ネットショップ担当者フォーラム

LINEヤフーの「Yahoo!ショッピング」、“至高・特選・評判グルメ”アイコンを付与する「認定グルメ」制度

2ヶ月 2 週間 ago

LINEヤフーは、「Yahoo!ショッピング」で厳選したグルメ商品に「至高グルメ」「特選グルメ」「評判グルメ」の3種類の認定アイコンを付与する新制度「認定グルメ」を始めた。

「Yahoo!ショッピング」において食品カテゴリは主力カテゴリの1つ。全国各地の名産品や人気の食品などのお取り寄せグルメなど、厳選グルメは「Yahoo!ショッピング」内での取扱高が年々拡大しているという。

一方で、「商品が多すぎて、どれを選べばよいか分からない」「Yahoo!ショッピングにグルメのイメージがない」とのユーザーからの声もあった。こうした課題を解消するため、厳選したグルメ商品に認定アイコンを付与する「認定グルメ」制度を導入した。

食品カテゴリの訴求力向上、ユーザーが安心して購入できる環境整備、「グルメといえばYahoo!ショッピング」と想起されるサービスをめざす。

「Yahoo!ショッピング」に掲載しているグルメ商品のなかから、食の著名審査員が試食・評価し、特に好評だった商品には「至高グルメ」「特選グルメ」アイコンを付与。ユーザーレビューで高い評価を得ている商品には、「評判グルメ」アイコンを付与する。

LINEヤフーの「Yahoo!ショッピング」、“至高・特選・評判グルメ”アイコンを付与する「認定グルメ」制度
審査員が試食・評価し、特に好評だった商品には「至高グルメ」「特選グルメ」アイコンを付与

アイコンを付与することで、ユーザーは購入時の判断材料として活用できる。今後は、認定商品を「Yahoo!ショッピング」内だけでなく、さまざまな媒体でも積極的に発信し、購買意欲を喚起していくとしている。

第1回審査は、料理研究家リュウジさんらを著名審査員として起用。実食評価するYouTube動画を公開した。バズレシピのリュウジさん、双松桃子さん、えびすまさきさんが「Yahoo!ショッピング」で販売している全14商品を試食し、認定したグルメを紹介している。

たとえば、素材の良さとさまざまなレシピに活用できると高く評価された「骨取りトロサバ」、見た目も味も絶賛だった「天空のチーズケーキ」など、実際に味わった感想やコメントなど、ユーザーが購入する際の参考になる内容になっている。

また、今回「至高グルメ」「特選グルメ」に認定されたグルメ商品が最大30%OFFになるクーポンを配布するキャンペーンも実施する。

鳥栖 剛

DGビジネステクノロジー、画面遷移ゼロで検索が完結する「クイック検索機能」をサイト内検索サービス「NaviPlusサーチ」に追加

2ヶ月 2 週間 ago

デジタルガレージグループ傘下でデジタルビジネス総合支援を手がけるDGビジネステクノロジー(DGBT)は8月25日、サイト内検索サービス「NaviPlusサーチ」でページ遷移をせずに検索が完結する新機能「クイック検索機能」の提供を開始した。ユーザーを目的の商品へ素早く導く。なお、この「クイック検索機能」の技術に関する特許を出願した。

「クイック検索機能」の概要

「クイック検索機能」は、入力文字に応じて検索窓に「カテゴリ」「ブランド」「商品名」などの候補をリアルタイムで表示し、候補をクリックすると画面遷移なしで検索結果をその場で即時表示する機能。

「クイック検索機能」の活用イメージ
「クイック検索機能」の活用イメージ

複数カテゴリをまたぐ商品検索でもページの切り替えは不要。一覧ページと商品詳細ページを行き来する必要がなくなり、ユーザーは目的の商品に直感的かつスピーディにアクセスできるという。

ページ遷移なしで検索結果を表示する
ページ遷移なしで検索結果を表示する

ユーザーが素早く目的のページにたどり着くことは、途中離脱の抑制やCVR・回遊率の向上につながる。「NaviPlusサーチ」の既存機能と組み合わせることで、検索を起点とした効果的な導線設計や接客体験の構築をサポートする。

商品点数が少ないECサイトやBtoBサイトでは、開発リソースやコスト面の制約から検索UIの改善が進みにくく、結果として離脱や回遊率の低下を招きやすい。こうした課題に対応するため「NaviPlusサーチ」の新機能として、ページ遷移を伴わずに検索を完結できる「クイック検索機能」を開発した。

専用タグ1行で導入可能

導入はサイトに専用タグ(JavaScriptタグ)を1行追加するだけで完了する。開発負担をかけず、短期間・低コストで利用を開始でき、既存デザインにもCSSで対応できる。

商品点数100〜1000点規模のECサイトやD2Cブランド、BtoB事業者での商品検索から、大規模ECサイトなどでのFAQ/ヘルプ検索、非EC領域のサイト内検索まで、幅広い活用を見込む。

今後の展開

今後はより多くの事業者が短期間かつ効果的に「クイック検索機能」を実装できるよう、主要ECカートとの連携を強化し、導入支援体制を拡充する方針。エンタープライズ向けの新メニューの開発も進め、幅広い事業規模に対応できるラインアップの整備を進めている。

レコメンド、レビューなど「NaviPlusシリーズ」とのシームレスな連携を進化させ、検索を起点にサイト接客から顧客体験全体までを最適化する包括的なソリューションをめざす。

大嶋 喜子

NE、「ネクストエンジン」とTikTok Shopのシステム連携を開始。「TikTok Shop Partner」にも認定

2ヶ月 2 週間 ago

Hameeの100%子会社で「ネクストエンジン」などを展開するNE(エヌイー)はこのほど、「ネクストエンジン」がショートムービープラットフォーム「TikTok(ティックトック)」上で商品を直接販売できる「TikTok Shop」とのシステム連携を開始した。「ネクストエンジン」を導入企業の「TikTok Shop」運用を包括的に支援する。

また、NEは「TikTok Shop」の公式パートナーである「TikTok Shop Partner(TSP)」にも認定されたという。

NEは、動画コンテンツを要する「TikTok Shop」に取り組む事業者は業務負担の増大、動画コンテンツ運用のノウハウ不足といった課題に直面すると考えている。連携により、NEは次の2つのサービスで事業者を支援する。

「ネクストエンジン」とのシステム連携によるバックエンド効率化

受注・在庫連携による業務効率化

「TikTok Shop」と「ネクストエンジン」を連携させることで、受注・在庫データの自動同期が可能となる。今後は商品管理機能にも対応予定。商品露出から受注処理、在庫・倉庫連携、発送業務までの一連のバックヤード業務を効率化する

EC事業全体の最適化

複数チャネルのデータを「ネクストエンジン」で一元管理することで、事業者の運用負荷を軽減し、売上最大化と全体最適化を図る。

「TikTok Shop」運用コンサルティングによるフロントエンド強化

集客、コンテンツ制作、運用改善まで対応

インフルエンサー選定・広告運用といった集客設計、企画・撮影・編集といった動画コンテンツ制作、LIVE配信支援、効果分析・改善など、運用の各フェーズを一貫して支援する。

「ネクストエンジン」を導入している事業者の「TikTok Shop」の運用を包括的に支援する

ネクストエンジンは、これまでに6500社以上のEC事業者に導入された実績を持つ。NEの各事業のユーザーからシステム連携を求める声が多く寄せられ、「TikTok Shop」と協議を重ねたのち、システム連携の開発を決定、それに続く公式パートナー認定が決まった。

期間限定キャンペーンを開催

「TikTok Shop」と「ネクストエンジン」のシステム連携開始を記念し、先行案内キャンペーンを実施する。概要は次の通り。

  • 対象期間:2025年9月30日まで
  • 対象条件:期間内に「ネクストエンジン」を新規契約したEC事業者
  • 特典内容:「ネクストエンジン」のシステム利用料金を最長11月末まで無料。さらに、2万円の応援金を贈呈する
大嶋 喜子

EC市場は「右肩上がり」! 最新の調査結果を確認して変化を読み解こう【ネッ担まとめ】 | 新・ネットショップ担当者が知っておくべきニュースのまとめ

2ヶ月 2 週間 ago
ネットショップ担当者が読んでおくべき2025年8月18日~8月31日のニュース

毎年8月末前後に経済産業省が発表する「電子商取引に関する市場調査の結果」。2025年も「令和6年度版」報告書が発表されました。全体的な市場拡大のなかで、どの領域が伸びてどこに機会があるのか。今回の「ネッ担まとめ」では、最新レポートから「ECの今」を読み解きます。

2025年も調査結果が出ました!

令和6年度電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました | 経済産業省
https://www.meti.go.jp/press/2025/08/20250826005/20250826005.html

2024年の日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は、26.1兆円(前年24.8兆円、前々年22.7兆円、前年比5.1%増)に拡大しています。また、2024年の日本国内のBtoB-EC(企業間電子商取引)市場規模は514.4兆円(前年465.2兆円、前々年420.2兆円、前年比10.6%増)に増加しました。

また、EC化率※1は、BtoC-ECで9.8%(前年比0.4ポイント増)、BtoB-ECで43.1%(前年比3.1ポイント増)と増加傾向にあり、商取引の電子化が引き続き進展しています。

まず、これが全体的なEC市場の状態。毎年少しずつ鈍化しているとはいえ、市場規模やEC化率を見ると、まだ「順調に伸びている」という印象です。

BtoB-ECは前年比3.1ポイント増、そしてEC化率が43.1%と驚異的な数字になっていますが、ここは細かい定義も確認した方がいいかも。

案内のサイト下部に、詳細の報告書PDFがあるのでそちらもご覧ください。
https://www.meti.go.jp/press/2025/08/20250826005/20250826005-a.pdf

サービス系分野のBtoC-EC市場規模の内訳をみると、「旅行サービス」(3兆5,249億円)が大きな割合を占めています。2024年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により大幅に落ち込んでいた旅行サービス、飲食サービス、金融サービスが昨年・一昨年に引き続き大きく回復しました。

BtoC-ECの3つのカテゴリ

  • 物販系分野
  • サービス系分野
  • デジタル系分野

のうち、この1年で最も伸びたのが、このサービス系分野。

コロナ禍で止まっていた人の移動や消費行動が戻り、さらに、それに連動してデジタルでの「予約・決済・接触・注文」の仕組みが進化しているわけですね。つまり、これは単なる「ECの拡大」ではなく、「人間の行動様式の変化」が市場に現れていると言えるのかもしれません。

ちなみに、サービス系分野の伸びはCtoC-ECの伸びよりも高いです。まだまだ時代は、「体験」なのか!?

