電通が発表した「2023年 日本の広告費」によると、2023年における日本の総広告費は前年比3.0%増の7兆3167億円となり過去最高を更新した。このうち、インターネット広告費(インターネット広告媒体費、物販系ECプラットフォーム広告費、インターネット広告制作費の合算)は同7.8%増の3兆3330億円で過去最高となり、日本の総広告費の45.5%を占めている。
日本の総広告費の推移
媒体別広告費(2021年~2023年)
インターネット広告関連
インターネット広告費から、インターネット広告制作費、物販系ECプラットフォーム広告費を除いたインターネット広告媒体費は、ビデオ(動画)広告やデジタル販促の伸長に伴い、同8.3%増の2兆6870億円。
インターネット広告媒体費を広告種で見ると、検索連動型広告は初めて1兆円を突破し、同9.9%増の1兆729億円、構成比では最も高い39.9%だった。ディスプレイ広告は同4.5%増の7701億円(構成比28.7%)、ビデオ(動画)広告は同15.9%増の6860億円(同25.5%)。
「物販系ECプラットフォーム広告費」は同10.1%増の2101億円。ECでの購買が消費者に定着したことで、前年に続き2ケタで成長。コロナ禍で活発化したEC需要が徐々に落ち着き、主に巣ごもり需要で伸長した家電やインテリアなどの業種は低調な推移だったという
マスコミ四媒体広告費
新聞、雑誌、ラジオ、テレビメディアの広告費の合算(それぞれの広告費には制作費も含む)は同3.4%減の2兆3161億円。
内訳は、新聞広告費が同5.0%減の3512億円、雑誌広告費が同2.0%増の1163億円、ラジオ広告費は同0.9%増の1139億円、テレビメディア広告費(地上波テレビ+衛星メディア関連)は同4.0%減の1兆6095億円。衛星メディア関連の広告費は同0.1%増の1252億円となった。
プロモーションメディア広告費
屋外、交通、折込、DM、フリーペーパー、POP、イベント・展示・映像ほかを合算したプロモーションメディア広告費は、同3.4%増の1兆6676億円。
新型コロナの5類感染症移行に伴う各種イベントの再開や大規模化、複合型商業施設やテーマパークなどにおける催事企画の増加により「イベント・展示・映像ほか」が増加した。また、大型でインパクトのある企画が増加した「交通広告」「屋外広告」もプロモーションメディア全体の成長に寄与した。
プロモーションメディア広告費のうち、DM(ダイレクト・メール)は同8.2%減の3103億円。新型コロナの5類感染症移行に伴う人流回復や対面営業の増加で、これまでDMで代替されていた在宅向けやBtoB営業目的の需要が減少。印刷資材の高騰により、より効果的なDMを求める動きが活発化し、発送数の削減から前年に比べて大きく減少した。
通信販売を中心とした流通・小売は、前年に続き堅調に推移。金融・保険は、生活の見通しの不透明さや、新型金融商品などへの期待から増加した。データマーケティングを活用したパーソナライズDMや、デジタル施策と連動したDMが多くみられた。
無宛名便DMは、折込広告の代替としての利用が進んだ。広告主からは単なる配布数量だけでなく、配布されたかどうかの裏付けなど配布品質への要求が高まったとしている。
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オリジナル記事:【2023年の広告費】ネット広告は約3.3兆円で約8%増、マスコミ四媒体広告は2.3兆円で3.4%減。物販系ECプラットフォーム広告は2100億円で2ケタ成長
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