ネットショップ担当者フォーラム

アスクルがファンコミュニティ「LOHACO PARK」を開設。トライアル版の運用を開始

2ヶ月 1 週間 ago

アスクルは、コミューンと連携し、「LOHACO」ファンを対象とした招待制オンラインコミュニティ「LOHACO PARK(ロハコ・パーク)」を開設し、トライアル版の運用を開始する。

ファンの声を生かしてサイト改善、企画立案につなげる

アスクル LOHACO PARK 招待制オンラインコミュニティサイト コミューンと連携
アスクルが運営する招待制オンラインコミュニティ「LOHACO PARK」

「LOHACO PARK」は、「LOHACO」のサービスや商品を愛用しているユーザーを対象とした、招待制の無料オンラインコミュニティサイト。参加者同士がオススメ商品や活用方法などを情報共有できる場だという。リアルな体験談、使い方のアイデアなどを共有することで、「LOHACO」をより身近に感じてもらうことを目的としている。

コミュニティ内では、商品やサイト企画に関する意見や感想を直接投稿できる。また、ファン座談会、オリジナル商品企画などを実施する予定だ。こうした取り組みで得たコミュニティ参加者の声やアイデアを新しい企画、実際の商品やサービスに生かしていくという。

初期フェーズとして約100人の参加者を対象に運用を開始する。従来までのファン作りの施策を踏まえながら、より深く・広く認知してもらえるよう参加型の双方向コミュニケーションで展開する。限定性・希少性のある“ここでしか得られない情報や体験”で参加者との接点を強化し、ブランドへの共感と支持のさらなる拡大をめざす。

コミューンは、コミュニティサクセスプラットフォーム「Commune(コミューン)」を提供しており、クライアントの顧客起点経営の支援を行っている。2025年2月にアスクルが主催したピッチイベント「いい明日がくるPITCH CAMP」に、コミューンが参加。同イベントをきっかけにLOHACO事業でコミューンとの連携が実現した。

藤田遥

「Zoff」のインターメスティック、「メガネスーパー」のHorus HDを買収

2ヶ月 1 週間 ago

メガネ店「Zoff」などを展開するインターメスティックは9月2日、「メガネスーパー」を展開するビジョナリーホールディングスを傘下に持つHorus HDの全株式とHorusの株式を取得すると発表した。

これにより、インターメスティックはHorus HDグループを完全子会社化。ビジョナリーホールディングスはインターメスティックの傘下に入る。取得価額は合算で約190億円。株式譲受日は10月1日を予定している。

インターメスティックは、「Zoff」ブランドのメガネ小売店を全国317店舗展開。Horus HDグループは、「メガネスーパー」を主ブランドとしてメガネやコンタクト小売店を全国300店舗展開している。

インターメスティックによるHorus HDグループの買収で、グループの店舗数は600店舗を超えるメガネ小売り企業が誕生する。店舗は地域的に重複が少なく、商圏のカニバリゼーションによる退店などといったディスシナジーはないという。

なお、Hours HDグループはコンタクトレンズの販売に強く力を入れており、EC売上高も含めるとコンタクト売上高がメガネ売上高を上回る。若年層をメインの顧客としながら、定期便比率が70%超という顧客基盤を持つ。インターメスティックの顧客層と重なりが大きいことから、クロスセルなどのシナジーが見込めるとしている。

「Zoff」のインターメスティック、「メガネスーパー」のHorus HDを買収
Hours HDグループはEC売上高も含めるとコンタクト売上高がメガネ売上高を上回る(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

Hoursの2025年4月期連結業績は、売上高が前期比4.1%増の281億8600万円、営業利益は18億5200万円(前期は5億2000万円の赤字)、経常利益は14億9700万円(前期は12億7500万円の赤字)、当期純利益は11億4300万円(前期は12億5000万円の赤字)。

Hours HDの取得価額は概算で167億6600万円、内訳は株式取得が167億2600万円、アドバイザリー費用が概算で4000万円。Hoursの取得価額は23億5300万円。

鳥栖 剛

「免税措置待遇の停止」でヤマト運輸は「国際宅急便」を継続、佐川は「飛脚グローバルポスト便」一時停止/「3Dセキュア2.0」義務化で取引は4倍増【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

2ヶ月 1 週間 ago
2025年8月29日~2025年9月4日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?
  1. トランプ政権による「免税措置待遇の停止」、ヤマト運輸は「国際宅急便」を継続発送、佐川は「飛脚グローバルポスト便」一時停止

    佐川急便では代替サービスとして「飛脚国際宅配便」、「SAGAWAの海外通販まるごとサポート」を案内している。 いずれも、米国税関の規制に準拠した対応が可能としている。

    2025/9/1
  2. 「3Dセキュア2.0」義務化で取引は4倍増、決済完了率は平均93%。6割が操作を必要しない認証で処理

    ストライプジャパンは8月29日、2024年実に施した「3Dセキュア」の利用動向に関する調査について、改めて分析を行い、日本やフランス、イギリスでのビジネスにおける認証と決済完了に関する各国の特長を発表した。

    2025/9/3
  3. 中国・米国向け越境EC市場は4.2兆円で8.3%増。中国向けは約2.6兆円、米国向けが約1.6兆円【2024年の海外向けEC規模】

    世界の越境EC市場規模については2024年は1兆100億USドルで、2034年には6兆7200億USドルにまで拡大すると予測されている。

    2025/8/29
  4. 日本郵便、米国向けの小包・EMSの引受停止。トランプ政権による米国関税および規制変更を受け

    日本郵便は8月27日から「個人間の贈答品で内容品価格が100ドルを超えるもの」「消費を目的とする販売品」を内容品として包有する米国宛て郵便物(小形包装物、小包および EMS(物品))について、他の各国郵便事業体と同様、引き受けを一時停止する。

    2025/8/29
     
  5. 業務で生成AIを利用している企業が半数超、作りたいコンテンツのトップは「プレゼンテーション・提案書」

    日経BP総合研究所は2020年から、経営者や次世代リーダーを中心としたビジネスパーソンを対象に独自調査プロジェクト「5年後の未来に関する調査」を実施している。2025年6月に「第51回 5年後の未来に関する調査【生成AIビジネスの動き/街の変容】」を実施した。

    2025/9/3
     
  6. クリック率3倍、セッション数2.3倍を実現したECサイトの取り組みとは? リアル店舗のような“ワクワク感”を再現するPLAZAの事例

    「PLAZA」を運営するスタイリングライフ・ホールディングス プラザスタイル カンパニー。ECサイトを刷新し、検索機能の改善やサイト回遊率の向上を実現。さらに、ハッシュタグページを経由して購入に至ったセッション数は、半年弱で2.3倍に増加した。こうした成功につながった取り組みの詳細を解説する。

    2025/9/2
     
  7. 三井不動産×豊田通商×KDDIによる収容客数1万人規模の「名古屋アリーナ」、三井ショッピングパーク公式ECとの連携も

    三井ショッピングパーク公式通販サイト「Mitsui Shopping Park &mall(アンドモール)」、「三井ショッピングパークチケット」などと連携した様々な取り組みも行っていくという。

    2025/9/2
     
  8. イケアが首都圏のオムニチャネル戦略を見直しするワケ。IKEA原宿・新宿を終了、受取センターなどのタッチポイント強化

    イケア・ジャパンは多様化する顧客ニーズに応え、持続可能な成長に一層注力するため、首都圏におけるオムニチャネル戦略の見直しを進める。IKEA原宿とIKEA新宿の営業を2026年初頭に終了する。今後は、IKEA渋谷が東京都心部におけるブランドの拠点としていくという。

    2025/9/2
     
  9. 法人向けのBtoB-EC市場規模は514兆4069億円。最新トピック+業種別の市場規模、EC化率まとめ【2024年の電子商取引調査】

    経産省は2024年のBtoB-EC(企業間電子商取引)の市場規模を発表した。「建設・不動産業」「製造業(6業種に分類)」「情報通信業」「運輸業」「卸売業」「小売業(6業種に分類)」「金融業」「広告・物品賃貸業」「旅行・宿泊業、飲食業」「娯楽業」の全20業種を推計対象業種としている。

    2025/8/29
     
  10. 2024年度の通販・EC市場規模は7.3%増の14.5兆円。26年連続のプラス成長、10年間の平均成長率は9.1%【JADMA調査】

    公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)の調査によると、2024年度の通販の売上高は、前年比7.3%増の14兆5500億円となり、金額ベースでは前年に比べ9900億円の増加となった。