要チェック記事

ミスミグループのECサイト、問い合わせ対応に生成AI活用のチャットボットを導入。回答時間97%削減 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/14681

驚異の97%。でも実際、問合せ対応って「聞かれることは決まっている」の典型でもあるんですよね。

売上高「過去最高」 なぜ「Bリーグ」の人気は“うなぎのぼり”なのか? | ITmedia ビジネスオンライン
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2508/15/news028.html

会員登録が必要ですが、良記事なのでぜひ。Bリーグの入場者数の伸び率は40%強!

山洋電気のBtoBマーケ改革で、新規案件創出金額が5倍に! その秘訣とは? | Web担当者Forum
https://webtan.impress.co.jp/e/2025/08/22/49761

実際に実施している具体的なマーケティング施策が載っていてわかりやすいです。あとはやり方、ですね。

老舗寝具メーカーの昭和西川、質の高いレビュー活用し成長 EC年商100億円へ | 日本ネット経済新聞
https://netkeizai.com/articles/detail/15606

導入して一番良かった「Shopify App」は間違いなく「ReviCo」、そこまで言い切れるのはすごい!

「信頼できる情報源はない」と感じる若者。これからのメディアはどうあるべきか? | 電通報
https://dentsu-ho.com/articles/9382

こんな私でさえもテレビを見ている時間より、SNSを見ている時間の方が長いですからね。ただ「世論扱い」は偏りすぎ。

やらない勇気、やり切る覚悟──マーケターが“なんでも屋”にならないために必要な“リーン”という考え方 | Web担当者Forum
https://webtan.impress.co.jp/e/2025/08/19/49847

「どこまで絞るか」に迷っている人は多いはず。マーケも結局は「選択と集中」の連続なんですよね。

今週の名言

「ボトルネックは自分!って認識できたのが、一番大きかった」創業14年の原社長が語る、迷いの霧が晴れるまでの経緯 | EC研修ステップアップコース受講者インタビュー | コマースデザイン
https://www.commerce-design.net/blog-staff/250820-ecommerce-training-interview/

技術的なことよりも、「問題は自分にある」ということに気づけたこと、これを何とかしなくちゃいけないと思えたことが、大きかったと思います。意識が変わらないと技術も身に付かないし、結局自分本位になってしまって、人にうまくやってもらったり協力してもらったりすることができないんです。

やりたいことが明確になっていても、なぜか前に進めない。その「見えない壁」の正体は、「自分が変わることへの無意識の拒否」なのかもしれませんよね。

組織やスキルの問題だと思っていたものが、実は「自分の態度」にあったと気づけたとき、環境が変わり始める。

人って「自分で気づく」と、すごいスピードで変化できるんですよね。「気づく」ことが大事。そして、「気づいてもらう」ことが大事。

ECマーケティング人財育成は「EC事業の内製化」を支援するコンサルティング会社です。ECMJコンサルタントが社内のECチームに伴走し、EC事業を進めながらEC運営ノウハウをインプットしていきます。詳しくはECMJのホームページをご覧ください。

UdemyでECマーケティング動画を配信中です。こちらもあわせてご覧下さい。

ユウキノインは寄り添い伴走しながら中小企業・ECサイトのSEOからコンテンツマーケティング、プレスリリースやクラウドファンディングなど集客・販促・広報をお手伝いする会社です。詳しくはユウキノインのホームページをご覧ください。

Designequationは何かに特化したサポートではなく、モール・ベンダー選定や広告・CSなど各企業に合わせたカスタマイズ型の運用サポートを行っています。

石田 麻琴

高千穂交易が社会貢献の機会提供と福利厚生の拡充を目的に導入した社会貢献型BtoEサイト「CLOSED Mart」とは

2ヶ月 2 週間 ago

1952年創業の独立系技術商社である高千穂交易は8月29日、社会貢献活動の推進と社員に向けた社会貢献の機会提供と福利厚生の拡充を目的に、ファーストクラスの社会貢献型職域販売サイト「CLOSED Mart」を導入すると発表した。

「CLOSED Mart」は、賞味期限間近の食品や型落ち・返品による一般販売が難しい製品ややむを得ず廃棄される商品を、限定した自治体・企業に所属する職員・従業員へ販売できるECサイト。購入者は、廃棄ロスを削減し、SDGsの推進に貢献でき、売り上げの一部を途上国の子供への支援などに寄付される循環型ECサイトとなっている。

1952年創業の独立系技術商社である高千穂交易は、社会貢献活動の推進と社員に向けた社会貢献の機会提供と福利厚生の拡充を目的に、ファーストクラスの社会貢献型職域販売サイト「CLOSED Mart」を導入
「CLOSED Mart」のイメージ

環境問題など社会課題の複雑化により、企業・個人での社会貢献活動の重要性が広がっているなか、高千穂交易は社会貢献活動の推進として、日々の生活のなかで社員が気軽に社会貢献に参加できる機会の提供を心掛けているという。

「CLOSED Mart」は、買い物という日々の活動を通じて「廃棄ロス削減」と「途上国支援」の2つに貢献できることが高千穂交易の社会貢献活動の方向性に沿っていることから、この取り組みに賛同した。また、物価高騰の昨今、特別価格での製品購入は社員の生活のプラスになることから、新たな福利厚生施策として取り入れることにしたという。

今後は、啓蒙活動の1つとして、毎月社内へおすすめ商品を掲載したメルマガ「クロマ通信」を配信して、認知を高めていく予定。

鳥栖 剛

クリック率3倍、セッション数2.3倍を実現したECサイトの取り組みとは? リアル店舗のような“ワクワク感”を再現するPLAZAの事例

2ヶ月 2 週間 ago
「PLAZA」を運営するスタイリングライフ・ホールディングス プラザスタイル カンパニー。ECサイトを刷新し、検索機能の改善やサイト回遊率の向上を実現。さらに、ハッシュタグページを経由して購入に至ったセッション数は、半年弱で2.3倍に増加した。こうした成功につながった取り組みの詳細を解説する。
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スタイリングライフ・ホールディングス プラザスタイル カンパニー(雑貨小売販売事業)が運営する「PLAZA」は、2024年にリブランディングを実施、直後に自社EC「PLAZAオンラインストア」を全面的にリニューアルした。課題に感じていたサイト内検索の機能改善に注力し、ハッシュタグの活用にも取り組んだ。現在は、検索データの蓄積や活用、ほしい商品に自然と出会える検索体験の提供、さらにハッシュタグのクリックをきっかけとした回遊性向上を実現している。今回はEC事業を所管するマーケティング本部の岡芹尚吾氏、中野幹也氏と、同社を支援するZETAの担当者に具体的な取り組みを聞いた。

「PLAZAオンラインストア」全面刷新、サイト内検索を中心とした買い物体験の改善に着手

2025年は新たなスタートライン

「PLAZA」は、1999年に自社ECを開設以来、20年以上にわたってEC事業を展開している。2023年まではECを全国の各拠点と同等の“一店舗”として位置付け、EC部門は店舗部門と同じ営業本部に属していた。現在はオンラインへの投資を積極化して可能性をさらに広げていくため、2023年4月にEC部門をマーケティング本部へ移管した。

そして2024年2月、「PLAZA」は従前のブランディング「ライフスタイルストア」から「ライフモチベートブランド」へとリブランディングを実施。ECでの買い物体験や「PLAZA」らしいコンテンツとの出会いなど、デジタルの体験価値を重視する方針を打ち出している。

一方、自社EC「PLAZAオンラインストア」は、1999年にEC事業を開始して以来、当初のシステムのまま運営を続けてきた。その結果、時代の変化に伴い不具合や使い勝手の悪さが徐々に目立つようになっていた。EC部門がマーケティング本部に移管された後、モール店も含め対応可能な箇所から改善に着手。そして業績が伸び始めたタイミングで本格的な刷新に向けた投資を開始。自社ECのカートシステムを切り替えた2024年11月下旬にはEC全体のリニューアルを完了させた。

「PLAZAオンラインストア」のトップページ。2024年にリニューアルが完了した
「PLAZAオンラインストア」のトップページ。2024年にリニューアルが完了した

ECを通じて「PLAZA」らしい体験を届けること、新たなブランド価値の提供、買い物のしやすさの向上、多様な顧客データを活用したコミュニケーション設計――など追求したいことはたくさんありました。ECの刷新が完了し、ようやく2025年にそのスタートラインに立つことができました。(岡芹氏)

スタイリングライフ・ホールディングス プラザスタイル カンパニー カンパニーエグゼクティブ 商品本部・業務本部 マーケティング本部 担当兼マーケティング本部 本部長 岡芹尚吾氏
スタイリングライフ・ホールディングス プラザスタイル カンパニー カンパニーエグゼクティブ 商品本部・業務本部 マーケティング本部 担当兼マーケティング本部 本部長 岡芹尚吾氏

