数千万円の広告費を投下しても売上が伸びずに大批判! 大失敗から学んだ成長のヒント | 村川智博の「ピンチはチャンス!」 | ネットショップ担当者フォーラム

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リサイクルショップ「ベクトル」や、ブランド古着通販サイト「ベクトルパーク」などを運営している株式会社ベクトルの代表・村川です。今までベクトルではさまざまな広告やPRの施策を行ってきました。ベクトルというリサイクルショップを広く知ってもらいたいからです。でも、最初はうまく行きませんでした……。今回は広告とPRの大失敗から学んだことをお伝えします。イラスト◎なとみ みわ

そうだ。買取ヒーローでベクトルをPRしよう!

ベクトルがリサイクルショップの多店舗展開を行っている理由は、販売ではなく仕入れを行う場所、つまり、買取を行う場所を作るためです。

ベクトルの店舗では属人性が非常に高く、「○○さんがいるからこのお店に売りたい!」と足を運んでくださるお客さまが多く、それが強みだと感じていました。

しかし、ずっと疑念を持っていたことがありました。それは、客観的に見て「ベクトルという名前のお店が買取をする店かどうか、分かりにくいのではないか?」ということです。

そこで、イメージキャラクターを作り、大々的に発信しようと閃きました! そして誕生したのが「買取戦隊ベクトル」です。ただのイメージキャラクターではありません。「買取戦隊ベクトル」に扮するのは当社の社員です。私自身が社員を選出し、買取戦隊ベクトルの隊員として任命しました。

買取戦隊ベクトル 第1話 「革命は、突然に」
買取戦隊ベクトル 第1話 「革命は、突然に」

属人性の高さをさらに生かし、買取を促進させるツールとして社員に「仮面」を与え、CMやTV出演、イベント出店なども行い、露出の機会を増加させていきました。SNSなども活用し、隊員に個の発信力をつけ、顧客の来店動機につなげたいと考えました。

しかし、そんなに甘くはなかった……

この企画は必ずネット上でバズり、来店数は増えるに違いない!」。こう思い込んでいましたが、実際はそうではありませんでした。プロジェクトを企画した私や買取戦隊ベクトルを演じた社員までもが社内で批判を浴びるようになり、プロジェクトを一旦終了することになりました。

買取戦隊を演じた社員のほとんどが店舗勤務で、撮影やイベントには店舗を抜けて参加したため、急なイベント参加になると、残されたスタッフの負担が急増。現場に不満がたまっていきました

また、多額の費用を費やしたため、経営幹部からも厳しい意見が出るようになりました。私自身、ゴールも明確でなければ、費用対効果を説明する方法も知らなかったため、社内で批判を受けても説明することができませんでした

Facebookや個人のSNSも運用していたのですが、バズる投稿がないまま半年ほどで終了してしまいました……。

社員:お金かけすぎ! 意味がわからん! 他の社員の負担が
社長:見切り発車ですいません……
隊員:なんでオレらまで?
失敗の原因は? ① ゴールが明確になっていなかった

ベクトルは「ゴミバコのないセカイへ」を企業理念として掲げています。そのために3つの革命を起こします。1つ目はリサイクル革命、2つ目はIT革命、そして3つ目は学び革命です。

この「買取戦隊ベクトル」という企画も、「リサイクル革命」を推し進め、当社の企業理念である「ゴミバコのないセカイへ」を実現させることが大きな目的だったのですが、企業理念に根付いた企画であるということが従業員へ十分に伝えられておらず、社内で大きな反発が生まれました。

さらに、企業理念の実現へ向けた広告やPRを通じて、結果的に売上をアップさせたいのか、店舗への集客を増やしたいのか、サイトのアクセスを増やしたいのか、企業のブランディングをしたいのか、サービスの認知度を上げたいのか……ゴールが明確になっていませんでした。

