「eBay」アワード受賞者に学ぶ越境ECのヒット事例。成功企業はどのように海外販路を拡大しているのか? | ネットショップ担当者フォーラム

ネットショップ担当者フォーラム - 2024年3月25日(月) 10:30
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越境ECのマーケットプレイス「eBay(イーベイ)」を運営するイーベイ・ジャパンは、2023年度に優秀な成績をあげた日本の販売者を表彰するアワード「eBay Japan Awards 2023」を開催した。受賞企業のコメントから、越境ECで成果をあげるためのヒントをまとめる。

「eBay Japan Awards」とは?

「eBay Japan Awards」は日本の「eBay」販売事業者を対象に、2023年の販売実績、バイヤー(購入者)評価、年間での成長率、商品カテゴリーごとの成績などを選考基準に優秀なセラーを選定し表彰するアワード。6つの部門で構成している。

従来の表彰カテゴリーのほか、2023年は多国展開に挑戦し売上アップに成功した販売者を顕彰する「eBaymag アワード」、優れた顧客体験を提供した販売者を顕彰する「Great Buyer Experience Award/顧客満足度 アワード」を新設。延べ16社(者)の販売事業者を選出した。「eBay Japan Awards 2023」 の受賞者は次の通り。

  • セラー・オブ・ザ・イヤー:シュッピン
  • ニューセラー・オブ・ザ・イヤー:槇田 晴吾氏(個人)
  • カテゴリーグロースアワード:JFA/aonohappa/コメ兵/リフォート/コレクト/大網/MondoLife/Laffey/シュッピン/槇田 晴吾氏(個人)/レイ氏(個人)
  • eBaymag アワード:The Current
  • ベストマーケティング アワード:BRICKS International
  • Great Buyer Experience Award/顧客満足度 アワード:シュッピン

アワードに登壇したイーベイ・ジャパン代表取締役社長の岡田雅之氏は、アフターコロナの市況などを振り返り、「2023年のEC市場は苦しい状況だったと思うが、そんななか、日本の販売者の流通量は2桁成長した。国内販売者のパワーアップが著しくみられ、大きく飛躍した」とコメントした。

イーベイ・ジャパン 代表取締役社長 岡田雅之氏イーベイ・ジャパン 代表取締役社長 岡田雅之氏
Seller of the Year/セラー・オブ・ザ・イヤー シュッピン Map Camera

「セラー・オブ・ザ・イヤー」は、2023年の「eBay」における販売実績、バイヤーからのフィードバックなどの総合的評価トップの販売者に贈る最優秀賞。2023年に続きシュッピンを選出した。

「Map Camera」トップページ(画像はサイトから編集部がキャプチャ)「Map Camera」トップページ(画像はサイトから編集部がキャプチャ)

消費者によるカメラのトレンドとして、「スマホ以外のツールで、カメラを使ってきちんと撮影しよう」という専門性の高い嗜好が進んでいるように思います。

外国のお客さまによる利用は増えていると感じています。国内の実店舗に来店するお客さまは、半分以上がインバウンド客のこともあります。(シュッピン グローバル戦略部長 小野新平氏)

シュッピン グローバル戦略部長 小野新平氏(左の人物)シュッピン グローバル戦略部長 小野新平氏(写真左)
New Seller of the Year/ニューセラー・オブ・ザ・イヤー 槇田 晴吾氏(個人) JapanGolf Ayasetrade

「ニューセラー・オブ・ザ・イヤー」は、2022年以降に「eBay」で販売をスタートし、最も売り上げを伸ばした法人販売事業者と個人販売者にそれぞれ贈る新人賞。個人で活動している槇田晴吾氏が受賞した。

「JapanGolf Ayasetrade」トップページ(画像はサイトから編集部がキャプチャ)「JapanGolf Ayasetrade」トップページ(画像はサイトから編集部がキャプチャ)

ゴルフの市況は、国内で「少し前によく売れたもの」が、越境ECでも引き合いが伸びている印象。国内の市場に出回った人気モデルを、後から海外の方が買う、という買われ方がトレンドのように思います。自分は国内のEC企業に15年ほど務めた経験があるので、その経験を生かしつつ、なるべく単価の高い商品を扱うようにしています。そのことが自身の効率的な運営につながっていると考えています。(槇田晴吾 氏)

