最近、機能の追加が多いSearch Consoleですが、SEOにおいてはもはや必須のツールとなっております。今回ご紹介する記事はニール・パテル氏による、Search Consoleの活用マニュアルといった記事になります。Search Consoleの機能を網羅的にまとめており、非常に実用的な内容だと思います。どちらかと言えば、初心者の方向けの記事かもしれませんが、改めての確認にももってこいの内容でもあります。– SEO Japan
SEO担当者、Webマスター、デジタルマーケター。皆、それぞれお気に入りの”強力なツール”があることだろう。
その中でも、”絶対に必要なツール”についての記事を書きたいと思う。それなしでは、SEOを行うことができない、といったツールだ。
そのツールとは何だろうか?
GoogleのSearch Consoleだ。略してGSCと呼ぶこともある。(かつてはGoogle Webマスターツール、もしくは、GWTと呼ばれていた。)
GSCはGoogleから提供されている無料のサービスであり、あなたのサイトの検索における機能性を管理することができるツールだ。Search Consoleは一連のレポート集であり、検索でのランキングを戦略的に最適化すると同時に、エラーの修正も助けてくれるツールである。
今回の記事では、この強力なツールを用い、あなたのSEOをより良いものとするための方法について、記したいと思う。
乱暴な表現かもしれないが、SEOにとってのGSCは、人間にとっての酸素のようなものだ。必要とされ、それなしでは生きていけないものなのである。
あなたのWebサイトのSEOをより良いものとするため、GoogleのSearch Consoleを活用する方法を、
こちらのガイドをダウンロードして学習しよう。
*リンク先でメールアドレスを入力すれば、今回の記事のまとめをPDFでダウンロードできます。
今、あなたが読み進めているこの記事は、GSCにおける、大学卒と言えるレベルの内容を記載している。ここでの内容をマスターすれば、あなたはGSCニンジャとなることができるだろう。
そして、それはあなたのSEOに非常に大きな違いを生むこととなるはずだ。
まずはこの記事の概略を説明したい。非常に長い記事となっているため、キリの良いところで区切って読みたいと感じるだろう。
この記事はセクションとサブセクションに分かれているが、この分け方は、GSCのメニューに基づいている。
*元記事では英語画面のキャプチャですが、日本語画面のキャプチャに差し替えています。
上記のセクションの内、始めの4つのセクションに注力している。つまり、パートAからパートDまでである。パートEとパートFも重要ではあるが、あまり説明を必要としないものだからだ。
パート A:検索での見え方
検索での見え方のセクションは、あなたのWebサイトが検索結果画面でどのように見えるか、をビジュアル化するのに役立つ。
ここでは多くのメニューがある。リッチカード、リッチスニペット、Accelerated Mobile Pages (AMP)などだ。さらに、通常のHTMLの修正もあり、こうしたメニューは、あなたのWebサイトを検索結果画面で目立たせたり、追加情報を表示させるといった作業を手助けしてくれる。
下記では、このセクション内のそれぞれについての要素を解説し、検索における優位性を得るための使用法を説明する。
(a) 構造化データ
(リッチスニペットとしての)構造化データをHTMLのコード内に記述すると、Googleがカテゴリ分けとインデックスをより良く行ってくれる。Googleはこれを利用し、”リッチ”な検索結果を提供してくれる。
下記のような検索結果は、構造化データを使用した例である。
上記は”blackberry sauce(ブラックベリー ソース)”とGoogleで検索した結果画面である。
上位4つまでの検索結果だ。
こちらを注意深く見てほしい。3位と4位の検索結果は、より”リッチ”に見えるだろう。なぜなら、評価、投票、レビューを表示しているからである。4位の検索結果では、カロリーの情報も表示されている。
上記の内、どの検索結果をクリックしたくなるだろうか?もちろん、あなたがどんな情報を探しているかに依るが、私は3位か4位の検索結果をクリックしたくなる。
なぜか?その理由は、こうしたリッチな検索結果は、そのサイトが私にブラックベリー・ソースの作り方を教えてくれるだけでなく、実際に作った人のレビューも知ることができると、伝えているからだ。
さらに、ソースを作るために必要な時間も知ることができる。他の人が実際に作り、それを好んでいるという点について、自信を持つことができるのだ。また、そのソースを食した場合、どのくらいのカロリーがあるのかも知ることができる。
リッチな検索結果のパワーを実感できただろうか?