② 商品やサービスよりも、プロモーションの企画に目を奪われていた

メディアに露出して認知されても、最終的には中身(コンテンツ)がしっかりしていないと、かえってマイナスだと気付きました。

「自社の商品を売りたい」「サイトのアクセスを増やしたいと」思っても、中身が中途半端なままプロモーションをしてしまうと、見に来てくれた人たちは結局離れていってしまいます。商品やサービスを磨くより、プロモーションの企画ばかりに優先順位を置いてしまったことは反省しています。

広告代理店やPR会社の中には、まず自社の強みやコンテンツを磨くことを勧めてから、広告やPRの提案をしてくれる企業もあるので、そういった企業と付き合えるかどうかもポイントの1つです。

また、自社でコンテンツを磨いた後に、「広告とPRどちらに力を入れるか」または「どちらにも力を入れるべきなのか」といった判断が必要になります。しかし、それぞれを切り離して考えるのではなく、どちらも組み合わせながら取り組むことも大切だと思っています。

私がこの経験から学んだこと ① プロダクト重視の文化へ

最も重要なのは、何よりもプロダクトにこだわることだと気付きました。どれだけ認知啓蒙を行っても、結局は中身(コンテンツ)を磨かないと意味がないのです。

当社では、主にコールセンター業務などの顧客対応を担う「CS事業部」として稼働していた部署を「CRM事業部」に名称を改めました。主軸の顧客対応だけでなく、顧客情報をさまざまな角度から徹底的に分析することで、潜在的な顧客ニーズの掘り起こしやさらなるサービスの提供を行う体制を整えました。

② PDCA体制の構築

各事業部の日々のPDCAサイクルによってコンテンツが磨かれ、上質なサービス提供や迅速な経営改善につながると考えています。もちろん、PDCAを回すには、プロジェクトと数字のチェックが必要ですので、データベースの活用や情報の共有、日々進捗管理や重要指数を追うことができる環境の構築を行っています。

ベクトルグローバルポート(出品事業部)に設置されているボード

たとえば、この画像はベクトルグローバルポート(出品事業部)に設置されているボード。ベクトルでは各部署ごとの人時生産性(/MH)を向上させるため、目標を設定し管理をしています。目標と目標に対する進捗数字を時間ごと(12時、15時、17時、19時、1日の終わり)に記入できるようになっています。

写真のホワイトボードに記載されている部署(出品事業部)で追うべき数字は「ネットへの商品掲載数」で、ボードにはその進捗が記入されています。毎日、各セクションのリーダーが指定時間毎にこのボードに進捗を記入する「時間帯集計のルール」を導入しています。

ホワイトボードを使用している理由は、リーダー自らが集計・記入を行い可視化することで、アナログ的に従業員へ数字の意識付け、情報共有、また競争環境の構築にも寄与し、上質なサービス提供や経営改善につながると考えるからです。

◇◇◇

商品が売れないとき、多くの企業は営業とマーケティングを見直します。「もっと認知度が上がれば」「もっと販路を広げれば」「もっとSEO対策をすれば売れるはず」と考える方が多いのではないのでしょうか?

しかし、仮にテレビCMを大量に流しても、お客様が欲しくない商品を買ってくれることはないでしょう。お客様を惹きつける商品がなければ、いくらマーケティングをしても意味がないのです。

このことに気付かせてくれた本が『どうすれば、売れるのか? ―――世界一かんたんな「売れるコンセプト」の見つけ方』(木暮 太一 著、ダイヤモンド社 刊)です。

この本にはお客様を惹きつける商品・サービスを生み出す法則が分かりやすく書いてあります。ぜひ新商品・新サービスを企画する時や、商品やサービスが売れない時に読んでみてください。

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株式会社ベクトル 村川 智博
村川 智博
株式会社ベクトル

1976年岡山市生まれ。アパレル品の買取販売を中心としたリサイクルショップから事業をスタートし、2003年に有限会社ベクトル(現、株式会社ベクトル)を創業。2012年には人材育成を目的としたベクトル大学の設立などCSR活動にも積極的に取り組んでいる。

 

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