「Pinterest」は世界で毎月4億5000万人以上がファッションやビューティー、レシピ、インテリアのヒントなど、暮らしに役立つアイデアを画像や動画で探すために活用しているビジュアル探索ツールです。日本では2021年5月からテレビCMを開始。国内利用者の認知度や利用率が増加している「Pinterest」のビジネス活用について解説します。
「Pinterest」ユーザーの特性とSNSとの違い
「Pinterest」はWeb上やサービス内で見つけた動画や画像を保存、整理、そして共有できるサービス。ユーザーの利用方法は、自ら画像をアップするよりも、サービス内で見つけた好きな動画や画像をPin(ピン、保存)して収集、「ボード」(写真や動画をコレクションする機能)に整理して保存するのが一般的です。
「Pinterest」の利用イメージ
気に入った画像や動画を保存(ピン)すればするほどに独自の機械学習がユーザーの好みを学習し、どんどん気に入ったモノに出会えるようにパーソナライズされます。
「Pinterest」を使うユーザーの目的は、商品のカタログを見るかのように意欲的な思考で、次に欲しい物を見つけたり、未来の計画を立てるのが一般的。プラットフォームに展開される商品やサービスなどのビジネスコンテンツは、ポジティブに受け取られる傾向にあります。「Pinterest」のコンテンツの75%はブランドや企業が作成したピン(事業者がビジネスに活用するために開設したアカウントを使いピンした画像)です。
ソーシャルメディアはエンターテイメントやコミュニケーション目的に使われることが多いですが、「Pinterest」は異なります。「Pinterest」ユーザーはエンターテイメントや友人や他のユーザーとの交流を求めているわけではなく、積極的に新しく挑戦したいモノを見つけ、見つけたブランドから商品を購入しようとしているのです。
実際に、毎週「Pinterest」利用ユーザーの84%が、まだ購入を決めていない商品やサービスについて検討するために「Pinterest」を使っているというデータもあります。こうしたユーザー特性が他のプラットフォームとの大きな違いです。
また、コンテンツはタイムライン型でなくストック型であることも他のプラットフォームとの違いの1つです。ユーザーのエンゲージメントをもとに好みを理解しオススメコンテンツを提供する仕組みのため、アカウントのフォロワー以外にもリーチできます。
EC事業者などがビジネス利用するメリット
EC事業者などビジネスとして活用したい企業向けには、無料ビジネスアカウントに登録した事業者の自社ECサイトで掲載している商品画像などがピンされた際、商品価格や在庫有無などを表示する「プロダクトピン」などの機能を搭載。
ホームフィードには、利用者の閲覧行動を軸に、AI(人工知能)が趣味・嗜好を推測し、パーソナライズした画像・動画コンテンツ(=ピン)を表示、ピンをクリックすると、そのコンテンツの掲載元(ECサイトなど)へリンクして移動できるように設計されています。
つまり、ECサイト上の画像や動画がユーザーにピンされればされるほど、目に留まりやすくなり、「Pinterest」からECサイトへの流入が増えていきます。
「Pinterest」には、多くのユーザーが「手に入れたい物のイメージを探しに訪れる」という特徴がありますので、ビジネス利用者にとっては、購入意欲の高い潜在顧客へアプローチできるというメリットが生まれます。
具体的には、「Pinterest」でピンされたアイデアや商品は、ユーザー1人ひとりにカスタマイズされ、フィードに表示されます。そのため、ウィンドウショッピングに似た偶然の出合い、トキメキといった実店舗での体験がデジタルでも提供できます。インスピレーションを受けた後に行動へ移すユーザーが多いことから、「態度変容」という側面でもビジネス活用するメリットが大きいと言えます。
「Pinterest」の上位検索の97%はブランド名や商品名などの指名がされない非指名検索であり、「スニーカー 白 レザー」のような一般言語で検索されていることがわかっているため、あらゆる規模の企業やブランドにとって新しいユーザーにリーチするチャンスが生まれます。
このように、意思決定の前段階にいる潜在的なユーザーにリーチできるため、すでに購入を決めている指名買いのユーザーを超えた新しい顧客への認知向上に役立てていただけると考えています。
実際に、ユーザーの77%が「Pinterest」で新しいブランドや商品を発見しています。従って、行動意欲のあるオープンなマインドセットで利用されている特性と、パーソナライズされた類似ビジュアルの提案機能により、マーケティングファネルの最上層の「認知」の段階から、「興味関心」「比較・検討」「購入」までのフルファネルにアプローチができるところが強みだと言えます。
事業者がビジネスに使うならビジネスアカウントを
ビジネス活用するにはまず、ビジネスアカウントの設定をオススメします。ビジネスアカウントは無料で利用でき、短時間で設定できます。設定後、Webサイトを認証すると、「Pinterest」アナリティクスなどビジネス向けツールを活用して、エンゲージメントの多いオーガニックピン、Webサイトへのトラフィック数などの情報を把握できるようになります。
YouTube、Instagramなど他のアカウントも「Pinterest」で認証すると、これらのサイトからユーザーが保存したすべてのピンについて、帰属を確認できます。プロフィールページには1か月あたりの表示回数が掲出されますが、こちらは過去30日間にアカウントのピンを閲覧したユーザーの人数を示すものです。
「1か月あたりの表示回数」の画像
この数値には、「Pinterest」に保存されたすべてのピン、およびユーザーが認証済みのWebサイトやアカウントから保存したピンが含まれます。この指標は、直近30日間の合計を計測した数字なので、ピンの実績に応じて毎日上下します。ピンの統計情報は、インプレッション数、拡大表示数、クリック数、保存数を含み、ピンのパフォーマンスをひと目で把握するのに便利な手段です。ピンが「Pinterest」のどのボードに保存されたかも示します。
オーディエンスインサイトのキャプチャ
また、ビジネスアカウントの利点として、統計情報を確認できるオーディエンスインサイトも活用することが可能。オーディエンスが何に興味を示しているのかを理解して、分析情報に基づいたコンテンツ戦略を練ることができ、Pinterestでビジネスの認知度を高めるのに役立つさまざまなツールをご利用いただけます。アカウントはこちらで作成できます。
※本文内のデータに関する調査元:Pinterest社内データ、グローバル、2020年9月
※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム - 通販・ECの業界最新ニュースと実務に役立つ実践的な解説」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:世界4.5億人が使う「Pinterest」をビジネスで活用するメリット&ソーシャルメディアと違う特徴とは | 「Pinterest」ビジネスアカウントの活用法
Copyright (C) IMPRESS CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.