検索データを可視化、ユーザーの「探しやすさ」を追求

ECのリニューアル前における大きな課題のひとつがサイト内検索機能であった。当時はオープンソースの検索エンジンを使用していたが、表記ゆれや予測表示の対応ができていなかった。さらにユーザーの検索行動(人気ワードや入力しているワードなど)もスタイリングライフ・ホールディングス側ではほとんど把握できていなかった。

リニューアルに合わせて検索エンジンを刷新するため、さまざまなツールを比較検討。最終的に、ZETAのEC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」の導入を決定した。

決め手は「ZETA SEARCH」ならではのカスタマイズ性の高さ。導入後は「ユーザーにとっての探しやすさ」にひときわ注力し、カテゴリー別の検索やキャラクターごとの絞り込みなど、新たな検索動線を設計して細部までこだわりを追求した。

「PLAZAオンラインストア」内の検索機能にはキャラクターから商品を探せる項目も設置している
「PLAZAオンラインストア」内の検索機能にはキャラクターから商品を探せる項目も設置している

たとえば、検索キーワードの傾向も、季節やトレンドなどに応じて変わってきます。こうした変化に対応できるカスタマイズ性の高さは「PLAZAオンラインストア」にとって大きな魅力でした。

また、ZETAさんのサポート体制の手厚さも導入の決め手として大きな要因となりました。従前はユーザーの検索行動に関連するデータが蓄積されておらず、手探りでUI/UXを改善している状態でしたが、ZETAさんは定例会議の場を毎月設け、検索関連のデータを共有して伴走してくれるので、ロジカルに改善していけるようになりました。(中野氏)

スタイリングライフ・ホールディングス プラザスタイル カンパニー マーケティング本部 OMOデジタルサービス部 部長 中野幹也氏
スタイリングライフ・ホールディングス プラザスタイル カンパニー マーケティング本部 OMOデジタルサービス部 部長 中野幹也氏

ハッシュタグ活用エンジンの導入で「偶然の出会い」を創出

ECの刷新にあたって、ZETAが提供する「ZETA SEARCH」に加え、ユーザーによる水平的な発見や、商品との偶然の出会いを促進する目的で、同社のハッシュタグ活用エンジン「ZETA HASHTAG」も導入した。

「PLAZAオンラインストア」では常時約1万SKUもの商品を取り扱っている。そのためユーザーはブランドや商品名を直接入力する“バイネーム検索”に偏りやすく、関連性のある商品を横断的に閲覧する、いわゆる“水平の動き”が生まれにくいという課題を抱えていた。「ZETA HASHTAG」はその課題を解決する有効な手段になると判断したという。

ZETA HASHTAG」の概念図。商品情報やUGCのテキストを解析し、最適なハッシュタグを生成する
「ZETA HASHTAG」の概念図。商品情報やUGCのテキストを解析し、最適なハッシュタグを生成する

ZETAによると、「ZETA SEARCH」と「ZETA HASHTAG」の併用は「PLAZAオンラインストア」の特性にマッチしており、相乗効果で有効に働くという。

ユーザーはハッシュタグを用いて商品を見て回り、その後「ZETA SEARCH」の機能で価格帯やカテゴリーなどの条件で商品をスムーズに絞り込むことができます。こうした連携による導線設計が評価され、両製品を導入いただくことになりました。

「PLAZAオンラインストア」ではトレンド感のある商品を数多く取り扱っていることから、“今っぽい”キーワードのハッシュタグが自動生成される「ZETA HASHTAG」の機能は、ユーザーの回遊率を高める要素になっています。また、豊富に生成されるハッシュタグページは検索流入の受け皿となり、新規ユーザーの獲得にも寄与しています。(大井氏)

ZETA 営業二課長代理 大井果林氏
ZETA 営業二課長代理 大井果林氏

「PLAZA」が取り組んだ検索改善、ハッシュタグ活用の特長

「PLAZAオンラインストア」がサイト改善にあたって導入した「ZETA SEARCH」と「ZETA HASHTAG」の特長は次の通り。

スタイリングライフ・ホールディングスにとって、サイト内検索エンジンとハッシュタグ活用エンジンが連携できる点が、ZETA製品の魅力だという。

EC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」

サイト内検索を最適化するソリューション「ZETA SEARCH」は、ユーザーの離脱率軽減やコンバージョンの向上に寄与する。

「ZETA SEARCH」はさまざまな業界の大手企業が導入している
「ZETA SEARCH」はさまざまな業界の大手企業が導入している

高速性+高い処理能力

エンドユーザーはストレスなく迅速に目的の商品や情報にアクセスできる。処理能力は秒速1000クエリを超えており、大規模なデータにも対応する。

高い検索技術+機能の多彩さ

サジェスト機能、ドリルダウン型の絞り込み、並び替えなど、豊富な機能を搭載。エンドユーザーは必要な情報を効率的に見つけることができる。高精度な日本語処理機能と最先端の検索アルゴリズムを備えている。

カスタマイズの柔軟性+継続的な運用改善

エンドユーザーの利用傾向に合わせた検索結果のカスタマイズに対応する。機械学習による自動最適化と、ZETAの専門技術者によるチューニングによって、継続的な運用の改善を支援する。

「ZETA SEARCH」が選ばれる理由。「検索精度を向上させたい」「運用業務を効率化したい」「商品数が多くてもすぐ見つかるようにしたい」「チューニングを自動化したい」といった課題に対応する
「ZETA SEARCH」が選ばれる理由。「検索精度を向上させたい」「運用業務を効率化したい」「商品数が多くてもすぐ見つかるようにしたい」「チューニングを自動化したい」といった課題に対応する

ハッシュタグ活用エンジン「ZETA HASHTAG」

サイト内にハッシュタグを実装する「ZETA HASHTAG」。回遊率の向上、離脱率・直帰率の低減を実現するほか、UGCの活用によりSEO効果や外部流入の増加も期待できる。特長は次の通り。

サイト内データからハッシュタグを自動生成

商品説明やユーザーレビューなどのテキストを解析し、関連するキーワードを抽出、ハッシュタグを自動生成する。エンドユーザーはハッシュタグを使って感覚的に商品を探しやすくなるため、サイト内の回遊率やコンバージョン率の向上が期待できる。

サイトへの流入拡大に貢献

生成されるハッシュタグには、Googleの「ハッシュタグ検索」の検索結果に表示されやすくなることが期待できる特許技術も採用されており、外部からの流入数の増加やSEO効果の向上も見込まれる。

独自機能と技術でマーケティングを支援

「ZETA HASHTAG」は、ハッシュタグの自動生成やWebページへの挿入技術など、複数の特許を取得している。独自の機能と技術的な優位性を持ち、ECサイトのマーケティング施策をサポートする。

「サイトの外部流入を増加させたい」「サイト回遊率をアップさせたい」「機能を実装したい」「ハッシュタグ運用の手間を軽減したい」といった課題を解決できる
「サイトの外部流入を増加させたい」「サイト回遊率をアップさせたい」「機能を実装したい」「ハッシュタグ運用の手間を軽減したい」といった課題を解決できる

店舗同様に「ふらっと立ち寄る」ユーザー行動を促進

ZETA製品の導入によって、ユーザーが何を探しているのか、どのようなキーワードが人気なのか、どのようなハッシュタグが購入につながっているのか――などのトレンドを把握できるようになったほか、ハッシュタグをきっかけにサイト内で縦横に検索ができるようになった

スタイリングライフ・ホールディングスは、ユーザーがまるで「PLAZA」の店舗にいるかのようなサイト内回遊を実現できていると評価する。

「PLAZA」の店舗に来店するお客さまは、明確な目的を持って買い物をする方よりも、そこに店舗があるからふらっと立ち寄るという方のほうが多い傾向にあります。そういった「ふらっと立ち寄る」感覚を、ECでも実現したいと考えていたところで、ZETA製品と出会いました。ハッシュタグの機能こそが「ふらっとサイトを訪問し、回遊する」という、実店舗に近い体験をオンライン上で実現できるのではないかと期待しました。(岡芹氏)

実店舗と同様にサイトを「ふらっと立ち寄る」ユーザーに向けて最適な体験を提供できるよう、ZETA側も柔軟な工夫を重ねている。

「PLAZAオンラインストア」で取り扱う商品は、すでにキャラクターやブランドイメージが確立されているものが多く、サイトに訪れたユーザーが固有名詞で検索して指名買いするケースも十分に想定されます。こうしたユーザーの利便性を高めるため、検索精度の改善やチューニングのサポートを行ってきました。

加えて、ウィンドウショッピングの感覚でふらっと立ち寄ったお客さまが何気なく入力した検索キーワードに対して、どのような商品を提示すれば最も喜ばれるのか、またハッシュタグを通じてどう回遊を促すか、といったテーマについてもスタイリングライフ・ホールディングスさまと定例会議で話し合い、適切な商品を提示できるよう改善を進めています。(仲本氏)

ZETA 執行役員副社長 技術部長 仲本欣司氏
ZETA 執行役員副社長 技術部長 仲本欣司氏

ハッシュタグ経由で商品を見たユーザーのコンバージョンは高い傾向

「ZETA SEARCH」と「ZETA HASHTAG」を組み合わせることで、ハッシュタグを起点にクリックした後に、ブランドやカテゴリー、価格帯など充実した条件でさらに絞り込むことができる。これにより、「ZETA SEARCH」「ZETA HASHTAG」の同時活用は高いシナジー効果が見込まれる

「PLAZAオンラインストア」のめざす世界の実現に、「ZETA SEARCH」「ZETA HASHTAG」の活用は効果的だと大井氏も話す。

ふらっと立ち寄った人でも欲しいものをピンポイントで見つけることができます。ウィンドウショッピングの感覚でサイトに立ち寄ったユーザーの「なんとなくこのキーワードが気になるかも」といった潜在ニーズやトレンドをハッシュタグで可視化した後に、価格帯やカテゴリーなどで絞り込んで探すことができます。