    2025/9/1
     

※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

藤田遥

ベビー用品、消耗品の購入で普段からECを利用する人は65%。EC派の理由は「手間が省ける」「ポイントがつく」

2ヶ月 1 週間 ago

ファンくるが「ファンくる」会員を対象に実施した「消費者の意識調査」によると、普段からベビー向け消耗品をECで購入する人は全体の65%だった。主な理由は「買いに行く手間が省けるから」「ポイントが付くから」で、購入品は「紙おむつ」が第1位だった。調査対象は「ファンくる」会員631人(男性134人、女性497人)で、調査期間は2025年8月1日~18日。

65%が「ベビー向け消耗品を普段からECで購入する」と回答

ベビー向け消耗品を普段からECで購入するかを聞いたところ、全体では「はい」が65%、「いいえ」が35%だった。世代別に見ると30代が最も「はい」の割合が高く、72%だった。

ベビー向け消耗品を普段からECで購入するか(n=631、出典:ファンくる)

ECで購入する主な理由は「買いに行く手間が省けるから」

「ベビー向け消耗品を普段からECで購入する」と回答した人にその理由を聞いたところ、最も多いのは「買いに行く手間が省けるから」で79%、次いで「ポイントが付くから」が61%、「店頭から持ち帰るのが大変だから」が59%だった。

ベビー向け消耗品を普段からECで購入する理由(n=409/複数回答可、出典:ファンくる)

ECでの購入品は「紙おむつ」が1位

「ベビー向け消耗品を普段からECで購入する」と回答した人に、ベビー向け消耗品のうち、ECサイトで購入することが多いものを聞いたところ、最多は「紙おむつ」で81%、次いで「おしりふき」が49%、「ミルク」が27%だった。

ベビー向け消耗品のうち、ECサイトで購入することが多いもの(n=409/複数回答可、出典:ファンくる)

調査概要

  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査対象:一般消費者
  • 回答者:「ファンくる」に登録している全国150万人のユーザー
  • 回答者数・会員631人(男性134人、女性497人)
  • 調査期間:2025年8月1日~18日
大嶋 喜子

「北欧、暮らしの道具店」のクラシコム、ソフトウェア開発のソニックガーデンと資本業務提携

2ヶ月 1 週間 ago

「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコムは9月3日、クラシコム本体の基幹システム開発・運用、既存システムの刷新、システム改良を目的として、ソニックガーデンと資本業務提携すると発表した。

資本業務提携による具体的な取り組みについて、発表時点で合意しているのは次の通り。

  • D2C事業の基盤となる基幹システムの強化に関する相互協力
  • 基幹システムの開発・運用に必要な体制の柔軟な提供
  • ソニックガーデンが長期的に公正な取引条件で、真摯にクラシコムのシステム開発に貢献すること
クラシコム 執行役員・システムプラットフォーム部 部長 村田省吾氏(左)、ソニックガーデン代表取締役/クラシコム 取株締役CTO 倉貫義人氏(中央)、クラシコム 執行役員・ビジネスプラットフォーム部 部長 高尾清貴氏(右)

長期的な協力体制を築くため、クラシコムはソニックガーデンに対して、将来的にクラシコムの株式を取得できる権利(新株予約権)を発行。新株予約権を行使できるのは、2035年7月期から2037年7月期にクラシコムの連結売上高が200億円を超えるという業績目標を達成した場合のみ。なお、新株予約権がすべて行使された場合の株式比率は0.78%。

また、クラシコムはソニックガーデンが発行する新株予約権を取得する予定。この新株予約権にも業績目標が設定されており、両社が技術と信頼に基づき協働を継続していくための枠組みとする。

クラシコムは「こうした条件を設け、業績目標の達成に向けて両社が協働することは、クラシコムの企業価値や株式価値の向上、ならびに既存株主の利益にもつながると認識している」とコメントした。

クラシコム 代表取締役社長 青木耕平氏(左)と、ソニックガーデン代表取締役/クラシコム 取締役CTO 倉貫義人氏(右)

ソニックガーデンは、2011年に設立したソフトウェア開発会社で、企業のシステムを中長期的に育てていくスタイルを実践してきた。クラシコムの子会社サービス「foufou(フーフー)」のシステム開発を担当したことをきっかけに、2024年からはクラシコムの基幹システム開発・運用に携わっている。また、2018年からソニックガーデン代表の倉貫義人氏がクラシコムの社外取締役、2024年から取締役CTOとしてエンジニア組織を統轄している。

大嶋 喜子

サイトスピードを大幅改善した「珈琲問屋オンラインストア」の取り組みとは

2ヶ月 2 週間 ago

フレッシュロースター珈琲問屋が運営する「珈琲問屋オンラインストア」がサイトスピードの大幅改善を実現している。Reproが提供するサイトスピード改善ツール「Repro Booster」の導入により成果を出した。

注文ごとに生豆から焙煎する「オーダー焙煎」が特長のフレッシュロースター珈琲問屋が運営するECサイト「珈琲問屋オンラインストア」は、焙煎度や豆の挽き方、パッキング加工まで細かくカスタマイズでき、常に煎りたての香りと味わいを届けている。コーヒー豆のほか、器具や関連商品も幅広く取り揃えている。

「Repro Booster」は、タグを設置するだけでその日からWebサイト全体の表示速度を高速化する、特許技術を用いたサイトスピード改善ツール。サイトスピードが速くなるだけでなく、導入・運用の工数がほとんどかからないことが特長。

「珈琲問屋オンラインストア」では、サイトの速度改善を顧客体験向上のための重要なテーマとして認識していたものの、明確な成果要件を定められず着手の優先度が下がっていたという。その間にもユーザーからの指摘が増え、対応を進める中で自社での改善に一定の限界を感じ、「Repro Booster」の導入を検討した。

「Repro Booster」導入後、「珈琲問屋オンラインストア」では、Webサイトの表示速度に関する指標であるWebページで最初のコンテンツが表示されるまでの時間を示すパフォーマンス指標「FCP(First Contentful Paint)」とWebページで最も大きなコンテンツ要素が表示されるまでの時間を示すパフォーマンス指標「LCP(Largest Contentful Paint)」が大幅に改善した。

モバイルではFCPが23.1%改善(0.2秒短縮)、LCPは26.9%改善(0.4秒短縮)した。PCではFCPが48.7%改善(0.5秒短縮)、LCPが38.8%改善(0.4秒短縮)となった。FCPとLCPの改善率は、WebViewを除いた全ページ(Repro Booster適用外を含む)を対象とした、同期間同条件におけるRepro Booster稼働有無のA/Bテストの結果。比較対象はLCP、FCPの中央値。

LCPは「Core Web Vitals(コアウェブバイタル)」と呼ばれる指標のひとつで、SEO(検索エンジン最適化)対策においてもその改善が重要視されているという。

「長年の課題であったサイトの表示速度が大きく改善され、大変満足している。導入後は、よく寄せられていた表示速度に関するご意見がほとんどなくなり、顧客満足度の向上という大きな成果を実感した。これまで担当者が日々行っていた速度改善のための細かな施策もほとんど不要となり、本来注力すべき業務にリソースを割けるようになった。業務負荷の軽減という点でも大きな効果があった。」(フレッシュロースター珈琲問屋 通販事業部 部長 松本拓也氏)

鳥栖 剛

バックヤードのExcel依存から脱却、欠品を1/10に改善。楽天SOYを9度受賞「ペッツビレッジクロス」の改善事例

2ヶ月 2 週間 ago

「楽天市場ショップ・オブ・ザ・イヤー」(楽天SOY)を9度受賞したペット用品EC「ペッツビレッジクロス」のクロスは、バックヤードのExcel依存から脱却し欠品を1/10に改善した。

売上・費用・仕入・在庫といった小売企業の経営管理に必要なデータを一元管理できる経営データ一元管理SaaS「ストアレコード」を導入。受注・在庫管理から売上分析、発注業務までExcelに依存していた属人的な作業を自動化した。欠品率は従来比1/10まで改善し、売上2倍になっても従前の人員体制で運営できるスケーラブルな業務基盤を構築できたという。

クロスは2002年からペット用品のEC販売をスタート、「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」「au PAYマーケット」など複数のECモールに出店している。従前は基幹システムが古く、CSVファイルを多用する運用体制だった。そのため、受注・在庫管理ミスによる欠品の多発、Excelでの報告資料作成時間が多く、売上アップ施策などに十分な時間を割くことができないといった課題を抱えていた。

「ストアレコード」の導入で、欠品率の大幅削減とExcel作業の激減による業務効率改善につなげた。

推奨発注数量ダッシュボードでの推奨数に基づき発注

SKUごとの直近の販売数から販売予測。現時点の在庫数と発注残の差分を推奨数量として表示するダッシュボードのデータを見ながら、発注数量を決定する。Excelでの作業時間はゼロになりながら欠品を従来の10分の1に抑えた。

