2年かけてコンバージョンを6倍に改善したLPO | SEO Japan

SEO Japan - 2010年5月21日(金) 23:02
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サーチエンジンランドからウェブサイトのコンバージョン率改善特集の最後は2年と言う時間をかけてコンバージョン率を6倍に改善したと言うLPOの事例を紹介。 — SEO Japan

まずは次の質問に答えてもらおう: コンバージョンはどれぐらい改善すれば十分と言えるだろうか?業界の平均コンバージョン率に達したら、満足することが出来るだろうか?過去のパフォーマンスを倍にすれば、それで終わりだろうか?そこで満足してほしくない。このケーススタディを見れば、コンバージョンに対する取り組みが、たとえ素晴らしい数字を得た後も続けていきたい理由が分かるだろう。
ケーススタディのまとめ
クライアント: Ifbyphone, Inc. 自動電話アプリケーションのプロバイダー。
プロジェクトの全体的な目標: 電話およびクリック・ツー・コールのリードの量と質を上げる。
課題:

複雑なオファー
ランディングページの最適化に関する経験の浅さ
オーディエンスの層が広い
電話をマーケティングソースとして考えることが出来ない

成功度の基準 #1: 電話でifbyphoneに連絡してきたランディングページのビジターの割合。
成功度の基準 #2: リードの質。電話の時間で計測する(時間が長ければ、販売契約締結率が上がる)。
結果:

2008: 元々のランディングページ
元々のランディングページには、成功を制限してしまう課題が幾つかあった。その中でも大きな問題は、階層化が不十分であり(ビジュアルの面でも、情報量の面でも)、乱雑な状態になっていたために発生していた。
元々のランディングページ

元々のランディングページの大きな問題

製品がどこにあるのか分かりづらい。他の要素と比べ、製品の記述はビジュアル面でのサポートが不十分であり、目立たない。
製品を理解するのが困難。 複雑な製品や技術的な製品に起こりがちなことだが、メッセージにあまりにも多くの情報が詰められ、目を通すのも大変だった。やがて、この企業のメッセージは簡素化、明確化、そして、精密化されていった。その結果、ランディングページだけではなく、その他のマーケティングの局面にもポジティブな影響が現れるようになった。
主要なコール・トゥ・アクション(「call to speak with us」)がその他の要素にかき消されてしまう。 例えば、鮮やかな赤い右側のカラムのエリアは、すべてのページで維持されるCMSのエレメントであった。ビジュアル的にとても印象が強く、注目をそらす原因になっていた。また、ビジターが取ることが出来る複数の代替的な行動にも触れており、混乱を招いていた。
メインのコール・トゥ・アクションを繰り返さないスクロールが必要なコンテンツ。 スクロールする必要のある長いページ(以下のイメージを参照)は必ずしもコンバージョンに悪影響を与えるわけではないが、このページには反映されなかった特別な対処が必要になる。例えば、ページの一番下に、3本のリンクが用意されていた。しかし、これらのリンクは全く別のサービスのページに向かっていたのだ。また、ビジターが最初のスクロールを終えるころには、コール・トゥ・アクションの例がまったく見られなかった。

長く、スクロールが必要なページ:

舞台裏: PPCキャンペーンの再構築
ランディングページを精査している間、プロジェクトのもう1つの重要な部分が完了した—同社のPPCキャンペーンの再構築だ。私たちが実施した評価によると、このキャンペーンはコストの60%近くを浪費し、質の低いトラフィックをもたらし、適切なオーディエンスに接触する機会を何度も失っていた。私たちはまずはこの取り組みを改善する計画を立てた。容易に修正することが出来る点を心得ていたためだ。しかし、同時に非常に重要であるため、ランディングページのテストが、適切なオーディエンスに対して行われる点も確認した。
2008年の暮れ – 2009: ランディングページ #2
PPCの後片付けを終えた私たちは、ランディングページのデザイン変更に取り掛かることにした。デザインは複数の小さな決定の結晶であり、今回もそれは変わらない。例えば、初期の草稿では、大きな、近未来的な電話のグラフィックを左上に配置しており、これがページのレイアウト全体において、ビジュアル面での頼みの綱になっていた。その後、修正の要請を何度か受け、ハイテクな電話を、企業の“ブランドイメージ”でもある、上述のデザインにあるような昔の黒い電話器のイメージに差し替えることにした。後でご覧になってもらうが、ランディングページ #3では、より自由にデザインをする許可を得た。
ランディングページ #2:

このデザインの重要な変更点

オファーを大幅に見やすくした。 黒い電話機は強烈なビジュアルのインパクトを持っているが、起こしてもらいたい行動については何も伝えることが出来ない。特集エリアの裏の大きな赤のヘッドラインと灰色のバックグラウンドは、オファーに対する行動を呼びかけている。その他のページの要素はバランスがとれているため、ビジターを混乱させることはない。
オファーを容易に理解できるようにした。 私たちは2つのことを実現するため、複数のコンテンツの草稿をクライアントと共に検討した。簡単に目を通すことが可能な最初のメッセージの“ロールアップ”を作ること、そして、分かりやすいヘッドラインを記述し、そして、より自然で、テクニカルなトーンを少なくすることだ。
主要なコール・トゥ・アクションを目立たせる。 私たちは「click to call」と言うコール・トゥ・アクションをページの上部に掲載し、直通の電話番号をメリットを記述するエリアに加えた、その後、直通の電話番号をさらに際立たせることも検討した。
コール・トゥ・アクションを数回繰り返す。 以下のイメージをご覧になって頂ければ分かるように、ページ全体の長さは最初のランディングページよりも短くなった。それにも関らず、私たちはコール・トゥ・アクションおよび直通の電話番号をスクロールしても視界に入るように繰り返した。

複数のコール・トゥ・アクションを用意した新しいスクロールページ

A/Bテストの策定
新しいランディングページに対するコンテンツおよびデザインがすべて承認された後、私たちは最初のテストシーケンスを導入した。この段階で、各種の製品に対して個別のA/Bテストを一斉に実施した。「A」ページにはすべて元々のテンプレートを採用し、一方の「B」ページにはすべて新しいテンプレートおよび改訂済みのコンテンツを用いた。その結果、どちらのバージョンにも新たに更新したキャンペーンを通してPPCのトラフィックがもたらされた。

追跡
このプロジェクトにおいて望まれた行動は、直通の電話もしくはクリック・トゥ・コールのツールを介した電話による連絡であった。成功度を計測するため、私たちは以下のような手順を踏んだ:

Ifbyphoneは各ページに対して異なる無料の電話番号を割り当てた。 クライアントの電話追跡機能と組み合わせることで、それぞれのページの電話の回数を正確に計測することが出来るようになった。
電話の質を計測するため、Ifbyphoneのグーグル・アナリティクスへのタイインを利用した。 このifbyphoneの機能は、電話が特定の長さに達すると自動的にバーチャルなページビューをグーグル・アナリティクスに加えた。私たちが選択したページビューのURLには、結果を容易に理解するため、ランディングページおよび電話番号のデータが加えた。このデータを使って、私たちはすべての電話の回数と各ページの質の高い電話の回数の率を計算した。



遊び心、そして、新たなメトリクス: 私たちはクリック・トゥ・コールをifbyphoneのシステムを使って計測したが、遊び心を加え、アドワーズでも追跡してみた。アドワーズにはアナリティクス・ゴールズをインポートする機能が用意されていなかったため、私たちは別のアイデアを考えなければならなかった。そこで「call me!」クリックアクションをトリガーとして使い、アドワーズのトラッキングピクセルにAJAXコールを加えてみた。こうすることで、ページを更新することも、新しいURLをローディングすることもなく、アドワーズでコンバージョンを追跡することが出来るようになった。その結果、データを照合し、アドワーズのキャンペーンを最適化する上で役立つ新たなメトリクスを手に入れたのだ。


