EC市場の拡大、キャッシュレス決済の浸透で、新たな決済サービスが次々と台頭してきている。「自社の事業に適したスマホ決済サービスは何か」「たくさんあって何があるかわかりにくい」――。こんな悩みや課題を抱える事業者さんは少なくないだろう。そこで、「現金」「カード」「スマホ」という決済の3大ツールのなかから、「スマホだけで利用できる決済」に焦点を絞り、カオスマップを作成した。(企画・編集 : ネットショップ担当者フォーラム 協力 : ネットプロテクションズ)
EC事業者が知っておくべきスマホ決済の重要性
スマホ決済カオスマップ2023
非クレカ層のニーズを捉える
さまざまな決済手段が登場し、それがECサイトの利便性、顧客満足度を左右する時代に突入。ジャックス・ペイメント・ソリューションズが2022年に実施した調査では、ネットショッピングの利用時に希望する決済手段がない場合、6割以上がそのECサイトでの購入を見送る、いわゆる「カゴ落ち」が発生するというデータが出ている。
これからのEC事業者にとって、決済手段の拡充は避けられないテーマと言えるが、具体的にどのような決済サービスを準備しておくべきなのか。
スマホ決済が浸透する前のECサイトでは、クレジットカードが代表的な決済方法であり、それを補完する形で銀行振込やコンビニ前払い、代金引換などが用意されているケースが多かった。
クレジットカードを持っていない、あるいは持っていてもECサイトで利用したくないユーザー層(非クレカ層)が一定数存在。それを補完する決済手段として、銀行振込やコンビニ前払いなどが利用されていた。
この構図は現在も変わっていない。クレジットカードは最も利用されている決済手段ではあるものの、一定数存在する非クレカ層に加え、昨今の不正アクセスによる情報漏えいや不正利用の増加でセキュリティに不安を持つ層も増えつつある。
こうした状況を踏まえると、EC事業者はカオスマップで左側に配置した「クレジットカード不要」と、右側の「クレジットカード連携」のスマホサービスとをバランス良く提供していくことが重要なポイントになるだろうと考えられる。
ユーザーの利便性、良い買い物体験の向上に寄与するスマホ決済
もう1つ押さえておきたい視点は「ユーザーの利便性」「良い買い物体験」だろう。消費の多様化が進むなか、ターゲット購買層のライフスタイルや特性に合う決済サービスの提供は必要不可欠。それが利便性向上、良い買い物体験の向上につながると言える。
カオスマップを見ると、「EC+リアル店舗」の両方で使える上下中央にある決済サービスが、利便性向上、良い買い物体験の向上の実現を支援する決済手段。ほかには、ユーザーニーズが増えている「後払い決済」も利便性向上、良い買い物体験の向上に直結すると言われている。
ECサイトの「利便性向上」「顧客満足度向上」「良い買い物体験の提供」は、最終的に潜在顧客を「カゴ落ち」させないことにつながる。自社の顧客にとってストレスのないインターフェースや機能など、ユーザーニーズと照らし合わせた決済サービスを選択していってほしい。
「スマホ決済カオスマップ2023」の見方
カオスマップ制作にあたり、スマホ決済サービスは「スマホだけで利用できる決済」と定義し、大きく4つの軸で整理した。
①使える場所は「EC」か「リアル店舗」か ②クレジットカードは「不要」か、あるいは「連携」して利用するサービスか ③使用方法は「コード式(QR/バーコード)」か「タッチ式(かざすだけ)」か、あるいは「ID決済(ログインするだけ)」か――によって各サービスを配置してまとめた。なお、購入代金の支払いは「前払い」「即時払い」「後払い」のどれかがわかるようにマーク表示した。
主要サービスを中心に、基本機能と利用できる場面で各スマホ決済がどんなポジションにカテゴライズされるかという視点でまとめている。また、「スマートフォンだけで利用できる機能であること」「リアル店舗での利用は幅広い店舗で使えるもの(限定的な店舗だけ利用できる場合は省略)」「プリペイド電子マネーにクレジットカードの後払いでチャージする場合は、購入代金を後払いで払っているのではなく前払いでチャージした金額で払っているものとみなし、前払いとする」という基準で整理している。情報は2023年2月時点。
※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム - 通販・ECの業界最新ニュースと実務に役立つ実践的な解説」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:「〇〇Pay」台頭の “決済新時代”「スマホ決済カオスマップ2023」大公開
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