バックヤードのExcel依存から脱却、欠品を1/10に改善。楽天SOYを9度受賞「ペッツビレッジクロス」の改善事例
推奨発注数量ダッシュボード

限界利益ダッシュボードの日次の売上・限界利益から施策効果を振り返り

日次の売上、売上総利益、販売管理費、訪問者数、販売数、CVR、客単価、平均OFF率といった各種KPIの指定期間比較ができる限界利益のダッシュボードで、日々の施策の効果を検証している。従前はExcelでの手作業で時間をかけて毎日集計していたが、システム化で毎朝確認できるようになった

バックヤードのExcel依存から脱却、欠品を1/10に改善。楽天SOYを9度受賞「ペッツビレッジクロス」の改善事例
限界利益ダッシュボード

店舗別売上から各サイトでの商品の売れ行きをワンクリックで確認

店舗別売上のダッシュボードで各サイトでどの商品が売れているのか、逆に他のモールでは売れているのに特定のモールで売れていない商品を特定、露出・販促強化の意思決定に活用している。

鳥栖 剛

オリコがBtoB領域の事業者間決済のクレカ決済拡大に向けてVisaと協業

2ヶ月 2 週間 ago

オリエントコーポレーション(オリコ)は9月1日、ビザ・ワールドワイド・ジャパン(Visa)とBtoB領域におけるクレジットカード決済拡大に向けた協業を開始したと発表した。

2024年度の個人消費におけるキャッシュレス決済比率42.8%に対し、事業者間決済におけるキャッシュレス決済比率は1%程度と言われている。買い手企業(バイヤー)のキャッシュレス決済ニーズが高まっている一方で、売り手企業(サプライヤー)がカード決済を導入していないことが要因という。

オリコは2023年4月、サプライヤーがカード加盟店ではなくてもバイヤーがカード決済できる請求書カード払いサービス(BPSP)「Orico Business payment for SME(OBS)」をリリース。事業者間決済市場のキャッシュレス化を促進する取り組みを進めてきた。

今回、国際ブランドであるVisaと協業することで、BtoB市場におけるサプライヤーへのカード決済の導入を促進、キャッシュレス決済導入加盟店の拡大を図る。オリコがアクワイアラーとして事業者間決済におけるカード加盟店の新規開拓を手がけ、Visaはマーケティングの総合支援を実施する。

オリコはサプライヤーへカード決済の導入を促進するため、自社の決済システム「Orico Payment Plus」の一部プランで初期費用および月額利用料を無償とするキャンペーンを実施する。

オリコは2026年3月期を初年度とする中期経営計画にで、「中小企業等への信用供与・生産性向上支援」を事業戦略の1つに掲げている。「与信×テクノロジー」で新たな金融シーンを創りだす先進企業をめざすとともに、今後もより安全・安心・便利な「キャッシュレス社会」実現へ貢献していくとしている。

鳥栖 剛

コストコのAI活用事例。需要予測で1億ドルのコスト削減、会員向けサービスで顧客満足度アップを実現 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

2ヶ月 2 週間 ago
AIを活用したCostcoの取り組みについて、これまでの実績や、現在の取り組み施策、今後の展望について注目しています。Costcoは2018年からAI活用に乗り出しており、過去には1億ドルのコスト圧縮に成功した実績もあるなど、活用に積極的です

Costcoは、商品の需要予測、会員向けの旅行予約サービス「Costco Travel」のコンテンツなどにAIを活用しています。CostcoのこれまでのAI活用の取り組みやその効果実績、さらに今後の展望を見ていきます。

元CFOのガランティ氏が語るAI活用の展望

2025年の年次株主総会で取締役を退任するCostcoの元最高財務責任者(CFO)のリチャード・ガランティ氏が、2024年9月-2025年2月期(中間期)の決算説明会(2025年3月に開催)で回答した質問の1つは、「CostcoがAIをどのように活用しているか」「その技術がビジネスにどのような影響を与えるか」でした。

​ガランティ氏は、AIの活用についてはまだ「初期段階」にあると回答。しかし、AI導入への道筋について、いくつかの見解を話しました。

​ガランティ氏は「​Costcoには、サードパーティのAI企業、特に米国の都市シアトルに本社を置く大企業が来訪しています。IT部門、CEO、運営およびマーチャンダイジングの責任者と協力して、どこに、どのように適合するかを検討しています」と説明。さらに「具体的な取り組みが多数ある」と話しました。

Costco、これまでのAI活用

需要予測で1億ドルのコスト削減に成功

「具体的な取り組み」には、​少なくとも倉庫の在庫管理や需要予測におけるAIの活用事例が含まれています。

​2018年という早い時期から、Costcoは機械学習モデルを使用、毎日どれだけのパンが在庫として必要になるかを予測していました。この試験運用は、Costcoが「倉庫」と呼ぶ30の店舗で実施。需要予測は過去の傾向を基にモデルを学習させると同時に、天気や地元のスポーツイベントのスケジュールなどの情報も予測の材料に入れていました。

ソフトウェア企業​SAPによる2024年の記事によると、この機械学習モデルを使用した在庫効率化のシステムで、Costcoは最終的に1億ドル近くのコスト削減に成功。システムの全社的な導入につながりました

「Costco Travel」でAIを用いたキュレーションを開始

​Costcoが会員向けに提供するサービスの1つに旅行予約サービス「Costco Travel」があります。2025年に「Costco Travel」にAIを活用するために協力しているテクノロジーベンダーの企業名を公開しました。

英国本社のテクノロジー企業Travelportと協力することを2025年2月に発表。この契約でCostcoは、Travelportが「AIを活用したコンテンツキュレーションレイヤー」と呼ぶサービスを「Costco Travel」に導入、会員1人ひとりに適した旅行をキュレーションします

「Costco Travel」のトップページ(画像はサイトから追加)
「Costco Travel」のトップページ(画像はサイトから追加)

​最終的に、複数の情報源から旅行サービスを集め、Costcoの会員に快適な検索体験を提供するポータルを構築。Costcoは会員にとってより価値の高いシステムを構築できることを期待して、Travelportのテクノロジーサービス導入を決めました。

​Travelportの代理店事業担当最高商務責任者であるジェイソン・トゥースマン氏は、Costcoとの契約発表時に次のように説明しました。

「Costco Travel」は、Costcoの会員が旅行を計画する時により多くの選択肢とより良い提案をすることで、会員にさらなる価値を提供することにフォーカスしています。Travelportは顧客企業の期待に応えるシームレスでモダンな旅行コンテンツの販売を提供します。 (トゥースマン氏)

Costcoの2025年EC売上高は188.7億ドルの見込み

米国のEC専門誌『Digital Commerce 360』は、2025年のCostcoのEC売上高が188億7000万ドルに達すると予測しています。

Costcoの年間EC売上高と成長率(単位:10億ドル/出典:コストコのIR資料、『Digital Commerce 360』によるCostcoの収益レポートチャート、2025年8月現在/2025年の数値は『Digital Commerce 360』による予測)
Costcoの年間EC売上高と成長率(単位:10億ドル/出典:コストコのIR資料、『Digital Commerce 360』によるCostcoの収益レポートチャート、2025年8月現在/2025年の数値は『Digital Commerce 360』による予測)

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

Digital Commerce 360

通販事業へのAI導入は12.7%、効果がありそうなのは「チャットボットや接客ツール」「サイト内検索」が上位

2ヶ月 2 週間 ago

エルテックスは8月29日、EC・通信販売事業関与者の実態調査「通販事業者のAI導入実態」を集計・分析した調査結果の2025年版を発表した。

それによると通販事業へのAI導入は12.7%、効果がありそうなAI機能は「チャットボットや接客ツール」「サイト内検索」が上位となった。

AIの導入状況

通販事業へAIを導入済みの企業は12.7%、2023年調査から4.0ポイント増加した。「AIを導入済み」と「AI導入が決まっている」を合算すると、2025年と2023年は同スコアの32.7%だった。

一方、「AI導入を検討・情報収集中」は数値が伸び、2023年調査比8.5ポイント増となった。「特に何もしていない」「関心がない・導入予定がない」といった割合は前回調査より減少、AIへの興味関心はかなり高まっていることがわかった。

エルテックスが実施したEC・通信販売事業関与者の実態調査「通販事業者のAI導入実態」
通販事業へのAI導入済みは12.7%

通販やECビジネスで効果がありそうなもの

2025年の回答比率は2023年に比べ全項目で低下。特に減少が目立ったのが「コールセンターでの業務サポート」だった。2025年では「ECストアでのサイト内検索」(49.3%)がトップ、「ECストアでのチャットボットや接客ツール」「通販・ECマーケティング分析」がそれぞれ47.2%で続いた。「メルマガの自動生成」や集客施策の企画・構成・コンテンツの作成」などは低スコアとなった。

