この記事は、Google アナリティクス ソリューション 英文ブログ記事 「
How to Apply Holiday Shopping Insights to Your Analytics Strategies」を元に構成しております。
「スーパーショッパー」の時代
最新ブランドや毎シーズンの必須アイテムになぜか詳しく、セール情報をいち早く知っている。皆さんのまわりにも、そんな友人がいるのではないでしょうか。これまでずっと、一体どうしてそんなに詳しいのかとても不思議でした。
今なら誰でもそれが可能です。「見つける」、「調べる」、「購入する」を瞬時に行えるようになった現在、世界中の人々がさまざまな情報を吟味して効率的に買い物をするようになりました。まるで、一夜にして「スーパーショッパー」になったかのようです。
では、「スーパーショッパー」といわれる買い物客にはどのような特徴があるのでしょうか。この年末商戦期に向け、小売店はどのような戦略を立てればよいのでしょう。いくつかヒントをご紹介します。
新しい店舗やブランドの開拓に積極的
昨年末に買い物をしたユーザーを対象に調査したところ、50% 以上が「新しい小売店で買い物をすることに抵抗がない」と回答しています *1。特に、オンラインでその傾向が顕著でした。普段は決まった実店舗を利用しているユーザーも、スマートフォンからオンラインで買い物をするときは、その 4 分の 3 以上が新しい小売店やブランドを積極的に利用しています *2。なぜなら、モバイルであれば、時間や場所を問わず、さまざまな店舗やブランドを簡単に比較して買い物ができるからです。事実、「Google で検索した後、購入する小売店やブランドを変更したことがある」と答えた回答者は、モバイル ショッパー(モバイルで買い物をするユーザー)の 76% に達しています *3。
モバイルは重要な情報源
これまで年末シーズンといえば、カタログをめくって商品を探したり、店先のショーウィンドウをうっとり眺めたりしたものですが、今ではモバイルが重要な情報源となっています。スマートフォン ショッパー(スマートフォンで買い物をするユーザー)の 64% が「店舗で買い物をする前にモバイルで下調べ」をしており *4、モバイル動画視聴者の 4 人に 1 人が、「店舗内または店舗のウェブサイトで YouTube を閲覧し、買い物の参考にしている」ことがわかりました *5。
さらに、ユーザーがモバイルを参考にするのは「購入するかどうか」だけではありません。同時に新しいブランドや商品も探しているのです。事実、スマートフォン ユーザーの半数以上が、自分のスマートフォンで検索した際に新しい会社や商品を見つけています *6。
「安さ」ではなく「ベスト」を求めている
7 月の調査で、買い物客は
ベスト(最高の商品)を求めていることがわかりました。現在、その傾向はますます強まっています。昨年末の商戦期では、「最高 ギフト」に関連するモバイル検索が前年比 70% 増加した一方、「安い ギフト」、「低価格 ギフト」に関連するモバイル検索の増加率は約 35% でした *7。最高の買い物をするためにはリサーチの手間も惜しみません。スマートフォン ユーザーを対象に調査したところ、YouTube で商品レビュー動画を視聴する時間が前年より 60% 増えていることがわかりました *8。
しかし、スーパーショッパーが求めているのは、単なる「最高のギフト」ではありません。特別感のある、他にはない素敵なギフトです。「他にはない ギフト」に関連するモバイル検索が 65% 以上、「素敵な ギフト」に関連するモバイル検索が 80% と大幅に増加したことがそれを裏付けています *9。
モバイルは店舗への入り口
モバイルで買い物をするユーザーが増えているとはいえ、「店舗への入口」としての利用がまだ圧倒的に多いのが現状です。事実、自分のスマートフォンで周辺情報を検索したユーザーの 76% が、検索した店舗を 1 日以内に訪れており、そうした検索の 28% が実際の購入につながっています *10。
店舗を訪れたユーザーが期待するのはシームレスなショッピング体験です。40% 以上のスマートフォン ショッパーが、店内での陳列場所、特別セール、関連商品などの情報がスマートフォンに自動的に表示されることを望んでいます *11。
必要であればいつでもショッピング
年末シーズンにはスーパーショッパーの本領が発揮されます。11 月から 12 月中旬にかけて、デバイスをまたいだオンライン コンバージョン率が上昇します。昨年、モバイル単独でのコンバージョン率を 11 月 1 日と比較したところ、ブラック フライデー(感謝祭翌日の金曜日)には 30% 増加し、サイバー マンデー(感謝祭翌週の月曜日)には 50% 増加しました *12。
アナリティクスを利用して現代の買い物客にアプローチするためのヒント
アナリティクスは一年中役に立つマーケティング ツールですが、年末商戦期はその重要性が一層増します。ここでは、アナリティクスを利用して年末商戦を勝ち抜く 5 つのヒントをご紹介します。
1. 最も売り上げが多い時期を特定し、その時期に確実にアプローチする。効果的な年末商戦戦略を立てるには、まず、最も売り上げが増える時期を把握することが重要です。次に、売り上げが増える時期だけでなく、年末商戦期全体を対象に、メディアや広告を最適化するための戦略を立てます。モバイル、デスクトップ、タブレットを連携させた戦略を考えてください。
たとえば、オークション形式のメディアで入札単価を調整する際、平均トランザクション率を上回る値を入札単価調整比として使用します。
AdWords または
DoubleClick Search(英文のみ) のスマート自動入札を使用すると、掲載結果を最大限に向上させることができます。
2. さまざまなサイトを「ウィンドウ ショッピング」しているユーザーには、各自のニーズに合ったメッセージを配信する。年末シーズンの素晴らしい点は、いつでも買い物ができ、多くの店舗がセールを開催していることです。すでに多くのユーザーが、お目当てのギフトを探してお客様のサイトを閲覧しているかもしれません。いずれも、コンバージョンにつながる可能性が高いユーザーです。Google アナリティクスを使用して
