ECカートの提供などを手がけるジャクスタポジションは5月29日、ECサイト担当者・ECサイト利用者それぞれを対象にした「ECサイト利用時の会員登録」に関する意識調査の結果を公表した。調査によるとECサイト利用者の約9割にとって会員登録が負担となっていることがわかった。
調査期間は2024年5月1日(水)~2024年5月2日(木)。自社ECサイトを運営している担当者526人と、よくECサイト利用する消費者であると回答したモニター517人の計1043人を対象にインターネット調査を行った。
EC担当者の意識
ECサイト担当者に、「ユーザーの会員登録は必要だと思いますか?」と質問(システムの仕様上の必要性ではなく根本的に必要性を感じているかどうかを問うという意図)したところ、「とても思う」(52.5%)「やや思う」(43.4%)「あまり思わない」(4.1%)と続いた。ECサイト担当者の9割超がユーザーの会員登録は根本的に必要性を感じている。
EC担当者の9割が会員登録は根本的に必要なものと認識
「会員登録がユーザーにとって負担になっていると感じることはありますか?」と聞いたところ、91.6%が「ある」と回答。複数回答可で理由を聞くと、「会員登録ページでの離脱率が高い」(60.8%)「カゴ落ち率が高い」(46.7%)が続いた。
EC担当者は会員登録ページの離脱やかご落ちの高さからユーザー負担を実感
登録された会員情報の分析活用について「登録された会員データを活用できていますか?」と質問。「活用しているものの、有効的には活用できていない」(52.9%)「有効的に活用できている」(42.4%)「活用できていない」(4.7%)となり、約6割が会員データの活用方法に課題を感じている。
会員情報の有効活用トップは「顧客ニーズの把握」
次に、会員データの活用ができていると回答したEC担当者に活用方法も聞いた。その結果、「顧客ニーズの把握」(49.7%)が最も多く、次いで「パーソナライズしたメルマガ・DM配信」(43.9%)「アップセル・クロスセルの促進」(38.9%)となった。
EC利用者の意識
一方で、ECサイト利用者側の意識はどうなっているか。
「ECサイトで会員登録を行いますか?」との質問には、「必ず登録する」(42.8%)「やむを得ず登録する」(43.3%)「あまり登録しない」(12.2%)「まったく登録しない」(1.7%)という回答結果に。半数弱が会員登録は「やむを得ずするもの」と考えていることが明らかになった。
会員登録する人の半数が「必須だった」から登録
「必ず登録する」「やむを得ず登録する」の回答者に登録理由を聞いたところ、「ポイントが貯まる」(69.7%)「割引が得られる」(64.7%)「会員登録が必須だった」(52.6%)となり、ポイントの獲得や割引といったメリットを感じてする利用者がいる一方で、会員登録必須という消極的な理由で会員登録を行っているケースが多い。
次に、「あまり登録しない」「まったく登録しない」の回答者に理由を聞いたところ、「個人情報の扱いが心配(50.0%)」「不要な案内メールが増える(47.2%)」「面倒だから(37.5%)」と続いた。
また「会員登録が面倒でECサイトの利用/購買をやめた経験」についても質問。その結果「ある」の回答が52.0%と半数を超えた。会員登録のイメージについて聞いた設問では、「面倒かつ、不要な案内メールが増えるので煩わしい」(52.6%)「個人情報の管理がちゃんとされているか心配」(51.1%)と続いた。
会員登録は「メールが煩わしい」「セキュリティが心配」といったネガティブなイメージが多い
ジャクスタポジションでは調査結果を踏まえて、リピートしにくい商品や再購入までの期間が長い商品などを販売しているECサイトでは、会員登録によるポイント付与や割引などは利用者にとってメリットになりにくい場合もあると指摘。「顧客ニーズの把握などは必ずしも会員登録を必要とはしないことからも、収集した顧客データの活用方法と管理方法を含め、会員登録の必要性を見直す必要があるのではないか」と総括している。
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オリジナル記事:EC利用者の5割強、会員登録は「面倒かつ不要メールが増え煩わしい」。EC担当者の9割「会員登録はユーザーにとって負担」
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