エルテックスが実施したEC・通信販売事業関与者の実態調査「通販事業者のAI導入実態」
「コールセンターでの業務サポート」で特に減少が目立った

効果がありそう・興味のあるAI

「ECストアでのサイト内検索」がトップで、「ECストアでのチャットボットや接客ツール」は2位。「通販・ECマーケティング分析」はスコアを大幅に下げ、前回調査比9.2ポイント減だった。前回調査比で9.1ポイント増と躍進したのが「ECストアでのリコメンドエンジン」だった。

エルテックスが実施したEC・通信販売事業関与者の実態調査「通販事業者のAI導入実態」
「ECストアでのサイト内検索」がトップ

調査概要

  • 調査エリア:全国
  • 調査対象者:楽天インサイト保有の調査パネル(ビジネスパネル)年商規模1億円以上(1~10億円未満:75サンプル、10~50億円未満:172サンプル、50億円以上:53サンプル)の通販事業に携わる、会社役員、社員、派遣社員、個人事業主
  • 調査方法:ネット方式による、アンケート調査
  • 調査期間:2025年6月30日~7月2日
  • 回収サンプル数:300(調査対象者は、マーケティング、業務、情報システムがそれぞれ100サンプル)
  • 調査主体:エルテックス
  • 調査実施機関:楽天インサイト
鳥栖 剛

怪しい・不審だと感じるメール、ECは3位。対応は「メールを開かずに削除」が73%

2ヶ月 2 週間 ago

GMOブランドセキュリティが実施した、なりすましメールに対する意識と対策状況に関する調査によると、怪しい・不審だと感じるメールが多い業界上位は「銀行・クレジットカード会社」「宅配業者」「ECサイト」だった。怪しい、不審に感じたメールを受信した際の対応は「メールを開封せず削除した」がトップになっている。

調査対象は、企業やサービスからのメールを受信している、または過去に受信していた577人と、セキュリティ、システム、ネットワーク管理、マーケティングなどの業務で、メール配信に関わっている531人の合計1108人。

約9割が怪しい・不審と感じるメールを受け取った経験あり

企業やサービスからのメール(メールマガジン、通知メールなど)を受信している、または過去に受信していた577人に、メールを受信した際に怪しい・不審だと感じた経験があるかを聞いたところ、「はい」が88.9%、「いいえ」が11.1%だった。

メールを受信した際に怪しい・不審だと感じた経験があるか
メールを受信した際に怪しい・不審だと感じた経験があるか

怪しい、不審に感じたメールを受信した際の対応は、「メールを開封せず削除した」が最多の73.9%、続いて「メールを開封した」が20.3%、続いて、「何もしていない」が5.8%だった。

怪しい、不審に感じたメールを受信した際の対応
怪しい、不審に感じたメールを受信した際の対応

怪しい・不審なメール、ECは第3位

怪しい、不審だと感じるメールが多い業界を聞いたところ、最も多かったのは「銀行・クレジットカード会社」だった。ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便などの「宅配業者」、「Amazon」「楽天市場」といった「ECサイト」が続いた。

怪しい、不審だと感じるメールが多い業界(複数回答可)
怪しい、不審だと感じるメールが多い業界(複数回答可)

メールを開封後、青いチェックマーク、またそれをクリックすると「このメールの送信者はプロフィール画像のロゴを所有していることを確認しました」といったメッセージが表示されることは、正当なメールと判断する際に役立つかを聞いたところ、「はい」が84.4%、「いいえ」が15.6%だった。

メール開封後、青いチェックマークとそれに伴うメッセージは正当なメールだと判断する際に役立つか
メール開封後、青いチェックマークとそれに伴うメッセージは正当なメールだと判断する際に役立つか

なりすましメール対策設定は半数超の一方、企業ロゴ付きメールの導入は2割

セキュリティ、システム、ネットワーク管理、マーケティングなどの業務で、メール配信に関わっている531人に、BIMI(企業ロゴ付きメール)導入に必須となるDMARC(なりすましメール対策設定)設定状況などについてアンケート調査を行った。

DMARCを導入しているかを聞いたところ、「いいえ」が55.6%、「はい」が30.1%、「わからない」が14.3%だった。

なりすましメール対策設定を導入しているか
なりすましメール対策設定を導入しているか

メールに企業ロゴを表示するBIMIを導入しているかを聞いたところ、「いいえ」が45.4%、「はい」が19.8%、「検討中」が15.6%、「BIMIを知らない」が12.6%、「導入しているかわからない」が6.6%だった。

メールに企業ロゴを表示するBIMIを導入しているか
メールに企業ロゴを表示するBIMIを導入しているか

調査概要

  • 調査方法:インターネットアンケート
  • 調査主体:GMOリサーチ&AI
  • 調査対象:10~70代の男女1108人(内訳:メール受信者577人、メール配信事業者531人)
  • 男女比:男性871人、女性237人
  • 調査日:2025年7月24日
大嶋 喜子

「Amazon.co.jp」での買い物をサポートする生成AI搭載のショッピングアシスタント「Rufus(ルーファス)」とは

2ヶ月 2 週間 ago

アマゾンジャパンは9月2日、生成AI搭載のショッピングアシスタント「Rufus(ルーファス)」をリリースしたと発表した。

「Rufus」は「Amazon.co.jp」の商品とWeb上の情報を学習した生成AI搭載のショッピングアシスタント。Amazonショッピングアプリとデスクトップで利用できる。ユーザーの購入意向、商品、比較に関する質問に回答し、お薦め商品を表示する。

Amazonショッピングアプリの右下の「Rufus」のアイコンをタップするとチャットボックスが画面に表示される。チャットボックスを開くと、入力した質問への回答を表示、関連する質問のタップ、追加の質問をできる。下にスワイプしてチャットボックスを閉じれば、いつでも「Rufus」を終了して元の画面に戻ることができる。デスクトップでは、画面の左上の「Rufus」のアイコンをタップすると利用できる。

アマゾンジャパンは9月2日、生成AI搭載のショッピングアシスタント「Rufus(ルーファス)」をリリース
デスクトップでは、画面の左上の「Rufus」のアイコンをタップすると利用できる

「Rufus」は「Amazon.co.jp」とWeb上の関連情報に基づき回答を作成する。ただ、生成AIはまだ初期段階で、AIによる回答が常に正しいとは限らないという。また、質問によっては回答できない場合もあるという。

「Rufus」でできること

たとえば、「登山に必要なものは?」「屋内庭園を造りたい」といった幅広い質問を投げかけると、やりたいこと、イベント、目的や他の具体的なニーズに応じて必要な商品を検索して探し出す。安全ベルト、登山用の靴や手袋、育苗ポット、ガーデニング用の土、植物育成ライトといった購入可能な商品を提案し、ユーザーがさらに詳しく検索できるように関連する質問も提示する。

「Rufus」は幅広い質問に対応しており、「パンを焼くのに必要なものは?」など商品の購入に関係ない一般的な質問なども含めて、ユーザーの買い物をサポートする。

アマゾンジャパンは9月2日、生成AI搭載のショッピングアシスタント「Rufus(ルーファス)」をリリース
イベント、目的や他の具体的なニーズに応じて必要な商品を検索して探し出すことができる

そのほか「リップグロスとリップオイルはどう違う?」「電気カミソリの種類を比較して」といった質問をすると、同じカテゴリーに属する商品の特長を素早く比較。ユーザーは希望の商品タイプを選ぶことができる。

また、商品詳細ページで商品について質問することも可能。「レビューのまとめを見る」をタップすると、商品詳細ページに掲載されたカスタマーレビューの概要を簡単に確認できる。「このテニスラケットは初心者向け?」「このジャケットは洗濯機で洗える?」「このコードレスドリルは持ちやすい?」など、商品詳細ページを閲覧中にその商品に関する具体的な質問をすると、商品ページの詳細情報やカスタマーレビュー、カスタマーQ&Aから、「Rufus」が回答する。

鳥栖 剛

UA、越境ECサイト「UAグローバルオンライン」を開店。海外展開を加速、約30ブランドを展開

2ヶ月 2 週間 ago

ユナイテッドアローズは9月2日、自社運営する越境ECサイト「ユナイテッドアローズ グローバル オンライン」を開設した。2026年3月期を最終年度とした中期経営計画の主要戦略の1つ「UA MULTI戦略」で掲げる“グローバル拡大”に基づく取り組みの一環。海外の顧客に対する認知度向上、販路拡大をめざす。