リマーケティング リストを作成し、サイトを訪れたユーザーを登録します。さらに、それらのユーザーのニーズに合わせてマーケティング キャンペーンをカスタマイズしましょう。
これで終わりではありません。スーパーショッパーは自分向けに用意されたメッセージを好みます。これらのユーザー層に数パターンのウェブサイトをj表示し、それぞれのユーザーに合ったメッセージを配信しましょう。サイトのテストとカスタマイズを支援する無料ツール
Google Optimize をぜひご利用ください。
3. 迅速に対応 : 最適化を習慣にする。十分な準備期間を設けて、年末商戦のマーケティング計画を立てましょう。マーケティング戦略の成果を監視し、ビジネスに役立っているかどうかを確認することが非常に重要です。成果が見られない場合は、ビジネス機会や改善点を即座に見極める必要があります。
Google アナリティクスには、データを収集して取捨選択し、重要なインサイトを見出すための各種機能が備わっています。
カスタム レポート、
マイレポート、
ショートカットはいずれもレポートをカスタマイズするための機能です。これらの機能を使用してレポートをカスタマイズすれば、データの読み取りにかかる時間を減らし、より多くの時間を重要な情報の分析にあてることができます。さらに、
Google データスタジオを使用すれば、組織内のチームごとに年末商戦用ダッシュボードを作成することもできます。
4. 競合他社に照らして成果を分析する。お客様の店舗の状況を競合他社と比較することで、現状が明らかになります。Google アナリティクスをお使いの場合、お客様自身のデータと
ベンチマーク レポートのデータを使用して、この分析とアプローチをカスタマイズできます。これらのレポートを使用するメリットは、ウェブサイトへのトラフィック、国や地域、選択した業種の詳細情報に基づいて、お客様のデータと競合他社を比較できることです。
5. 新年へ向けたマーケティング戦略の作成を開始する。お客様の店舗、サイト、アプリを初めて利用したユーザーに関するデータや分析結果は、新規顧客をリピーターに変えるための重要な情報です。ウェブサイトのデータを使用して、年末商戦期に初めて訪れた顧客のリストを作成します。それを基に、一人ひとりに適したメッセージをすべてのチャンネルを通じて配信し、顧客との関係を深めましょう。Google アナリティクスを使用して
リマーケティング リストを作成すれば、こうしたユーザー層に簡単にアプローチできます。
Happy analyzing!
投稿者 : Julie Krueger(Google リテール マネージング ディレクター)、Casey Carey(Google アナリティクス マーケティング担当ディレクター)
1. Google / Ipsos、Post Holiday Shopping Intentions Study - Total Shoppers Report(年末商戦後の購買意向調査 - 全買い物客レポート)、2016 年 1 月、対象: 年末シーズンに買い物をしたユーザー(米国)、n=1,500
2. Google / Euromonitor International、Micro-Moments Survey(マイクロモーメントに関する調査)、米国、2016 年 7 月、スマートフォン ショッパー = 1,000、決まった実店舗で買い物をするユーザー = 801
3. Google / Euromonitor International、Micro-Moments Survey(マイクロモーメントに関する調査)、米国、2016 年 7 月、スマートフォン ショッパー = 1,000
4. Google / Euromonitor International、Micro-Moments Survey(マイクロモーメントに関する調査)、米国、2016 年 7 月、スマートフォン ショッパー = 1,000
5. Google が Ipsos に委託、Brand Building on Mobile Survey(モバイルでのブランド構築に関する調査)、米国、2015 年 12 月、n=1,000、18 歳~54 歳
6. Google / Ipsos、Consumers in the Micro-Moment(マイクロモーメントにおける消費者)、ウェーブ 3、米国、n=1,291、18 歳以上のスマートフォン ユーザー、2015 年 8 月
7. 出典: Google 検索のデータ(アパレル、家庭、園芸、美容、パーソナルケア、コンピュータ、電化製品、ギフト、玩具、ゲーム、写真、ビデオ)、2014 年 11 月~12 月と 2015 年 11 月~12 月の比較、米国
8. YouTube のデータ(米国)、「商品レビュー」動画は、見出しやタグなどの公開データに基づいて分類(YouTube で閲覧できる商品レビュー動画がすべて含まれていない可能性があります)、2014 年 11 月~12 月と 2015 年 11 月~12 月を比較
9. Google 検索のデータ(アパレル、家庭、園芸、美容、パーソナルケア、コンピュータ、電化製品、ギフト、玩具、ゲーム、写真、ビデオ)、2014 年 11 月~12 月と 2015 年 11 月~12 月の比較、米国
10. Google / Purchased Digital Diary、How Consumers Solve Their Needs in the Moment(消費者はその瞬間のニーズをどのように満たしているか)、2016 年 5 月、スマートフォン ユーザー(米国)の代表サンプル = 1,000、周辺情報を検索したユーザー = 634、購入件数 = 1,140
11. Google / Euromonitor International、Micro-Moments Survey(マイクロモーメントに関する調査)、米国、2016 年 7 月、スマートフォン ショッパー = 1,000
12. Google アナリティクスのショッピング カテゴリ データ、2015 年 11 月 1 日~2015 年 12 月 14 日、米国