3 つの円に接する円は、一般には8 つの解がある。下記の初期配置の例において、8つの目標とする円を全てを図示すると以下のようになる。
方針:
上図のケースにおいて、全ての与円に外接する小さい円を描くための方法を考えてみる。すなわち、下図の青い円(解の一つ)を求めるためのCCC問題を元にする。
これを下図のように、与円3 円に対して、与円のうち一番小さい円の半径分を、それぞれの半径から縮めたCCP問題に一旦変換する。その問題を解いて、CCC問題への復元処理を行えばよい。
しかしCCL問題でも事はそう単純ではなかったように、全てきちんと確認しなければならないだろう。下記の通り、やはり4 つのCCP問題に帰着させることができるのだが、CCP問題の解は4 つあり、単純に復元すれば4*4=16解になってしまう。やはり、復元するために必要な解は二つだけ選択する必要があるのだ。またその二つに対しても復元方法がそれぞれ別で超面倒なのだ。
・帰着させる4つのCCP問題(パターン概説だけ、手順は後で)
以下のAからDまでの4パターンが存在する。
パターンA で採用する方法:
A. 3つの与円全てに対して内接する円と外接する円の二つの解(青円)を導くための方法になる。
①与円のうち半径が一番小さい円C1の半径を r とする
②三つの与円の半径を r 分縮める(円C2’、円C3’、円C1は点に変換される)
③これで一旦CCP問題(赤が初期条件)にして、解を解く(青円4 つが解)
④得られた解の円のうちの二つ(青実円)だけを残す
⑤④の解の大きい円の方は半径 r 分膨らませたものが、元のCCC問題の解の一つ
⑥④の解の小さい円の方は半径 r 分縮めたものが、元のCCC問題の解の一つになる
パターンB で採用する方法:
対象になるのは以下の二つの青円だけが得られる。
①与円C2, C3の半径を r 分だけ膨らませた円を描く(円C2’、円C3’に変換される)
②小さい与円C1は半径 r 分縮める(円C1は点に変換される)
③これで一旦CCP問題(赤が初期条件)にして、解を解く(解は4つ)
④得られた解の円のうちの二つ(青円)だけを残す
⑤④の解の大きい円の方は半径 r 分縮めたものが、元のCCC問題の解の一つ
⑥④の解の小さい円の方は半径
r 分膨らませたものが、元のCCC問題の解の一つになる
パターンC で採用する方法:
①与円C2の半径を r 分だけ膨らませた円を描く(円C2’に変換される)
②与円C3の半径を r 分だけ縮めた円を描く(円C3’に変換される)
③小さい与円C1は半径 r 分縮める(円C1は点に変換される)
④これで一旦CCP問題(赤が初期条件)にして、解を解く(解は4つ)
⑤得られた解の円のうちの二つ(青円)だけを残す
⑥⑤の解の大きい円の方は半径 r 分縮めたものが、元のCCC問題の解の一つ
⑦⑤の解の小さい円の方は半径
r 分膨らませたものが、元のCCC問題の解の一つになる
パターンD で採用する方法:
対象になるのは以下の二つの青円だけが得られる。
①与円C2の半径を r 分だけ縮めた円を描く(円C2’に変換される)
②与円C3の半径を r 分だけ膨らませた円を描く(円C3’に変換される)
③小さい与円C1は半径 r 分縮める(円C1は点に変換される)
④これで一旦CCP問題(赤が初期条件)にして、解を解く(解は4つ)
⑤得られた解の円のうちの二つ(青円)だけを残す
⑥⑤の解の上の円の方は半径 r 分膨らませたものが、元のCCC問題の解の一つ
⑦⑤の解の下の円の方は半径 r 分縮めたものが、元のCCC問題の解の一つになる
・一般解のパターンA(解は二つ)の手順(83手順)
条件:交わらない三つの円C1, 円C2, 円C3(各円の中心C1, C2, C3は既知)
第一段階:CCC問題をCCP問題に帰着させるまで(14手順)
①与円C2から半径 r 分縮めた円C2’を作図する(7)
(「基本作図パターン集」ページの「半径 r1 の円と距離 r2 から、半径 r1 - r2 の円を描く」を参照のこと)
②与円C3から半径 r 分縮めた円C3’を作図する(7)
(「基本作図パターン集」ページの「半径 r1 の円と距離 r2 から、半径 r1 - r2 の円を描く」を参照のこと)
①②ともに途中の作図はすべて省略したが、これで青色の点C1、円C2’と円C3’を通る円を描くCCP問題に変換できた
第二段階:変換されたCCP問題を解く(55手順)
第一段階のゴールの青表示が、こちらのスタート時点の赤表示になる。そして求めたいゴールが青表示になる。但し復元不要な点線青円は描く必要はない。そこで「CCP」ページの「一般解(四つある)のうちまず二つの円を描く方法」の部分を作図すればよい。スタート(赤)とゴール(青)だけ図示しておこう。
第三段階:解いたCCP問題の二つの解からCCC問題の解に変換する(14手順)
第二段階のゴールの青実円が、こちらのスタート時点の赤表示になる。そして求めたい最終解の二つが青円になる。パターンAの場合なので、
①円C3の半径を r 膨らませて円C3' を作図する(7)
(「基本作図パターン集」ページの「半径 r1 の円と距離 r2 から、半径 r1 + r2 の円を描く」を参照のこと)
②円C4の半径を r 縮まらせた円C4' を作図する(7)
(「基本作図パターン集」ページの「半径
r1 の円と距離
r2 から、半径
r1 -
r2 の円を描く」を参照のこと)
パターンB~Dの作図手順:
膨らませたり、縮めたりする組合せが違うだけなので、パターンA と同様の手順で残りの6 円についても作図すればよい。よって総手順数は83手×4=332手順(実際にダブりとかあっても考慮に入れてませんw)
・ その他の解
配置パターン別には、様々なケースがあつようで、とても素人が検証できるようなものではなさそうなので、次の資料の丸写しになるが掲載しておく。探求心の旺盛な方々にあとはお任せして、私はここで終わりたいと思う。
「図形科学ハンドブック 日本図学会編 森北出版 1980年 p92-93」より