つまり、ハッシュタグによって買い物体験や選択肢の幅が広がり、検索機能によってユーザー自身のニーズに合わせて絞り込みが可能となり、結果としてサイト訪問者のコンバージョン向上が期待できるのです。(大井氏)

たとえば「#Tシャツ」のハッシュタグの一覧を表示、そこから「商品タイプ」「価格帯」「在庫状況」などから絞り込むことができる
たとえば「#Tシャツ」のハッシュタグの一覧を表示、そこから「商品タイプ」「価格帯」「在庫状況」などから絞り込むことができる

「ZETA HASHTAG」で生成されるハッシュタグは、商品の特長を表すワードのほか、検索から流入に至ったキーワードなども含まれている。「PLAZAオンラインストア」においても、最適なタグを継続的に増やしている。

たとえば、「#かわいい」といった汎用的なものや、「#ボールペン」など商品自体を表すタグもある。さらに「#ふわふわ」「#リラックス」のような感覚や雰囲気に訴えかけるタグも生成されている。ユーザーは気になるキーワードをクリックしながら商品を見てまわることになるため、ハッシュタグはユーザーのサイト内回遊に直接的な効果をもたらすと言える。

商品ページで表示しているハッシュタグの一例
商品ページで表示しているハッシュタグの一例

ハッシュタグ経由の商品ページへの流入が増加しており、さらにそこからのコンバージョン率も他の流入経路の平均と比べて高い傾向にあります。

「PLAZA」らしい“選ぶ楽しさ”をハッシュタグによって実現できているので、「ZETA HASHTAG」は非常に相性が良いツールだと感じています。

たとえば、「『#ふわふわ』をクリックしたらどのような商品が表示されるのだろう?」という期待感など、ハッシュタグにはユーザーの情緒に働きかける側面もあります。これにより、実店舗に来たときのワクワク感や、「自分に合うものはないかな?」と思いながら歩いて回る感覚をEC上でも自然に補完できていると考えています。(中野氏)

中野氏は「PLAZA」の自社ECサイトとZETA製品の相性の良さを実感している
中野氏は「PLAZA」の自社ECサイトとZETA製品の相性の良さを実感している

ハッシュタグ経由の購入は半年弱で2.3倍に増加

「PLAZAオンラインストア」では、ハッシュタグによるユーザーの回遊や購入促進が着々と向上している。

「ZETA HASHTAG」導入直後の2024年12月と、2025年4月の時点で比較すると、セッション冒頭でハッシュタグページが閲覧されたセッション数は2.4倍に増加した。さらに、商品詳細ページ内に表示されるハッシュタグのCTR(クリック率)も3倍に伸びており、ユーザーの回遊行動に変化がみられたという。

また、ハッシュタグページを経由したセッション数、およびハッシュタグページを経由して購入にまで至ったセッション数も、同期間の比較で2.3倍まで伸びた

ZETAは「成長の余地はまだまだある。導入からまだ半年で、季節も一巡していない段階。今もまさにナレッジを蓄積しているところ」(仲本氏)と、さらなる進歩を見込んでいる。ほかの導入企業においても、導入から1年以上が経過したタイミングで加速度的な伸長が見られていることから、「PLAZAオンラインストア」でも今後の成果がいっそう期待できるという。

「ZETA HASHTAG」を継続的に活用することで、生成されるハッシュタグの数や、それにひもづくアイテム・バリエーションは今後さらに増加していきます。ZETAではエンドユーザーの興味・関心やサイト内回遊を促進するキーワードの分析と調整を継続的に行っており、こうした取り組みがゆくゆくはGoogleからの評価向上やSEO効果にもつながっていくと想定しています。(仲本氏)

“「PLAZA」で販売すべき商品”を解明

ZETAは各導入企業に対して、レポーティングと分析を個別に実施している。「ZETA HASHTAG」ではハッシュタグごとに商品が閲覧された回数や、ハッシュタグ経由で購入に至った成果などを詳細かつ多面的に分析。その分析結果をもとに導入企業との定例会議において改善策を提案し、最適化に向けたチューニングまで一貫して手掛けている。こうしたきめ細やかな運用支援は、ZETAの大きな強みのひとつであり、導入企業からも高い評価を得ているという。

「PLAZAオンラインストア」では、ZETAによる分析が売れ筋商品のマーケティングにも役立っている。

「ZETA SEARCH」導入後、ZETAさんから「あるコスメブランド名による検索が、0件ヒットの上位に頻繁にあがっている」とのレポートを受け取りました。当時、「PLAZA オンラインストア」ではそのコスメブランドを取り扱っていなかったのですが、それだけ検索されているのであればラインアップに加えたほうがいいだろうと考え、実際に商品を販売することにしました。

すると販売開始後、瞬く間にメイクカテゴリーの売り上げトップ10に入るほどの人気商品となりました。導入した製品の効果はもちろんのこと、こうしたZETAさんの伴走にも助けられています。(中野氏)

「ZETA SEARCH」の導入後、社内からも「サイトの使いやすさと利便性が大幅に増した」という声が寄せられている。たとえば、以前は「バッグ」と検索するとバッグに関連するキーホルダーなどのアイテムも新着商品として表示されていたが、現在はバッグのカテゴリー商品が的確に上位表示されるようになっている。

検索結果が最適でなければ、ユーザーのストレスになりかねない。『傘』の検索で傘袋ばかりが上位に出るか、的確に傘が上位に出るか、その違いは大きい」(岡芹氏)と言い、細部にまで配慮しながら、状況に応じて適宜調整を行っているという。ZETA側も引き続き改善と品質向上の支援に注力していく方針である。

サイト検索で「傘」を入力した際の結果
サイト検索で「傘」を入力した際の結果

「PLAZA」さんはトレンドのアイテムを数多く取り扱っているので、商品の入れ替わりが多いことも特長の一つです。このような特性から、「PLAZAオンラインストア」においては検索の細やかなチューニングが特に重要となります。導入直後から「PLAZA」さんが理想とする検索体験についてヒアリングを行いながら、ZETAとしても技術的な提案を重ねてまいりましたが、今後も継続的にディスカッションを行いながら、スピード感を持って改善・最適化のPDCAを回していく予定です。(武田氏)

ZETA エンジニア 武田匠平氏
ZETA エンジニア 武田匠平氏

オンライン、オフラインのチャネルを横断した楽しい買い物体験を提供

スタイリングライフ・ホールディングス プラザスタイル カンパニーはリブランディングと同時に「HEARTS UP!」を新たなスローガンに掲げた。この言葉には顧客や社員をはじめとするすべてのステークホルダーの“日常の心拍数を上げる”という思いが込められている。

新スローガン「HEARTS UP!」を体現する要素として、改めて“ギフト”にフォーカスした取り組みに力を入れている。ギフトは受け取る側はもちろんのこと、贈る側にとっても「誰かのことを考えてモノを選ぶ」、あるいは「自分へのギフト(ご褒美)として何を買おうかと悩む」といった行動が伴う。こうした“ギフト”を取り巻く一連の行動こそが「HEARTS UP! =日常の心拍数を上げる」を体現するものだと言える。

ギフトを贈る・もらう体験は「PLAZA」のスローガン「HEARTS UP!」につながる

ギフトをはじめ、オンラインとオフラインの全体で「HEARTS UP!」をかなえるサービスや体験を提供するべく、「PLAZA」の試行錯誤は現在も続いている。

オンラインとオフラインが融合した「HEARTS UP!」体験の提供に注力しています。そのなかでECは、単にお客さまと商品との出会いを広げる場にとどまらず、ブランドとのエンゲージメントを深める場としてもとても重要です。

デジタルでの消費行動が当たり前になった今、どれだけ私たちが価値を提供・表現し、皆さまに共感していただけるか、そして「PLAZA」を通してどれだけお客さまに「HEARTS UP!」していただけるかを最重要視しています。これまでは「PLAZA」の店舗を中心にそれを提供してきましたが、今後はその枠を超えた新事業も始めていきたいです。(岡芹氏)

岡芹氏は「PLAZA」のスローガン「HEARTS UP!」のさらなる体現をめざす
岡芹氏は「PLAZA」のスローガン「HEARTS UP!」のさらなる体現をめざす

ECでただ商品を売るのではなく、「感情で選ぶ」「偶然の出会いがある」といった体験を提供することを大切にしています。たとえば、店頭で商品を手に取るワクワク感やオンラインで思いがけず「これかわいい!」と見つける驚き――。チャネルを横断しながらも、一貫した発見やサプライズがあるような買い物体験をめざしていきます。(中野氏)

「PLAZA」の今後の展望に、ZETAも製品とサポートを通じて協力を深め、さらなる改善につながる提案を引き続き行っていく。その取り組みの一つに、「ZETA SEARCH」のサジェスト機能(検索キーワード入力途中に関連するキーワードを予測して表示する機能)をあげている。

「ZETA SEARCH」のサジェスト機能の一例。ユーザーの関心のあるキーワードを予測して提案する
「ZETA SEARCH」のサジェスト機能の一例。ユーザーの関心のあるキーワードを予測して提案する

現状は、ユーザーが自らキーワードを入力して検索する形式が基本となっている。しかし、ウィンドウショッピングのように「PLAZA」のECサイトにふらっと立ち寄ったユーザーのなかには、検索したいものが明確でない場合も少なくない。そのため、カテゴリーからもニーズを引き出しやすくする導線設計など、さまざまな施策を講じていきたい考えだ。また、アプリでサジェスト機能がまだ導入されていないため、合わせて改善提案を進めていく方針だ。