「ユナイテッドアローズ グローバル オンライン」の「ABOUT US」ページ。ブランド紹介をメインに掲載している
「ユナイテッドアローズ グローバル オンライン」の「ABOUT US」ページ。ブランド紹介をメインに掲載している
同サイトの「MAGAZINE」ページでは、会社の取り組みや各ブランドのアイテム紹介などのコンテンツを定期的に発信する
同サイトの「MAGAZINE」ページでは、会社の取り組みや各ブランドのアイテム紹介などのコンテンツを定期的に発信する

「ユナイテッドアローズ グローバル オンライン」では、ユナイテッドアローズの主要ブランド「UNITED ARROWS(ユナイテッドアローズ)」「BEAUTY&YOUTH UNITED ARROWS(ビューティー&ユース ユナイテッドアローズ)」「UNITED ARROWS green label relaxing(ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング)」など約30のブランドのアイテムを展開する。

言語・通貨や決済方法を各国向けにローカライズし、快適でパーソナライズされたショッピング体験を提供する。

「ユナイテッドアローズ グローバル オンライン」で展開するブランド
「ユナイテッドアローズ グローバル オンライン」で展開するブランド

中計の戦略の1つ「UA MULTI戦略」とは

中計では3つの主要戦略「UA CREATIVITY戦略」「UA MULTI戦略」「UA DIGITAL戦略」を掲げている。

「UA MULTI戦略」は、ユナイテッドアローズの価値提供の幅を広げ、顧客層を拡大させていくための取り組み。グローバル拡大、業容拡大に向けた事業開発を進めている。

グローバル拡大では、新規出店拡大による台湾事業の成長に加え、コロナ禍で一時中止していた中国戦略を進めている。「ユナイテッドアローズ オンライン」の多言語化対応を進めて越境ECを強化するほか、他国への卸販売も進める方針。

業容拡大に向けた事業開発では、主に若年層を視野に入れた新規ブランド開発を実施。このほか、アパレル派生型ブランドの強化、非アパレル領域の検討・実施、法人ビジネスの拡大も掲げている。

ユナイテッドアローズは2023年3月に中国のECモール「天猫国際(Tmall Global)」に出店。その後、2024年7月に台湾で自社ECサイトを開設。2024年11月には、伝統的な和文化を象徴する日用品や工芸品を取り扱う「TABAYA United Arrows(タバヤ ユナイテッドアローズ)」を自社運営初の越境ECサイトとして開設した。

大嶋 喜子

業務で生成AIを利用している企業が半数超、作りたいコンテンツのトップは「プレゼンテーション・提案書」

2ヶ月 2 週間 ago

日経BPの調査・研究・コンサルティング部門である日経BP総合研究所が発表した「生成AIの業務活用に関する実態調査」の結果によると、業務で生成AIを利用している企業は半数超、作りたいコンテンツのトップは「プレゼンテーション・提案書」がトップだった。

日経BP総合研究所は2020年から、経営者や次世代リーダーを中心としたビジネスパーソンを対象に独自調査プロジェクト「5年後の未来に関する調査」を実施している。2025年6月に「第51回 5年後の未来に関する調査【生成AIビジネスの動き/街の変容】」を実施した。

生成AI活用の状況

企業の54.5%がすでに業務で生成AIを利用していると回答。16.6%が「利用したいと思い準備中」、24.8%が「いつかは利用したいと思っている」と答えた。一方で「利用したいとは思わない」は0.9%、「勤務先が業務利用を禁止するため利用しないと思う」は0.3%と少数だった。

日経BPの調査・研究・コンサルティング部門である日経BP総合研究所が発表した「生成AIの業務活用に関する実態調査」
「今後5年間に業務で「生成AI」を利用したいか?」の質問に対する答え

生成AI活用のガイドライン

生成AI活用のガイドライン策定は「すでに策定している」が38.7%でトップ、「策定を決め準備中」が6.8%、「策定を検討中」が21.5%、「策定する予定はない」が14.8%だった。

日経BPの調査・研究・コンサルティング部門である日経BP総合研究所が発表した「生成AIの業務活用に関する実態調査」
「勤務先では「生成AI」の利用ガイドラインを策定しているか?」の質問に対する回答

生成AIを利用したい場面

どのようなコンテンツを作るために生成AIを利用したい・利用しているか聞いたところ、「プレゼンテーション・提案書」が利用中・準備中ともに最多(それぞれ82.4%、76.4%)だった。「報告書」が利用中76.7%、準備中75.8%となった。

日経BPの調査・研究・コンサルティング部門である日経BP総合研究所が発表した「生成AIの業務活用に関する実態調査」
「どのようなコンテンツを作るために「生成AI」を利用したい/しているか?(複数回答)」に対する回答

生成AIを活用したビジネス展開

「今後5年間に生成AIを活用したビジネスを新規に立ち上げるか?」という問いには、「すでに立ち上げた」と回答したのは7.7%。「立ち上げを準備・検討中」は7.5%、「立ち上げる可能性がある」は21.1%。最も多かったのは「特に予定はない」の40.7%だった。

日経BPの調査・研究・コンサルティング部門である日経BP総合研究所が発表した「生成AIの業務活用に関する実態調査」
 「今後5年間に「生成AI」を活用したビジネスを新規に立ち上げるか?」に対する回答

調査概要

  • 調査タイトル:5年後の未来に関する調査 【生成AIビジネスの動き/街の変容】
  • 調査対象:各産業で働くビジネスパーソン
  • 調査手法:Web調査
  • 実施期間:2025年6月4日~6月22日
  • 有効回答:493件(うち、個人事業主・フリーランス 33件)
  • 調査主体・調査実施機関:日経BP 総合研究所 未来ビジネス調査チーム
鳥栖 剛

「3Dセキュア2.0」義務化で取引は4倍増、決済完了率は平均93%。6割が操作を必要しない認証で処理

2ヶ月 2 週間 ago

ストライプジャパンは8月29日、2024年に実施した「3Dセキュアの利用動向に関する調査」を分析し、日本、フランス、イギリスでのビジネスにおける認証と決済完了に関する各国の特長を発表した。それによると、日本では「3Dセキュア2.0」義務化で取引は4倍増、決済完了率は平均93%。6割が操作を必要としない認証で処理されているという。

日本

2025年3月までに「3Dセキュア」の導入が原則必須となった日本。その後、「3Dセキュア」を通した取引が4倍に増加し、決済完了率は平均93%と高い水準を維持しているという。

高い決済完了率を維持している理由は、日本では取引の60%がフリクションレス(顧客の操作を必要としない認証)で処理されているとしている。さらに、カード所有者がワンタイムパスワードに慣れていることがあげられるという。また、不審請求の申し立て率は前年同期と比較して30%低下したという。

決済完了率は平均93%と高い水準を維持

一部の取引で認証成功率が低下する事例もあったが、カード発行会社との連携と各カード発行会社の要件に合わせて「3Dセキュア」要求のデータを最適化することで、これらの課題を迅速に解決することができたという。

フランス

フランスでは不正利用の対策として、カード発行会社に対して認証なしの取引は拒否するように推奨。そのため、フランスのカード発行会社は、他の欧州地域よりも約100%、イギリスのカード発行会社より200%の高い割合で二要素認証を実行している。

2024年前半で「3Dセキュア」要求率は15%増加し、フリクションレスフロー(ワンタイムパスワードなどの認証情報を入力せずに、認証を完了すること)は40%も増えたという。他国よりも認証を求める回数が多いが、二要素認証のチャレンジ成功率と決済完了率が高い水準で維持されていることも明らかになってるという。

「3Dセキュア」における成功は2点ある。1つ目は、事業者が「3Dセキュア」を積極的に活用し、豊富なデータを持つ取引に対して強力な顧客認証(SCA)の免除をより多く承認しているという技術的な要因。2つ目は、ICカードの導入が早かったため、国民が二要素認証に慣れているという文化的な要因があったと考えられるとしている。

イギリス

イギリスでの認証成功率は、他のSCA市場よりも5〜10%高い。チャレンジ成功率も高水準を記録しているという。また、イギリスのカード発行会社は欧州のカード発行会社よりも、10ポイント高く免除要求を受け入れていることが判明しているとしている。

承認成功率が高い理由は、金融規制当局である英国金融行為規制機構(FCA)によって、SCAの導入に猶予期間が与えられたことが要因の1つとして考えられるという。これにより、カード発行会社はリスクベースの意思決定システムへの投資、顧客の認証体験を改善するためのインフラ構築に時間を取ることが可能になった。

たとえば、従来のワンタイムパスワードではなく、よりスムーズなプッシュ通知を利用することで、ユーザーの認証体験を向上させている。実際に、チャレンジの75%以上が銀行アプリを通じて認証されており、その多くが生体認証を利用しているため、顧客はより簡単かつ安全に認証を完了できているという。