槇田晴吾 氏槇田晴吾氏(写真左)
カテゴリー グロース アワード

高い成長率を記録し、他の販売者の手本となるような販売活動によって高い顧客満足度を獲得した法人・個人の販売者に贈る賞。法人ではJFA、aonohappa、コメ兵、リフォート、コレクト、大網、MondoLife、Laffey、シュッピンが受賞した。個人では槇田晴吾氏、レイ氏が受賞した。

スニーカー、ビデオゲームのカテゴリー受賞企業には、2023年と同じくリフォート、MondoLifeが選出された。

【ハンドバッグ】JFA Brand JFA
「Brand JFA」トップページ(画像はサイトから編集部がキャプチャ)「Brand JFA」トップページ(画像はサイトから編集部がキャプチャ)

出品している商品の画像のクオリティを向上させるなど、従来取り組んできたことをさらにより良くするように努めてきました。オークション形式の販売スタイルで売り上げを確保しつつ、さらに利益を伸ばすようにしています。(JFA COO 板倉 慎哉氏)

【時計】aonohappa hiroki-japan
「hiroki-japan」トップページ(画像はサイトから編集部がキャプチャ)「hiroki-japan」トップページ(画像はサイトから編集部がキャプチャ)

出品数の増加と広告の利用に重きを置きました。従来は使用してこなかった広告や販促ツールの導入効果により、インプレッションとページビューアーにかなりの向上が見られました。(aonohappa マネージャー 小栗政司氏)

【ジュエリー】コメ兵 KOMEHYO
「KOMEHYO」トップページ(画像はサイトから編集部がキャプチャ)「KOMEHYO」トップページ(画像はサイトから編集部がキャプチャ)

EC事業では越境ECに最も注力しました。円安の市況も後押しし、想定以上に成長することができました。価格以外の面でも満足していただけるよう「たくさんの商品を継続的に出品する」「お客さまとの対応は国内ECと同様に丁寧に行う」「発送は早く」を心がけました。(コメ兵 WEB事業部 部長 甲斐真司氏)

【スニーカー】リフォート RioxxRina Japan Sneakers
「RioxxRina Japan Sneakers」トップページ(画像はサイトから編集部がキャプチャ)「RioxxRina Japan Sneakers」トップページ(画像はサイトから編集部がキャプチャ)

前年に続き、このアワードを2年連続受賞することを目標に取り組んできました。常にトップのスニーカーセラーとして先頭を走り続けること、そして圧倒的な差をつけることを意識しました。(リフォート 代表取締役 下元敬介氏)

【コレクティブル・カードゲーム】コレクト Animart Japan
「Animart Japan」トップページ(画像はサイトから編集部がキャプチャ)「Animart Japan」トップページ(画像はサイトから編集部がキャプチャ)

2023年9月に実店舗のカードショップをオープンしました。試行錯誤を繰り返しなんとか形になってきたところです。カードショップの運営を始めた事でイーベイでの販売にもたくさんのプラスがありますので、今後はその相乗効果でどちらも伸ばしていきたいです。(コレクト 代表取締役 太田陽介氏)

【アニメグッズ】​大網 AmiAmi Japan
「AmiAmi Japan」トップページ(画像はサイトから編集部がキャプチャ)「AmiAmi Japan」トップページ(画像はサイトから編集部がキャプチャ)

現在の売上高は400億円規模。そのうち、2023年は海外比率が初めて50%超となりました。海外のお客さまからの引き合いが高まっています。商品の仕入れに当たっては、メーカーとの関係性を築き、流通が限定されている商品や、大網でしか販売できない商品などを広く扱っています。これにより、海外からの「指名買い」をいただくような施策を行ってきました。(大網 あみあみ事業部 広報PR室 統括 岩永 梓 氏)

【ビデオゲーム】​MondoLife Samurai_Game.Shop
「Samurai_Game.Shop」トップページ(画像はサイトから編集部がキャプチャ)「Samurai_Game.Shop」トップページ(画像はサイトから編集部がキャプチャ)

前年に続く2年連続の受賞となり、嬉しく思います。イーベイの販売にでは、商品の配送スピードの向上に力を入れました。また、ハンドリングタイムの調整や、スタッフの増員も実施しました。(​MondoLife 代表取締役 北島大地氏)

