矢野経済研究所が4月28日に発表した国内の和・洋菓子、デザート類市場に関する調査結果によると、2023年度の国内の和・洋菓子、デザート類市場規模は前年度比7%増の2兆4248億円、通販の構成比は4.8%(約1164億円)と推計した。

国内の和・洋菓子、デザート類市場規模の推移
国内の和・洋菓子、デザート類市場規模は拡大するとし、2024年度は3.0%増の2兆4975億円に拡大すると予測している。
2023年度は国内外の人流回復で成長、リアル販路は市場拡大も通販は成長鈍化
コロナ禍が収束に向かった2023年度は国内外からの人流が回復し、観光需要、手土産需要が回復したことが追い風に市場は成長したという。原材料高騰に伴う価格改定が多くの企業で実施されたものの、人流回復により値上げによる販売への影響は軽微に抑えられたとしている。
一方、量販店やコンビニエンスストアを中心とした流通系における和・洋菓子やデザート類への自家用需要は、節約志向が徐々に強まったことでやや厳しい市場環境に。アイス類については、温暖化の影響で商戦期が長期化する傾向が見られ、好調に推移した。
流通チャネル別構成比は、百貨店が16.7%、専門店・路面店(ショッピングセンター内専門店含む)が6.1%、量販店が35.8%、CVS(コンビニエンスストア)が19.1%、駅関連が3.9%、空港が3.3%、SA・PA(サービスエリア・パーキングエリア)が1.0%、通販が4.8%、その他(法人需要などを含む)が9.2%。

2023年度の和・洋菓子、デザート類総市場の流通チャネル別構成比
各地で人流が回復したことから、百貨店や交通系チャネルなど、幅広いチャネルで市場が拡大した。量販店やコンビニは堅調に推移し、特にコンビニは来店客数の回復に伴い、2022年度比でプラスに推移した。一方で、通販については伸び率の鈍化が見られたとしている。
2024年市場は成長も節約志向で国内消費は縮小
2024年度の市場は前年比3.0%増の2兆4975億円と予測。和菓子類、洋菓子類は原材料などのコスト上昇が続くなかで、各企業は引き続き価格改定を実施しており、金額ベースの売上高は前年度を上回っているケースも見られるという。
コロナ禍後の人流回復の影響で2023年度は好調であった手土産や観光土産などのギフト需要が一巡。消費者の節約志向が強まるなかで、販売数量や商品単価が下落し、金額ベースで前年割れとなる企業も見受けられるという。
インバウンド(訪日外国人客)需要は好調で、国内消費の縮小をインバウンドでカバーする動きがあるものの、主に日本人需要を中心とする企業は苦戦が目立つ。デザート類では、猛暑や長い残暑、暖冬などにより、アイス類が好調に推移しており、市場全体にプラス影響を与える見通しとした。
調査概要
- 調査期間:2024年11月~2025年2月
- 調査対象:和菓子・洋菓子・デザート・アイス類のメーカー、卸売業、小売業、その他関連団体等
- 調査方法:矢野経済研究所の専門研究員による直接面談(オンラインを含む)、電話によるヒアリング、アンケート調査ならびに文献調査併用
※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム - 通販・ECの業界最新ニュースと実務に役立つ実践的な解説」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:和・洋菓子・デザート類の2023年度総市場規模は7%増の2兆4248億円、通販の構成比は4.8%と推計。2024年度は3.0%増の2兆4975億円と予測
Copyright (C) IMPRESS CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.