Stripeでは今回のデータ分析を通じて、認証規制のある市場でも、決済完了率を維持しながら不正を削減することは可能であり、各市場の特性に合わせた戦略が重要であることが分かるとしている。

鳥栖 剛

アパレルEC支援のダイアモンドヘッドが不正対策ソリューションのアクルに出資、資本業務提携

2ヶ月 2 週間 ago

アパレルEC支援のダイアモンドヘッドは9月1日、不正対策ソリューションを提供するアクルとECサイトの不正対策強化を目的に資本業務提携を締結したと発表した。ダイアモンドヘッドは提携の一環として、アクルの株式の一部を取得、協業を推進していく。

国内のクレジットカード不正被害額はEC市場の成長を上回るペースで増加、EC加盟店は「決済前」「決済時」「決済後」の総合的な不正対策が求められている。

ダイアモンドヘッドはこれまで、「決済後」の不正対策で不正被害額を削減してきたが、こうした環境変化に対応していくには「決済前」「決済時」の不正対策が不可欠と判断。アクルは「決済前」から「決済後」までを網羅する不正対策サービスを提供し、4万5000サイトの導入実績と豊富な知見を有するため、提携に至ったという。

ダイアモンドヘッドはアクルと代理店契約を締結し、不正対策サービスを代理販売。システム連携の実現で、ダイアモンドヘッドのECプラットフォーム「F.ACE」「DS2」を導入するEC加盟店は、不正検知・認証システム「ASUKA」「ASUKA-3DS」を中心としたサービスをスムーズに導入できるようにする。

また、不正対策サービスに開発を共同で検討していく。アクルの不正対策ノウハウとダイアモンドヘッドのEC運用ノウハウを掛け合わせ、新種の不正手口にも対応できるサービスの開発を検討するという。

鳥栖 剛

B向けEC担当者必見。BtoBビジネスを成功に導くサイト内検索の最適化戦略

2ヶ月 2 週間 ago
BtoB-ECの売上アップに直結するサイト内検索とは? BtoB-ECサイト向けのサイト内検索エンジン「ユニサーチBtoB」を提供するユニバーサルナレッジが解説
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BtoB向けECサイトが抱える課題は、BtoC向けECサイトとは異なる。たとえばターゲット顧客(取引先)が限定されることや集客施策の困難さ。また、取引や契約などに合わせた複雑なサイト構造や、一般的な購買行動にはない慎重な購買プロセスが求められることもある。こうした理由から、短期間での売上拡大は難しいとされている。

では打開策はないのか。ユニバーサルナレッジの井上俊一氏が、BtoB-ECサイトにおけるサイト内検索の重要性について、また、BtoB-ECサイトのサイト内検索で売り上げを伸ばす方法について解説する。

ユニバーサルナレッジの井上俊一氏

BtoB-ECサイトとサイト内検索の関係

BtoB-ECは製造業、建設業、卸売業、医療・介護、印刷業といった幅広い業界で導入が進んでいる。BtoC-ECサイトが個人消費者を対象としており、誰でも同一価格で購入が可能なのに対し、BtoB-ECサイトは企業間取引を主とし、会員制でサイトそのものが非公開であることが多い。

価格設定についても、BtoB-ECサイトでは取引先や顧客ごとに異なる可変的な価格設定をしており、決済手段は請求書払いや掛け払いなどの法人決済に対応する事業者が多いことが特長としてあげられる。

そんなBtoB-ECサイトにおいて検索エンジンの役割はどうあるべきなのか。井上氏は「商品数によって、取るべき施策は異なる」と話す。目安として、商品数が1000件未満の場合は検索エンジンを使用せず、カテゴリー分類、特集、トップページでの動線設計など人力対応すれば十分だという。

ユニバーサルナレッジ 代表取締役 井上俊一氏
ユニバーサルナレッジ 代表取締役 井上俊一氏

一方、商品数が1000件を超える場合は機械的な仕組みが必要となる。商品数が2000万件規模になると、カテゴリー検索や細かい分類、キーワード検索、さらにはレコメンド機能やダイレクトメールなどのシステムが不可欠になる。

商品数と検索エンジンの関係
商品数と検索エンジンの関係に

検索エンジンの役割は、大量の商品からキーワードに一致するものを選び出し、それを最適な順序で表示することにある。この過程はマッチングとランキングという2つの主要な技術で構成されている

マッチングでは形態素解析や同義語が利用されている。形態素解析は日本語を単語で分割し、キーワードとの一致を検討する技術である。同義語は、たとえば「シェーバー」と入力した際に「ひげ剃り」という商品が表示されるように、入力された言葉が異なる表現でも関連付けられるようにするものだ。この他に最近ではベクトル検索も利用されている。ベクトル検索は意味や文脈の類似性で情報を探し出すAI技術だ。

一方、ランキングでは最適な順序で商品を並べる作業が行われる。機械学習などを活用し、キーワードの一致度やユーザーの行動データから商品表示の優先順位を決定する。また、ベクトル検索の類似度もランキングの精度向上に寄与している。

検索エンジンの機能は、たとえるなら無数の本が詰まった本棚から目的の本を選び出し、適切な並べ方で提示するようなもの。商品を効率的に探せるこの仕組みが、ECサイト運営において重要な役割を果たしている。(井上氏)

サイト内検索とコンバージョンの関係性

次の図は、ユニバーサルナレッジの顧客企業のうち、全体コンバージョン率が高い上位10社について、「検索コンバージョン率」を調査したものだ。検索コンバージョン率とは、サイト内検索を利用したユーザーのうち、商品を購入したユーザーがどれだけ存在したかがわかる数値だ。

コンバージョン率上位10社における検索コンバージョン率(ユニバーサルナレッジ調べ)
コンバージョン率上位10社における検索コンバージョン率(ユニバーサルナレッジ調べ)

検索コンバージョン率と全体コンバージョン率の比率が高い場合は、ユーザーが検索機能を積極的に利用して商品を購入していることを示している。右端の検索コンバージョン率を全体コンバージョン率で割った数字を見ると、9位のI社が1.11と、検索してから買う率が高い。一方で、この比率が低い場合は、ユーザーが購入履歴などをもとにリピート購入している傾向があると考えられる。

BtoB-ECを改善させる検索ソリューションとは

ではBtoB-ECにとって適切なサイト内検索はどんなものなのだろうか。ユニバーサルナレッジが提供する「ユニサーチ」は、BtoB-ECにおける導入前後比較平均で、検索CVRが126%アップ、検索経由売上が159%アップしたという実績を持つ。

「ユニサーチ」はBtoB-ECへの導入前後、平均値で全体CVR、検索CVR、全体売上、検索経由売上などを大きく改善している。さまざまなジャンルのECプラットフォームにも対応できている。(井上氏)

「ユニサーチ」ではまずECサイトやJavaScriptで構成された「タグログ」を埋め込む。このタグログによって、サイト利用者の購買行動データが「ユニサーチ」側に蓄積されるようになる。

次に、蓄積された購買行動データとフィードされた商品データをもとにユニバーサルナレッジ独自のAIアルゴリズムを活用して検索結果の最適な並び順を決定する。プロセスはAPI連携されており、ECサイト側から送られるキーワードリクエストに応じて、「ユニサーチ」が最適化された検索結果を返すという流れで運用されている。

「ユニサーチ」の仕組み
「ユニサーチ」の仕組み

「ユニサーチ」のサイト内検索結果は、AIによる自動最適化によって並び順が変わる。同じキーワードでも、顧客の行動変化に応じてランキングが調整される。これに加え、顧客ごとの繰り返し購入商品を自動で上位表示するといった顧客ごとのパーソナライズの仕組みも導入している。

検索サジェスト機能では、BtoB特有の型番や品番のサジェストを行い、履歴サジェストによって再訪顧客のUX向上を図っている。また、ファセット検索(絞り込み検索)では、属性情報の的確な絞り込みをサポートし、キーワードやカテゴリーごとに最適な絞り込み項目を自動で表示することで利便性を向上させている

BtoBに特化した「ユニサーチ」の検索機能
BtoBに特化した「ユニサーチ」の検索機能

また、法人顧客ごとに異なる価格設定に対応。特定の企業には異なる価格を提示し、場合によっては表示しないなど、細やかな販売管理にも対応している。さらに、検索窓では型番や品番のサジェスト機能が備えられ、ユーザーが商品を素早く見つけられるように工夫している。ユーザーは電源やトルク、機能などの条件を選択することで、必要な商品を迅速に見つけられる

BtoB-EC特有の会員制度や価格の変動にも対応
BtoB-EC特有の会員制度や価格の変動にも対応

加えて、パーソナライズ機能により、顧客の行動履歴を活用して繰り返し購入される商品が検索結果で上位に表示される仕組みも採用している。この際、個人情報は一切使用せず、行動履歴のみをもとに実施していることが特長だ。