「ZETA HASHTAG」においても、「『PLAZA』で実施するイベントや、推し出したいキャラクターなど、『PLAZA』のニーズを踏まえてハッシュタグの生成などを調整し、さらなる売り上げ拡大に貢献していきたい」(大井氏)と話している。

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朝比美帆
吉田 浩章

三井不動産×豊田通商×KDDIによる収容客数1万人規模の「名古屋アリーナ」、三井ショッピングパーク公式ECとの連携も

2ヶ月 2 週間 ago

三井不動産と豊田通商、KDDIは8月27日、愛知・名古屋で収容客数1万人規模の多目的アリーナ「名古屋アリーナ」(仮称)が着工した。

アリーナの開業は2028年初頭を予定。三井ショッピングパーク公式通販サイト「Mitsui Shopping Park &mall(アンドモール)」、「三井ショッピングパークチケット」などと連携したさまざまな取り組みを進めていくという。

「名古屋アリーナ」は、B.LEAGUEの1部に所属するファイティングイーグルス名古屋がホームアリーナとして利用するほか、音楽コンサート、スポーツイベント、企業の展示会などのさまざまなイベントに対応する施設。名古屋市営地下鉄名港線「港区役所」駅に近く、商業・スポーツ・住宅などの多様な都市機能が集積する「みなとアクルス」エリアに位置する。

来場者はスポーツ・エンターテインメントを通じた非日常の感動体験に加え、隣接する三井不動産グループが管理・運営する「三井ショッピングパーク ららぽーと名古屋みなとアクルス」での食事や買い物のほか、アリーナと一体となった企画などを一日中楽しむことが可能になるという。

鳥栖 剛

イケアが首都圏のオムニチャネル戦略を見直しするワケ。IKEA原宿・新宿を終了、受取センターなどのタッチポイント強化

2ヶ月 2 週間 ago

イケアの日本法人イケア・ジャパンは、首都圏におけるオムニチャネル戦略の見直しを進めると発表した。IKEA原宿とIKEA新宿の営業を2026年初頭に終了。今後は、IKEA渋谷を東京都心部におけるブランドの拠点にしていくという。

多様化する顧客ニーズに応え、持続可能な成長に注力するためとしている。

イケアはこれまでに、10のイケアストア(大型店舗)、3つの都心型店舗、2つの商業施設内店舗、IKEAオンラインストア、IKEAアプリ、カスタマーサポートセンター、全国470か所の商品受取りセンターを含む幅広いタッチポイントを通じて、手頃な価格での商品やサービスの提供に取り組んできた。

2020年から2021年にかけてオープンしたIKEA原宿、IKEA渋谷、IKEA新宿は「インスピレーションあふれるアイデアやソリューションの発信源」になってきたという。これらの店舗で得られた知見と経験は、2024年のIKEA渋谷のリニューアルへとつながり、今も革新的な取り組みを推進し続けているとしている。

今後は、首都圏はIKEA渋谷のほかに、IKEA立川、IKEA Tokyo-Bay、IKEA新三郷、IKEA横浜、IKEA横浜ベイクォーターなどのイケア店舗に加え、IKEAオンラインストア、IKEAアプリ、カスタマーサポートセンター、商品受取りセンターといったさまざまなタッチポイントを強化しながら、オムニチャネルの取り組みを進めていく。

多様化するニーズに応えながら「どこにタッチポイントを構えるか」だけでなく、「どのようにお客さまと向き合うか」を常に最適化していくことを表している。今回の決断は、現在の状況を踏まえつつ、イケアのビジネスの方向性である「より手頃な、より身近な、よりサステナブルなイケア』の実現に向けた、長期的な成長を見据えた戦略的な一歩だ。(ペトラ・ファーレ社長)

鳥栖 剛

W2が製品リブランド。業界特化型機能を「W2 Unified」へ統合、法人向け「W2 BtoB」、海外進出ソリューションの「W2 Asia」を追加

2ヶ月 2 週間 ago

ECプラットフォームを展開するW2は8月26日、提供サービスを再編する製品リブランドを実施すると発表した。

多岐に渡っていた製品群を「事業領域で選べる」シンプルなサービス体系に再編。業界特化型機能を「W2 Unified」へ統合、法人取引対応ECプラットフォームの「W2 BtoB」、海外進出ソリューションの「W2 Asia」を新たに追加した。

併せて、コマースのメディア化やAI活用を容易にする複数のプラグイン・付帯サービスをリリース。これにより、国内外・法人・消費者向けを問わず、あらゆるビジネスモデルをワンストップで支援できる体制へと刷新したという。

W2が製品リブランド。業界特化型機能を「W2 Unified」へ統合、法人向け「W2 BtoB」、海外進出ソリューションの「W2 Asia」を追加
提供サービスを再編する製品リブランドを実施

これまで個別に提供していた食品販売向け「W2 Repeat Food」と医薬品販売向け「W2 Repeat Medical」を「W2 Unified」へ統合。薬機法準拠や三温度帯管理など各業界固有の要件を「W2 Unified」で対応できるように標準装備し、単一の管理画面での運用を可能にした。

法人取引用ECプラットフォーム「W2 BtoB」を新たにプロダクト化し、見積・与信・掛売などBtoB特有の商習慣を装備した。

海外ECの立ち上げ・オフライン進出を支援する、海外進出ソリューション「W2 Asia」をリリース。戦略設計からスピード重視の現地EC構築、現地店舗出店までを一気通貫して支援できる体制を整えた。

W2が製品リブランド。業界特化型機能を「W2 Unified」へ統合、法人向け「W2 BtoB」、海外進出ソリューションの「W2 Asia」を追加
法人取引対応ECプラットフォームの「W2 BtoB」、海外進出ソリューションの「W2 Asia」を新たに追加

新たに登場したプラグイン・付帯サービス

  • メディア開発プラグイン・付帯サービス「Co-media」
    • 記事コンテンツ、スタッフ投稿、動画、ライブ配信をECサイトにシームレスに連携し、CVR向上と顧客のファン化を促進する。
  • ノンカスタマイズ拡張モデル「AIインハウス」
    • 事業課題に合わせて必要なAI機能だけを追加し、自社仕様に継続育成できる拡張プラグイン。
  • AIカスタマイズ開発「AI Buddy」
    • オリジナルAI機能の開発から効果検証・実運用までをワンストップで支援し、現場で成果が出るAI活用を実現する。
コマースのメディア化やAI活用を容易にする複数のプラグイン・付帯サービスをリリース

これからは、AIやコマースのメディア化、データ活用、そしてその先にある技術を積極的に取り込み、お客様と共に“commerceをhack”を標榜し、これまでにない顧客体験価値を創造していく。技術を技術のまま終わらせず、産業や企業規模の枠、国境を越えて、実装と改善を重ね、次の10年を見据えたコマースの新基準を共創していく。(山田大樹社長)

鳥栖 剛

トランプ政権による「免税措置待遇の停止」、ヤマト運輸は「国際宅急便」を継続発送、佐川は「飛脚グローバルポスト便」一時停止

2ヶ月 2 週間 ago

米国の税関による「免税措置(デミニミス)待遇の停止」に伴い国内の配送キャリアの海外発送商品に影響が出ている。

佐川急便は「飛脚グローバルポスト便」を一時停止、ヤマト運輸は「国際宅急便」を継続発送する。

「飛脚グローバルポスト便」は、預かった荷物を佐川急便が差出人として郵便局へ差し出し、世界120以上の国・地域へEMS(国際スピード郵便)の配送網で届ける配送サービス。8月27日以降、郵便局へ差し出される米国宛てEMS(物品)について、「消費を目的とした販売品」「個人間の贈答品で、内容品価格が100ドルを超えるもの」の引き受けが一時停止される。 この影響で、佐川急便の「飛脚グローバルポスト便」も米国宛ての発送を一時停止。該当する荷物は8月26日から当面の間、「飛脚グローバルポスト便」での発送を承れないとしている。なお書類のほか、個人間の贈答品で内容品価格が100ドル以下の荷物については、引き受けを継続するとしている。

佐川急便は代替サービスとして「飛脚国際宅配便」、「SAGAWAの海外通販まるごとサポート」を案内。いずれも、米国税関の規制に準拠した対応が可能としている。

ヤマト運輸が提供する「国際宅急便」は、引き続き米国向け貨物の発送を受け付ける。ただ、「すべての輸入貨物に対して、品物の輸入金額に関わらず、関税および消費税が課される」「米国側で発生する関税等諸費用は荷受人の負担になる」などの留意事項を確認してほしいと呼びかけている。

鳥栖 剛

あなたの事業を「売ってください!」が当たり前の時代に。「成長型EXIT」の今とリアル+M&Aの基礎知識 | ECビジネスを成長させるM&A「成長型EXIT」のリアル

2ヶ月 2 週間 ago
EC事業の買い手、売り手、いつその立場になるかわかりません。中小企業の経営者高齢化による事業承継問題、M&Aの種類や企業価値評価の基本、「成長型EXIT」としてのM&Aを解説していきます。

企業や事業の成長段階において、資金や設備、人材などの壁は必ず発生します。ECビジネスも例外ではありません。それをどうクリアするか? その1つのアプローチとして、M&Aで他社に売却する「成長型EXIT」が増えているのをご存じですか? M&AによるEXITは事業継承のイメージが強いですが、ここであげるのは事業をより大きく成長するために大手へ売却し、最速での成長をめざす手法です。ECビジネスに関するM&Aが増えている背景とM&Aの手法、基礎情報を解説します。

M&A浸透の背景と現状、そして現実

日本の中小企業は経営者の高齢化が進んでいます。帝国データバンクの調べによると、2024年の平均年齢は60.7歳と過去最高を更新。そして、50歳以上になるとなんと80%を超えています。