A/Bテストの結果
A/Bテストを行った結果、新しいデザインが優れている点が判明した。4つのテストを用いて計測した結果、コール/訪問の割合が倍以上に増え、全コール数は62%上昇し、平均の電話の質(電話の長さで計測)は倍近くに改善された。私たちはここで一呼吸置き、休みを取り、勝利の余韻に浸ることも出来たが、そうしなかった。
多変量テスト
A/Bテストのおかげで、私たちの考えを立証し、クライアントの管理部門および経営陣にランディングページのテストの効果を説明することが出来た。次に私たちは多変量テストに取り掛かり、最初の候補に残らなかった幾つかの要素のバリエーションを試すことにした。複数の結果においては私たちの予想を超えており、見直したいと思った遊び心のあるギーク丸出しの追跡を発展させた。しかし、エントリの長さを考えると—そしてコンバージョンにおける増加は微小なものだったので、詳細の報告は、またの機会に取っておこう。
PPCの再構築 + ランディングページのデザイン変更: 3X コンバージョン 2.3X リードの質の結果

プロジェクト終了後: 作業は終わらない
この最初のプロジェクトが終了した後、ifbyphoneは新しいランディングページのアプローチを採用し、残りの製品でも同じ取り組みを行った。また、同社は多くの企業が見逃している領域に足を踏み入れた—彼らはランディングページで得た教訓をウェブサイト全体に波及させたのだ。
2010 1月: ランディングページ #3
2010年の年明け、Ifbyphoneから「もっと改善することが出来ると思う」と打ち明けられ、別のランディングページのデザイン変更に関する仕事の依頼が入った。
変更した点:

競合者の数が増え、競争の環境が変わった。それだけでも、デザインを変更する理由としては十分であった。
同社のメッセージおよび製品の宣伝文句を何度か改良した。その結果、ページのビジュアル面の対応に焦点を絞ることが出来るようになった。
また、デザインの制限がなくなった。新しい色、画像を利用することが出来るようになった—つまり、コンバージョンの観点からベストだと思うことを実行することが出来るようになった。

私たちが新たに考案した新しいテンプレートを以下に掲載する:

次にifbyphoneのチームが実際のコンテンツを使って実装したランディングページを紹介する(異なる製品):

主要な変更点

色と画像。 私たちは汎用性を広げるため、色の数を増やし、ビジュアル面の中心としてインパクトのある人の顔を加えた。
コンテンツをコンパクトに表示するように工夫した。 今回のバージョンでは、詳細なコンテンツを拡張後のエリアで提供し、「more」リンクがクリックされると閲覧することが出来るようにした:



コール・トゥ・アクションの複数の提示。 私たちは「直通の電話」コール・トゥ・アクションを3回以上、クリック・トゥ・コールを2回以上繰り返した。それぞれのコール・トゥ・アクションは、言い回しやビジュアルの面で若干異なる。



「クリック・トゥ・コール」コール・トゥ・アクションをさらに明確にした。 私たちは前回のランディングページにおいてこの特定の要素を既に改善していた。しかし、一部のビジターにいまだに理解してもらっていないのではないかと疑問視していた。そこで、この機会を活かし、さらに明確化することにした。



動画の利用。 動画を多変量テストで試していたが、メインのコンテンツの中心としてのパフォーマンスは満足出来るものではなかった。私たちはそれでも価値はあると考えていたため、今回のデザイン変更で右側のコラムに小型化した動画を組み込んだ。


A/Bテストの結果: コンバージョンがさらに2倍改善された。
新しいデザインの単一の製品のA/Bテストが実施され、前回のページをほぼ2X—4.66%から9.78%—上回った。リードの質は変わらなかった。
延長したプロジェクトの結果: Ifbyphoneのキャンペーンにおいて6Xのコンバージョンの改善がみられた。
重要な教訓

コンバージョンの最適化は長期的なイニシアチブであり、1回で終わるような簡単な取り組みではない。
最高の結果を得るためには、レイアウトおよびデザインにおけるメッセージに最大限の注意を払う。
調整だけでは不十分な場合もある。劇的な変更が劇的な結果を生む可能性がある。

これで終わり?
延長されたこのプロジェクトは、メッセージ、コンテンツの表示、追跡、およびデザインにおけるコンバージョンに関する貴重な教訓を私たちに与えてくれた。しかし、その中でも最も重要な教訓を挙げるとするならば、“線路は続くよどこまでも。まだやれることはあるはずだ”になるだろう。


この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


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