個人情報を利用しないパーソナライズ機能
個人情報を利用しないパーソナライズ機能

履歴サジェスト機能では、過去に検索した内容を記憶し、ユーザーが検索窓に入力を始めた段階で一致する履歴が表示されるため、スムーズな検索体験が可能となる。

「ユニサーチ」の履歴サジェスト機能
「ユニサーチ」の履歴サジェスト機能

「ユニサーチ」の大きな特長の1つが、同義語の運用だ。すでに150万語以上の同義語が登録されており、たとえば「椅子」や「チェア」といった表記ゆれに加えて「スツール」など異なる表現でも対応し、適切な検索結果を表示する。

この同義語辞書は専任コンサルタントによる継続的な構築と更新が行われており、検索の品質を高めるため、日々進化し続けている。

BtoB-ECサイトで売り上げを伸ばすために

BtoB-ECサイトで売り上げを向上させるために、井上氏が特に重要だと語るのはリピート購入を簡単に行える環境を整えること。具体的には次の4点に重点を置くべきだという。

  • 購入履歴に簡単にアクセスできる機能
  • 購入履歴を表示する仕組みの導入
  • 閲覧履歴の表示
  • 検索機能に履歴サジェストやパーソナライズを取り入れること

繰り返し購入がしやすいBtoB-ECサイトの理想形の1つとして、井上氏が例にあげるのがネットスーパーのサイトだ。トップページに購入履歴、閲覧履歴、検索履歴を掲載することで利便性を向上させており、購入履歴へのアクセスを容易にするため、目立つボタンを設置したり、同じキーワードでいつも購入する商品を上位に表示する検索結果のパーソナライズを採用したりすることも効果的だ。こうした施策により、顧客体験の向上と売上拡大を同時に実現することが可能になる

最後に「ユニサーチ」を導入したBtoB-ECサイトの事例をいくつか紹介する。工事資材のBtoB-ECサイトでは、型番検索に特化したサジェスト機能を提供している。この機能では、型番を入力するとそれに対応するサジェストが表示される仕組みだ。加えて、サジェスト結果に商品画像が表示される仕様となっており、視覚的にもわかりやすく、顧客の利便性向上に寄与している

工事資材を扱うBtoB-ECサイトでの事例
工事資材を扱うBtoB-ECサイトでの事例

製パン材料の卸売BtoBサイトでは、JANコード検索に特化したサジェスト機能を提供している。JANコードを入力すると対応するものが表示されるが、表示順にはユーザーの行動データを活用している。たとえば、売り上げやインプレッション、クリック数などを分析し、最も需要がある商品や関連性が高い商品を優先的に表示することで、必要なものを簡単に見つけられる仕様となっている。

製パン材料を扱うBtoB-ECサイトでの事例
製パン材料を扱うBtoB-ECサイトでの事例

カメラの専門店には「こだわり検索」がある。専用のパネルが開き、パネル内で赤く選択された箇所をもとに条件を指定する。たとえば「ミラーレスカメラ」や「キヤノン」といった条件を順に選択すると、検索結果に該当する商品を表示するが、条件を選択するたびに絞り込み結果の件数がリアルタイムで変動する。絞り込みを確定し、検索ボタンを押すと該当する検索結果が表示される仕組みである。このシステムは、スペックによる分類や商品点数が多いECサイトにおいて有効な手法だ。

カメラ専門店の「こだわり検索」
カメラ専門店の「こだわり検索」
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小林 義法

ECの決済、約8割が複数導入の“裏コスト”を実感。負担は「導入・維持のリソース」「セキュリティ対策」「データ管理・集計」など

2ヶ月 2 週間 ago

ストライプジャパンが実施した「多様化する決済システムとデータ活用に関する調査」によると、回答者の約8割が複数の決済システムを導入することのコストを感じていることがわかった。また、約7割が複数のシステムにまたがるデータの活用が「不十分」と回答した。

調査対象は小売業・飲食業・サービス業に携わり、実店舗・ECでサービスを展開している全国の事業者500人。調査期間は8月8日~12日。

半数以上の事業者が店舗・ECともに複数種類の決済システムを導入

ECサイトで導入している決済手段の種類数は「1種類」が52%で、「2種類」が17%、「3種類」が10%、「4種類」が7%、「5種類」が5%、「6種類」が9%。

ECサイトで導入している決済手段の種類数
ECサイトで導入している決済手段の種類数

店舗で導入している決済手段の種類数について聞いたところ、「1種類」が42%、「2種類」が15%、「3種類」が12%、「4種類」が12%、「5種類」が6%、「6種類」が13%。

店舗で導入している決済手段の種類数
店舗で導入している決済手段の種類数

約8割が「“決済の裏コスト”を感じている」と回答

多様化する決済システムによりかえって“コスト”がかかることがあるかを聞いたところ、約8割の事業者が「何かしらのコストを感じている」と回答した。

どのような「決済の裏コスト」を感じるかを聞いたところ、最も多かったのは「決済システムごとの導入・維持にリソースがかかる」で48.7%、続いて「決済システムごとのセキュリティ対策に手間がかかる」が42.5%、「データ管理・集計が煩雑になる」が27.8%、「スタッフの教育に費用と時間がかかる」が22.7%だった。

どのような「決済の裏コスト」を感じるか(複数回答可)
どのような「決済の裏コスト」を感じるか(複数回答可)

複数のシステムにまたがるデータの活用が課題

EC販売と店舗販売のデータ、また複数決済システムをまたいだデータ(売上データや顧客データ、在庫データなど)を一元管理しているかを聞いたところ、「一元管理されている」が49.0%、「一部のデータのみされている」が25.2%、「ほとんどされていない」が25.8%で、5割以上が「データが一元管理されていない」と回答していることがわかった。

EC販売と店舗販売のデータ、また複数決済システムをまたいだデータ(売上データや顧客データ、在庫データなど)を一元管理しているか
EC販売と店舗販売のデータ、また複数決済システムをまたいだデータ(売上データや顧客データ、在庫データなど)を一元管理しているか

EC販売と店舗販売のデータ、また複数決済システムをまたいだデータを活用できているかを聞いたところ、「十分できている」が33.0%、「やっているが十分できているとはいえない」が44.0%、「ほとんどできていない」が23.0%で、約7割が「データを活用できていない」と回答した。

EC販売と店舗販売のデータ、また複数決済システムをまたいだデータを活用できているか

「パーソナライズされたサービスの提案・提供」への関心がトップ

決済データを一元管理し、活用することによって実現可能な顧客体験・店舗経営について取り組みたいことを聞いたところ、「顧客1人ひとりに合わせた、パーソナライズされたサービスの提案・提供」で21.2%でトップ。「ECサイトと実店舗における購買情報・在庫情報の一元管理」で16.4%、「オンライン・オフラインと最初の購入場所に関係なく、商品の購入・受け取りへのニーズの対応」が15.8%だった。

決済データを一元管理し、活用することによって実現可能な顧客体験・店舗経営について、具体的にはどの対応に優先的に取り組みたいか
決済データを一元管理し、活用することによって実現可能な顧客体験・店舗経営について、具体的にはどの対応に優先的に取り組みたいか

3Dセキュア導入義務化に対する効果と課題

2025年4月からECサイトへの3Dセキュア導入が義務化された。制度に対してどのような印象を抱いているかを聞いたところ、「一定の効果は感じているが、導入や運用に手間・コストがかかる」が最多の33.0%、続いて「不正利用の防止に効果を感じている」が32.4%、「利用者の決済離脱が増加し、課題を感じている」が18.0%だった。

3Dセキュア導入の義務化についての印象(複数回答可)

調査概要

  • 調査方法:ネットリサーチ
  • 調査実施機関:ネオマーケティング
  • 調査期間:2025年8月8日~12日
  • 調査対象:小売業・飲食業・サービス業に携わり、実店舗・EC でサービスを展開している全国の事業者500人
大嶋 喜子

ユーザー行動を可視化できる「スワイプ型LP」、従来の分析手法では見えなかったユーザーの「心の動き」が見えるって本当?