あなたの事業を「売ってください!」が当たり前の時代に。「成長型EXIT」の今とリアル+M&Aの基礎知識
社長の平均年齢・社長交代率の推移、社長交代前後の平均年齢変化(画像は帝国データバンクのプレスリリースより)

もうこの手の話を聞いても誰も驚きませんよね。業種によって大きな差はありませんが、唯一サービス業が60歳を下回っています。これはITや飲食などの業界も含まれるからだと推測されます。

あなたの事業を「売ってください!」が当たり前の時代に。「成長型EXIT」の今とリアル+M&Aの基礎知識 社長平均年齢・業種別 社長平均年齢・業種別
社長平均年齢・業種別(年推移、画像は帝国データバンクのプレスリリースより)

全国の全業種約27万社を対象とした2024年の後継者動向を調べると、後継者が「いない」「未定」とした企業は14.2万社で、後継者不在率は52.1%に達しました。国はこの状況に危機感を抱きました。「これを何とかしなければ、大失業時代に突入してしまう」――。こうしてここ数年、国からは事業承継・M&A補助金の制度が作られ、地方の中小零細企業にまでM&Aが浸透してきました。

確かに、後継者不在の企業を継続させる手段としては、M&Aは効果的です。しかし、一方で残酷な現実もあります。それは「儲かっている会社には後継者が見つかる」というもので、裏を返せば「儲かっていない会社では見つからない」ということです。

身体的にきつい、あるいは危険を伴うなどの理由で、一般的に不人気とされる業種でも、利益が計上されている会社であれば、後継者に困るケースは少ないでしょう。状況をよく知っている取引先などが、買収に名乗りを上げるケースが多いからです。

ただ、後継者不在の会社は、だいたい儲かってない。これが現実です。儲かってないから、後を継ごうという人が少ないのです。

会社を継続させたいのであれば、利益を出して企業価値を高めるしか道はありません。身も蓋もない言い方ですが、それが現実です。

特殊な技術や知的財産を持っているなどのケースは別ですが、それらがない状態で「救済型M&A」を進めても、未知数の「シナジー効果」に期待するしかない買い手企業にとっては、多くの場合リスクしかありません。

「売って終わり」ではない成長型のEXITとは

一方で、後継者不在による事業承継とは異なり、別の目的でM&Aをするケースも実は増えています。

それが、本稿のテーマである「成長型EXIT」とも言える、より大きな成長をめざしたM&Aです。

通常、EXITと言えば、売り手企業の経営者は、一定期間の引き継ぎを終えたら会社を去るというイメージがあるでしょう。なかには事業から引退する人、売却益を元手に別の事業に進出する人もいるでしょう。

ここで示す「成長型EXIT」は、手がけてきた事業をより成長させるために体力のある企業に売却、経営者自身も売却後も経営に携わりながら成長をめざすというイメージです。

この手法は従来からあったものですが、最近は特に若い起業家を中心に増えてきています。理由の1つはIPO(新規株式公開)の魅力が薄れてきたことがあげられるでしょう。

IPOはハードルが高い割にはメリットが少ない。やたらと「公の企業」として制限が多い。四半期ごとに業績を公表しなければならない――。そんなイメージがあるIPOに変わる選択肢として、M&Aがクローズアップされてきたのが要因だと考えられます。

個人事業もEXITの選択肢にM&A

私は、どんな事業でも出口を決めておくことを重要視しています。たとえば、新規事業を始める時も、重要なのは「撤退ライン」を設定することで、致命的なダメージを防ぐことができます。

会社としてどこをめざすのか、そのためにはどんな手段でいつやるのか。出口のHowとWhenを明確にすると、それまでの選択で迷いが少なくなります。

事業の成長段階では、人材や設備などへの投資、在庫需要の増大などで、必ず資金ニーズが発生します。その際、IPOをめざすのならVC(ベンチャーキャピタル)から資金調達をするのも有力な手段でしょう。

しかし、M&AをEXITとするのであれば、他人資本を入れるとそれが大きなネックになる可能性が出てきます。また、多くの場合、VCは小型のM&Aについてはあまり関心を示しません。なぜなら、VCのビジネスモデルとしては、リターンが少なすぎるからです。

資金調達一つとっても、EXITを設定していれば選択肢がおのずと絞られてくるのです。これは人材採用なども同じです。特に日本の場合、人材は一度採用すると簡単に会社都合でカットできませんので、出口を見据えて戦略的な採用が必要です。

さらに最近の傾向で特徴的なのが、M&Aの小型化です。たとえば、私が手がけた案件でいうと、年間の売上高が2,000万円くらいの個人事業もありました。どんな小規模事業者でも、M&Aが普通の選択肢になってきていることがわかります。

小規模ビジネスでも知っておきたい、M&Aの基礎知識

ここで、M&Aに関する基礎的な知識を共有しておきます。M&Aの種類は、大きく分けて2種類です。1つは「株式譲渡」。もう1つは「事業譲渡」です。

株式譲渡

株式売却のことです。売却する株の割合によってオーナーシップが変わることになります。たとえば、100%譲渡を契約した場合、株を保有するすべての株主が売却に同意しなければ、譲渡は実行されません。

また、会社の資産だけでなく負債も買い手企業に譲渡されることになります。M&Aでは、借入の経営者保証が問題になったりしますが、これも株式譲渡の場合ですね。

あなたの事業を「売ってください!」が当たり前の時代に。「成長型EXIT」の今とリアル+M&Aの基礎知識
この図のケースの場合、譲り渡し側の株主(図ではX株主)保有している発行済株式を、譲り受け側(B社)に譲渡する手法で、譲り渡し側(A社)を譲り受け側の子会社とするイメージ(画像は中小企業庁の「中小M&Aガイドライン」からキャプチャ)

事業譲渡

会社そのものを売買するのではなく、事業を会社から切り離して売却するというものです。複数の事業をしている会社が、そのうちの1つの事業を売却するようなパターンですね。

これは、オーナー(株主)が変わるという単純なものではなく、事業主体が変わるわけですので、少々複雑な手続きが必要です。たとえば、取引先や事務所オーナーとの契約のまき直し、資格、許認可などが新たに必要となるわけです。

あなたの事業を「売ってください!」が当たり前の時代に。「成長型EXIT」の今とリアル+M&Aの基礎知識
この図のケースの場合、譲り渡し側(A社)が有する事業の全部または一部(土地、建物、機械設備などの資産や負債に加え、ノウハウや知的財産権なども含む)を、譲り受け側(B社)に譲渡するイメージ(画像は中小企業庁の「中小M&Aガイドライン」からキャプチャ)

いずれの形態にしても、M&Aの実行を決めた後は、まずバリュエーション(企業/事業の価値評価)から始めます。その後のフローは次回以降で掘り下げますが、このバリュエーションに対する考え方はとても重要ですので、最初に少し触れておきます。

バリュエーション、誰が「価値」を決めるのか

ファイナンス理論的に、バリュエーション手法はいくつもあります。大きく分けて、マーケットアプローチ、インカムアプローチ、コストアプローチと分類され、その中でもDCF(ディスカウントキャッシュフロー)法やマルチプル法、時価純資産法など、具体的な計算方法も多岐にわたります。

これらは、それぞれ考え方が全く異なります。規模や業種によって、向き不向きはありますが、「これが正解」という計算方法は存在しません。そして、非上場企業の場合、計算方法以前に企業価値そのものに正解はないのです

会社や事業を売りたい人は、はじめに自社の価値を把握するためにバリュエーションをして、希望価格を設定し、興味を持った買い手企業との交渉を始めます。

買い手は、交渉を通じて、またDD(デューデリジェンス=企業調査)を通じて、さらに詳細に価値の判断をします。その結果、買い手が価格を提示して、それに売り手が納得すれば商談成立です。

つまり、価格を決めるのは両者の合意です。そう書くと極めて当たり前のことですが、M&Aはあくまでも商取引です。どれだけ難しい理論で、緻密に企業価値を計算しても、双方がその金額に納得しなければ取引は成立しません。非上場企業において、「客観的に正しい金額」など存在しないのです。

自社の企業/事業価値を把握するのは、非常に重要なことですが、売り手は特にそのことを理解して、この金額以下なら売らないという撤退ラインを決めておくといいでしょう。いわば、M&Aの出口戦略です。

◇◇◇

次回以降、EC事業の具体的な評価方法とM&Aのプロセスを解説します。

前野智純

2024年度の通販・EC市場規模は7.3%増の14.5兆円。26年連続のプラス成長、10年間の平均成長率は9.1%【JADMA調査】

2ヶ月 2 週間 ago

公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)はこのほど、2024年度(2024年4月-2025年3月)の通信販売(EC含む)市場の売上高について調査を実施、速報値を発表した。

それによると、2024年度の通販市場の売上高は、前年比7.3%増の14兆5500億円となり、金額ベースでは前年に比べ9900億円増えた。

2024年度の通販・EC市場規模は7.3%増の14.5兆円。26年連続のプラス成長、10年間の平均成長率は9.1%【JADMA調査】
2024年度の通販の売上高は、前年比7.3%増の14兆5500億円

円安などによる原料価格高騰が進むなか、2024年度の伸び率は前年を0.6ポイント上回った。直近10年の平均成長率は9.1%。マイナス成長を記録した1998年度以来、26年連続して増加傾向が続いているという。

通販・EC市場では、売上規模の大きい主要企業を中心に堅調な成長が続いているとした。加えて、業界全体の動向としては、主にコールセンターやフルフィルメント、マーケティング領域におけるAIの活用による業務効率化の進展や、企業のM&Aを通じた事業多角化の動きが目立っていると指摘している。

鳥栖 剛

セガ フェイブ、自社ECサイト「SEGA Fave Store」を開設。さまざまなキャラクターやIPアイテムを展開

2ヶ月 2 週間 ago

セガサミーホールディングス傘下で、玩具の開発・製造・販売や、アミューズメントゲーム機器の開発・販売などを手がけるセガ フェイブは8月28日、自社公式ECサイト「SEGA Fave Store」(セガ フェイブ ストア)」を開設した。