【自動車パーツ】​Laffey(ラフィ) car-jp.sushi
「car-jp.sushi」トップページ(画像はサイトから編集部がキャプチャ)「car-jp.sushi」トップページ(画像はサイトから編集部がキャプチャ)

イーベイで自動車パーツの販売を開始したのは約2年前。前職は教員だったため、異業種からのスタートでした。一番の壁は英語でしたが、海外のお客さまにどのような需要があるかを考えながら運営してきました。販売に当たっては、出品数を増やすことを意識。足元の2024年の売上高推移は、前年同期間の2倍以上となっています。(Laffey 代表取締役 荒木 誠 氏)

【カメラ】​シュッピン Map Camera

「セラー・オブ・ザ・イヤー」の受賞と重複し、カメラカテゴリーでもシュッピンが「カテゴリー グロース アワード」を受賞した。

【スポーツ用品】​槇田 晴吾氏(個人) JapanGolf Ayasetrade

「ニューセラー・オブ・ザ・イヤー」の受賞と重複し、スポーツ用品カテゴリーでも​槇田 晴吾氏が「カテゴリー グロース アワード」を受賞した。

【楽器】レイ氏(個人) L'amitie Store
「L’amitie Store​​​​」トップページ(画像はサイトから編集部がキャプチャ)「L'amitie Store」トップページ(画像はサイトから編集部がキャプチャ)

2023年は着実にビジネス品質のベースアップに注力してきました。そのなかで最も力を入れたことは、顧客対応体制の構築と梱包発送体制の最適化です。迅速で正確な情報提供や安全かつ効率的な商品の発送により、お客さまに信頼感を提供し、顧客満足度を向上させました。このことがお客さまとの深い関係を築くと同時に、業績向上にも大いに貢献しました。(レイ氏)

「eBaymag アワード」「ベストマーケティングアワード」「Great Buyer Experience Award/顧客満足度 アワード」受賞企業
「eBaymag アワード」「ベストマーケティングアワード」「Great Buyer Experience Award/顧客満足度 アワード」の受賞者「eBaymag アワード」「ベストマーケティングアワード」「Great Buyer Experience Award/顧客満足度 アワード」の受賞者
【eBaymag アワード】​The Current Obsolete Racing JDM

eBayが提供する、米国以外の国(最大8か国)に同時出品できるツール「eBaymag」を活用して多国展開に挑戦し、米国サイト以外での売り上げを伸ばした販売者に贈られる賞。The Currentを選出した。

「Obsolete Racing JDM」トップページ(画像はサイトから編集部がキャプチャ)「Obsolete Racing JDM」トップページ(画像はサイトから編集部がキャプチャ)

商品を購入するバイヤー(お客さま)にとっては、「最高の購入体験」も大切ですが、「最高の返品体験」も大切であることを、前職の某外資系スーパーで学びました。返品だけではありません。即日発送によって「国内で購入するよりも早く入手できた」と感謝されたこともあります。2023年は社内オペレーションを大きく変え、バイヤーとの連絡をしっかり取ることに力を入れました。(The Current 代表取締役 若林誉弘氏)

【ベストマーケティングアワード】​BRICKS International BRAND Revolution by NEXT INNOVATION

イーベイの広告ツールを活用して最も売り上げや露出を伸ばした販売者に贈られる賞。BRICKS Internationalを選出した。

「BRAND Revolution by NEXT INNOVATION」トップページ(画像はサイトから編集部がキャプチャ)「BRAND Revolution by NEXT INNOVATION」トップページ(画像はサイトから編集部がキャプチャ)

お客さまにとっては大切なたった1つの商品であることを意識し、梱包やカスタマーサポートなど全ての作業を1つひとつ丁寧に進めるよう、スタッフ全員が強く心がけました。(BRICKS International 海外事業部長 平山 翼 氏)

【Great Buyer Experience Award/顧客満足度 アワード】​シュッピン
Map Camera

シュッピンでは「お客さまのご要望にいかにお応えするか」を大事にしており、イーベイにもその部分を高く評価していただけたのは非常に嬉しく思っています。まだまだ改善の余地はあると思っているので、チームで意見を出し合いながら、今後もより良いサービスを提供してきます。(シュッピン グローバル戦略部長 小野新平氏)

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オリジナル記事:「eBay」アワード受賞者に学ぶ越境ECのヒット事例。成功企業はどのように海外販路を拡大しているのか?
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