視覚的にリッチな検索結果はより多くのトラフィックを運んでくれるだろう。
現在、Googleがサポートしているリッチスニペットの対象範囲は下記の通りである。
- アーティクル(Articles:AMPのみ。詳細は後述。)
- ローカルビジネス(Local Businesses)
- ミュージック(Music)
- レシピ(Recipes)
- レビュー(Reviews)
- TV、ムービー、ビデオ(TV & Movies and Videos)
豊富なラインナップとは言えないかもしれないが、自身のサイトに追加できるリッチな情報の量には驚くだろう。
それは、非常に大きな違いを生むはずだ!
SEOのために構造化データを活用する方法:
私が上記で言及した要素の内、あなたのWebサイトで使用可能なリッチスニペットを全て実装するように、開発者に依頼しよう。コードの内容やヘルプの参照のために、Schema.orgのサイトを確認しよう。
GSCの構造化データのセクションを活用する方法:
こちらのセクションでは、リッチスニペットのコード内でエラーがある場所を確認できる。また、実際のデータを用いたテストを行うこともできる。(下記画像の青いボタンがそれにあたる。)
(b)リッチカード
リッチカードは、Googleによる新たな発明だ。構造化データ(上記に記載)のような見え方であるが、視覚的によりアピールできるものになっている。両者の違いを確認するために、下記の画像を見てほしい。
画像のソース:https://webmasters.googleblog.com/2016/05/introducing-rich-cards.html
自身のコンテンツを視覚的にアピールできれば、大きなユーザー・エンゲージメントを獲得できるだろう。その結果、トラフィックや売り上げへの貢献も期待できる。現在のところ、リッチカードはレシピとムービーで使用可能だ。
SEOのためにリッチカードを活用する方法:
リッチスニペットと同様、レシピやムービーの情報に対し、リッチカードを実装してもらうように開発者へ依頼しよう。サンプルコードはこちらのページで見ることができる。
GSCのリッチカードのセクションを活用する方法:
ここでは、リッチカードのコーディングにエラーがあるかどうかを確認することができる。また、リッチカードに対応している数も見ることができる。リッチスニペットのセクションと同様、Googleは実際のデータを使用したテストを行えるツールも提供している。
画像のソース:https://webmasters.googleblog.com/2016/05/introducing-rich-cards.html
(c)データ ハイライター
データ ハイライターは、構造化データの代わりとなる素晴らしいものだ。HTML内にスニペットのコードを記述するよう、開発者に依頼する必要がなくなる。
これは、構造化データと同じように、コンテンツをマークアップできるのだ。
また、このツールには限界があるとも言える。URL単位でタグを書かなければならないのだ。あなたのWebサイトが数千ものページがあるのであれば、大きな苦痛となってしまうだろう。
SEOのためにデータ ハイライター(*)を活用する方法:
*原文ではリッチカードと記載されていますが、おそらく間違いであるため、修正しました。
- “ハイライト表示を開始”をクリックする。すると、ポップアップが表示される。
- URLを入力し、”ハイライト指定する情報のタイプ”を選ぶ。
(記事、イベント、書評、地域のお店やサービス、映画、商品、レストラン、テレビ番組のエピソードなど。) - 選択をした後、Googleは該当のページをGSC内でレンダリングし、関連性のあるデータをハイライトできるようになる。
- ハイライトしたいページごとに、テキストや画像を選択する。タイトル、画像、カテゴリ、評価などをハイライトできる。
- Googleは他のページでもデータをハイライトすることを勧め、ページセットの作成を助けてくれる。
下記に、この機能を使うためのチュートリアルの動画を記載しておく。
(d) HTMLの改善
HTMLの改善では、Googleがあなたのサイトをクロールし、インデックスする最中に発見した、問題のある個所を明らかにしてくれるレポートである。
下記に、このレポートに含まれる問題個所をまとめておく。
- 重複する/長い/短い、メタデータ
- 長い/短い/記述無し/重複した、タイトルタグ
- Googleによってインデックス登録ができないコンテンツ