「SEGA Fave Store」は、セガ フェイブとさまざまなキャラクターやIPが協力して作り出すアイテム、同サイトでしか出会えない商品などをそろえるショッピングサイトをめざす。取り扱い商品はバラエティ雑貨、ぬいぐるみ、幼児向けおもちゃ、キッズ向けおもちゃなど100アイテム以上。順次、拡充を予定している。

「SEGA Fave Store」のサイトトップ(画像は編集部が「SEGA Fave Store」から追加)
「SEGA Fave Store」のサイトトップ(画像は編集部が「SEGA Fave Store」から追加)

「SEGA Fave Store」の開設を記念し、期間限定の配送料無料キャンペーンを実施している。期間は9月15日(月)までの注文分で、対象は「SEGA Fave Store」の全商品。

セガフェイブのEC事業では従来、インターネット上でキャラクターくじを引き、当選商品をユーザーに届ける「セガ ラッキーくじオンライン」、オンラインクレーンゲーム「セガUFOキャッチャーオンライン」、フィギュア販売の「S-FIRE(エスファイア)」の3つのECサイトを運営してきた。デジタル商材とフィジカル商材の双方で、アニメ・マンガ・ゲーム作品のファンから人気を集めている。

大嶋 喜子

デサントジャパン、「デサント」ブランド専用アプリを配信開始。店舗スタッフにLINEで相談できるサービスも展開

2ヶ月 2 週間 ago

スポーツ用品メーカーのデサントジャパンはこのほど、展開するブランドの1つ「デサント」で、「DESCENTE専用アプリ」の配信を開始したと発表した。

商品購入、スタイリング提案、アプリ限定商品、イベントの情報、ユーザーが購入した商品のメンテナンス方法などの機能を実装。店舗スタッフにLINEでスタイリングなどを相談できるサービスも開始する。

「DESCENTE専用アプリ」の機能・特長

  • 最新情報・予約販売の案内、取り扱う商品へのこだわり、ユーザーが製品を長く使うための商品メンテナンス方法、アプリ限定商品・イベント情報を配信する「ホーム」
  • 店舗スタッフによる「デサント」商品の着こなしを配信する「スタイリング」
  • デサントの公式ECサイト「DESCENTE STORE オンライン」と連携しており、ユーザーは商品詳細情報を確認して購入できる「ショップ」
  • ユーザーが気になるアイテムのリストを作成できる「お気に入り」
  • 店舗でもオンラインでも、買い物のたびにポイントが貯まり、すべての加盟店でポイントが使える「CLUB DESCENTE会員証」の掲出
  • ユーザーはLINEを通じて店舗スタッフに直接相談が可能
「DESCENTE専用アプリ」の機能・配信コンテンツの一例
「DESCENTE専用アプリ」の機能・配信コンテンツの一例

デサントジャパンはこれまでに、「デサント」のほか、「ルコックスポルティフ」「アリーナ」「マンシングウェア」「アンブロ」などを含む自社の9ブランドを統合した「CLUB DESCENTE」公式アプリを提供してきた。今回リリースした「DESCENTE専用アプリ」は、デサントジャパンが提供する2つ目のアプリとなる。

「DESCENTE専用アプリ」では、「CLUB DESCENTE」会員証や公式通販との連携など共通の機能を生かしながら、より「デサント」ブランドのユーザーに寄り添った情報を発信する予定。

これまでの「CLUB DESCENTE」と、新しくリリースした「DESCENTE専用アプリ」の関係イメージ
これまでの「CLUB DESCENTE」と、新しくリリースした「DESCENTE専用アプリ」の関係イメージ
大嶋 喜子

「ネコポス」の取り扱いサイズは厚さ3cm、三辺を60cm以内、長辺を34cm以内に拡大

2ヶ月 2 週間 ago

ヤマト運輸は11月10日から、「ネコポス」の取り扱いサイズと受け取り方法を変更する。

「ネコポス」の取り扱いサイズを拡大する。これまでは厚さ2.5cm、縦が上限31.2cm以内・下限23.0cm以上、横が上限22.8cm以内・下限11.5cm以上だったが、これを変更。厚さ3cmまで、三辺60cm以内、長辺を34cm以内(下限は縦23.0cm・横11.5cm)に拡大する。

また郵便受けに届けられない場合の受け取り方法として「置き配」に対応する。クロネコメンバーズ会員は「お届け予定通知」から受け取り場所をあらかじめ指定することで、郵便受けに届けられない場合、「置き配」で受け取ることができる。

「置き配」の指定は公式アプリまたは「クロネコメンバーズ」会員ページ内の「My荷物一覧」から受け取り場所を選択することで利用できる。

鳥栖 剛

インターファクトリーのBtoB向けクラウドECプラットフォーム「EBISUMART BtoB」にBTO(受注生産)機能を実装

2ヶ月 3 週間 ago

インターファクトリーは8月26日、BtoB向けクラウドコマースプラットフォーム「EBISUMART BtoB(エビスマート ビートゥービー)」にBTO(Build To Order、受注生産)機能を実装したと発表した。

BTOは注文を受けてから製品を生産する仕組みを指すワード。発注者は用途や予算に合わせて商品を自由にカスタマイズでき、最適な商品を手に入れることができる。受注者も、在庫リスクの軽減、多様化する顧客ニーズへの対応、環境負荷の軽減などのメリットがあるビジネスモデルと言われる。

受注後に生産するBTOモデルの取引は、在庫リスクの軽減による運用資金の最適化のほか、エコフレンドリーなビジネス運営、マーケティング戦略の強化などのメリットがある。 一方、BTOモデルの実現に向けた機能の導入には、製品ごとのマスタ関連付け制御・単価設定といった基幹システムなどとの統合の複雑さ、システムをカスタマイズするための柔軟性といった課題があった。 「EBISUMART BtoB」では、システムの拡張性の高さを生かし、BTO機能を実装。「EBISUMART BtoB」を導入する事業者は機能開発コストと時間を抑えてBTO機能を導入できる。特に製造業・中間流通業のユーザーに活用できる機能という。

BTO機能導入のメリット

  • 個別ニーズへの対応
    • 取引先ごとのニーズに対応することで継続的な再発注のしやすさにつながる。これにより安定的な収益の確保、収益予測を立てやすくなるとしている。
  • 在庫リスクの軽減
    • BTO機能を導入することで、事業者様は過剰在庫や在庫切れのリスクを抑えることが可能となり、資金を効率的に運用することができる。
  • 環境への配慮
    • 必要な分だけを生産することで、無駄な資源の消費を抑え、エコフレンドリーなビジネス運営が可能となる。
  • 競争力の向上
    • 取引先のニーズに基づいて製品を製造するため、顧客満足度を高め市場での地位確立につながる。
鳥栖 剛

はぴねすくらぶ、AIで購買意欲の高い顧客を選定し、カタログ送付を最適化する取り組みを開始。コスト効率+収益性アップ見込む

2ヶ月 3 週間 ago

総合通販のはぴねすくらぶは8月27日、カタログ送付の効率化に向けAIモデルを活用した取り組みを開始したと発表した。顧客の行動や購買履歴などのデータを分析し、購買意欲の高い顧客を選定し、コスト効率と収益性の向上を図るという。

支援企業のGROWTH VERSE、BIPROGYとともにAIを活用したカタログ送付の効率化を図る はぴねすくらぶ
支援企業のGROWTH VERSE、BIPROGYとともにAIを活用したカタログ送付の効率化を図る

AIモデルを活用したカタログ送付の効率化は、AIを活用した支援サービスを手がけるGROWTH VERSE、DX支援サービスなどを手がけるBIPROGYが協力した。

はぴねすくらぶは継続的に売り上げを維持・向上させるために、効果的なタイミングと対象を絞った送付体制の構築を検討していた。その実現に向け、GROWTH VERSEが開発・提供するAIを組み込んだクラウド型のソフトウェアサービス「AIMSTAR」を導入した。

はぴねすくらぶは「AIMSTAR」の活用で、購買意欲の高い顧客を選定し、満足度の高いショッピング体験の提供と同時に、コスト効率向上、売り上げの維持、収益性を向上させる。

BIPROGYは今後、基幹システムを中心に、BIツールやコールセンターシステム、ECサイトなどの周辺システムとの連携を進める。さらに、GROWTH VERSEが提供するAIを活用した高精度な架電リストの作成も予定。カタログ送付の効率化だけでなく、本人接続率と購買率の向上にも取り組む。

大嶋 喜子

法人向けのBtoB-EC市場規模は514兆4069億円。最新トピック+業種別の市場規模、EC化率まとめ【2024年の電子商取引調査】

2ヶ月 3 週間 ago

経済産業省が8月26日に発表した「令和6年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」によると、2024年のBtoB-EC(企業間電子商取引)市場規模は前年比10.6%増の514兆4069億円で、EC化率は43.1%の同3.1ポイント増だった。

経済産業省「令和6年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」 2024年のBtoB-EC(企業間電子商取引)の市場規模は前年比10.6%増の514兆4069億円で、EC化率は43.1%の同3.1ポイント増
BtoB-EC市場規模の推移

BtoB-EC市場規模の業種別内訳は、市場規模が最も大きいのが「卸売」で128兆8684億円(前年比6.3%増)。「輸送用機械」83兆3263億円(同13.3%増)、「電気・情報関連機器」が50兆4055億円(同11.7%増)「繊維・日用品・化学」が49兆7193億円(同10.1%増)が続いた。

