

    次回来店時にポイントカードを提示する際は、友だち追加した店舗のLINEアカウントのトーク画面にある「リッチメニュー」をタップするだけで簡単に提示できます。

    リッチメニューからポイントカードを開くと同時に、LINEアプリ内ブラウザで自動的にLINEログイン(オートログイン)が行われます。いちいちID/パスワードを入力してログインする手間がなくて便利です。

    このように店舗側は、店頭での会員登録手続き用紙による会員登録やポイントカード発行をオンラインに置き換えることで、オペレーションを効率化できます。

    また、ユーザー側は手持ちの物理カードを増やさず、登録用紙に記入する手間を省いてポイントカードを発行できます。しかも、店頭でのお買い物時には、手元のLINEアプリで簡単に会員カードを提示してポイントを貯められます。

    店舗とユーザー双方にとってメリットのある施策です。

    図6 実店舗のLINE ID連携イメージ

    会員登録率を上げる有効な施策の1つは、可能な限り入力項目を少なくすることです。情報入力の量によって、ユーザーの会員登録のしやすさが大きく変わります。

    LINEログインと連携した会員登録であれば、メールアドレス(契約条件と審査を経て電話番号が取得できる場合もあります)が取得できるので、登録フォームにメールアドレスが自動入力(フィルイン)される実装も可能です。

    また、実店舗だけでなくオンラインショップもある場合は、会員カード発行とオンラインショップの会員登録も兼ねることで、ユーザーはオンラインショップも同時に利用可能になります。ポイントシステムがあれば、実店舗で貯めたポイントをオンラインショップで使うなど、ユーザーの利便性向上につながります。

    店舗側としては、ポイントカード発行と同時にLINEとID連携した自動友だち追加ができれば、DMやチラシを電子化してLINEで発行できるため、コスト削減も期待できます。

    ただし、ポイントシステムやPOSが関わると開発規模が大きくなります。

    オンラインショップとの融合だけでなく、ビーコンの活用、QRコード決済など、実店舗のデジタル化の可能性は広がる一方なので、できるだけ早い段階で基盤を整えておくことは、今後新たな施策を行ううえで大きな差を生むことになるでしょう。

    LINEアカウントのID連携でユーザーサポートを向上

    LINEを活用した施策として、LINE@の1:1トークをカスタマーサポートとして活用する事例や、LINEのカスタマーコネクト※1によるAPIとチャットボットを活用した大規模カスタマーサポートの事例が増えてきています。

    ※1 LINE カスタマーコネクト:LINEが提供する法人向けカスタマーサポートサービス。コンタクトセンターがLINEを介して、AIや有人によるチャット対応や音声通話対応などをシームレスに行い、状況やニーズに応じた適切なカスタマーコミュニケーションを実現できる。

    モバイル向けアパレルECサイト「dazzystore」を運営するdazzyは、カスタマーサポートにLINEを導入し、電話・メールとあわせて活用しています。

    ECサイトの会員IDとLINEアカウントのID連携を実現したことで、従来よりも問い合わせ対応がスムーズになり、解決までの時間を短縮するなどの効果を上げています。

    たとえば、LINEで問い合わせを受けたときに会員IDと連携していれば、注文状況や契約内容の確認など、本人確認が必要な問い合わせについて、会員IDをキーにして本人確認フローを省略できます。電話やメールでは、どうしても1件あたりの問い合わせ内容が長くなりがちでしたが、スムーズなコミュニケーションが可能になり、サポートの効率化につながっています。

    商品の色やサイズの問い合わせであればチャットだけでも十分ですが、LINEアカウントとID連携していれば、ユーザーを特定した本人確認済みの状態で回答できます。

    LINEをカスタマーサポートで活用する懸念点として、サポートチャネルの増加による学習コストと運用コストがあげられます。しかし、それを上回るメリットがあります。

    • メールと比較してユーザーの返信が早く、即日クローズ率が高い
    • 電話やメールよりも気軽に問い合わせできる
    • 電話やメールと比較して1件あたりのサポートコストが低い
    • 本人確認フローが必要ない(LINEアカウントとID連携している場合)

    また、LINEでセグメント配信したメッセージに対してLINEで問い合わせできると、ユーザーは企業とのコミュニケーションをLINEで完結できるため、満足度が高まる傾向にあります。

    導入に踏み切るまでハードルはいくつかありますが、大きなメリットもあるのため、中小規模のカスタマサポートでも導入する企業が増えていくといいと思っています。

    ◇◇◇

    LINEの国内月間アクティブユーザーは7,500万人とされ、いまやLINEはインフラと言っても過言ではないサービスになっています(LINE2018年7月~9月媒体資料)。

    これからも新しい施策が次々と生まれてくるでしょう。企業としては、売り上げ向上だけでなく、ユーザーの利便性や体験価値、中長期的なカスタマーエクスペリエンスの向上なども考慮すると、ユーザーと良い関係が築けるでしょう。

    岡田 風早

    株式会社フィードフォース

    岡田 風早(おかだ かざはや)
    株式会社フィードフォース
    コーポレート本部長 兼広報・Bizdev チームマネージャー

    ソーシャルログイン/ID連携ASPサービス「ソーシャルPLUS」のカスタマーサクセスチームの立ち上げで2015年フィードフォースに入社。その後「ソーシャルPLUS」プロダクトマネージャーを経て現在の役職に至る。LINE社とLINEログインにおけるパートナー契約を中心になって進め、ビジネスコネクトパートナーや大手代理店と連携して、企業のLINEによるOne to Oneコミュニケーション実現の設計に数多く携わる。

    岡田 風早
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