SEOのためにHTMLの改善レポートを活用する方法:
非常に簡単だ。Googleがレポートしてくれた問題を修正すればよい。
既にご存知かと思うが、下記に基本的なSEOのルールをまとめておく。
- タイトルは70文字(日本語は35文字)を上限とする。(もしくは612ピクセル以内の幅にする。)
- ディスクリプションは160-165文字(日本語は120文字)くらいにまとめる。
- 全てのページのタイトルとディスクリプションを固有のものにする。
- 検索結果にランクインさせたい全てのページを、Googleがクロールできるようにすべきだ。重要なコンテンツが、robots.txtやhtaccessファイルでブロックされていないようにしよう。
(e)サイトリンク
サイトリンクはGoogleによって自動的に生成される。サイトリンクへあなたが特別な変更を加える必要はない。Googleはアルゴリズムを用いて、いつ、どのようにして表示させるかを決定しているからだ。
下記に、サイトリンクが検索結果画面で表示される例を記載しておく。
サイトリンクをコントロールすることはできないが、それでも、改良したり、表示する可能性を高めるためにやれることはある。
検索結果画面に表示されるあなたのサイトのURLの下にGoogleがサイトリンクを表示するためには、関連性を強め、ユーザーの手助けとなり、意味のあるコンテンツをあなたのサイトに追加し続けることが大事だ。
あなたのコンテンツが多くの人にリーチすれば、Googleは自動的にサイト内のカテゴリを、サイトリンクとして表示するようになる。
(f) Accelerated Mobile Pages (AMP)
AMPは比較的最近、GSCに追加された項目だ。
*こちらの記事は、SEO Japanで翻訳しています。
「Accelerated Mobile Pages (AMP)とは何か?ニール・パテル氏による決定版ガイド。」)
Accelerated Mobile Pagesとは、開発者が読み込み速度の速い、HTMLとJSのページを構築するための技術だ。AMPはオープンソースの仕様に基づいている。
AMP HTMLの背景には、モバイルデバイスにおける読み込み速度の向上を目指す、という考えがある。インターネットに接続するためにモバイルデバイスを使用している人の数は増加し続けている。GoogleはAMP HTMLを導入し、Webサイトのオーナーがモバイルデバイスでの読み込みの遅延となる要素を排除できるようにしたのである。
SEOのためにAMPを活用する方法:
テクノロジーの恩恵を受けよう。開発者に依頼し、AMPの実装を進めよう。そして、通常のHTMLをAMP HTMLへと対応させるのだ。
GSC内のAMPセクションは、Webマスターへコードのエラーを伝えてくれる。詳細は、GoogleのWebマスターブログを確認しよう。(日本語記事はこちら。)
パート B:検索トラフィック
*上記の見出しは原文にはありませんでしたが、おそらくミスであるため、追加しておきました。
このセクションでは、あなたのサイトへのリンク、どのキーワードでランキングされているか、Googleからのペナルティ、モバイルフレンドリーなどの情報が得られる。
非常に多くの情報がこのセクションにはある。私は、ここのセクションがSEOにおける実行可能なデータのための、GSCで最も価値のあるセクションであると考えている。
(a)検索アナリティクス
このレポートはあなたのサイトについての詳細をレポートしてくれ、検索結果画面にどのくらいの頻度で表示されているかを示してくれる。
このレポートは、キーワード毎のクリック数、キーワードの地域別の順位、クリック率などの情報を表示してくれる。下記は、それぞれのカテゴリーをパートごとに分けたものであり、より良いSEOを行うための、それぞれの機能やフィルタの活用方法をまとめたものだ。
1.キーワード毎のクリック数
それぞれのキーワードが検索結果で何位に表示され、どのくらいのクリック数を獲得したかがわかる。バックリンクの構築、コンテンツの追加や最適化、特別なランディングページの作成などを行い、キーワード毎のクリック数を増加させよう。
2.キーワード毎のインプレッション数
それぞれのキーワードに対し、ユーザーがどのくらい反応したかがわかる。例えば、高いインプレッション数で低いクリック数を示した場合、ページのタイトルやディスクリプションが最適化されていなかったり、リッチスニペットが表示されていない、といった気づきを得ることができる。