2ヶ月 2 週間 ago
 「スワイプ型LP」は、「読み進められる設計」だけでなく、「直感の動きを測る構造」を持ったLPフォーマット。UX設計、心理理解、データ分析が三位一体となる時代において、スワイプ型LPは“現場で使える行動科学”を実現するツールと言えます。

スクロール型LPに限界を感じていませんか? ユーザーの「直感」を数値化し、LP改善の常識を覆す「スワイプ型LP」の真価を解き明かします。行動経済学の理論に基づき、なぜ従来の分析手法では見えなかったユーザーの「心の動き」が、スワイプ型LPで可視化できるのか?具体的なデータ取得と改善アプローチ、そしてマーケティングの新たなテストフィールドとしての可能性を解説します。

ユーザー行動を可視化できるLPが生き残りを分ける時代へ

スマートフォンが当たり前となった今、Web上での情報接触は“スクロールしながらなんとなく眺める”という行動様式に変化しました。情報があふれ、広告に対するユーザーの反応は厳しくなっています。

ネット広告はまさに“戦国時代”。

限られた予算で成果を最大化するためには、広告運用の精度はもちろん、成果を受け止めるLP(ランディングページ)をどれだけ最適化できるか──。つまり、LPO(Landing Page Optimization)こそが企業の生き残りを左右する時代に突入しているのです。

そんななかで注目されているのが「スワイプ型LP」です。スワイプ型LPは1画面1メッセージの構造を持ち、読み飛ばしを防ぎながらユーザーの理解を深めるUIです。

ですが、その真価は“読まれやすさ”だけではありません。

スワイプ型LPは、定量的な分析データを簡単に取得できるという大きな特長を持っています。たとえば、各ステップの到達率・滞在時間・離脱率・CTA(Call to Action)クリック率・CVR(コンバージョン率)などを画面単位で取得できるため、どこが機能していて、どこに改善余地があるのかを可視化できます。

従来のLPでは、ヒートマップなどの定性的な評価が中心で、「なんとなくこの辺が読まれていそう」といった曖昧な分析に頼るしかありませんでした。しかし、スワイプ型LPなら数値に基づく論理的な改善アプローチが可能になるのです。

「LPを見る行動」は直感的である

ここで視点を少し広げてみましょう。私たちはLPを見るとき、いちいち熟慮しながら読んでいるでしょうか? そうではありませんよね。

多くの場合、ユーザーは直感的に「なんとなく良さそう」「ちょっと違う」と感じながらスクロールしたり、スワイプしたり、離脱したりしています。

このような判断を説明するのに有名なのが、ノーベル経済学賞を受賞した行動経済学者ダニエル・カーネマンによる「システム1/システム2」の理論です。

カーネマンは人間の思考には2つのシステムがあると提唱しました。

  • システム1:直感的・無意識・速い・感情に左右されやすい
  • システム2:熟慮的・論理的・遅い・意識的に考える

LPを見る行動のほとんどは、このシステム1=直感に基づいた判断だと言えます。

マーケティング分析の前提に潜むズレ

ところが、私たちがLPを改善しようとする時、使ってきた分析手法の多くはシステム2的な前提に基づいています。

たとえば、ユーザーアンケートやコンジョイント分析、ユーザーテストなど、どれも「比較・検討・評価」といった熟慮が必要な行動を前提としています。

しかし実際には、ユーザーの行動は「なんとなく」で動いている──。この“直感的行動”と“熟慮的分析”のギャップが、マーケティングにおける見えにくいズレを生んでいました。

このズレを埋める可能性を持っているのが、まさにスワイプ型LPです。

スワイプ型LPにおける各操作──スワイプして進む、止まる、戻る、CTAを押す──こうした行動は、ユーザーが深く考える前に反応したシステム1の表れである可能性が高い。しかも、それらが画面単位のログとして定量的に記録できるのです。

これは、マーケティングにおいて極めて新しい視点です。これまで“感覚”でしか見られなかった「心が動いた瞬間」を、ユーザーの直感行動として数値で捉えることができるのです

たとえば、あるセールスコピーで離脱率が明らかにあがったなら、それは「なんとなく引っかかった」「感情的に違和感を感じた」ポイントかもしれません。逆に、途中でCTAボタンを押したユーザーが多い構成なら、「その前のステップが無意識に心を動かした」可能性がある。

このように、スワイプ型LPは“感情の痕跡”を行動ログとして捉えることで、UX・心理・成果の接点を可視化することができるのです。

マーケティングの「テストフィールド」としてのスワイプ型LP

こうした構造を活かすことで、スワイプ型LPはマーケティングにおけるテストフィールドとしても非常に有効です。

従来のA/Bテストでは最終成果(CVR)だけを見るケースが一般的でしたが、スワイプ型LPではどのステップでユーザーの心が動いたのか、どのステップで違和感を覚えたのかを、ページ単位で捉えることができます。

たとえば、2つの異なるコピーや構成を持つLPを走らせ、各ステップごとの離脱率・到達率・反応率を比較することで、どの表現がより直感的に響いたのかが明らかになります。

これは、「直感に働きかけるコピーや構成」を数値的にテストできるという意味で、感性を可視化するマーケティングが可能になることを意味します。

直感・行動・データがつながる時代へ

マーケティングにおいて、ユーザーの判断がシステム1に基づくものであるという前提は、今後さらに重要になるでしょう。一方で、その行動を定量的に測れる手段は多くは存在しません。

スワイプ型LPは、「読み進められる設計」だけでなく、「直感の動きを測る構造」を持った、非常にユニークなLPフォーマットです。UX設計、心理理解、データ分析が三位一体となる時代において、スワイプ型LP現場で使える行動科学を実現するツールといえるのではないでしょうか。

 

島川将

アイスタイル、サプリ「@cosme+ The Basic Supplement」を機能性表示食品としてリニューアル発売。販路はEC、旗艦店など

2ヶ月 2 週間 ago

化粧品ポータルサイト「@cosme」を運営するアイスタイルの連結子会社アイスタイルプロダクツは9月1日、サプリメント「@cosme+ The Basic Supplement」を機能性表示食品としてリニューアル発売した。

「@cosme+」ブランド公式オンラインショップのほか、「@cosme」の旗艦店など全国34店舗で展開。エビデンスに基づいた訴求で納得感のある選びやすさを備えたブランドをめざす。

「@cosme+ The Basic Supplement」は「@cosme」発のインナーケアブランド「@cosme+(アットコスメプラス)」から、栄養機能食品として2025年7月に発売したサプリメント。このほど消費者庁に機能性表示食品として届出が受理された。

「@cosme+ The Basic Supplement」の製品パッケージと個包装(左から「ピュアセラミド」「フレッシュピーチ」「ビターオレンジ」)
「@cosme+ The Basic Supplement」の製品パッケージと個包装(左から「ピュアセラミド」「フレッシュピーチ」「ビターオレンジ」)

年齢に負けない“うるおい感”を意識した成分を配合

機能性関与成分は、こんにゃく由来グルコシルセラミド。乾燥が気になる際のバリア機能(保湿力)向上が報告されている。

セラミドは、角質細胞間の隙間を満たすように存在している、肌の角質層に存在する細胞間脂質の主成分。皮膚の水分が過剰に蒸発することを防ぎ、バリア機能(保湿力)を維持し、乾燥から肌を守るという。

皮膚内部でのセラミドのイメージ
皮膚内部でのセラミドのイメージ

セラミドは、ピークの20代と比較すると50代で約2分の1に減少するため、自ら補う必要があるという。

こんにゃく由来グルコシルセラミドは、こんにゃく芋から抽出される植物性のセラミド成分。米や小麦など他の植物由来セラミドと比べて7〜15倍ほど含有率が高く、少量で機能を発揮することが報告されている。

「@cosme+ The Basic Supplement」は、1日目安である1本あたり約1.2グラムのなかに、約1800マイクログラムのこんにゃく由来グルコシルセラミドを配合。ビタミンも7種類含有している

より幅広いBEAUTY領域へ

アイスタイルは今後の注力事項の1つとして、現在の化粧品領域からより幅広いBEAUTY領域に広げることを掲げている。中長期でウェルビーイング領域(サプリメント・健康食品)などに進出し、新しい可能性を模索する一環として「@cosme+ The Basic Supplement」を7月に発売した。

中長期の戦略としてインナーケア、エイジングケア、他のビューティー領域におけるブランドを拡充している
中長期の戦略としてインナーケア、エイジングケア、他のビューティー領域におけるブランドを拡充している

「@cosme+ The Basic Supplement」の概要

  • 商品名:@cosme+ The Basic Supplement
  • リニューアル発売日:2025年9月1日(※店舗は順次展開予定)
  • フレーバー/容量:3種類、各10包(10日分)・各30包(30日分)
  • 販売場所、価格
    • @cosme+ブランド公式オンラインショップ

      • 都度購入(10包×3つ)税込3262円

      • サブスクプラン(10包×3つ)同2980円

    • 「@cosme TOKYO」「@cosme OSAKA」「@cosme NAGOYA」「@cosme STORE」「東京小町」「シドニー」各店(全国34店舗)

      • 10包箱単品 同1144円

      • 30包箱単品 同3262円

大嶋 喜子
確認済み
5ヶ月 1 週間 ago
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