「その他」を除いた前年比の伸び率で、最も高いのが「運輸」で前年比20.1%増。「建設・不動産業」が同18.2%増、「食品」が同17.0%増で続いた。

EC化率で見ると、最も大きいのは「輸送用機械」の88.6%。次いで「食品」が81.3%、「電気・情報関連機器」が76.6%だった。

経済産業省「令和6年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」 2024年のBtoB-EC(企業間電子商取引)の市場規模は前年比10.6%増の514兆4069億円で、EC化率は43.1%の同3.1ポイント増
BtoB-EC市場規模の業種別内訳

製造:食品

法人企業統計データでは、「食料品製造業」の総売上高は2024年で51兆1341億円。売上高の増加およびEC化率の伸びに伴い、2024年のBtoB-EC市場規模は41兆5859億円(前年比17.0%増)。2024年はインバウンドの増加を背景にした外食需要やホテル需要、原料高騰による販売価格の引き上げが市場全体を押し上げたことで、業務用食品市場規模などが拡大し、商取引の市場規模が増加したと考えられる。そのようななか、EC化の動きも加速し、EC化率は81.3%と増加した。

製造:産業関連機器・精密機器

法人企業統計データでは、産業関連機器・精密機器全体の総売上高は2024年49兆7935億円で推移。BtoB-EC市場規模は23兆8228億円(前年比7.5%増)、EC化率は47.8%と増加した。

製造:鉄・非鉄金属

法人企業統計データでは、2024年の鉄・非鉄金属業全体の総売上高は66兆3521億円。BtoB-EC市場規模は33兆5717億円(前年比8.6%増)で、EC化率は50.6%。

情報通信

法人企業統計データでは、2024年の「情報通信業」の総売上高は94兆6392億円。2024年のBtoB-EC市場規模は22兆8688億円(前年比2.1%増)、EC化率は24.2%。

卸売

法人企業統計データでは、2024年の「卸売業」の総売上高は319兆8539億円。BtoB-EC市場規模は128兆8684億円(前年比6.3%増)、EC化率は40.3%。大手GMS、大手SM(スーパーマーケット)を中心に、流通BMS79に代表されるEDI標準化が進められている。技術の導入が進みEC化率が伸びているという。

その他トピックスでは、2024年1月のINSネット(ディジタル通信モード)サービス終了に伴い、BtoB-ECで同サービスをインフラとしているEDIの仕組みは、インターネットEDIへの移行が進んでいる。

鳥栖 剛

オリオンビールが東証プライムに上場へ/物価高で約4割が節約を強化も約7割が「節約疲れ」【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

2ヶ月 3 週間 ago
2025年8月22日~2025年8月28日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?
  1. オリオンビールが東証プライムに上場へ。全社売上は288億円でEC売上は10億円、EC化率は3.5%

    オリオンビールは1957年に創業。「オリオン」ブランドを掲げて、酒類清涼飲料事業と観光・ホテル事業を展開している。自社ECサイトは2020年7月にオープン、ECサイトではビールなどのほかTシャツなどグッズも展開している。

    2025/8/25
  2. 物価高で約4割が節約を強化も約7割が「節約疲れ」。自ら収入を増やす「脱・節約」へのマインドシフトが顕在化

    メルカリが調査を実施。物価高で約4割が節約を強化も約7割が「節約疲れ」。自ら収入を増やす「脱・節約」へのマインドシフトが顕在化していることがわかった。

    2025/8/25
  3. ワークマンが公式アプリをリリース。「失望とお叱りの声」を受けタイムリーな情報を配信できる体制を構築

    ワークマンにはSNSで話題になった製品に対して、「どこで買えるかわからない」「買いに行ったけど売ってなかった」などユーザーから「多くの失望とお叱りの声があった」(ワークマン)という。

    2025/8/26
  4. 理解とCVRを劇的に引き上げるスワイプ型LP、知ってますか? LPは読む時代へのWebマーケティング新常識

    スワイプをLPに活用するのは「スワイプ型LP」と言われ、画面が1ステップごとに区切り、各情報が1画面に収まる設計になっているのが特長です。そのため、ユーザーは“読み飛ばす”ことができず、情報を順番通りに受け取る構造になっています。

    2025/8/27
     
  5. 消費者がAIに感じる価値は「商品比較」「最安値の検索」。商品検索のAI活用は「ChatGPT」が51%、「Gemini」が34%

    Criteoは8月19日、「世界の消費者トレンドと購買意識の最新分析に関するレポート」を発表した。これによると消費者がAIに感じる価値は「商品比較」「最安値の検索」。商品検索のAI活用は「ChatGPT」が51%、「Gemini」が34%だということがわかった。

    2025/8/22
     
  6. SEOに一撃必殺も奇跡もない。すべては「“うまく行かない方法”をどれだけ見つけられたか」という積み重ねの上にある【ネッ担まとめ】

    ネットショップ担当者が読んでおくべき2025年7月9日~8月24日のニュース

    2025/8/26
     
  7. LINEヤフーと出前館の「Yahoo!クイックマート」終了へ。スタート1年で最短30分で届く即配サービスから撤退

    LINEヤフーの「Yahoo!クイックマート」のサービス終了日程は、注文受付終了日時が8月30日(土)23時59分、サービス提供終了日時は2025年8月31日(日)23時59分。

    2025/8/22
     
  8. ネット書店「漫画全巻ドットコム」のTORICO、暗号資産・ブロックチェーンなどWeb3領域での新規事業創出に向け幻冬舎と業務提携

    「漫画全巻ドットコム」などのTRORICOは幻冬舎と業務提携。暗号資産・ブロックチェーンの既存事業への活用支援や、新規事業の創出を図る。

    2025/8/22
     
  9. FAXや電話に頼る商習慣を打破! SDSが挑んだ未来型BtoB(法人)向けEC戦略について徹底解説。「Amazon Pay」の活用で信頼と利便性を両立し新規顧客を獲得

    電線販売会社であるSDSが運営するBtoB向けECサイト「蛙屋」の立ち上げから現在までの軌跡を解説する。古い商習慣を変えようとデジタル化に着手、トライ&エラーを重ねる担当者の思いとは――。

    2025/8/26
     
  10. アイスタイル、東海に2店舗目の「@cosme」旗艦店を規模・集客数がエリア最大級のショッピングモール内に開店

    2025年12月に「@cosme STORE mozo ワンダーシティ店」の開店を予定している。「@cosme NAGOYA」に次ぐ東海エリア2店舗目となる

    2025/8/26
     

※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

藤田遥

顧客とのコミュニケーションでAIを活用している企業は41%。「チャットボット」「フォーム」「FAQ」で多い傾向【企業のAI活用調査】

2ヶ月 3 週間 ago

インゲージが実施した「ビジネスコミュニケーションツールとAI活用調査」によると、顧客とのやり取りでAIを活用している企業は全体の41%だった。対顧客・対社内のコミュニケーションツールはメールが最も多く、電話、有人のチャットが続いた。

AIの活用率は社内外ともに無人のチャットボットが最多。メール、SMS、電話でもAI活用が進んでおり、既存のコミュニケーションチャネルにAI機能を付加する動きも見られた。

調査対象は業務でコミュニケーションツールを利用するビジネスパーソン452人。調査期間は2025年8月8~22日。

顧客とのコミュニケーションツールは「メール」「電話」が圧倒的な利用率

顧客とのやり取りに使っているツールで最も多かったのは「メール」で79%、続いて「電話」が65%、「チャット(有人)」が33%、「チャットボット(無人)」が27%だった。

顧客とのやり取りで使っているツール(複数回答可)
顧客とのやり取りで使っているツール(複数回答可)

社内間でのやり取りに使っているツールは、最多が「メール」で74%、続いて「電話」が59%、「チャット(有人)」が41%だった。有人チャットの利用率が対顧客よりも高くなっており、リアルタイムでのコミュニケーションのニーズが見られる。

社内間でのやり取りに使っているツール(複数回答可)
社内でのやり取りに使っているツール(複数回答可)

58%の企業が何らかの形でAIを導入

顧客や社内でのやり取りでAIを使用しているかを聞いたところ、「いずれもAIを使用していない」が42%、続いて「対顧客のやり取りのみでAIを使用している」が22%、「対顧客、対社内のやり取り両方でAIを使用している」が19%、「対社内のやり取りのみでAIを使用している」が17%だった。合計すると58%の企業が何らかの形でAIを導入していることがわかった。対顧客のみに注目すると、41%がAIを活用している。

インゲージは「AI技術の成熟とともに、企業がコミュニケーション効率化の有効な手段としてAIを認識し始めている」と考察している。

顧客や社内でのやり取りでAIを使用しているか
顧客や社内でのやり取りにAIを使用しているか

対顧客では無人チャットボットでのAI活用が進む

「対顧客のやり取りでAIを活用している」と回答した人に、対顧客のコミュニケーションツールにおけるAI活用について聞いたところ、「チャットボット(無人)」が最多の40%、続いて「チャット(有人)」が35%、「フォーム」と「FAQ」がそれぞれ33%だった。

このほか、メール、SMS、電話でもAI活用が進んでいる。AI機能を付加する動きが広がっていることがわかった。

対顧客のコミュニケーションツールにおけるAI活用
対顧客のコミュニケーションツールにおけるAI活用

「対社内のやり取りでAIを活用している」と回答した人に、対社内のコミュニケーションツールにおけるAI活用について聞いたところ、「チャットボット(無人)」が最多の19%、続いて「FAQ」が17%、「電話」が17%だった。

対社内のコミュニケーションツールにおけるAI活用
対社内のコミュニケーションツールにおけるAI活用

調査概要

  • 調査方法:オンライン調査
  • 調査期間:2025年8月8日~22日
  • 調査対象:業務でコミュニケーションツールを利用するビジネスパーソン452人
大嶋 喜子
確認済み
16 分 53 秒 ago
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