3.CTR(click-through ratio)
クリック率はパーセンテージで表示される。基本的に、こちらのパーセンテージは、CTRとインプレッション率の比率で表されている。
4.掲載順位
キーワード毎の掲載順位がわかる。高順位を獲得したいキーワードを元に、キーワードやページを最適化しよう。
5.クエリフィルタ
任意のキーワードの掲載順位、1つのキーワードと別のキーワードとの比較、キーワードのソート、などを行える。こちらのフィルタを使用することで、それぞれのキーワードに対する、より深い洞察が得られるだろう。キーワード毎の分析を進め、高順位のキーワードにおけるパフォーマスをさらに改善しよう。
6.ページフィルタ
ページフィルタはURLをフィルタリングし、1つのページを別のページと比較したり(A/Bテストの場合、非常に便利だ)、クリック別のURLのより分けなどが行える。この機能を活用し、ページのパフォーマンスを、高・中・低に分け、順位を改善するためのSEO施策を行おう。
7.国別フィルタ
グローバルでオーディエンスを獲得したい場合に、国別フィルタは便利だ。私はこの機能を使用し、このブログを82か国語に翻訳するという実験を行った。そして、驚きの結果を得ることができた。このフィルタは、国ごとのサイトのパフォーマンスを計測することに役立ち、2か国間での順位を比較することができる。
8.デバイスフィルタ
デバイスフィルタはあなたのサイトにアクセスした、デスクトップ、タブレット、モバイルのそれぞれのデバイスをフィルタしてくれる。それぞれの数値をデバイス間で比較することができ、新たな気づきが得られるだろう。このフィルタを使用することで、どんなデバイスからのアクセスが多いかを把握し、そのデバイスに最適化した施策を行おう。例えば、モバイルからのアクセスが大部分を占めている場合、モバイルにおけるユーザー体験の向上に努め、読み込み速度の速いページの作成に注力しよう。
9.検索タイプフィルタ
こちらのフィルタは、Web、画像、動画の検索ボリュームを表示してくれる。例えば、あなたのサイトがギャラリーページを持っていたとしよう。しかし、画像検索でのランキングが低ければ、各画像のalt属性や画像タイトルを改良し、掲載順位の改善に役立てることができる。
10.日付フィルタ
このフィルタは日付の範囲を設定できる。2つの日付範囲からサイトパフォーマンスを比較することができる。ちょうど、Googleアナリティクスと同じように。
(b)サイトへのリンク
このセクションでは、あなたのサイトにリンクを張っているWebサイトと、バックリンクで使用されているキーワードの情報を得ることができる。
このレポートから多くの気づきを得ることができるはずだ。
下記に、その中でも大きな2つのポイントを挙げておく。
- 疑わしいリンク(ドラッグ、アダルト、外国語、PBN、低品質のサイト、リンクファーム、関連性のないスパムサイト、その他ブラックハットなリンク)を否認すべきかどうか、確認することができる。
- 誰が、どこへ、リンクを張っているかを知ることができる。この情報を用い、近しいサイトをターゲットにすることで、リンクの質と量を改善することに役立つだろう。また、あなたのサイトに既にリンクを張っているサイトのエンゲージメントや広告を増やしてみても良い。
(c)内部リンク
このセクションでは、該当のページヘ向けられている、内部リンクの本数を確認することが出来る。
下記に、このレポートのSEOにおける活用方法を記載する。
- あるページヘ多くの内部リンクがあるということは、Googleに対し、このページは重要なページである、と伝えていることを意味している。その結果、そのページで表示されているキーワードにおける順位は、他のページよりも高いものになる。
- 重要であるにもかかわらず、内部リンクの数が少ないページヘ、内部リンクを構築するべきだ。また、”アバウトページ”や”お問い合わせページ”に多くのリンクを集めることは避けよう。その代わりに、コンテンツが豊富にあるページや情報ページなどの深いページを強化する目的で、内部リンクを使用しよう。
- 内部リンクを多く集めているが、削除されていたり、名前が変更になっているページなどを特定し、リダイレクトを設定しよう。(301リダイレクトを使用する。)
(d)手動による対策
このレポートは、スパムやブラックハットの手法を理由に、あなたのサイトへGoogleがペナルティを与えた場合にお知らせしてくれるレポートだ。
