衆院解散にみるECの景気動向 ──今後の消費予測から中長期を見据えた戦略を立てよう | 竹内謙礼の一筆啓上 | ネットショップ担当者フォーラム

ネットショップ担当者フォーラム - 2017年10月4日(水) 07:00
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衆議院の解散(9月28日)は、短期的ならびに中長期的にネット通販へどのような影響を与えるのでしょうか? 政治情勢によって消費が左右されることはままあり、政治とネット通販は切っても切れない関係なんです。中長期的な戦略を立てるために、今後の政局の情勢は注意しておくべきでしょう。

国会議事堂
10月の選挙期間中は「消費減退」

まず、選挙期間中の消費に関しては、残念ながら追い風にはならないと予測します。選挙期間中は消費者の感心が政治に向いてしまい、消費への感心が若干、薄らいでしまう可能性があります。

ワールドカップやオリンピックの開催時期に消費が鈍るのと似ているんですよね。魑魅魍魎がうごめく政治の動向、興味深いコンテンツがネット上に溢れると、ユーザーの関心は消費からどんどん離れていってしまうのです。

事実、2014年末の衆議院選挙では消費減退の傾向が現われました。今回も選挙期間中である10月の消費は、やや厳しめのものになるでしょう。

選挙後の「年末商戦」に期待

選挙が終わると株価が上がり、少しだけ景気が上向くのではないかと予想します(景気の上向きを実感できるかどうかは横に置いておきます)。過去の解散選挙を振り返ると、自民党から民主党へ政権交代した2009年の解散選挙、民主党から自民党に政権交代した2012年の解散選挙では、解散から投票にかけて株価が上昇しています。

政権交代は市場に「期待感」をもたらします。希望の党と自民党のどちらが政権を取ろうとも、日本の景気には瞬間風速的にはプラスになるはずです。

「一瞬しか景気がよくならねぇのかよ」。こう思われる人もいるでしょう。今回、ネット通販企業など小売業にとってはタイミングが良いことに皆さん、お気付きですか?

解散総選挙の直後は年末商戦が待ち受けているんです。株価上昇からのタイムラグも考えれば、11月と12月の景気ならびに消費は期待していいのではないでしょうか。

冬のボーナスは例年に比べて極端に悪くなるわけではなさそうですし、現状の景気そのものが悪いわけではありません。なので、黙っていても通常よりも良い年末商戦が予想されていました。解散総選挙で景気が上向けば、まさに追い風と言ってもいいでしょう。

また、小池百合子さん率いる希望の党は消費税の増税見直しを掲げています。仮に、希望の党が政権を奪取した場合、まさに“希望”に満ちあふれた年末商戦を迎えられるはず(日本の将来への希望は別にして)。

クリスマス商戦やお歳暮商戦で企画などを考えているネットショップは、先行予約の案内を早めに仕掛け、お客さまを他社に持って行かれないようにした方が得策でしょう。定番ではありますが、楽天市場のスーパーセール、Yahoo!ショッピングやAmazonの年末セールには、例年以上に力を注ぐべきでしょう。

ただ、前述したように、景気は瞬間的に良くなるものであって、そんなに長続きするものではありません。世界経済が日本経済に与える影響の方が大きく、日本の政権が変わった程度では、景気に大きなインパクトは与えられないでしょう。

また、最近は株価上昇と消費動向がまったく連動していない状況が続いています。今回の年末商戦は好調だったとしても、長続きする好況ではないということは覚悟しておくべきです。

突発的な好況には必ず反動が付きまといます。年明けの1月と2月の商戦は、消費意欲が後退する可能性があります。年始からの販促は気を引き締めて対応していきましょう

中長期的にはオリンピックまで好景気、その後は景気後退

なお、長期的視点で見た場合、自民党や希望の党が政権を取っても、小売・流通業に関しては、あまり大きな影響はないはずです。2009年に民主党が政権を奪取したときも、ネット通販などの小売業に大きな影響を与えるような状況にはなりませんでした。

自民党政権が継続した場合も同様です。日本の小売業界が中長期的に抱える少子高齢化や人材不足といった問題がすぐに解決するわけではありません。ましてや、それらを一気に解決するような補助金がばらまかれるわけでもないので。

希望の党が政権を奪取した場合、法律や制度が変わることが考えられます。通販やネット通販に関する規制の網は近年、一気に広がっているので、何かしらの規制緩和などが実現すれば、そこから大きなビジネスチャンスが生まれる可能性はあると思います。この点に関しては、さまざまな角度から情報収集を行っておきましょう。

希望の党が掲げる「原発ゼロ」の政策が実現することになると、補助金などを活用した自然エネルギー関連のビジネスチャンスが広がりそう。ネット通販など小売業として関連ビジネスに手を広げたり、「環境」という切り口にした販促など、さまざまな企画などが考えられそうです。

今回の解散総選挙で政権を取った党は、天変地異や北朝鮮がミサイルを発射しない限り、2020年の東京オリンピックまで政権を維持することでしょう。仮に4年後まで政権を維持することができれば、次の衆院選は2021年10月になります。

オリンピックが前までは好景気が続くと考えられていますので、力強いと言えないまでも堅調に消費は伸びていくはずです。ただ、東京オリンピックが終わると、株価も地価も下がり、景気に若干暗い影を落とす――そこで再び新しい政権が誕生するというシナリオが考えられます。

ネット通販をはじめとした小売業の皆さんは、まず年末に向けた商戦に力を注ぎましょう。そして、中長期的に景気の浮揚が考えられるので、そこでどのような販売戦略を立てていくのか。今から中長期的な計画を立てていくことをお勧めします。

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竹内 謙礼
有限会社いろは 代表取締役

竹内 謙礼(たけうち・けんれい)

1970年生まれ。大学卒業後、出版社に勤めた後に観光牧場に転職。企画広報担当を経て2004年に経営コンサルタントとして独立。楽天市場、ビッダーズ等で多くのネットビジネスの受賞履歴あり。また、千葉文学賞等の小説、エッセイでも数々の受賞暦を持つ。

大企業、中小企業のコンサルティングはもちろん、サイドビジネスや起業に対しての販促、営業、人材教育のアドバイスを行い、特に実店舗のキャッチコピー制作とネットビジネスへのコンサルティングには定評がある。また、低価格の会員制コンサルティング「タケウチ商売繁盛研究会」の主宰として、180社近いコンサルティング指導を日々行っている。

販促、企画、会計、投資の書籍執筆の他、新聞や雑誌等でも連載を持っており、ラジオのパーソナリティとしても活躍。商工会議所や企業での講演、企業での人材教育等、経営コンサルタントとして精力的に活動している。NPO法人ドロップシッピング・コモンズ理事長。著書多数(詳しくはこちら

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