パルコは、3月16日にECサイトをリニューアルオープンした。名称を「ONLINE PARCO(オンラインパルコ)」に変更。共創型ECサイトへと刷新し、パルコの独自コンテンツの発信、実店舗業務の効率化、ユーザーの利便性向上、越境ECの強化を進める。
リニューアルでパルコの独自性を発信、ファン作りにつなげる
「オンラインパルコ」は2022年11月に先行オープン。店舗での買い物ポイントサービス「PARCO POINT(パルコポイント)」、パルコが提供するさまざまなサービスのIDを統合した顧客サービス「PARCO MEMBERS(パルコメンバーズ)」を展開している。
2022年11月から展開している「PARCO MEMBERS」
パルコの上岡靖弘氏(CRM推進部 部長)は、「ID統合により、リアル・オンラインの顧客データを一元管理し、データ取得、示唆・分析、コミュニケーションの構築を可能にする」と話す。
これまで、CSとしての売り上げ補完がECの役割だったが、独自コンテンツの提供をめざす。パルコの実店舗がないエリアにおいても楽しさや独自性を伝えていき、パルコの魅力を感じてもらいたい。(上岡氏)
CRM推進部 部長の上岡靖弘氏
デザインの柔軟性向上のため、ヘッドレスコマースを採用。商品詳細画面、カート・決済画面、購入履歴、「PARCO ID」登録などはデザインを統一しつつ、トップページごとのデザイン性に自由度を持たせることで、ユーザーと出店テナントのニーズに合わせた販売コミュニケーションを実現する。
「ONILE PARCO」の画面イメージ
販売メニュー拡大、決済手段の拡大、越境ECを強化
リニューアルで、表示速度改善、検索性の向上といった基本機能を改善。さらに、決済手段を従来の2種類からQRコード決済の「ポケパル払い」を含む5種類に拡大し、ユーザーの利便性向上をめざす。
パルコが提供するQRコード決済「ポケパル払い」(画像は「パルコポイント」のサイトからキャプチャ)
越境EC強化として、海外向け代理購入サービス「Buyee」を導入。ショップのトップページや商品詳細ページを「英語」「中国語(繁・簡)」「韓国語」に翻訳する。
成長分野から見えた課題解決に向け、新機能を追加
販売メニューには、電子チケット機能、抽選販売の機能、来場限定販売などの機能を追加。こうした機能を追加した背景について、パルコの林謙一氏(執行役員 営業政策部、宣伝部、CRM 推進部担当)は「コロナ禍で実店舗を閉店していた際、ECを使って営業できたことで、ECの重要性を再認識した」と話す。
一方、アート、アニメ、カルチャー系の売り上げが伸長。ポップアップストアなどを積極的に実施したこともあり、年間取扱高はコロナ前と比べて1.7倍、企画本数も1.5倍に増加したという。しかし、「成長分野の成果がみえてきたなかで、課題も見つかった」と林氏。
密を回避する、人の多いところには足が向かないお客さまも一定数いる。運営側として会場の密回避のために人数を制限する必要があった。しかし人数を制限すると待機列で密ができてしまうため、事前予約制を導入するなど対策を行ってきた。
また、人気が高いほどチケットが購入できない、グッズが買えないという課題もあった。こうした課題を解決する一助としてECプラットフォームを活用していく。(林氏)
執行役員 営業政策部、宣伝部、CRM 推進部担当の林謙一氏
今後は、「PARCO」出店ショップによる商品販売に加え、パルコが実施するイベントやコンテンツのオリジナル商品、期間限定ショップ(POPUPショップ)のオンライン出店などを行う予定だ。
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オリジナル記事:パルコがECサイト「ONLINE PARCO」を刷新。独自コンテンツ発信でファン作りをめざす共創型ECの取り組みとは
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