ここで、”手動による対策”はアルゴリズムによるペナルティとは異なることを意識してもらいたい。アルゴリズムによるペナルティは自動で行われ、このセクションでは反映されないものだ。一方、手動による対策はより厳しいもので、広範囲な対応があなたに求められる。
レポートに記載された問題を修正し、あなたのサイトが有益なコンテンツを掲載していることを確認した後に、順位を戻すために再審査リクエストに必要事項を記載する。
Googleの品質ガイドライン(日本語ページはこちら)を読み、Googleがスパムだと考えているものを学ぼう。
(e)インターナショナル ターゲティング
このセクションは、メインのロケーション以外の異なる地域のユーザーに対して、その地域の言語に翻訳され、修正されたコンテンツを提供しているWebサイトのみ、利用価値のあるセクションとなっている。
例えば、あなたのサイトがイギリスからのユーザーをターゲットとしているのであれば、イギリス英語で書かれたページを彼らに見せたいはずだ。
もしくは、フランスやドイツの顧客に商品を販売したい場合、彼らの言語に翻訳したページを用意しておくべきだろう。
こうした場合、開発者はhreflangタグを使用し、その地域に適したページを表示するようにGoogleへ伝えることができる。
このセクションでは、そのhreflangタグが適切に使用されているかを確認できる。その情報は、コーディングを修正し、最適化するために必要となるはずだ。
(f)モバイル ユーザービリティ
このレポートでは、あなたのWebサイトにある、モバイルデバイスにおけるポジティブな体験を損なうような問題をリスト化している。
互いに近すぎる要素、スクリーン幅よりも広いコンテンツ、ビューポートが設定されていないコンテンツ、小さすぎて読めないテキストがある箇所などをレポートしてくれる。
このレポートに記載されているエラーは全て問題となるものだ。モバイルの最適化は重要なランキング要素であり、確実に標準レベルに達していなければならない。
SEOの目的から言えば、レポート内の問題を全て修正し、あなたのWebサイトがあらゆるデバイスで素晴らしい体験を提供していることを確信しなければならない。
パート C:Google インデックス
このセクションは、GoogleがあなたのWebサイトとキーワードをどのようにクローリングし、インデックスしているかをレポートしている。
(a)インデックス ステータス
ここのインデックスのステータスは、GoogleによってインデックスされているURL、(robots.txtによる)ブロックされているURL、削除されたURLの状況を表示している。
インデックスがされていなかったり、ブロックされていたりするページがあれば、その原因を究明し、エラーを修正しよう。
インデックスに何らかの問題があれば、robots.txtファイルや、サイトマップの内容が正確かを確認してみよう。
(b)コンテンツ キーワード
ここのセクションでは、コンテンツ内のキーワードと、検索結果における重要性をレポートしている。
それぞれのキーワードを深掘りすることで、特定のキーワードやそれに近しいキーワードで表示されているページを理解することができる。
このレポートでは、上位に表示されていないキーワードとページを理解することにも役立つ。タイトル内、ヘッダー、alt属性、オンページSEO、タグ、コンテンツなどに、キーワードや関連語などを含めることにより、コンテンツを最適化するための手助けとなるだろう。
(c)ブロックされたリソース
Googleはあなたのページを正確にインデックスし、レンダリングするために、JavaScript、CSS、JQuery、画像、ファイルなどに完全にアクセスすることを必要としている。
robots.txtやその他の方法でGoogleによる上記のリソースへのアクセスをブロックすれば、Googleがあなたのページをインデックスし、レンダリングすることを妨げてしまうことになる。
このセクションでは、ブロックされたリソースの設置個所を知らせてくれる。
検索結果のランキングを上昇させるために必要なものは、全て、ブロックを解除すべきだ。
(d)URLの削除
いくつかのページはプライベートであるべきで、検索エンジンに見られたくない内容があるはずだ。
例えば、会員の個人情報、サードパーティー製のコンテンツ、ユーザーにとっては価値のないコンテンツなどは、検索エンジンがクローリングすることを避けたいと思うだろう。
