オンラインフードデリバリーサービスのDoorDash(ドアダッシュ)、Uber Eatsは、全米で2000店舗以上を展開している大手ホームセンターであるHome Depot(ホームデポ)の実店舗からの配送に対応します。これによりHome DepotはECで注文された商品を実店舗から迅速に配送できるようになります。Home Depotは、最大の競合であるLowe’s(ロウズ)を追随するためにフードデリバリー業者と提携。配送サービスの充実により顧客満足度アップにつなげる考えです。
米国で進むオンラインデリバリー事業者との提携
Home Depotは2025年、自社の配送パートナーを拡大する計画を発表。消費者はDoorDashとUber Eats経由でも、Home Depotの商品を受け取ることができるようになります。
Home Depotの競合であるLowe’sは、Door Dash、Uber Eatsとすでに提携済み。Home Depotはこれに追随して両社と提携し、自社ECサイトに「即日配達」のオプションを追加しました。
Door Dash、Uber Eatsが商品の配送を受注するアプリは、Instacartなど他のサービスと同様に、過去一年間に取り扱う店舗数を増やしてきました。Home DepoとInstacartのパートナーシップは、2024年に全国展開されました。
Home Depoの提携先であるオンラインフードデリバリー事業者のDoor DashとUber Eatsは、食料品や日用品のオンラインデリバリーサービスを提供するInstacart(「インスタカート」)などと同様、2024年から加盟店を拡大。Home Depotは2024年、Instacartと提携しています。顧客はHome Depotが取り扱う商品をInstacartのアプリから注文し、自宅に即日配達することができます。
なお、米国のEC専門誌『Digital Commerce 360』は、Home Depotの年間EC売上高が2025年には239億7000万ドルに達すると予測しています。
Home Depotの年度別EC売上高と成長率(出典:Home Depotの決算発表、『Digital Commerce 360』※2025年の数値は『Digital Commerce 360』の予測
配送オプション拡大で利便性アップ
Home Depotのジョーダン・ブロッジ氏(カスタマーエクスペリエンス担当エグゼクティブ・バイス・プレジデント兼オンライン担当プレジデント)は、スピード配送を実現するDoorDashの配送プラットフォームと、Home Depotの既存の「当日配達」または「翌日配達」オプションを組み合わせることで、顧客のニーズにより適した購入体験を提供し、利便性をさらに高められると説明しています。
お客さまの利便性アップにつながるデジタル技術を活用し、他社との連携を強化することで、お客さまに企業間をまたいでシームレスなショッピング体験を提供していきます。(Home Depot ジョーダン・ブロッジ氏)
同様に、ブロッジ氏は別の発表で、「Home Depotと他社の連携による、顧客にとってシームレスなショッピング体験」と、購入につながるより多くの選択肢を顧客に提供することが、Home DepotがUber Eatsとも提携を結ぶ動機になったと説明しています。
Home Depotが運営するECサイト「HomeDepot.com」で現在提供している「当日配達」「翌日配達」のサービスを、Uber Eatsの迅速な配送プラットフォームで補完することで、お客さまのニーズに合わせて、より多くの購入ルートや配送オプションを提供することができます。(ブロッジ氏)
全米2000店舗から迅速に配達
Home Depotは、DoorDashを通じて、ECや米国内にHome Depotが展開している2000以上の実店舗で買い物をする消費者と法人に、注文した商品の当日配送サービスを提供することをめざします。
協業により、「HomeDepot.com」で注文した商品は顧客のもとにスピーディーに届くようになる(画像はHomeDepotのコーポレートサイトから編集部がキャプチャして追加)
Home Depotは、当日配送オプションが、利用者にとって今後はより便利になることを期待しています。注文した商品が即日配送されることは、ホームセンターを利用する顧客の一部にとって付加価値となり得ます。たとえば法人の顧客が、自社のプロジェクトや、そのほかの理由で急ぎの資材が必要な場合などです。
DoorDashのマイク・ゴールドブラット氏(新規パートナーシップ担当副社長)は、自社とHome Depotの提携を次のように説明しています。
Home Depotの商品を買い求める、DIYを楽しむ一般のお客さまや、プロの業者が、その時必要なホームセンター用品にすぐにアクセスできるようになることを嬉しく思います。ユーザーの求めに応じて配送サービスを提供する、DoorDashのオンデマンドデリバリーは、お客さまのタイムパフォーマンスと、「必要なものが手元にない」状況のストレスを軽減することが可能です。(DoorDash 新規パートナーシップ担当副社長 マイク・ゴールドブラット氏)
Uber Eatsは、Home Depotの店舗から配達する商品に関して、DoorDashと同様のコメントを公表しています。
Home Depotとの提携は、消費者の生活のより多くの場面で、デリバリーを通じてUber Eatsのサービスを提供する新たな一歩になります。Home DepotとUber Eatsは協力してお客さまのご不便や課題を取り除き、必要な商品を、Uber Eatsがこれまでに築いてきた信頼性とともに、スマホやPCからオンラインで簡単に入手できるようにします。(Uber Eats 北米食料品・小売デリバリー部門責任者 ハシム・アミン氏)
DoorDashと同様に、Uber Eatsは、Home Depotの全米2000以上の実店舗からの配達を扱います。これらの配達は時間指定が可能で、注文した商品の配送状況はアプリを通じて追跡することもできます。
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オリジナル記事:オンラインフードデリバリーが実店舗とネット通販での購入商品を当日配送する米国の最新ラストワンマイル事情 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ
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