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完全な状態のオリジナル記事は 「
P&Gのインハウストレーディングデスク変遷にみる「今後のトレンド」」 からご覧ください。
さて、アドウィークアジアでデジタルインテリジェンスもセミナーを開催します。
ベムでもそこに向けていくつか発信します。
まずは、デジタルインテリジェンスNYからのレポート
【インハウスについて考えておく目線】
P&GがAudienceScienceの契約を終了させる件の過去経緯について、
先週のAdageの報告に続き、AdExchangerが長文報告しています。
The Ecstasy And Agony Of AudienceScience’s P&G Partnership
(AudenceScienceのP&Gとのエクスタシーな時期と、痛み分けの時期)
https://adexchanger.com/advertiser/ecstasy-agony-audiencesciences-pg-partnership/
昨年、P&Gがメディアのアカウントの大レビューを行い
Omnicomの新設データドリブン・メディアエージェンシーの
Hearts & Science(とCarat/Dentsu Aegis)に大移行した事とも
タイミング的に辻褄があいます。
この記事では
おそらく、AudienceScienceの9割のアカウント規模ではないかと予測されていますが、
AudienceScience側はこれまで一切取引が禁じられていたCPG企業との取引が
「解禁」になるので「未来は明るい」という高楊枝なコメントも登場しています。
これまでAudienceScienceはCPGとの取引が禁止されているどころか、
P&Gの扱いについてすら、公言できない縛りでした。
The captain of the football team is your boyfriend, but no one’s allowed to know.
すでに過去の話になりますが、
AudienceScienceのP&Gとの契約上は7年だったのですが、
その前身も入れると2000年頃からの付き合いになります。
(digiMine → Revenue Science → AudienceScience)
その経緯も、P&Gが社内システムHawkeyeとRight Media(Yahoo)との
ハイブリッド・マネージド・サービスを2009年に設定したときに
当時RightMediaとの取引が大きかったAudienceScienceを
RightMediaがP&G紹介する形でAudienceScienceを採用して付き合いが広がったいきさつ。。
P&Gのインハウスの必須項目は「グローバルで」運用する事。
この直近にP&Gが発表した数字は
次の5年かけて、グローバルベースで約1100億円(10億ドル)のメディア費用を削減し、
その内、約550億円(5億ドル)のエージェンシーの人件費を削減する、、と宣言しています。
コモディティー化するCPGを販売する企業なので、典型的「コストカッター」な企業です。
ベンダーの取り扱いについても、「コスト」の一部として見ているような
(ちょいと厳しい)企業風土が垣間見られます。
===
ここからは私見ですが、P&Gはこれまで
マーケティング戦略や広告の事について静かな企業だったのですが、
去年の終わり頃から、「突如として」Chief Brand OfficerのMarc Pritchard氏が
メディアに登場し、啓発的な発言をされている事が私には少々不思議に思えます。
・ANA(広告主協会)のチェアマンに就任したから、就任式としてコメントをしたから、
・ANAとしてリーダーシップを発揮する必要があったから、
等を割り引いても、なんとなく自然な感じがしませんでした。
Marc Pritchard氏はこれまで、
「透明性、Viewabilityが大事だ → 調べたら身内にもサビがあった
→ 原因をしらべたらエージェンシーの利益モデルにも踏み込む必要がありそうだ。」
、との一連のコメントをされていたので、この部分にAudienceScience
も何らか関係していた、、と連想されます。
何らか、「透明性」の部分にお気に召さない不具合があったよう感じます。
P&Gはインハウス(という名の、ベンダーのエクスクルーシブ採用)でのデジタル買付けは
今後もNeustarとThe Trading Deskとで継続されます。
そして、
メディアエージェンシーとの付き合いはHeart & ScienceとCaratとの付き合いは変わりません。
(参考までに対抗馬であるUnileverはP&Gのインハウス化とは対照的に
WPPとがっぷり組んでMindShareを「オペレーター役」に徹する付き合いを継続しています。)
=== インハウス、、について。ここからが本題 ===
「Programmatic Buying」の名の元に
デジタルメディアのバイイング「機能」をインハウス化させるトレンドにも代わりがないでしょうし
ますます増える傾向は予想されます。
考えておきたいのは、
Data ManagementやProgrammatic Buyingのインハウス化に気をとらわれず、
今後は「クリエイティブ」や「ブランディング」の部分とを包括する体制や取り組みが
ますます増える傾向になるだろう事。そういう人材や部門が求められる事。
AudienceScienceやThe Trading Deskの事だけを切り出して、あれやこれやと
考えても片手落ちになるし、むしろP&GがOmnicomのHeart & Scienceとの関係が要注目。
「クリエイティブな人びとにデータやメディアの事を教えるより、
データやメディアな人びとがクリエイティブの事を考える方が、近道だ」
詠み人知らずwのこの一句が象徴するように、
コンサルティング会社がクリエイティブ機能を取り込んでマーケティング領域に進出している傾向もこの事。
そして、落ち目気味だったレガシーな米国テレビ局が
「プレミアムコンテンツ」というクリエイティブを引っさげて
そのコンテンツがProgrammaticに配信される売り言葉で反撃に出ているのも同様。
この米国テレビ局の反撃キックオフが来週から始まる「TV アップフロント2017」での
一連のプレゼンテーションです。
インハウス、ではまだまだ対応しきれていない部分が「プレミアムコンテンツの制作や確保」。
データ動向と合わせて、マーケター企業がどのようにプレミアムコンテンツを
確保(契約)していくのかが注目です。