このセクション内のツールは、Googleへ、そうしたURLをインデックスさせないように伝えることができる。”一時的に非表示にする”の内容を記載した後、キャッシュ、検索結果、どちらも、から該当のURLを削除するか選ぶことができる。一時的にURLを隠し、その後インデックス可能にすることもできる。
低品質なコンテンツ、価値のないコンテンツ、サードパーティーのコンテンツなどのURLを削除することは、SEOの改善につながる。そして、検索エンジンによる会員の個人情報へのアクセスをブロックすることは、あなたのブランドを守ることにつながる。
パート D:クロール
このセクションには、Googleボットのクロール率、抽出されたエラー、サイトマップ、ロボット、URLパラメータなどのレポート、そして、必要不可欠なFetch as Googleツールがある。
(a)クロールエラー
ここでは下記の項目を確認できる。
- Googleがあなたのサイトをクロールした最後の日
- サーバーエラー(リクエストのタイムアウト、Googleをブロックしているサイト)
- ソフト404エラー(URLは存在しないが、サーバーが404を返していないURL)
- 存在しないページに向けられているURL
- 関連性のないページにリダイレクトされているURL
- モバイル用のGoogleボットをブロックしているURL
上記のエラーを修復することで、あなたのSEOが改善されるだろう。
(b)クロールの統計情報
クロールの統計情報は、1 日あたりのクロールされたページ数、ダウンロードされるキロバイト数、ページの読み込みに必要な時間、が表示されている。
これら全ての情報が行動を喚起するものではないが、注意すべき情報も含まれている。
概して、GoogleボットがあなたのWebサイトにおいてどの程度活発か、あなたのページがどの程度重いか、軽いか、を知ることができる。
ページスピードの改善のためにPage Speed Insightsを既に使用している方もいるだろう。そして、新鮮で、助けとなるようなコンテンツを定期的に投稿していることだろう。もしそうでなければ、Page Speed Insightsを使用して、アドバイスに従って改善しよう。
(c) Fetch as Google
Fetch as Googleは、GoogleがあなたのURLを取得し、レンダリングする方法を試すことができる。
下記に、このFetch as Googleの使用法を記載する。
- Googleに取得してもらいたいURLを入力する。
- “取得”ボタンを押せば、URLが接続できるか、また、エラーやリダイレクトやセキリティ上の不備が無いかどうかを確認できる。こちらはコードの確認を行うが、ページのレンダリングは行わない。
- “取得してレンダリング”ボタンはページを取得し(上記の問題点は全て確認する)、レンダリングも行う。
- デスクトップ、スマートフォン、ハンドヘルド、そして、モバイルXHTMLやWML(モバイル用の古い言語)用のページも取得できる。モバイル用のcHTMLは主に日本で使用されているため、あなたが使用する機会は少ないかもしれない。
- ページを取得し、レンダリングした後、要求された場合は、Googleのインデックスに送信すべきだ。
その後、Googleは下記のステータスを返す。
- 完了
- Googleはあなたのページのクロールを成功した。
- 一部完了
- これは、JavascriptやJQueryなどのリソースの一部をGoogleがアクセスすることをブロックしている可能性がある。こうしたブロックは解除するべきだ。さもなければ、Googleはあなたのページを正確にレンダリングできなくなってしまう。
- リダイレクトされました
- 別のページへのリダイレクトを設置している場合。(ページの削除やその他の理由で。)
- 見つかりませんでした
- Googleはサーバー上にあなたのURLを発見できなかった。
- 権限がありません
- Google(と、その他のビューアー)がそのURLへのアクセスをブロックされている。
- ブロック
- robots.txtがURLへのアクセスをブロックしている。
- アクセスできません、一時的にアクセスできません
- Googleのリクエストがタイムアウトになってしまった。
- エラー
- GoogleがURLにアクセスできなくなるエラー。
Fetch as Googleを使用し、ページの再インデックスをする場合は、どんなときか?
