アマゾンジャパンはこのほど、「多様性が加速させる中小企業のイノベーション」をテーマとしたセミナーイベント第9回Amazon Academyを開催した。
イノベーションの創出に必要な経営を議論
Amazon Academyは、日本社会や企業が抱える課題をテーマに取り上げ、産学官の視点から、課題の解決策やめざすべき方向性について考えるイベント。第9回は、イノベーションを創出するために必要な「パーパス経営」の重要性、多様性を尊重する経営やビジネス環境がいかに日本の発展に寄与するかなどを議論した。
講演では、経済産業省 経済産業政策局 経済社会政策室長の相馬知子氏、一橋大学大学院 経営管理研究科 客員教授の名和高司氏といった識者が登壇。そのほか、パネルディスカッションには、経営理念にパーパスを反映することでイノベーションを創出している企業が登壇した。スピーカーを以下の通り。
- 株式会社創通メディカル 代表取締役社長 薛 明鶴氏
- 株式会社西山酒造場 取締役女将 西山 桃子氏
- 株式会社ヘラルボニー 代表取締役社長 松田 崇弥氏
左から経済産業省の相馬氏、創通メディカルの薛氏、西山酒造場の西山氏、ヘラルボニーの松田氏、モデレーターのフリーアナウンサー。相馬氏はパネルディスカッション後の質疑応答の際に登壇した
西山酒造場は1849年創業。創通メディカルは、健康器具、美容器具の企画・製造・販売などを手がけ、代表取締役社長の薛氏は中国・山東省の出身。ヘラルボニーは、知的障害がある人のアート作品をアパレル商品のデザインに取り入れた自社ブランドを展開する。
イノベーションの創出におけるEコマースの役割と可能性について、創通メディカルの薛氏は、Eコマースは今後さらに進化すると見ている。
日本と中国を行き来するようになり、ビジネスへのアプローチに違いを感じるなか、Eコマースを通じてブランドの10年先の発展を考え、日本の医療専門家の知識と中国の技術を生かしたモノづくりで世界の役に立ちたい。(創通メディカル 薛 氏)
ヘラルボニーの松田氏は「日本全国や世界中の顧客を視野に入れたビジネス展開をめざす企業とEコマースの相性は非常に良い」と説明。次のように続けた。
Eコマースの役割には「お客さまの気持ちをコンバージョンする場」のみならず、「現場での盛り上がりを可視化する箱」という意味もある。(Eコマースを通じて)作家のライブペインティングやポップアップストアの様子を伝えることができる。(ヘラルボニー 松田氏)
西山酒造場の西山氏は、商品購入客が「蔵元を訪れたい」と店舗に足を運ぶケースが多いと話し、「自分たちの力だけでは知り合えなかったお客さまとEコマースを通じて出会い、リアルでもつながることができている」(西山氏)と言う。
イベントの冒頭であいさつしたアマゾンジャパン社長のジャスパー・チャン氏は、「テクノロジー、人材、そしてパーパスが重なりあうところに、ビジネスの次なる成長がある。中小企業は日本経済を支え、そして発展をけん引する重要な役割を果たしている」と話し、「今回のAmazon Academyが、パーパスを持ちながらDEI(多様性、公平性、包括性)を尊重したイノベーション文化を育むきっかけとなれば」と続けた。
アマゾンジャパン 社長 ジャスパー・チャン氏
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オリジナル記事:イノベーションを生み出す“パーパス経営”を実現する考え方とは? 識者がディスカッション【第9回Amazon Academy】
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