- 上記のステータスを修正した後
- ページ内のコピー、画像、動画などを最適化した後
- サイトへ新しいカテゴリや、サブカテゴリを追加した後
- モバイル用にサイトを最適化したとき(スマートフォン用のオプションを使用する)
- sitemap.xmlやrobots.txtファイルを変更したとき
- 301リダイレクトを設定したとき
- SSLの暗号化を設定し、httpからhttpsへ変更したとき
(d) robots.txt テスター
Robots.txtファイル(domain.com/robots.txt)は、検索エンジンへ、クロールすべき(または、すべきでない)ページを伝えるものだ。
クローラーがこのページを参照した場合、非許可となっていないものは全てクロールする。
例えば、CGI-BIN、管理者のログイン、パスワードを忘れた場合、会員の個人情報などのページへは、検索エンジンによるクロールをさせたくないはずだ。
こうしたページへ検索エンジンがクロールすることを防ぐために、robots.txtファイルを記述する必要がある。
robots.txt テスターセクションはrobots.txtファイルをテストし、エラーや警告を報告してくれる。また、あらゆるブロッキングの確認テストも行える。
(e)サイトマップ
sitemap.xmlはSEOにおいて非常に重要だ。検索エンジンへ、変更があった日付とともに、あなたのサイト内のURLを伝えることができる。これにより、検索エンジンがあなたのURLを効果的にクロールし、インデックスする手助けとなる。
GSC内のこのセクションで、サイトマップの送信を行うことができる。また、送信したURLとインデックスされたURLの数も確認できる。
このツールを活用し、あなたのURLの全てがインデックスされるように、sitemaps.xmlをチューニングしよう。
(f) URL パラメータ
注意:コーディングについての知識がある場合のみ、このセクションを使用しよう。もしくは、開発者に依頼して、このセクションを使用してもらおう。
URLパラメータはURL毎に動的に付随される値だ。例えば、グローバルに商品を販売しているサイトの場合、異なる地域に適したページを表示するために、国別パラメータを使用しているだろう。
GSCのこのセクションでは、GoogleがこうしたURLを扱う方法を伝えることができる。
前述した通り、ここは非常にテクニカルな分野だ。そのため、開発者がいなければ、このセクションには近づくべきではない。間違ったパラメータを設定してしまうと、あなたのSEOを破壊してしまうだろう。
パート E:セキュリティの問題
今日、セキュリティの問題はあらゆるWebサイトの関心ごとだろう。
Googleはこの問題を非常に重要に扱っている。下記のようなスクリーンを見たことがあるだろう。
Googleは検索結果にも、下記のような画像を表示している。
また、フィッシングの警告も行っている。
あなたのWebサイトが感染していたり、ハッキングされていたり、脆弱性があった場合、それについての情報をここのセクションで確認できる。
一方、下記のメッセージが表示されていれば、あなたのサイトはきれいな状態であるということだ。
もし、サイトがハッキングされた場合はどうすればいいだろうか?
下記の動画を確認しよう。
サイトがハッキングされた場合、時間とお金の両方の意味で、コストがかかってしまう。幸運にも、Googleはこうした場合のチュートリアルを公開しており、こちらで確認できる。
下記に、そのプロセスのまとめを記載する。
パート F:その他のリソース
“その他のリソース”は、Googleのツール、ヘルプ、テスターのコレクションである。
下記に、まとめを記載しておく。
上記のリソースは全て役立つものであるが、全てが必須というわけではないだろう。
全てのツールに目を通すことに時間をかけるべきではないだろう。例えば、商品を販売しているサイトでなければ、”Google Merchant Center”を確認する必要はないだろう。
あなたのビジネスとSEOに最も重要なものを選び、それに注力すべきだ。
下記に、重要性を付けるために必要な4つのポイントをまとめておく。
- Pagespeed Insights:サイトの読み込み時間を改善し、SEOにおける即時的な改善を行うために使用しよう。
- Google マイビジネス:ローカルの実店舗のあるビジネスを行っている場合は、確認しよう。必須となるものだ。
- 構造化データ テスト ツールと構造化データ マークアップ支援ツール:SEOの基本をマスターしたら、構造化データを活用して、あなたのWebサイトを強化しよう。
- ウェブマスター アカデミー:SEOについて学びすぎるということはない。そうだろう?
まとめ
今回のガイドを読み込んでいただければ、地球上の大多数の人間よりもGSCについての深い知識が得られたはずだ。さらに良いことは、ここで得られた情報をあなたのSEO、Webサイト、そして、ビジネスのために実際に活用することだ。
GSCは強力なツールだ。そして、あなたがGSCについて詳しくなればなるほど、より優秀なSEO担当者となるだろう。あなたはどう思うだろうか?すぐにでもGSCを活用し、あなたのサイトの順位の改善に役立てようと考えているだろうか?
この記事は、QUICKSPROUT「The Ultimate Guide to Using Google Search Console as a Powerful SEO Tool」を翻訳した内容です。
上部のコメントでも記載しましたが、Google検索と同様、Search Consoleも色々と進化しています。今後追加される機能なども噂されていますが、まずは現時点での機能をしっかりと使いこなすことが大事ですね。非常にボリュームのある記事でしたが、SEOの改善に少しで役立てば幸いです。– SEO Japan